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『大作戦日誌』20030301-20030331

20030301/000811
『おつきさまのかえりみち』
帰路
夜の自転車を遠回りして、高校の前を通る。
それは通っていた高校の
“隣の高校”だ。

夜の
校門には誰も見えず。
ゆるやかに漕いだペダルで近付いてゆく。

3月。

気がつけば、
春の夜にとても似た空気塊に包まれている。

冬でもなく夏でもない、あの空気。

空を見上げれば、異様に
赤い月

郷愁の中で、夏を待つ昂揚だけが先攻してゆく。

今年は早くテントを出して出かけよう。
そうしてそういう空気塊の中で夜を越してゆこう。


20030302/000812
『キャプテン硫黄』
人影の無い雪の町で独り立っている。
風の当たった頬の感覚は。
風船を思いっきり膨らませたあとに似ている。

バスは雪で15分ほど遅れたが、ちゃんと来てくれる。
屈斜路湖畔の和琴半島散策後はまず川湯温泉に帰還。

青年が途中の町から再びバスに乗ってくる。
和琴半島へ向かった際、もうひとりだけ乗っていた他の乗客。
言葉の交差も何も無いが、そこには
不定形な縁

川湯温泉バスターミナルでの接続待ち。約50分。まだ陽は在る。
散策した雪の町に、僅かな硫黄臭を嗅いだ気がした。

温泉地なのだから当たり前なのだが、
屈斜路湖畔オヤコツ地獄での硫黄臭も嗅覚に残っている。

匂いの記憶というのは不定形な部分を必ず含んでいる。
原始には命の安全を左右する重要感覚であった筈なのに、
五感の中では一番に慣れてしまい易い刺激となっているからか。

夜色に変わりはじめた空を背景にして、台形の山が見える。
地図に在った兜山(マクワンチサップ)か。
そうすると隣は硫黄山(アトサヌプリ)か。

硫黄山では硫黄の噴煙を背景に高山植物を見る事が出来るそうだ。
噴煙は流石に視認できないが、
アイヌ語でアトサ(裸)ヌプリ(山)と言われる風貌は良く解る。

かつては大規模な硫黄採掘が行われていたそうだ。
そして掘れるものを掘り尽くしてしまったそうだ。

在るものは在り、そして無いものは無い。
今もまだ、名実ともに裸山なのかも知れない。

黒田硫黄さんの描線におけるエロさと、
ゴム状硫黄のもつ
“触ってみたくなる感”を思いつつバスに乗る。

バスは動く。

20030303/000813
『天秤 VS ストーブ』
JR川湯温泉駅には、十数分の余裕をもって到着。
待合室のストーブに助けられて寒さは感じない。
チラチラと雪降る中、線路の彼方は夜色で見えない。

ストーブはクラシカルな風貌。
ゴツい煙突がワイルド風味。まるで
片側だけの天秤棒

北国では薪ストーブは現役定番の模様。
聞くところによると、
雪の屋外に置いてある薪の山は
“来年用”で、
今年のぶんは春夏秋と
乾燥させてきたものを使っているそうだ。
聞いてみると当たり前の事だが、
その地を訪れて聞いてみないと気付けなかった事が在り、
そしてその
“気づき”を自分の中に認識するのは楽しい事だ。

人影の無き広い地から、町の中へ。
そうして人々が長い時間をかけて使ってきたものや空間の中へ。

その移動に際して、自分の内部における
天秤気付く

“ヒトの居ない場所”と“人の居る場所”・・・

“ヒトの居ない場所”に立っている時は其処が自分に最適な地。
そうであったのに・・・“人の居る場所”に帰還すれば、
そこかしこに在る“人の痕跡”が心地よくなっている事に
気付く

只の生物としての“ヒト”たる自分で在るという天秤皿の向こう側で、
人と人の間に棲む“人間”としての領域が質量を増してゆく。

双方が等価である事が自分にとって良好であるのか?

上手く天秤を制御していきたいものだ。

20030304/000814
『地下ポケモン道場雪国慕情編』
ストーブの側に居続けても顔面が火照るだけ。
何故かエアホッケー台のようなものが在る待合室を出る。
雪の駅に居るからにはホームに立つ感覚を面白がる。
吹雪いてはおらず、人影もおらず。

「まだ無理」「行ける行ける」

小学生の姉弟が、駅灯のもとでゲームボーイをしている。
その声がするのを聞くともなしに聞く。

「岩、砕けないもん」「パズルだから絶対できるよ」

弟はくじけかけているやうだ。
しかし、それよりもむしろ
“パズル”という語句にこそ惹かれた。

自作小説で
数学好き少女を登場させるにあたり、
自己数学力に
あまりの非力を痛感。
泣く泣く
“おさらい”をしている最近なれど、
カリキュラムに捕われず
美味しいトコ取りで行くとコレが実に楽しい。
そんなワケで、
数学者の人生を変えるという
“数学の真なる恐ろしさ”は解らぬものの、
パズルの数学的面白さは再認識中。

どうやら、姉弟がしているゲームはポケモンの様だ。
ポケモンはマッタクした事ないが、
ゲーム中のパズルなど
難度はしれてるオマケであろう。が、気になる。

あまりに弟が癇癪をおこしそうだったので、
「あきらめへんかったら、結構、答えは簡単なトコに隠されてるで」
と、つい声を掛けてしまう。

・・・あれよあれよという間に、当方に挑戦権が。
無視されるより5億倍は幸運か?

「や、こういうのんは自分のチカラで乗り越えてこそ生きる勇気が!」
「・・・できないんだ」
「だいじょぶ。おっちゃんは
ポケモン博士やから!」

ゲームボーイアドバンスを持つ事も正直、
ハジメテ
あら、画面暗いね。このゲームだけ?近視増殖の
眼鏡業界陰謀
しかも、パズルは倉庫番。
ブロックを押しても良いけど引く事ならぬ。しかも
意地悪そうな配置
や、ひるんではならーぬ。思い出せ、少年の日々。
『マイコンBASICマガジン』に読者投稿されていた、
『うそこばん』プログラムを延々と打ち込んだ事もあったぢゃないか!

「す、すまん、電車が来るまであと5分ある。2分間おっちゃんにくれ!」
「・・・できないんだ」
「オトナはウソつきだ」

思考領域をポケモンの巣食う洞窟にしながら焦りまくり。
手数選択肢が増加変転してゆく将棋やチェスと違い、手数は少ない筈だ。
この種のパズルでは
初手が肝心。正解はきっと1本道。
初手の選択肢を知恵熱出して脳内に並べまくり。
いつか見た問題とか思って惑わされるな! 今日は今日!
・・・・・
ぎりぎりクリア

「・・・あと3手でいける。こっちをコレしてからコレのコレ」
「ありがとう」
「これからキミらの前には様々な困難が待ち受けるだろう・・・
 だが、その時におっちゃんは居ない。次からは自らの手で立ち向かうのだ」

待ち合い室でストーブにあたっていた父親がホームに来たし、
電車の灯も近付いてきた。
そう、今から我々が生きるのは別々の時間。たっしゃでな。

「おとーさん、あのおっちゃんがパズル教えてくれた」
「ほぅ」
「なんか、ポケモン博士らしい」
「・・・そっか・・・博士か・・・」

すまん。ニセ博士だ。

20030305/000815
『いよっお未っ知ゃん』
3月になるものの、北海道記は2003年1月3日の朝。
今年の初夢は、かなり甘酸っぱいものであったようなのだが。
まぁ、それはそれ。目覚めれば現実こそ重要。

『清里イートハーヴYH』に宿泊。
ここも清潔で機能的。空間にゆとりが在る。
相部屋基本のユースホステルとはいえ、
こんなに安く泊めてもらえて良いものか。

旅先で目覚める朝は、何処かに夢の続きを残している気がする。
窓の外が雪景色の
快晴だと、なおさらだ。
窓の外には樹氷。
此処では当たり前の風景が自分には未知。

見なれていようがいまいが、新しい1日は未経験な筈なのに。
その新鮮さと未知を特別に喜び続けられた日々はいつだったか。

オタクフィールドに浸かりながら、
次から次へと“提供”される刺激物に身を任せて、
それを未知だと思い、思い込んで日々を送り、
エサを与え続けられている事にさえ無自覚で居るのもシアワセ。

何が人生にとってシアワセなのかなんて、
ずっと遠くの時間に行かないと解らないのかも知れない。
けれど、自分の時間とカネと行動を支払って、
そして未知を手に入れないとダメになる側の人間だと自分を思う。

20030306/000816
『全ての駆動には準備が在る』
 
僅かに曇る北の空のもと、秘密ガレージから出現したもの。
秘密メカの心臓部
高熱で焼かれた色が魅力あふれる金属光沢。
 

内部には雪が少し溜まっており、
この地の厳しさと機体の頑健さが伝わってくる。

秘密メカの重量は重い。
4人がかりで移動させ、
特別仕様車に合体させる。

燃料と搭乗員が秘密カーに乗り込み、遂に
出動!
この間、15分足らず。
素早い出動は、北の地ではたしなみなのか。

20030307/000817
『豪農秘密基地』
天候は改善。風速も良好。
前日は吹雪いていたそうだ。
時の運とはいえ、1日違いで状況は非常に好転。
 
辿り着いたのは
秘密基地

この基地のオーナーは、
この世界では
道東でトップクラスとだいう。

この地の農家における特徴である土地の広大性を活かし、
この基地の設立に至ったのだという。

同好の士は、基地に集い、そして基地の機材を駆使するのだ。
大型の
送風機が搬出される。起動に関する重要機材だ。

ゴンドラ、車両よりの搬出完了。準備良し!
 

20030308/000818
『折って畳んだを解放し』
空の色が気持ち良くなってゆく。
荷台からゴンドラを搬出する。
気嚢を雪面に出す。それを広げてゆく。
 
この季節、田園は雪原である。
渡り吹く強風から作物を守る防護林が遠くを区切る。
7人で行う準備は順調に進んでゆく。
多透も含めた5人は素人なのだが、指揮が的確なので動き易い。
飛行資格だけでも大変だと思う。
しかし、ほぼ毎回、
初心者を含んだチームを指揮して飛行に至るのは人徳が要る。
焦らず・怒らず・的確に、そして安全をも保ちつつの指揮。
 
正直、感服いたした。

20030309/000819
『寒風率・熱風率』
 
広い地面を有効に使う。
逆に言えば、広い地面が在るからこそ出来る行為だ。
 

横倒しにされたゴンドラの上部、燃焼機が炎を上げる。
先刻の大型送風機が駆動して熱風を運ぶその先で、
皆で支えている気嚢が徐々に膨らんでゆく。

 
準備というものは、期待と予感を燃料にした行動に他ならない。
足元の沈む雪面を歩き回り、頬を冷やす風が吹いていても、
その燃料は次々に供給され続けるのだ。

20030310/000820
『パープルさんが咲いた』
話は変わるのだが、
雪隠に、球根を置く
水栽培なんぞは久しぶりなのだが、楽なので良い。
 
ヒアシンスの新芽は緑が瑞々しすぎて、
起き抜けの目に眩しい。

鈍重剛健な
茶色から、緑色の槍が伸びてくるようだ。
白い根は、遠い記憶印象ほどには増殖していない。
 
そうして日々を過ごしていると、
ある朝、急激に緑色が伸びている事に気付く。
そういう、
加速する日というものが在るのだろうか?
興味深い。

もしも自分が女学生ならば、
洋式便器の前方根元に水栽培の鉢を置くだろう。
そうしてパンツを上げながら、その上を跨ぐように立ち、
緑色を見下ろして
「ふっふん」とか言うだろう。

そうしてある朝、緑色が意表を突く伸びを見せる日に、
「こりゃたまげた」とかも言うのだろう。

なにはともあれ、ひとつの花が出てきたら後は続々だ。
緑色の中から這い出るように紫が増殖し、花株となり、
まるで初めから在ったかのように自己主張する。

そうこうしているうちに、植物の生殖器たる花は巨大化。
鉢が小ささに比べて
トップヘビー気味になってくる。

ある朝、
FBIになった気分でバイオレンスに扉を開けたら
風圧で鉢が大転倒。

難儀なキモチで鉢を起こせば、花株が
“べきり”と折れた。

結局のところ、花株は別のカップ水に浮いて咲いている。
球根からは、別のツボミが出てきているのだ。

20030311/000821
『ふくらまし粉』
行動というものは、成果を夢見ている。

行動自体が楽しみである事も多いのだが、
その先に何かを見るのは当たり前の事だ。

意識するしないに関わらず、
そういう予感と夢想が原動力となる。

しかし、それでも、
気球が巨体を立ち上がらせた時に思ったのだ。

「や、いつの間に」

それは、
もっともっと時間が費やされるものだと思っていたのと、
言葉どおりに
“いつのまにかできてしまった”という感。

今回の気球に関して言えば、
単なる作業
補助の身だからこその感覚なのだろうけれど。

それでも、こういう
“不意の成果”を、その快感を、やはり、
自分のみならず人間は好むのだなと実感した。

それでも・・・
「勝手ながらお片付けさせていただきました候」ぴかぴか(擬音)
な突如謎の組織から無償派遣されてきたメイドさんや、
腹の半円から凄ぇブツをクリ出す未来ロボや、
「ウチは宇宙網元の娘じゃけぇ、カネはなんぼでもあるぜよ」
な押し掛け宇宙人美少女とかとかが日常に無い以上・・・

【1】僅かな努力で大きな成果を期待し続ける
【2】不意の成果をより味わう為に本気上等
【3】“まちぼうけ”し続ける

などなどの思考選択肢しかないのだなぁとも実感。

それでも・・・
巨大なものは、広い場所で空と自分の間に在ったので、
まぁ、とにもかくにもこれは心地よいものだと思った。

20030312/000822
『船と風』
想像していたよりも更に、離陸は柔らかだった。
思いきり漕いだブランコから飛んだ時よりも、優しい感じだ。
なるほど、こういうふうに飛ぶのか。

パイロット1名と乗客5名。計6名でゴンドラは一杯。
目の前に広がる景観の素晴らしさの為なら、
少々窮屈な事など些細すぎる事だ。
 
“浮かびあがる”感覚が在るのは最初の数秒だ。
風が機体を押してくれるので、すぐに“飛んでいる”感覚になる。

エレベーターで急速降下した時に似た感覚が、うっすらと在る。
技術の進歩で近年のエレベーターは動作が柔らかくなっているが、
幼い頃はもっと、降下時の感覚が強かったような気がする。
まぁ、自分の体躯や平衡感覚の変化も作用しているのだろうけれど。
気球の飛行感は、そんな事を考えさせながらも、
激しくない上下動は優しいままだ。
批評できる程の経験などないのだが、
パイロットが“上手い”のは確かなのだろう。

地上班が、トラックに戻って移動してくれているのが見える。
着陸地点まで追跡してくれる訳だ。
 
さきほどまで立っていた場所を上方からの視点で見る事は面白い。

冷気の中を飛んでいるのに、寒さはさほどでもない。
頬の冷たさは在るのだが、寒風の中を歩いている時ほどでもない。
これはやはり、風と一緒に移動しているからなのか?

再認する。
風の船と書いて風船と読む。

20030313/000823
『バツ&テリー応答せよ』
 
iBookが少々
挙動不審。でも回復。
ひとつはバッテリさんが反応せず。
iBookで比較的多い症状のひとつに、
バッテリさん電力を全消費してしまうと再充電されない時が在るそうで。
でも
、パワーマネージャーをリセットすれば回復する筈が、反応なし。
前機種は1年間のりきったのだが。
保証期間内だったので、バッテリさんのみ
無償交換してもらう事に。
届いたバッテリさんは
無事完動
期日までに不良品を返送すれば良い仕組み。
返送せずに捨て置くと44600円が
自動的に引き落とされてしまうぞ。
新規にバッテリ買うよりも高い金額だが、
人件費というものはそういうものだろう。
サポート電話の応対は高感度が高く、そういう金額を示されても嫌な気はしない。

返送は着払い扱いにしてくれているので宅配便料金は不要。
書類には福山通運の名が書かれているが、近場のコンビニ発送で良いとの事。

もひとつは、
リセット&再起動を繰り返してたら、システム関連の書類が壊れたらしく、
エラー表示が出てブラウザが即終了してしまいネットに繋げない事態に。
でもメールは出来る
不思議
他の作業は出来る状態だったので、データをCDにバックアップし、
システム再インストールで
復活回復。前機種は1年間のりきったのだが。

こういう記述は、自分以外にあまり役立ちそうになかったりもするのだが、
同様の症状に遭遇した方が検索調査するかもしれないし。多透はやったし。

自分の手持ちブツである漫画やプラモのリストを、
感想もナニも無く名前のみ延々延々と羅列するページに行き当たるよりはマシかと。
 
なんだかんだでCD4枚に納まるマイデータ。まだまだ少ないなぁ。
無為に多ければ良いというものではないんだろうけれど。

“ホームページは自分で作る自分の墓標”という言葉も在る。
如何に圧縮技術が発達して
人生一式データがディスクの片隅に納まる時代がきても、
その情報部品をつくっているのは自身だという夢想&現実の自覚が在れば、
それはそれでそれもまた良しか。


20030314/000824
『かぜまるこちゃん』
さきほどまで立っていた場所を上方からの視点で見る事は面白い。

北海道へ至る飛行機に乗ってから未だ三千時間も経っていないのに。
飛行そのものも、高度も、皮膚感覚も、
全てが新鮮だ。
 
高度は約3000フィート・・・約900メートル。

無論、生身で当該高度に登った事など自分には初めてだ。
“地上”への視線が、“地表”への視線に変転してゆく。

見えるのは、文字どおりの
“彼方”だ。
地球の丸さが、じわりじわりと染みてくる。
 
風景を眺め・・・
“自分は、あそこまで行けるのだろうか?”と考える時が在る。

“何処まで”ではなく、“あそこまで”だ。

地上に居れば、歩いてゆける可能性が無ではない。
それが
実行を伴わない夢想だとしても、だ。
しかし、こうして高みから眺めた彼方は
広大すぎて、
その地表の一点を歩く自分を風景に投影し難い気配が在る。

見えない方眼紙を敷いて、風景の升目に自分を置こうとしても、
その広がり自体が持つ高揚に押し流されてしまう。

チェスのポーンを進めるように、
自分という駒を遠くの方眼に、そして更に遠くの方眼に置く。
そこに見えてくるのは
自分の限界と、世界の広大に対する嬉しさだ。

世界は広い。
その当たり前が在るからこそ、自分を進める意義が在る。

20030315/000825
『近目っ娘?』
 
『FINAL FANTASY X-2』なゲームの新作。
近場の『BOOK OFF』とかに行くとデモが延々とリピート中。

前作は知らないし、物語も不可知なのだが・・・
前作の相手役らしいのに遭遇して、
「あなたなの? それとも・・・似てるだけ?
などとのたまうヒロインは女としてどうかと思う。
 

20030316/000826
『センキョーベリマッチ』
 
色々あって手伝いをしていた
選挙戦が完了。
とある組織内のものなので、
来月の統一地方選とかとは関係なし。

応援していた方が勝利したので、ひと安心。

手伝い内容は雑用一般なれど、
それ故に俯瞰できたかも知れない部分もあり。
自分としては勉強になった事、多数。

“社会イコール組織”“組織イコール社会”という定理を実感。
フラクタル図形同様、縮図でありながら相似性を保っている。

グループ理論の解説本を読んだばかりだったので、
更に興味深く俯瞰させていただいていた様に思う。

あぁ、選挙というものは面白いな。
当事者になる予定も野望も無いのだれど、
立候補に至る心理とかも僅かながら理解させていたたいた日々。

20030317/000827
『カイブン・ホラー・ショー』

一定規模以上の選挙に定番であるようにも思える
“怪文書”・・・
今回の多透は
選挙管理委員だったりしたので、
文章ばかりか作成者までにも
遭遇させていただいたり。

距離を置いた視点でなくとも、
多くの場合“怪文書”というものは
悪文だ。

誹謗中傷目的であるなしとか以前に、
執筆時の精神不安定が伝わってくるのが辛い。
推敲しているつもりな不十分垂れ流し感が満載。
“悪口手紙は一晩置け”という故事を痛感する。

“怪文書”執筆者の執筆動機が、
多くの場合
“義憤”であるのも実に興味深い。

その“義憤”さえも、
客観的には浅はかで、
確たる裏付けを伴わないものが大半だ。

そういう浮ついた姿勢で放たれた“怪文書”など、
結果として
誰の得にもならない

応援しているつもりの候補の信義を失墜させる。
それ故に、相手側の味方をしているという可能性も示唆される。
結果、どちらの陣営からも信用されなくなる。

精神的視野狭窄が、他者も自己も傷つけてゆく典型例だ。

だからといって、言葉の発露さえも抑圧されれば、
組織ひいては社会の閉塞に繋がってしまう。

だからといって、
咀嚼されていない意識表層ばかりを放り投げるのは衆愚を生む。

あぁ、オトナになりたいな。

20030318/000828
『名称から来る地図』
 
『薔薇の名前』や
記号論を持ち出さなくとも、
名前が在るからこそ
記憶刻印される物事は多い。

煮詰まって考えてみれば、
地名には厳密な
境界線というものを設定し難い。
線分を引けば、その
線上自体の処遇が問題となる。

実際の行動と認識では、
名前を知る事で線分には思慮しないままに納得する。
「ああ、あれがそうなのか・・・」と。

彼方に、その場所は、
白と青が交錯したままに広がって在った。
空でもなく、陸でもなく、
見えない距離の中で永劫を織り込み続ける場所だ。

生まれて初めて見るオホーツク海は、気球の上からだった。

20030319/000829
『知り得る解く』
気球は、風によりゆるやかに回転運動もしているので、
眼前の風景も360度を連続して見る事になる。
摩周近辺の地形が、明確なリアリズムで迫ってくる高度だ。
釧路川を挟んで、前日に歩いた屈斜路湖方面を見る。

たかが数十時間内で平面の徒歩移動と近接地での上下動。
それらを組み合わせる事が出来たのは実に勉強になった。

遠くには遠くが在り、近くには近くが在る。

オホーツク海から視点を旋回させてみれば、知床連山。

知床の語源は、アイヌ語のシリエトクという言葉だそうだ。
その意味は
“大地、尽きるところ”・・・
つまりは、“地の果て”“世界の果て”だ。

かつて、大航海時代・・・人々は未踏の地に挑み続けた。
その行為は植民地支配や略奪など根深い問題を遺すのだが、
“冒険心”を枯れさせる事なく自らを駆動させた者達が居た事も事実。

そういう精神の刻印を明確に織り込めて物語を創れるようになりたいものだ。

新たなる地へと挑み続けた時代、
その更新され続ける
地図の端・・・
つまりは
未踏の地には、定型句としてこう記されていたそうだ。

“この先に竜が棲む”

20030320/000830
『バリキキューン着陸せよ』
気球は、上り下りを繰り返しながら一瞬も静止しない。
地図上での
直線移動距離は最終的に1km程度であったが。
風を受けながら複雑な航跡を描いていたので、
実質的な移動距離は更に長距離になる。

着陸は結構スリリングだ。全ては一瞬だが。
垂直離着陸機なイメージの着陸とは異なる。

「ゴンドラの外側に少しでも体の一部を出していると危ない」と、
事前にパイロットから聞いていたので、皆、身構えていたのだが。

接地した瞬間、ゴンドラは強引なぐらい
横倒しになる。
巨大な気嚢が
風をどれだけ受けていたのかが解る一瞬。

まだまだ気嚢の浮力が残っているし、斜め方向での降下な為、
一瞬の接地では運動エネルギーが則方へ働くのだ。
体感

ゴンドラが横倒しになったのは本当に一瞬。
即座に浮力で
引き起こされ、軽くバウンドした後、
10メートル以上
引きずられてからやっと安定接地する。

同席されていた人妻が、あやうく顔面着地しそうになり雪を被っていた。
事前の注意が良く、みんな怪我は無かったが。

ゴンドラの引きずられた雪跡を見て、
自分達が本当に風を受けて飛んでいた事を改めて認識した。

飛行条件を悪くするような風力では無かったらしいそうだが、
回収に適した道路のすぐ近くに着陸したのは流石だ。

前日は吹雪いていた為、回収に必要以上の労力と時間を費やしたそうだが。
皆で動くと、気球は元通りコンパクトに収納された。

旅客機とは全く異なる印象で、自分が先刻まで居た
“空”を見上げる。


20030321/000831
『バッテらサーフィン』
先日のバッテリ不良に続いて、今度は電源アダプターが動かなくなる。

iBook本体との電源コード接続部には発光ダイオードが内臓されており、
バッテリ充電中ならオレンジ、充電完了中ならグリーンに光る。
それが全然光らないばかりか、動作中特有の
熱感も無し。

こりゃいかん。

バッテリ不良で自己学習した為、早速、サービスセンターに電話。
日曜でも午前9時から対応してくれるのが嬉しい。

今回も、在宅自己交換修理サービスを利用させてもらう。
もしも、不良品を期日までに返還しなかった場合の支払いは13500円。
なるほど、バッテリよりは安いのか。

なにはともあれAC電源が使えない以上、内臓バッテリ容量だけが頼り。
コピーせねばならないデータCDが在ったので、ドキドキ作業。
残りバッテリ容量が60分程度しか無ぁい!
こりゃいかん。

とりあえず、焦りながらも仕事関係の書類を打ち出したり。
職場にて、ヒット&アウェイとはいえ常時ネットを覗ける環境なれど、
電量節約の為、ブラウザは起動させず。
その為、自分の
ネット依存度が客観的に解ったつもりになったり。

以前、
だらだらとサイトチェックを繰り返す時間浪費に陥っていた自分に驚愕し、
自己文章作成を優先念頭していたのが少しは効果的だったのか。

まぁ、こんなのは自分で
“まだマシ”と思っていると危ういのだが。

とにもかくにも、日曜朝に交換修理依頼して火曜午後に到着。
部品在庫が無ければ時間が掛かるかもとの事だったが、良かった良かった。

20030322/000832
『土地交差式雪中行軍』

清里イートハーヴYHに無事帰還。

熱気球を取り入れているのは清里YHぐらいのようだが、
北海道のユースホステルでは様々なイベントツアーが在る。
近隣のスポーツクラブやガイド会社との提携により、多種多様。

その中でも定番の冬期イベントがクロスカントリースキー。
少し短めのスキーを履いて、
管理されれたスキー場ではない山々を巡るものだ。
平地でのスキー歩行も当然に含まれる為、体力勝負との事。
ものすごくそそられてはいたのだが、
十数年前に5回ほどしかスキー経験が無い身。今回は自粛。
基礎を固めて他の人に迷惑が掛からない様になってから!

あぁ、いつの日か、
ふらりと雪の山々を単独スキーで巡りたいものだ。

徒歩の面白さは体感したが、行動範囲が広がるのは大歓迎。
静かさと孤独に満ちあふれた森の中を行くのは面白すぎるだろう。

実際、北海道ではスキーを乗せた車を多く見かけたし、
スキーほ持って電車移動する人も大勢居た。

ぁあ、駅からバスで登れる所まで登って、
山向こうの駅まで森の中を行くのだろうなぁ。ええなぁ。


20030323/000833
『床うさぎ』
宿泊の皆は、それぞれ外出。
クロスカントリースキーのツアーや単独スキー、摩周ドライブ等々。

多透はといえば、次の行動予定まで少し時間が空いた状態。
フローリングの床に座り込んで、窓外の雪景色を見る。

食堂兼談話室の空間は広く、そして静かだ。
道の彼方にしか隣家は見えない。
 
清里付近は
大穀倉地帯であり、
1軒平均10ヘクタールの農地を持つそうだ。
比較対照としては、確か、大型球場が1ヘクタールぐらいの筈。

此所に到着した昨晩、近くの町営温泉に連れて行ってもらった。
車で行くとすぐだし、大勢の人々が集まっていたのは印象的だ。
雪に囲まれているからこそ、集う場もまた有意義なのだろう。

冬期の農地は、防護林に区切られた広大な雪原。
それは、大阪で生まれ暮らしている身にとって本当に雪原。
この広大の中で、冬の間、
誰も触れる事の無い雪が膨大に在る。

そうして遠方を見ている視線の寸前を、意表を突きながら、
どぅどうと音をたてて屋根から
雪の塊が落ちてくる。

屋根は太陽熱を吸収し易い黒色であり、その傾斜角も大きい。
その為、氷点下の気温に関わらず、昼間の太陽光が働いてくれるのだ。
車1台ほどの体積をもつ雪塊が
唐突に落ちてくるのは見応えがある。

北側の窓から林を見ると、小動物の足跡を多く発見できる。
鳥のものと、ウサギだと思われる。姿は見えないが。

前回の北海道行は積丹岬などへの移動連続だったので、
ゆるやかに室内で雪景色を眺められるのは新鮮な楽しさだ。

そればかりでも慣れ飽きてしまう贅沢さも心に在るのだろうけれど。

20030324/000834
『カリフォルニアの雪』
旅の中で、ふと独りになった静かな時間。
20畳以上はあるだろうフローリングの床に座り込む。

板の間に座るのは好きだ
厳島神社と・・・体育館を思い出した。
 
移動や行動の中だけではなく、
ただ単純に
静けさと対話する時間も心地よい。旅の中なら尚更だ。

そんな気分を更に酔わせるように、有線放送から流れてくるのは、
イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』・・・

説明の無いままの歌詞。
その意味について、送り手からも説明が無いままだという逸話。

山本安見さんの訳した歌詞の中で夜警が告げる。

“落ち着いて自分の運命を受け入れるのです
 チェック・アウトは自由ですが
 ここを立ち去ることは永久にできません”

ああ、この部分だけを取り出して考えれば・・・
ホテルカリフォルニアという名の“此所”とは、
それぞれの肉体や人生という解釈が、今は自然と出来る。

歌が発表されてからの26年間で、
膨大な人々が同じ様に思ってきたのだろうけれど。
字ヅラ以上のものが染みて解った感じになれる歳でもあるし。

どうせ逃げられないのなら、自分で楽しむしかないなぁ。

20030325/000835
『モビルスノー』
気球が格納されていた大型ガレージから、
今度はスノーモービル出動。
 
不馴れな為、クロスカントリースキーを躊躇した多透は、
スノーモービルツアーを頼んでいたのだった。
この日の参加者は多透ともう1人。
ガイドさんが後ろに乗ってくださるので安心は安心。

快晴の空の下、2台が準備完了。赤と黒。
展示している機体を見た事はあったが、
こうして実動しているものに触るのも乗るのも初めて。

エンジンテストで発せられる音が想像していたより大きい。
前部スキーは思っていたより小さく、後部キャタピラはゴツい。
移動体としての質実剛健さを体現した感じがとても良い。

買おうと思ったら130万円ぐらいかららしい。

20030326/000836
『木立を抜けて土手越えて』
出発はユースホステルの玄関先から。
防護林の間を抜けると、其所には広大な畑が広がっている。
その雪原へと走りに行くのだ。
ショートコースは約8km、ロングコースは約30kmにも及ぶとの事。
我々の希望は当然、ロングコース。
 
雪面からの反射光でコントラストが更に鮮やかな光景。
空と自分の間に何も無さすぎる広い空間へ出てゆく。

「ぉわ!」

バイクよりも更に視点が低いせいもあって、
時速15km程度でもスピード感、大。
時速30kmになると倍以上の速度感が在る。

競技用の機体なら時速100kmを超せるらしい。
そんな事が出来る環境も技能も限られてくるだろうけれど。

農地と農地を区切っているのは防護林だけではなく、
土手などの高低差も多く在る。
ゆるやかなスロープも、急勾配の数m差も、
スノーモービルは楽々と乗り越えてゆく。

そうして勾配を登りきると、眼前には再び広大。

20030327/000837
『顔面積雪量』
快晴であったのはナニより。
なにせ氷点下気温なので、防寒着を着ていても顔面が速攻冷却。
耳は特に防御しておかないと霜焼けになりそう。
 
スノーモービル自体が雪を掻き分けて蹴散らして進むので、
サングラスかゴーグルも必須。
顔面に雪がズンズンつもる。

20030328/000838
『未来の乗りこなし』
途中で機体を交代。
サスペンション等、乗り心地に違いが在るのを体感。

そうは言っても、白状すると“乗りこなした”実感は無く、
ずっと機体に“振り回されていた”感じ。
機体重量と雪の抵抗も在ってか、
体重移動でのコーナリング等を先手先手で操作が必要なのに。
ガイドさんが補助してくださったからこそ帰ってこれたが、
単独ならばきっと雪溜まりに突っ込んで立ち往生だっただろう。

参加されていたもう1人の人は、もう1泊される事もあって、
次の朝に再度挑むと決意されていた。

なにはともあれ、初心者でも安心に楽しめたのは事実。
 
雪の広さの中で遊ぶ面白さ。

20030329/000839
『シャポー爺のシーズン』
この冬、なんか頭が汗っぽくなりやすかった。
風呂、毎日はいってるのに。なんでやねん。

「すわ!これが老人臭とかゆうやつかッ!?」と、
いろめきたってみること数秒。

考えてみれば例年よりもワッチ帽を被っていたのだった。
毛糸おそるべし。

帽子装備により、
肌着1枚ぶんの体温保持能力を得るという話をそんな具合に実感。

20030330/000840
『黄昏よりも早く歩く』

夕方の列車へと送っていただく時刻を待つ間、
清里ユースホステルから単独散歩。

陽は未だ在る。まだ歩く事が出来る。
玄関先からイキナリに空間が開けている。

視界の先には、1545mの標高を持つ斜里岳が見える。
周辺に広大な平地を持つ独立峰ゆえ、稜線は流麗に意識を惹く。

なるほど、こういう事か。
目の前に在る山へ登ってみたいと自覚する瞬間というものは。

クロスカントリースキーツアーに出ていた人達は、
夕陽を浴びて桜色になった斜里岳を見たそうだ。

数分も歩けば、もはや視界に人影は無い。
視界に障害物が無いので、
ユースホステルの建物が意外な程に遠ざかって見える。

此所では当たり前の風景であるにも関わらず、
この身には全てが新しい。

歩きに出なくても過ごすことは出来るけれど。
自分が、こんな所を歩く人間で良かったと静かに思う。

20030331/000841
『可変式薄明領域』

北海道の冬、黄昏時は短い。

ここ数年、旅先で積極的に黄昏や黎明を見てきた。
そうすると、日本列島の緯度ならば、
何処においても薄明の時は短いのだという事が体感できた。

地球の赤道付近における自転速度は時速1674km。
そんなすんごい速さでグルグル回ってるんだから当たり前か。
まぁ、
それ以前に 平均時速10万7280kmで公転してるのだけれど。
ありがとう重力。
いろんなものを振り落とさずにいてくれて。
 
先刻、スノーモービルで走った雪原を横目に歩く。
それは、朝に気球から眺めた風景の一片でも在る。
今日は本当に色んな距離感を体感した1日だった。

光を踊らせながら太陽が向こう側へ行く。
全部は回っているのだ。

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