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『大作戦日誌』20030901-20030930

20030901/000994
『ソウルペダリングギアーズオンリー』
なんでもかんでも人生に例えるのは、
日本人気質の悪い所でもあり良い所でもあると思う。
それでも、
自転車は自分の意志とチカラで動こうとしなければ動かない所が面白い。
 
長い坂をゆくのは面白い。

大阪の平野部で暮らしていれば、味わえる事の無い重力感。
先日も奈良の明日香を自転車徘徊して実感したのだが、
何度味わっても新鮮な部分が在る。

山口県で走った、長くまっすぐな道。
いつの間にか自重が増した感覚を覚える。登り坂だ。
じわじわと確実に傾斜が実感されてゆく。

坂の楽しみが素人ながら解ってくる。

そして坂の頂点を越えた後に味わえるダウンヒルの加速快楽。
先刻まで汗と熱で疑問だらけだった自己行動の正当性が一瞬で確立する。
満足する為の行動という単純な図式。
単純故に永遠の満足など無いのだが。
 
悔しいのは、変速機が無かった事だ。
無い物ねだりはしたくなかったし、今の手元に在る物で楽しむ事も大切だ。
ギア比が固定されたママチャリで乗り越えたという自己満足も在る。

それでも、風と加速を味わえるダウンヒルで“足りない”実感が増してくる。
ギア比が単一という現実は、
“これ以上いくらペダルを漕いでも加速できない”加速限界点を早期に呼ぶ。

もっとギア比の大きい、もっと重いギアをくれ。
それが在れば、もっとこの道だけの気持ち良さを味わえるのに。

20030902/000995
『サドルになんかなりたくない日』
それでも、何時間も漕いでいると、
何処にでも在るママチャリが相棒に思えてくる。
いわゆる“乗り物の魔性”というヤツか?
 
だが、2時間もすると、流石にサドルに当たる部分が痛くなってくる。
尻の皮がムケそうだ。いや、このままだと確実に・・・
汗ふき用に複数持ってきたタオルを1枚、尻とサドルの間に挟む。
軽度緩解。
この先、自分で旅用の自転車を買うならサドルに注意しよう。

前腕に吹き出した汗水が、背中の汗と繋がってゆく。
100円ショップで買った小型温度計を見ていたのだが、
気温が摂氏30度を越えると発汗してくる様だ。自分の場合。

背負ったデイバックと背中の間は水をかぶった如くズブぬれだ。
乾かない。蒸せないのは、走っている間だけだ。
独逸のドイターというメーカーが背部通気を研究したデイバックを出してた筈。
買おう。まだまだ夏を走りたい。

今回、重宝したのは携帯に適した小サイズの制汗剤。
これも100円ショップで購入。
路面からの輻射熱も在り、制汗効果は全くアテにならないが、
熱を持った前腕や大腿部のクールダウンに有効感。
コレとストレッチで筋力が復活してくる。
 
負荷を付加し、通り抜ける。
自虐と克服というマッチポンプで不合理な行為の、奇妙な魅力。
結局、自分の様な人間はそうして小サイズの克己心を集めるしかないのだ。

20030903/000996
『猿人コントローリャー』
自転車を漕ぎ続ける全身が火照り、止まる度に自分の熱でサウナ状態。
熱エネルギーおそるべし。保存則を考えると面白い。何処から何処へ?

水分補給重視。500mlのペットボトルを前カゴに常備。対脱水装備。
次に自販機と巡り会えるまでの距離が不明なので予備も1本。精神的に楽。
コカコーラボトラーズの夏懸賞ポイントシールが続々溜まる。当たれデジカメ。
 
車だと、通過してゆく景色情報の密度がどうしても低くなる。
速度や運搬力と引替えなのだから、それを優先する旅には適しているが。

移動可能距離を考えればバイクも良好な乗り物だ。
50ccしか経験が無いので本当の魅力は解っていないのだろうが。

自転車は、景色を見るのに良い速度を人力で出せる乗り物だ。
瞬時に止まったり引き返したり出来るのも良い。
徒歩よりも気楽に道に迷えるのも良い。どうせ、いつだって迷う。

ふと見えた脇道。農道に通じる短い地下道に入ってみる。
朽ち果てたトラクターに会う。
 
目指す台地が「あんな先まで」と思う程のずっと遠くに見えても、
自転車だと徒歩よりも確実に素早く辿り着ける。

コツは、やはり気楽で居る事だ。
自転車の発動機は人体。エンジンコントロール。セルフコントロール。

20030904/000997
『坂道セミシグレマシーン』
秋吉台の入口には土産物店が建ち並んでいる。
その手前で、“山口秋吉台自転車道”の終点として駐輪場あり。
土産物店の並びから先は中国自動車道や秋吉台観光道路へつながる道。

ネット上では秋吉台を自転車で縦断して萩へ抜けてゆく強者も居られたので、
自分も途中までは走れるかどうか思案。
しかし、秋芳洞観光と秋吉台散歩を考えると時間配分が厳しいので走破は断念。
帰られなくなる無謀を目的とした旅では無し。
 
それでも、未練がましく急坂を自転車で登ってみたり。
土産物街を迂回するように在る坂道を前進・・・しようとするが、
急勾配と疲労と暑さで自転車を押し登りする事に。
もはや目的意識曖昧になりつつも、引き返すのが嫌だという感覚だけで前進。
秋吉台ユースホステルを横目に見つつ辿り着いた交差点で案内版発見。
展望台は、近い。
もうひとふんばりだけ登ると駐車場。秋芳洞に通じるエレベーターも在り。
秋芳洞は中間点のエレベーターを利用する事により、
洞窟観光の途中でも100円追加で秋吉台散策が出来る様になっている。

ここまで来て、やっと自分に納得がいったので駐輪。流石に自転車は1台。

展望台への歩道が、登り坂になって待っている。
「いっそこの坂も自転車で・・・」と考えたが、これは徒歩で正解。
自転車向きの道ではなし。歩くべき道。
雨に会わなかった数日間だったが、蝉時雨が疲れた心身に染みてくれた。
今年大量発生したクマゼミや定番のアブラゼミ勿論の事、
大阪では聞こえにくくなったヒグラシやハルゼミやツクツクボウシの声達。
 
坂道を登りきると解放される視界。
実に、坂道は期待を獲得する為の大型装置だ。

20030905/000998
『おもろい珊瑚礁』
まず地下へ向かうのも良かったが、しばし思考。
辿り着いた自分が気持ちいい方へ向かう。
まずは水分補給しつつ『秋吉台科学博物館』で見学と小休止。
秋吉台で発掘された化石・骨格標本・剥製などなどが目を引く。
この、秋吉台と秋芳洞の勉強が出来る施設が入館無料とは太っ腹。
 
ウミユリや三葉虫は予想範囲だったとして、
オオツノシカやニホンサイは眼前に示されるとやはり意表を突かれる。
でかい。山の中で不意に出会うとお互い不幸だが。かっこいい。なでくりたい。
 
愛媛と高知県にまたがる四国カルスト、福岡県の平尾台カルスト、
そして山口県秋吉台の3箇所は日本三大カルストと呼称される。

秋吉台はその中でも総面積130キロ平方メートルと日本最大規模を誇る。

起源は約3億5千万年前。
太古の珊瑚礁は発達しつつ海洋プレートにより1億3千万年かけて大陸側へ移動。
海洋プレートが大陸地下へ潜り込む年月の中で珊瑚礁は大陸上面へ分離上昇。
そして海面へ、海上へ。時の中で陸上へ。

厖大なる時と、その果てに来た時代。
絶滅した獣の遺産を糸口にして思考旅行してみる。
 
・・・足りない。
足りないのは単なる想像力だけではなく、その基盤たる実体験の世界観だ。
まだまだ見に行かねば。

20030906/000999
『ダンジョンシープ』
秋吉台の遊歩道を歩く。正午。
陽射しは強く、地表岩石の陰影を濃くする。
遊歩道どころか、カルスト台地の見渡す限りの草原に人影は無い。
 
岩石の溶食によって生ずる地形をカルスト地形(karst topography)と言う。
溶食による窪地や、地表に羊の群れの如く並ぶ白い岩石群。石灰岩の美しさ。

カルスト地形では、地表に河流が少ないのが特徴なのだそうだ。
雨水は、岩石の亀裂や陥没による吸い込み穴を通って地下水流となってゆく。
その水流が地下を溶食し、洞窟を形成してゆくのだ。

秋吉台においても、岩石の影や草原に隠れて人知れず“穴”が開いている。
思えば二十数年前、手塚先生の『バンパイヤ』でその事を知ってから、
カルスト地形には奇妙な憧れを伴った危険性を覚えている。
 
地に向かう穴を隠し持つ台地。
魅力的でない筈などあり得ない。その穴の先は誰知らぬ地下迷宮なのだから。

20030907/001000
『空と穴との間には』
秋吉台を訪れたのは修学旅行以来だが、
社会人になり自分の収入と責任と行動で辿り着いた達成感は、現在ならでは。

こんなに気持ちいい場所だったのか?
 
記憶の揮発で感動を忘れていたのか? 
集団行動ゆえに注意力散漫だったのか?
そもそも観察力が未熟すぎたのか?
・・・多分、それ以外の原因も含めて全部だ。

日本国内でも少なくなってきた“手つかずの草原”・・・
それは管理にも基づくものではあるけれど、開放的空間構成は心地よい。

もはや希少種となった植物も、此所にはまだ在るという。
痩せて厚みの少ない土壌に、それらは生き続けている。
計画的に野焼きも行われ、土壌の栄養化を助けているのだという。

ヒトはどうあっても周辺環境を変え続けていくが、
こうして部分的にでも“維持”への技術駆使が見えるのは安心する。
それが真にその場にとっての良さかどうかは別問題だが。
 
無闇に草むらに入ってはならないのは、その危険性と環境保全。
自転車を置いてきて良かった。
想像力も無いままにマウンテンバイクで走れば気持ちも良かろうが、
此所は多くの人々と時間が保ってきた場所だ。
その事実をも想像できるチカラこそを持ちたい。

20030908/001001
『夏みかんアップダウンクイズ』
秋吉台自然研究路は、ゆっくり歩いても30分。
更に大きい周回道も在るのだが、それは次旅のお楽しみに。
四国カルストも行ってみたい願望増大。
 
展望台まで帰還して、売店で“夏みかんソフトクリーム”を食す。
観光地独自の、いわゆる御当地アイス。
秋吉台では2店が何やら本家争いをしている様だ。真実は如何に?
チャイナドレスの看板嬢が居る方にする。暑さと青空で更に美味。

この売店では岩石詰め合わせセットが安かったので惹かれたが、
帰路も自転車なので我慢。
軽量維持。発動機に頼れる乗り物では無し。ジリキの自己責任。
購買制限ではなく無駄遣い抑止機能なのだと自分に言い聞かせる。

エレベーター乗り場まで戻り、秋芳洞に突入。
このエレベーターは、
秋芳洞正面入口から入洞した観光客が途中で地上観光する為の設備。
そうは言っても、当然、この地点からの洞窟観光も可能。
どっちの入口が良いかは各人の心情次第。
登って登って降りて降りるか? 登って降りて登って降りるか?
せっかくジリキで登ってきた標高。洞窟内部でもその一部を徒歩で登るも一興。
 
自分の行動が一般的に正道であるかどうかよりも自分が楽しめるかどうかは重要。
他者と関わる業務や日常の行動ではなく、自身にこそ関わってくる行動だからこそ重要。
自分で組み立てる旅の面白さは、自己満足と反省の境界にこそ在るのだろうし。

ボタンひとつでエレベーターは一気に地下80mへ。具体的な数字が琴線に。
外は見えぬ。途中で止まってしまう事を心配しすぎる人には辛いかも。

このエレベーター縦穴を活用してトコロテンは出来ないものか?ぷにっと。

20030909/001002
『幻想洞窟創世記シュウホウ』
秋吉台の地下、新世紀を迎えても闇と未踏域を広大に含み在る秋芳洞。
特別天然記念物にも指定され、東洋でも有数の規模を誇る大洞窟である。
だが、衆目を集める様になったのは近年になってからであった。

明治末期、地元の人々が誰ひとり近付こうとしなかった洞窟が在った。
ひと呼んで“滝穴”・・・

秋吉台を、その“滝穴”を訪れた1人の男が居た。
「なんというッ! 霊気ただよう美しさかッ!!」
鉱山業を営む梅原文治郎氏である。

梅原文治郎氏は“滝穴”調査に、人生の意義在りと決意。
専門的・学術的な調査を2人の男に依頼。
その2人こそ、広島高師の地学教授である中目覚氏と、
山口高商に勤務する英国王立地学協会員エドワード・ガントレット氏であった。

「この地を、この美しさを世界の人々に見ていただかなくてはならぬッ!!」
調査により驚異的な規模をもった大洞窟である事を知った梅原文治郎氏は、
全財産を投資して開窟式を行ったという。
 
その後、本格的に公式学術調査が行われた結果、大正11年に天然記念物に指定。
大正15年、当時の皇太子であり後の昭和天皇が洞内を探勝した際“秋芳洞”とご命名。
昭和27年、特別天然記念物に指定。
 
嗚呼!
未知の大洞窟へ探検し、
探照灯の光さえ届かぬ巨大な地下空間を体感した諸氏の感銘は如何ばかりか?!

・・・・・個人的には、ガントレット氏が屈強なナイスガイな妄想ビジュアルで。
あと、調査隊メンバーに・・・“実は独自に調査していた地元の才媛”とか、
“博士のひとり娘が勝手について来た”とか希望。

20030910/001003
『入口シュウホウ』
秋吉台の読みはアキヨシダイ。秋芳洞の読みはアキヨシドウ。
しかし、シュウホウドウの読みも一般的。
正式にはどちらが?と思っていたのだが、命名はアキヨシドウだそうだ。
しかし、秋芳洞が秋芳町(シュウホウチョウ)に在る事から、
シュウホウドウの読みも一般的になっているとの事。洞窟に歴史アリ。
ちなみに、漫画家の板橋しゅうほう氏の由来は、
本名が秀法(ヒデノリ)さんとの事なので、そのもじりなのではと勝手に想像。
 
洞窟ゆきのエレベーターを降りると、一瞬にして洞内の冷気に包まれる。
「はぅ!」エレベーターに同席した人達と全員で感嘆。

前述の通り、洞窟の中間点にエレベーターは到着する。
まずは下方の正面入口を目指し、引き返して上方を散策し帰還する事に。

数多い奇岩群を見つつ視線を遠くへむければ入口の光が見える。
あの光の向こうには橋が在る筈。
『バンパイヤ』で自ら物語内に登場していた手塚先生が入口に逃げ込むひとコマを追憶。

洞窟内の景観も勿論良いのだが、正面入口から射し込む陽光が印象的。
今、此所に居る洞内が異界に相違ないにも関わらず、
網膜に染みる陽光の先に在る外界の方が奇妙に幻想的でもある。
 
暗闇を歩いて居れば、光こそが鮮烈たる存在。

洞内の歩道に照明は在るというのに・・・
ヒトの視覚は光にこそ依存しているのに、薄闇の中で光は無意識下だ。

面白い。

20030911/001004
『万能地底空間ウルトラモグラス人』
秋芳洞正面入口から近い場所に“探検コース入口”という表示アリ。
追加見学料100円を料金箱に入れ、懐中電灯を借りて登る。
通常の見学道より十数メートル上の回廊を歩かせてもらえるのだ。
地下水により結構濡れているので足元に注意しなければならないが、
そのぶん面白い。
途中の空間で独りになれたので状況を楽しみつつ十数分で通常道に帰還。
 
今春、行動隊『ドーゼオーバーズ』で日帰り探訪した、
岡山の“満奇洞”“井倉洞”の寂しい状況と全く異なる盛況ぶり。

個人的には、洞窟という異空間を雑音無く孤独なままに楽しみたい。
雑踏の中で個を感じる不意ではなく、意図的に地下へ進んだのだから。

されど、秋芳洞における天井が見えない程の地下大空間は実に魅力的。

蒼天の大空間も大好きだが、地下に包まれた空間も面白い。
区切られた大空間。闇と闇の狭間に広がる無明。閉塞の中の解放。
未知への憧憬。一寸先の冒険。再び日常へ帰還する為の異界。
 
そんな嗜好を持つ身にとっても・・・
ジェニファー・トス氏の著作、
『モグラびと ニューヨーク地下生活者達』は興味深い本だった。

女性ジャーナリストが、
地下水道や地下鉄に不法居住する人々の空間に潜入して書き上げた渾身のルポ。

当時で3千人とも5千人とも言われつつ全体像も詳細も不明な居住者群。
地下生活を重ねてゆく中で、著者の心理変化が実に印象的。

拡大解釈してゆけば、地下都市計画が確実にはらんでいる問題も見えてくる。

ネタバレになるので詳しくは書きたくないが、
著者が“帰還”を決意する“自覚”に至る描写は胸に迫るものが在った。

暗闇に入り込むのも閉じこもるのも脱出するのも、
結局は想像力と自覚と決意が肉体を駆動せしめるのだ。

20030912/001005
『セイシした洞窟』
春に行った岡山県の“満奇洞”“井倉洞”は、
横溝正史氏が作品群を執筆するにあたって様々に触発された地だという。
氏は、疎開地であった岡山の情景を作品群に多く取り入れている。
その為、映画のロケも実際に岡山県で行われたものが多いそうだ。
映画化が特に多い『八つ墓村』は、秋芳洞でも撮影された事が在るとの事。
 
そんな事を思い出していて・・・ふと気付く。
洞窟の中で光を観るという事は、映画館の暗闇で映像光を観る事に似ている。

光を観る事は、単純に無自覚なのではなく、
光を観ている自分を認識しつつ光を認識しているのではないか?

ならば、“観光地”という字面も興味深い。
 
解った様な解らない様な問いと一緒に、洞内歩道を歩く。

・・・・・感光?

20030913/001006
『3億5千万年の罠』
秋芳洞には、特別天然記念物指定が文句つけられぬ程の奇観美観が在る。

それでも、観光地として有名になった地にとって不幸なのは、
人々の不作法に晒される事だ。
 
遊歩道から逸脱しているヤカラが散見されるのには、げんなりする。

今風に小奇麗にした二十代女性が、
“千枚皿”鍾乳石にズカズカと入りしゃがんで手を洗っていたり。

何千年何万年かけて形成されたものという実感が全く無いのだろう。
古ければ良いというものでは無いが、それは別軸の論点。
現時点においても維持整備されている方々の努力を無視して良いものでは無い。

結局、想像力の無いヤカラが様々な時間の積み重ねを破壊してゆくのだ。
ヒトは破壊の上に反映しているイキモノだが、
想像力が無ければ無い程に無自覚な破壊が増殖してゆく。

そしてそういうヤカラ程、別軸の論点をヒステリックに主張して逆ギレする。
社会生活者である以上、我々は様々な視点や様々な時点で値踏みされ続けている。
それは・・・生活態度であったり、ふとした動作であったり、容姿であったり、
約束であったり、仕事であったり・・・ありとあらゆるものが試験機構だ。
繊細すぎる人や負い目持つ人には、世の中全部が罠だらけに見えるかも知れない。
 
少なくとも・・・
秋吉台には、3億5千万年の時間をかけて仕組まれたトラップが在る。

当たり前の常識を持つ足取りで、細く長い遊歩道を歩きたいものだ。

20030914/001007
『チャリのスタンドは高く蹴れ』
いろいろと思ったり思わなかったりしながら地上へ。
秋芳洞エレベーターの帰路は、多透の他には推定25歳女性の2人組。

『どっから来はったんですか?』(よそいき大阪弁)
「あ・・・、愛媛からなんですよ、はい」
「・・・もしかして関西の人ですか?」
『大阪から来て、山口駅から自転車ですわ』
「・・・はぁ?! 冗談でしょう?」
「私達も、山口駅からバスで来たんですが結構ありますよ」
『2時間少しで来れたけど、世の中にはもっと凄いのんも居てますんで』
「あ、しまなみ街道を自転車で渡る人、とか」
『それ、去年の夏にやりました』
「はぁ・・・」
『や、でも、凄い人らは1日で愛媛・広島往復するらしいですわ』
「ぅわ・・・」
  
こんな時は、安逸に自分を誇示するよりも更に凄い人が居る事を伝えたい。
自虐や自蔑の感覚も在るのだろう。だが、浅はかな自惚れに気付かないよりマシだ。
凄い他者を言葉にすれば、自分の耳にも聞こえるから目標にもなる訳だし。

とにもかくにもあきれられつつ、地上到着。

駐車場は、バスの発着場にもなっているので時間待ちの人々が十数人。
さっきの彼女達に会釈しつつ、おもむろに観光案内図の影から自転車出動。
・・・・・ママチャリだったのが大層ウケた様で、手を振ってくれた。

旅先で話をするのは色々と面白いのだが、この場合は嬉しいのやらどうやら。

20030915/001008
『いいユダな』
ひたすら走って山口駅に4時過ぎ到着。

18きっぷで隣駅へ。巨大キツネ像を拝見。駅の名は湯田温泉。
日本にはキリストの墓と言われる地も在るわけなので、
そういう話が好きでそそっかしい人はユダと即座に結び付けてしまいそうな名だ。

漢字を普通に考えれば、日本の地名として至極普通の命名法なのだけれど。
 
日帰り入浴できる温泉が徒歩10分圏に在ったので、1日の汗を流してスッキリ。
本日初めて正規の食事。

館内の自販機では何故かドクターペッパーが在庫アリ。
販売圏の関係で、関ヶ原以西の近畿では流通していないと聞いていたので驚き。
それもまた青春の味。

帰路は再び青春18きっぷ使用で夜行快速ムーンライト山陽。
月曜早朝帰阪で、そのまま仕事。
だが、車内で眠れるし朝風呂に入る余裕も在るので疲労感は無し。

20030916/001009
『Map By Yourself』
ネット上の旅記録というものは、旅前の身にとって結構参考になったりもする。
だが、旅の姿勢や価値観は個人によって異なるのが普通。
旅前に知っておきたかった事が書かれているとは限らない。
 
しかし、参考にした事によって生じた問題等については、自己責任。
なんらかの問題が生じた場合においても、
“当方は一切責任を持ちませんので御了承を”が基本。
 
当『タスクダイサクセン』旅日記その他全般においても同様なので、
あしからず御了承の程よろしくお願いする次第。

20030917/001010
『ダイヂェスト・ムーンライト』
“山口秋吉台自転車道”は、多透の様な初心者でも楽に完走できる道。
そのせいか、ネット上にもあまり走行記録が公開されていない。

今後、多透が旅前に気になった事は所要時間。
地図上では高低差があまり無いので辛くなさそうなのは解る。
だが、自転車素人にとっては何時間で走破できるのかが試算困難。

結論から言うと、往復で約5時間というところ。
速度重視・観光重視などの目的差を考慮しても普通の脚力で5時間あれば。
変速機付き自転車でエネルギー効率良く走れば4時間切るかも。
 
今回の旅略歴を参考までに・・・

土曜夜自宅出発。
日曜午前0時15分、大阪駅を夜行快速ムーンライト山陽発車。
自転車を分解もしくは折り畳んでの輪行者もちらほら。
車両後部に大荷物用棚が在るので皆さん御活用。
下関まで行く列車だが、今回は広島駅までガラガラだった。

山口県に突入し、小郡駅に午前7時50分到着。山口線に乗り換えて山口駅へ。
乗り換えは待ち時間ほとんど無しだったが、余裕持って次のを待っても良いかも。
午前8時半頃、山口駅到着。
駅レンタサイクルが8時半開店なので貸し出していただく。
近くの美容院前で、ウルトラマンAに会えるかも。
山口駅南西の巨大歩道橋が出発点の目印。
川の横を気持ち良く走り、ダラダラ勾配の坂を越える。
坂は直線が多いので速度はともかく長く見通し良いダウンヒルが楽しめる。

“山口秋吉台自転車道”は、山口駅からひとまず小郡方面に2駅ほど南下する。
その為、輪行する人はもっと手前の駅から出発しても良いかも。

山口駅出発後、2時間15分で秋吉台到着。
秋吉台・秋芳洞散策をゆっくりしても2時間少々あれば忙しくなく観光可能。

帰路は道の記憶が在るせいか、2時間で山口駅帰還。16時。
湯田温泉で日帰り入浴。ゆっくりしてたら18時。
帰路のムーンライトは下関を20時36分に出発する。小郡には21時45分到着。
ぼぉっと待つのもナニなので、時差と18きっぷを利用して防府へ移動。
しかし、流石に観光時間は無いので、
夜の町並みを見つつ防府駅から徒歩15分程のBOOKOFF防府店へ。
列車から店の看板確認可能。女子店員ズの接客対応が鮮烈に良い店。

帰路のムーンライト山陽においても広島まではガラガラ状態。
輪行する人は置き場所確保も楽に出来るかも知れない。
 
ムーンライト利用ではなく、昼間の在来線&18きっぷで帰阪すると約10時間必要。
高速移動可能な人や秋吉台到達のみで帰るならば14時山口駅ギリギリ間に合うかも。

ちなみに今回の運賃込み総費用8000円ぐらい。

20030918/001011
『トライライトトーン』
今回の山口行は帰路も夜行快速にしたので旅先での夕暮れを楽しめた。

今までも様々な形式で月曜早朝帰宅即仕事は在ったが、思ったより疲労感は無い。
旅の高揚が継続したままで心身を継続駆動しているからだろうか。

自力移動での早朝帰宅では疲労が出る場合も在るが、
夜行列車・夜行フェリー・夜行バス等の交通機関を使用すれば問題無し。
基礎体力云々よりも、何処でも眠れる性癖の利点面か?
 
旅する人なら御存じの通り、知らない土地での夕暮れは実に趣き深い。

勿論、知らない町で夜の中を歩くのも良い。
知らない町が更に迷宮性を増す時空間へ歩を進めるのは面白い。

勿論、知らない土地での夜明けも良い。
ただ、黎明の光変化の妙は短時間の中に濃縮されているので、
移動の中よりは能動的に立ち止まって空の変化を観たい。

黄昏は、佇んでいても移動していても趣深い。
昼と夜の狭間に在る薄明領域ならではの高揚感。
その変化流転を佇んで呼吸するも良し。
その異質感の中を進んでゆくのも良し。

海岸や湖畔、雪原や雑木林、空の広い場所での色彩変化。

遠くに港が在る筈の長い海沿いの道、其処をゆく茫漠とした予感。
不思議な程に人影の無い大きな川の堤防の上に続く道、その不安ゆえの郷愁。
そんな風に時間と一緒に移動する気配の在る黄昏移動には代え難いものが在る。

嘘もはったりも成立しないままに、黄昏が周辺情報を切削してゆき、
そうして自分が自身の意識の中に浮き彫りになる瞬間。
それが旅の中での一瞬なのだから、面白くない筈がない。
 
その後に泊まる宿の手配も出来ていない状態なら、なお良し。

20030919/001012
『オレ達いつでもリアス式』
先日、綿密なリサーチをしたトコロ、男子2名中で実に2名もの割合で、
“小学生の時、リアス式海岸の落書きをした事がある”事実が判明ッ!!

以後の調査はNASAに委託するとして、それ以外の事を熟慮してみた。

かくも男子の冒険心を刺激カンゲキせしめるリアス式海岸とはッ?! その魂とはッ?!
 
・・・つまるところ、“其処に海岸線が在る”という夢想以前の現実がシビれさせる要因では?
其処に道は在るかも知れないし無いかも知れない。未知は在るだろう。

少なくとも、車が走る事の出来る道路が在る可能性は低いだろう。
もし車道が在りとても、リアス式海岸線を綿密にトレース可能な道ではあるまい。

ならぱ其処を踏破する為には、人力移動が重要かつ適切な手段となる筈だ。
いやッ! リアス式海岸を真に踏破するには人力移動こそが正当な手段であると言えよう。
“其処をゆくにはジンリキしかあるまいてッ!”という地形真実が魅力にダイレクト接続。

人力移動の王道は、徒歩。
この単純かつ厳然と在る王道は、現在過去未来において多くの者を魅了して止まない。

だが、この複雑怪奇な現大社会をゆく社会人たる者、徒歩のみに邁進する事は時に困難。
体力や休暇制限などなどにより、移動速度や移動効率を高めねばならぬ事しばしば。
ならば、その打開策としてこそ人類の英知が活用すべき王道。

かくして人類は、乗り物で在りながら人力駆動を本分とする人力移動機を開発してきた。
人力飛行機・人力車・駕篭(カゴ)・竹馬・肩ぐるま・・・・・そして自転車などである。
 
以上の事をかんがみ、わたくしはッ!
かねてからの購入願望であった、折り畳み自転車の購入に踏み切った次第なのである。

20030920/001013
『折って畳んで走り出せ』
COYOTE “SHELTER CLICK” コヨーテ・シェルタークリック

ハイグレード折りたたみサイクルとキャリングバッグのセット
【スポーティ】で【ヨーロピアン】
イギリスの有名ブランド「COYOTE」の18インチ折りたたみ自転車。
アルミフレーム、アルミハンドルなどを使用して約10.5kgの軽量を誇ります。
シマノSORAの7段変速、Vブレーキ採用など、このクラスは性能に余裕を感じます。
ぜひ乗っていただきたい高品質なおりたたみ自転車です!
キャリングバッグ付き!
折りたたんでキャリングバッグに収納すれば、電車などに持ち込みできます。
旅行に持って行けば行動範囲が広がり、徒歩ではなかなか行けなかったところも行けますね。

■フレーム:アルミ合金
■フロントフォーク:アルミ合金
■リム:アルミリム、
■タイヤ:18x1.50
■スポーク:ステンレス
■フェンダー:樹脂製、
■ハンドル:T型アルミハンドル
■ギヤクランク:アルミ170mm 44T、
■シフター:グリップシフト
■Rディレーラー:シマノSORA
■フリーホイール:11-28T
■シルバーチェーン
■付属品:ベル、リフレクター、ワイヤー錠、ドロヨケ、ベル、スタンド
■折りたたみ時のサイズ:約78cmx約38cmx約58cm(縦x横x高さ)

■本体 メーカー希望小売価格: 58,000円
■キャリーバッグ メーカー希望小売価格: 5,000円
================================
以上、通販ページより。
 
ふぬーむ。
別売りで買うと、同程度のサドルや輪行バッグは各5000円以上。
多少の未舗装路は走りたいのでドロヨケが標準装備なのも嬉しい。別売りだと2000円程度。

大阪の堺市が、いゃ、日本が誇る変速機世界2大シェアの雄たるシマノ変速機中でも、
“SORA”はエントリーモデルといえども多透の様な素人には必要充分すぎる精度製品。

15kg以上は荷物も含めると辛い程ではないにせよ出る気が削がれてくる。
約11kgの軽量。これなら持ち運びもしようという気になる。

これが今なら特価38000円でッ!?
 
うぬーむ。
上を見るとキリが無いし、高級車は小心者なので乱暴に扱い辛いし。
勿論、高価格には部品精度など正当な理由が在るのだろうけれど。
初期投資が高額だと、故障や盗難時のダメージも辛い。

この値段ならばッ!
収入が上がっても額面固定のままにしいている使途自由金(こづかい)の蓄積でッ!!

・・・・・購入。

20030921/001014
『イエローチャリンコロード』
その様な経緯により購入した折り畳み自転車「コヨーテ・シェルタークリック」色は黄色。
オレンジとどちらにするか迷ったが、どちらにしても満足できると判断したので明度で選択。
 
値段が6桁な高級自転車には乗った事が無いのだが、明らかに廉価ママチャリとは違う感覚。

18インチの車輪で走るのは何年ぶりか? 
昔はママチャリと言えばこのサイズのミニサイクルだったが。
車輪が小さいのとサスペンションが無いせいで、路面からの振動は流石によく伝わる。
初乗りして最初の数分間は、片手運転すると不安定感が在ったぐらいだ。
慣れてからも汗ふき等は停車してからを心掛けよう。
運転しながら携帯電話や喫煙などという阿呆は元からしたくはないが。
 
路面からの振動が在っても、尻のダメージはかなり軽減されている模様。
穴あきサドルが上手く尻を支えてくれているのか。

ママチャリ行軍だと5kmも走れば尻の皮がムケる予感がしてタオルを座布団にした。
この自転車&サドルだと、
試しに1日で130km走ったが尻に元気在住。良し。

20030922/001015
『変身自転車コヨテ』
折り畳みは、フレームの中央を折る方式で強度が心配だったが心配無用の様子。
フレームパイプが楕円形になっているのも強度確保に役立っているのか。
折り畳みのロックも2段階になっていて不意に外れる心配は無し。
 
アルミ溶接のモコモコ跡が目に付いたが、
これにプラモデルの様なパテ埋め表面処理を持ち出すのは不粋だろう。
必要充分の質実剛健。

ハンドルの高さが変えられるポジション変更のメリットは素人ゆえにまだ実感できず。
色々と試してみたい。

折り畳んだ時に収納形態がロックされると良いのだが、この価格でそこまで望むのは?
付属のベルトで車輪同士を固定すると折り畳み状態でも不安定ながら自立する。
もちっと自立安定性が在れば輪行袋に入れる時に楽なのだが。数度で慣れる。

不満をそのまま放置するよりも、数をこなせば慣れるのが道具らしくて良い。

20030923/001016
『いつか使うキャリア』
“専用”と名乗ったリアキャリアを同時購入したが、これは少し失敗かも。
折り畳み時にサドルを下げる必要が在るのでリアキャリアが妙に上方に位置する事になる。
その為、妙なスタイルになるのだが、乗ってるウチに慣れたのも事実。

でも、リアキャリアが無い方が輪行バッグに入り易いのも事実。
重い荷物を背負っての長距離は辛いので、テントを持っての自転車旅行の為には良いか。
日程さえ確保できれば、テント連泊で徘徊したいものだが。
 
7段変速もなかなか快適。ハンドルグリップでの変速も楽々。
小学生の時、センターフレームに付いた変速レバーをガチャガチャしていたのが懐かしいが。
どう考えてもハンドルから手を離さなくて済む方式の方が安全だろう。
変速時のカチカチ音が結構大きいのに驚いたが、すぐに慣れた。

この形式のものが開発された時、
カチカチ音でシフトチェンジのタイミングを悟られるとプロの批判があったそうだ。
しかし、そのギアチェンジの確実性で市場を席巻したのもまた事実。

坂道に限らず平地においても、
自分の産出した運動エネルギーが効率良く移動速度に変換されている悦楽。
町中で無謀な挙動はしたくないが、常識的な速度で走っていても疲労度が全然違う。
 
自転車に限らず、
新しい道具を手に入れて実際に使用する事でしか解らない実感を積層してゆく事は、
いつまでたっても面白い。

20030924/001017
『普段変速機』
そんなこんなで、なんだか妙に気に入ってしまっている折り畳み自転車。
 
変速機の無い廉価版折り畳み自転車で、
ペダル漕ぎまくっても進みにくい姿を見かけると小径車には変速機必須と実感。

それでも普段の通勤は変速機無しのママチャリ。
そしてそれはそれで気楽さ故の良さが染みてきたり。
平地ばかりの通勤路で、周囲に迷惑かけない程度の速度で動くには必要充分。
荷物乗せるし。変速機無し故の気楽。それもまた質実剛健。

新しいものを手に入れたからといって、脳内をそれだけに染めきってしまえる年頃でも無し。
気持ち良い道具を気持ち良く使うには、やはり適度な距離感か?

細部に固執したりカタチから入ったりなオタク気質が自分に在る以上、
もちっと高額なブツを買っていたら頭でっかちになっていた事だろう。

何かを買ったからといって、それを世界の中心だと自惚れる様な幼さでは居られない。
高額なものを所有していても、自分が高額な値打ちになるワケでも無し。

こういう思考の落とし穴は、自分の実動から遠い場所にほど開いているのかも知れない。

ジャパニメーションが海外でも市場を獲得しているからといって、
それが世界の極小部分で在る事も思考に上げず、
まるで自らの排他内向性まで正当化してしまう負けオタクの例を出すまでもなく。
 
まぁ、
今回好きになったものも、自力で動かさないとどうにもならんもので良かったという事で。

20030925/001018
『お前はコヨーテの生まれ変わりじゃ』
で。気に入ってはいるのだが、名前が何やら不可思議。

「コヨーテ・シェルタークリック」・・・

コヨーテはブランド名だからともかくとして、
映画『ヴァンダム・イン・コヨーテ』をハズミで連想。
その映画の内容はジャン・クロード・ヴァンダム映画だからいつもの様にいつもの如く。
“キメ技は後ろ回し蹴り”の安心定番設計・・・
 
で、シェルタークリック? ・・・待避壕叩き? 
自分では安息の場だと勝手に思っているが実はボロ紙程度の強度しか無い引きこもり待避壕。
それを叩け、と?  

・・・や、クリックだから“カチッ”と音を鳴らせ、と? 
謎。
なにかの暗号かッ?!
 
でも、それはそれとして、ロゴがカッチョ悪い。
エゲレス人のセンスは解らん。

20030926/001019
『おもちゃりん』
足慣らしに、
“小豆島徘徊130km”とか“飛鳥で道に迷いました60km”とかで遊んでみて気付く。
 
その、自力移動の面白さ。

運搬力では四輪車、機動力ではモーターサイクルの方が断然優れている。
原チャリも面白いけれど、
デブデブに太って乗っている人を見ると“乗せられている”感が視覚的に辛い。

手に入れたものを過剰に礼賛する不作法はしたくないが、
運転免許を手に入れて車や50ccを動かした時とは別系統の面白さが明らかに在る。

漫画家やアニメーター等インドア仕事な人にも自転車が流行っているというのが、
なにやら肉体で理解できる。
それはそういう気がするだけで、個人個人の嗜好など流動する故に計りにくいけれど。

それでも・・・他者の話で誤魔化すのではなく己の身で計る事は出来る。
インドア系オタク嗜好を言い訳せずに自認自覚しつつも、
日々をそれのみに終始する様な落とし穴から抜け出てはいたい我侭な我が身。
そういう思考を実動に移す自力駆動機として、自転車は面白い道具だ。
 
勿論、それだけで世界の全部が変わる訳ではない。

いきなりそれだけで“人生”を論じる事が可能な日々を送っている訳でもない。

だから、自力移動する事で遊べる“気持ちの良い玩具”を手に入れたのだと思う。
大仰にリキむのではなく、おもちゃとして面白がっていこう。

20030927/001020
『輪 of レジェンド』
本日も元気に仕事をこなして帰宅。
そうしますと、庭先に見なれぬ自転車を発見ーッ!
 
なにやら新しめなマウンテンバイク。
高価なブツではなさそうだが、18段変速。素人には必要充分。
さてはッ! 真面目に働くボクにサンタ伝説復活かッ?!

鼻息を気付かれぬ様にハフハフしながら確認に向かう。
 
マイ親父が“自分の為に”買ったブツでした。

20030928/001021
『アスカイヤー倶楽部』
そんなこんなで、今年も“毎月他府県徘徊”の野望は達成できそうな予感。

ここ2年は唯一の長期休暇がとれる正月休みに北海道行が在ったので、
“毎月他都道府県徘徊”が出来ているとも言える。
 
そんな中、自転車行動が可能になったので、
近く故に足を運ぶ事が先延ばしになっていた場所も少しずつ走破中。

小学校の遠足以来な飛鳥地方も9月に徘徊。
ちなみに、関西人でも結構混同し易いのだけれど、
“飛鳥”は地方名で“明日香”は市の名前。

大阪から信貴生駒の山々を越えると、視界がのどかに拡大するのが良い。

飛鳥葛城自転車道というのを目的に走ったのだけれど、
起点から十数キロ離れたJR王寺駅から走り始めてしまったので迷う迷う。

それでも、始発電車での輪行は楽々だし、早朝空気の中は心地よし。
 
巨大かぐや姫も応援してくれる。
応援してくれるのは良いのだが、道に迷うのが面白いので迷い放題。

20030929/001022
『先払いされないもの』
道を間違ったのか自転車道が整備中なのか行き止まりも出現。
それはそれで面白いので、汗まみれになってぐるぐるっと。

累積距離・走行距離・最高速度・現在速度を表示してくれる、
サイクルコンピュータを装備した事もあって、移動自体の面白さ拡大中。
 
今時、携帯電話を持ってない身。
なれど自分の必要性とは別に、そろそろ「持て」という声も周囲に。
以前、プリペイド式のを使わずに使用期限が来てしまった事も在るので、
少しでも有効活用を思案して、GPS機能付き携帯電話も検討中。
 
でも、道に迷う楽しみが薄くなるのは嫌だなぁ。
道具に振り回されない様に“ここぞっ”という所で使おうと、買う前から決意。

20030930/001023
『町の便利岩』
さんざん迷って、目指していた近鉄飛鳥駅を気楽に通り過ぎてしまう。
されどそのおかげで、予定してなかった“益田の岩船”に辿り着けたり。
 
橿原市見瀬町に在る丘の上に、木々に囲まれて岩船は在る。

7世紀に造られたと言われる、長さ11m・幅8m・高さ4.7mの巨大石造物。
他の巨石遺跡でもそうだが、
手がかりが少ない為“ナニが何だか解らない”というのが気持ち良い。
無理に仮説を盲信するよりも、
“解らない”ものを「解らない」とする事は実に科学的で潔く正しい姿勢だから。
 
“益田の岩船”には、上面に四角い孔が2つ開いている。
石の側面には溝が格子状に彫られている為、わざわざ表面を平面に仕上げた事が解る。

なんでそんな事をして、しかも丘の上で、しかもほったらかし。

ここまで物質文化が飽和した物余りな時代とは、
とにもかくにも違う理由で放棄されたのだろう。
 
それは想像を呼ぶ。
そういう意味でも、“解らない”事は役立ち屋さんだ。


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