『大作戦日誌』20010901-20010930
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『灼熱!ボトルネック隊!!』20010901/000279

【8月19日(日)】(9)
================================================================
【前回までのあらすじ】
                    @【太陽】
至日本海                     ↑
             ∀∀∀【女学生群】   ↑
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      ↑
   /               \     ↑
  /                 \    ↑
 /                   \   ↑
///!////         \\\\\\  ↑
  【多透】               【あたためられた空気】
================================================================


砂地を歩くのは、とても面白い。
潮風に掻き回されてきた表層は、とてもやわらかだ。
やわらかいものはいい。

時折、不意に、固い地面を踏みしめる事もある。
砂の流れ、地下水、潮風、天よりの雨・・・
そんなものごとが重なり合って、砂が締まっているのだ。

固い地面は、歩くのに楽だ。 自分が踏み固めたのではないけれど。
人間は、歩く道や身体の部分に固い所が必要なのだろう。

遠くの砂山に、女学生の人影を見ながら、砂の平地に立つ。

ペットボトルの水を、ひと息に飲む。

空の色が違う。

幾つもの砂の起伏を越えてみる。面白い。

座り込むのはまだ、後だ。
いちど休みこんでしまうと、筋肉を叩き起こすのに時間がかかる。

砂の上に、犬の足跡を見つける。

黄色い花がある。
予習していたので、ハマニガナではないかと思案する。

渡ってゆく風が心地よい。

地球の上に居るのが、なんとなく解る。

砂丘は決して平坦な原野ではない。
女学生の人影が見えている砂の丘は、砂丘第二列と呼ばれるものだ。

高さ約50メートルの長い丘は、
日本海との間を遮る障壁のように横たわっている。

窪みの底に居るので、頂上までは更に色々と加算。
砂丘には、最大高低差90メートル以上の地点が在ると読んだ。
探して歩いて来たが、ここが、そうなのかもしれない。

登るしか、なかろう。

似たような場所は、何度か登った事があるので、感覚は記憶にある。

岩登りのように、ルートが定められていない。
登山道が在る訳でも、ない。
ただの、砂山だ。

こんな斜面登りに挑むのなら、ナナメにルートをとるのが正攻法だ。
エネルギー消費が少なくて済むし、
斜面に対して身体を側方に向けたほうが転げ落ちにくい。

背中のザックでトップヘビー。ひっくり返っては情けない目に遭う。
昔、転げ落ちた時は制動が効かず、底まで速攻数秒。

だが、ここはひとつ、直進登坂が一興であろうっ!!

人生の黄金律は、おもろいほうにするべきだ。

やわらかな砂に足を置いて、自分の体重を持ち上げる。
傾斜は流石にキツい。感覚上は40度以上にも思えてくる。

まだ、踏ん張りが効く。

正面突破を試みた理由のひとつに、接近。

誰かが捨てたペットボトルだ。
からっぽ。

斜面にひざまずいて、拾い上げる。

さて、どぅする?
砂まみれのそいつを、ザックに入れるのもナニ。
ここはひとつ、自分が飲み干したペットボトルを取り出して・・・

================================================================
              @【太陽】
      【脳天】                    ↑
       ↑                        ↑
  (力)   ↑        (技)     ↑
 【左手】  ↑   【右手】     ↑
  ←←←←←↑→→→→→       ↑
(ボトル)  ↑      (ボトル)    ↑
      【珍宝】           ↑
        ↑                        ↑
        ↑                        ↑
        ↑                        ↑
                              【あたためられた空気】
================================================================

「人呼んで! ダブル・ペットボトルっ!!」

【注】
左右の手にペットボトルを把握する事により、手指に制限を掛ける技。
ザックを背負う事によって両手が自由になり、二足歩行が可能といえど、
両手が塞がっているという現実が、
「手を地面につけられない」という心理効果を誘発する。

また、そのような心理状態では、ひざまずくのも、
「なんかかっこわるいのんでは?」と潮風に囁かれたりもする。

顔面で踏ん張るのは可能かもしれないが、
地球に熱烈なチッスをガード不能で奪われる事は間違いない。

これにより、急斜面登坂に際し、
倒れる事なく完遂する事が自分に義務づけられるのだ。

少年のようなヒロイズム願望をチョコチョコとくすぐりつつも、
コケれば両手ペットボトルで転落というセクシーさをも含有する秘密技。





そして、
日本海、発見。
『砂の城学園物語』20010902/000280

【8月19日(日)】(10)

「ネギャースっ!!」

不意にネギが食べたくなって天空に叫びたくなっても、
砂丘では自由になどならない。

ドルゲ魔人にも、ネギゲルゲは居ないのだ。

結局の所、
案の定な具合にピンチ係数を向上させながら砂の頂上へ。

きっとそれで何かが変わる訳ではない。

人生を変えたければ、変える為の行動をしなければ無為だ。

何か、ひとつの事を成し遂げたからといって充実した未来など、
自分も誰も確約してなどくれない。くれない三四郎。

多透のように、
人並み以下の人間は、人並みの事をするだけで得心して、
実は人並み以下の事しかできていないにも関わらず終わったり、
人並みの事すらも実行せずに終わったりしていれば、
いつまでも人並み以下だ。 

疲れ切る程度には、砂丘までと砂丘の中で歩き続けたし、
砂山を登り切ったりもした。

だが、その行動は、行動そのものでしかない。

肉体は、確かに、その現実体験を、得た。
だが、
精神は、その体験部品を、どのように使ってゆくのだろう?

まだなのだ。

ギャルゲーで新しいCGを見る事が出来た時と同様ぐらいに、
まだ何も“リアル”を手に入れてなどいない瞬間なのだ。

これからだ。


砂の丘の頂上に、座り込む。

自分が飲み干したペットボトルや、拾ったペットボトルや、
拾ったビニール袋とかを、自分で隠し持っていたゴミ袋に収納。

クキキ・・・
今、ここを、誰か・・・幼なじみとか、
クラスの中では普段地味で目立たないが実は剣術小町とかが、
電信柱の陰から目撃していたらっ!

「ぅ・・・本当はイイやつなのかも・・・?」ぐらいには、
思われるに相違あるまいてッ!!

誰かっ! 誰かあるっ!! 幼なじみをここにっ!!

・・・そうして、
自分の中の内分泌攪乱物質を自分で攪乱させながら、
砂の丘の頂の上で、仰向けに寝ころぶ。

背中に地面。正面に青空。音は潮騒。

砂丘の成り立ちは、その歴史は、
今から十万年前に遡るといわれているそうだ。

空には、雲ひとつ見えない。

色々なものが遠い。

オランダ・・・ベルギー・・・ルクセンブルク・・・
嗚呼・・・あのベネルクス三国では、
どんな女学生がサンドバッグを殴っているのだろう?
『アイツは砂ッチャー』20010903/000281

【8月19日(日)】(11)

すっかり忘れていたが、ぃゃ、それは嘘だが、
女学生たちは既に彼方を歩いていた。

遠足というよりはクラブの合宿なのだろうと推理。
来週の試合で自分の秘密技が何処まで通用するかを、
“まだリアルではない恋”以上に考えているのかも知れない。

砂の頂から砂丘を振り返っても、だぶさんの姿は見えなかった。
・・・地下か・・・・・

とりあえず、だぶさんの事は忘れよう。

砂の尾根の頂上には、幾組かの家族連れやアベックさんズ。
皆、静かに海を見ている。

なんてことだ。向こうの斜面のほぅが楽々登山。

ざっぱん、ざっぱんと波音はデカい。
脱藩した、はぐれ者は此処を通っただろうか?

夏の終わりを予感させる海は、波の表情を荒げている。
正面の視野いっぱいに広がる砂浜を、上から見る。

波は、とても遠くから来るのだ。

「ちぅぃぃぃぃぃぃっす」

だぶさんは、とても遠くから来た。

まったく、このクソ暑いのに、
何処をほっつき歩いてきたのだろう?

ハッ!
そぅいえば、如何にも空飛ぶ円盤の出てきそうな青空だ。
・・・ははぁん。
きっとアブダクションされて、
砂丘監視要員の宇宙人美少女、コードネーム“熱砂の女王”と、
ギャラクティカスリリングなセクシーアドベンチュアを、
ゲップが出るぐらいに繰り広げてきたに違いない。

・・・ぃいなぁ。

あやかりたい。たばかりたい。

だが。
そのとき。
OL2人組とおぼしき者達が登って来るのが多透視界の片隅に。

上手く意気投合すれば、そのまま徒歩で城崎温泉?!

うぬむ。
機を見てせざるは勇なきなり。

『だぶさん、どぅかね?
 青春の思ひ出に、この砂の急斜面をコロげ落ちて、
 あの波打ち際まで行ってみないかね? ひとりで』

「こ・・・ここですかぁ」

『単純な計算だ。重力加速度を超えないぐらいに前のめりで』

「むしろ、登ってくる方がしんどいですね」

『明日になればキミは学級新聞のヒーローだ。大丈夫です』

「せっかくだから、行ってきます、か」

だぶさんは、ピザを切る男子のように慎重かつ確実に降りてゆく。
やるなぁ・・・

派手な NGシーンを見られないのは苛烈なまでに悔しいが、
このアクションを実行した事は感服いたす。

さすがは、
“バルタン星人の限りなきチャレンジ魂”と時々タメを張る、と、
言われるだけの事はあるぜ。
『砂イダーマン・ブギ』20010904/000282

【8月19日(日)】(12)

だぶさんは、坂の底で波を見ている。

ククク・・・
獅子は千尋の谷にバニーガールな時も全力を尽くすという。

この傾斜、登るにはチト辛いでおじゃるぞ。
マサに青春アリジゴク・・・

機は熟した。
ちょうど入れ替わりにOL2人組とおぼしき者達が登坂完遂。

推定年齢、双方ともに27歳。
1人はペット用品製造会社、もう1人は量販型酒店で、
ともに経理を担当しているのだろう。

だが、
なにか、1人の身のこなしが気になる。

単に、
連日のデスクワークで肩こり&腰痛に悩んでいる動作ではない。

・・・もしや、“宇宙ジュードー”・・・?!

ヤバい・・・
もし、迂闊にも、
「どぅですか?おふたかたとミーでユニットを組みませんか?
 名前は“ムレポンヌリャ5”とゆぅ事で?」
と、声を掛けようものなら、
ネリチャギの一撃を食らい、
“いもむしごろごろ”ポーズで砂の坂を青春ダッシュだ。

ぼくは、嘘泣きの涙を見られまいと、
蛍光オレンジ帽子を顔面に掛けてフテ寝した。

フフフ・・・情けないねぇ・・・
“君子危うきに近寄らず”?
そぅやって俺は幾つもの冒険をロストしてきたんだぃ?

だが、・・・その時ッ!!

「あの・・・シャッター押してもらえませんか?」(C.V.土井美加)

『はぃーッ!!!』

厚紙と輪ゴムで作った“びっくりパッチン”が飛ぶように起床!!

だが、そこに多透が見たものは・・・
彼女たちのカメラを今まさに快く受け取っているオッサンの姿。

ジーザス!!
こんな時だけ呼んで、神様ごめんなさい!!

「ぁ・・・ぃぇ、どぅも、すぃませんです、はぃーっ!」

ボクはソウルフルな笑顔で、もぅいっかい大地に寝た。
無論、寝てから、
掛け算の暗記テストで7の段が思い出せずに先生の前で混迷する、
男子小学生の如くクチをパクパクさせた。

さっき、だぶさんが、
砂の下り坂を駈け降りていった姿は、ちょいとカッコ良かった。

それにつけてもオイラはなんだろぅ?
カメラひとつにキリキリ舞いサ。

そうさ、
なによりすなわち俺自身が海を触りに行くべきだったんだ。

それなのに、
睡眠不足で肉体のサマザマな場所がピクリとも動きゃしねぇ。

ウフフ・・・

潮風よ! 海鳥よ! 嗤うがいぃ!!
ワイはアホや・・・大アホやぁ・・・
『純情 VS 砂イパー』20010905/000283

【8月19日(日)】(13)

ぁあ、この砂丘いっぱいにサスペンダーを掛けてみたいものだ。
きっとサスペンスフルな光景になるだろうサ・・・

フ・・・
オタク者の69パーセントは打たれ弱いと聞くが、
こんな事を青春のザセツにしてしまうのも一興かもな・・・

そんな事を考えながらジリャジリャと肌を焼いて寝る。
汗の暑さで背中は砂まみれだ。

だが、・・・その時ッ!!

「あの・・・よかったら・・・
 シャッター押してもらえませんか?」(C.V.火野カチ子)

またくわっ!!
“歴史は繰り返す! しかもスケールアップして繰り返す!!”
その法則に従って、運命はミーに何をさせようとしてるのんか!

もっかいかぁッ!?
恐れていたレッドキングの復活宣言なのかッ?!

だが、性懲りもなく飛び起きた多透の前に、
まごうことなく多透へと差し出された写真機があった。

【2秒後】

『はぃ、撮りますよぅ〜』

カシャっ

「すみませぇん、どぅもー」「ありがとぅございますぅ」

『いやぁ、こちらこそ、さっきは驚かせてしまって・・・』

カメラを返す瞬間、すこしだけ指先が触れる。
名も交わさぬ旅人同士の微かな邂逅と、羞恥と、同情と、
“ふれあい”が其処には在った。

軽く手を振ってくれながら、彼女らは離れてゆく。

嗚呼! 俺は救われたのだ・・・


彼女らの空気と入れ違うように、だぶさんが登ってくる。

くっ・・・タフな男よ。
こんな事なら、尻尾のスイッチを引っ張っておくんだったぜ。
『スナバッキンGO!!』20010905/000284

【8月19日(日)】(14)
================================================================
バラオ像とかを崇める大魔帝国のプリンス・シャーキン。
その彼が、ひびき洸の居る学園に変装して転校して来る。
その際の偽名が、砂場金吾である。
金持ちのボンボンという変装設定で、洸の精神を逆撫でする金吾。
手下に“悪魔のちから”を込めさせたサッカーボールで、
洸をボコボコにするのだ。

【中略】

「ハッ!
 ・・・砂は“シャ”・・・そして金吾の“キン”・・・
 ・・・・・シャーキンかっ?!」

『勇者ライディーン』第九話「恐怖! マンモーの冷凍作戦」より
================================================================

わりとそういう気分で、
だぶさんと、座り込んで日本海を観る。

そして、ここはひとつ、どちらからともなく、
“砂丘でガンダムを埋める時の手順”とかの話になる。

だが、やはり、お互いに、
“それはちょっと違うだろぉ”な気分になる。

そう。

此処は、この風も音も砂も、本物なのだ。

この全天の“リアル”の中に在りながら、
“ほんまに無いもの”の話をする必要性は、無いのだ。

そんな話は、そんな物に溢れた部屋でも出来るのだ。

いつだって“虚構”は“現実”を侵食する。

けれど、
この鬱陶しい汗も暑さも疲れた肉も、“現実”なのだ。

俺よ、手に入れた物だけを誇っても詮無いだろう。
手に入れたと思った物だけで得心しても辛いだろう。

肺には肺の、空気が要る。
肺活量には上限が、在る。

ストローくわえて深呼吸するような事は止めよう。

潮風を、噛もう。

いくぜ青春モンテスキュー!
どぅせ免罪符は貰えない。

「行くかぁ、泳ぎにっ」
『砂で描いた路線バス』20010906/000285

【8月19日(日)】(15)

“空にコブシを突き上げる”という一連のアクションは、
客観的に観ると“わからない”のであって、奇異に映る。
だがら、広大な風景の中では、“グーで背伸び”が良好。

我々が突入した地点ではなく、
正規の砂丘入口と言える『砂丘センター』へ向かう。

砂丘と一般道路の段差を繋ぐ木製階段を地元の方々が補修中。

荒地走行車を無理矢理に乗り入れたばかりか、
階段まで破壊していったヤカラが居たらしい。

自分の“リアル”の狭さに気づかないで居る奴は、
当然の如く人間の連なりも想像できないのだろう。


『砂丘センター』は宿泊&休憩所&売店集合体である。

建物前で出店の準備中のお姉さんに、
地図で発見していた『砂丘海水浴場』までの距離を尋ねる。

「歩いて? ・・・それはちょっとぉ・・・
 素直にバスに乗ったほぅがいぃですよぅ」

既に、朝から4時間を歩いてきたボクたちは、
とっても素直なキモチになっていた。

鳥取市内と砂丘、
そして公共施設である『ふれあいランド』で折り返して、
バスは巡回してくれている。

だが、1時間に1本。

40分ほど余裕が生じたので、『砂丘観光リフト』に搭乗決定。

砂丘を見おろす丘陵の高台に在る宿泊施設まで、
片道5分ほどでゴンゴンと登る。

ラブラブ同志なら並んで乗るトコロだが、
汗砂まみれの野郎2人ではそうゆう訳にもいかないのが世の常。
無言のままソロ搭乗とあいなった。

登ると、砂丘を展望でき、その向こうに広がり続ける日本海。
時期が合えば、ここから漁火が見えたりするのだろう。
いつか時が合えば、
冬に、砂丘が白に覆われた風景も見てみたいものだ。

そろそろ、バスの時間が近づいてまいりましたので、待機。
陽射しはギャンギャンと強く増して降ってくる。
そして・・・

嗚呼!なんとゆうことでしょう!!

バスは・・・
ボクらの待つ反対車線を走り去ってゆくではありませんかっ!!

「グッバイ・バス・・・」

多透は、だぶさんの顔を見ずに、
そして、聞こえないようにつぶやいた。

いろいろあるよね。人間だものぅ。
とりあえず、バス停に座り込んでみる。

どぅする?
この心身疲労状態で、歩いて海水浴場まで行くか?
軽い推理でも、1時間は優に必要であろう。

きっと“何処にも行けない”人間よりも、
“何処にも行かない”人間のほうが多い。
それが、ちょっぴり実感できる、暑い朝。

すると、少し離れて、
先刻、砂丘で邂逅した“OL2人組”が座り込む姿がっ!!

多透の熱視線砲に、軽く会釈だけしてくれる2人。
ま、それで、ジ・エンドだが。
きっと、昼飯時の軽い話題ぐらいにはしてくれるだろう。

ゆるやかに、黒塗りの車が、1台、訪れて、停まる。
タクシーだ。
彼女たちは、しなやかに乗り込んでゆく。
車輪は、鳥取市内へと回転を始める。

そうか・・・
きっと、彼女たちの夏休みは、今日で終わるのだ。

多透は、彼女たちが見ていないだろぅ事も知りながら、
去りゆくタクシーに手を振った。

だぶさんに、たしなめられるぐらいに、
ヘボダンスアクションで。
『砂の10時だ』20010907/000285

【8月19日(日)】(16)

空の高さを観るのは心地よい。

選択肢は無数に在る。
その“無数”は、
“歩く”か“待つ”かに大別できるようにも思えた。

1時間後にしか巡って来てくれないバス停で待ち続けるのも、
旅の一興だが、ぼくらの時間は有限だ。

鳥取市内へ向かうバスが通り過ぎてゆく。
つまり、さっき我らが乗り損ねたバスだ。

グリニッジ天文台には騎馬警官が巡回してくれているらしいが、
砂丘近辺にタクシーは巡回してくれていないように思えた。
観光地の午前10時台は“まだ早い”のか?

雰囲気に飲まれるな。
陰鬱な悲観論は、実は理論以前の気分に多く起因する。
ポジティブシンキングが持ち上げられるのは、
そこに確かに言語化された“意志”が存在するからだ。

『ぁぅ〜 歩くかぁ・・・?』
「ぁう〜・・・」

ダメだ。人間は怠惰に勝てなひ。

海水浴場へと向かう筈の道は、長く彼方へと見えて、
そしてそれは少しばかり登り坂にも見えた。

人間は、能動的に旅などしなくても生きてゆける。
平和な国では特にそうだ。

時間や商品を消費する繰り返しに生きていても、
それを省みる事なくても、生きていけるだろう。

それが人生に何の役に立つかなんて解らない。
けれど、大局的には結局、消費の中で生きている以上、
それをどうして蔑む事ができよう?

楽に消費を楽しめるのなら、それに越したことはない。
旅に出たからといって、
それが人生に何の役に立つかなんて解らない。

どぅせ旅は旅でしかない。

・・・だが、
ほんの一瞬、
自覚してしまうのだ。

これから踏み出す“一歩”こそ自分を動かす唯一の法であり、
その“一歩”こそ、
自分の人生の最前線で在る事を。

そして、
旅人が、
誕生する。


決断は、在った。
でも、
タクシー、来訪。

ワーイ! ラッキーっ!!
『タクモン砂塵系』20010908/000286

【8月19日(日)】(17)

海よ! その無自覚な悠久の鼓動よ!!
我らはゆくぞ! ブッブーに乗って!!

『すみません、砂丘の砂が付いてますので、
 脱がせていただきますっ!!』

言うが早いか、多透は、むんずとTシャツを掴んで脱いだ。
この夏に日焼けと脱皮を繰り返した変な色の肌が露出した。

流れるような動作で、トランクを開けてくださったので、
速やかに格納させていただく。

多透は、まるでM.I.Bに連行されるエイリアンの如く、
上半身ハダカの笑顔で黒塗りのマシンに乗り込んだ。


【オッサンモンスター(オサモン)File No.T-56266】
『タクモン』(タクシー系オサモン)
何処か川谷拓三の面影が在り、タクシーを素早く操る。
気さくなファイティングスピリッツを持ち、道に詳しい。
左手の甲に猫の引っ掻き傷を持つ。あの太刀筋はシャム猫か?
学生時代は高校野球で凄腕の遊撃手として名を知られた事も。
その後、街の遊撃手としてヤンチャな日々を送るものの、
アニメビデオ『ガルフォース』をレンタルで見て、
「これではイカンっ!」と一念発起してプロドライバーに。
地方交通の一翼を担いつつ、草野球も再開。(後半は妄想推理)


『砂丘海水浴場まで御願いします』

「ぅん。あそこはバス停の中間だからね。
 歩いてたら辛いトコだったですよ」

『と・・・ぃう事は、
 その先の『ふれあいランド』まで歩いて結構かかりますか?』

「んー。遠いよぉ・・・正直言って。
 ここから海水浴場までよりは短い距離かもだけれど。
 ま、帰りは建物の前からバス出てるけれどねえ・・・」

後に確認したのだが、
だぶさんは、
同席していた筈にも関わらず、この会話をよく記憶していなかった。

そして、そのいかんに関わらず、
距離の話を聞いた多透の内部で、
ドス黒い策略と怠惰が、
しなくてもいい戦いを始めていた。

『遠いですかぁ・・・』



そして、
旅路は、
新章へ。
『ちいさくおおきなところ』20010909/000287

【8月19日(日)】(18)

車を降りたのは、
何処にでも在る海沿いの道路だった。

実際、そこまでの道には店も家も見あたらず、
ただ並木と海岸線だけを眺めてきたのだ。

少しばかりの駐車場。飲料の自販機。
松の木。

道路のすぐ横から、砂地になっていて、
それは、砂丘と同様の細かく柔らかな白い砂だった。

『砂丘第二海水浴場』という看板が見えた。

丸太を組んで簡単に板で囲った更衣所と海の家が在った。
それらは、夏の間ずっと砂と風に吹かれた色をしていた。

ぼくらは、使用料を女将に払い、水着に素早く着替えた。

チリチリと、陽射しの熱が、肌のそこかしこで踊った。
あいかわらず、空に雲は無く、遠くの青だけが見えた。

“海水浴場”という場は、ただ勝手に存在する訳ではない。

鮫などの危険生物、高波や急流などの危険状況、
設備や衛生面その他の環境維持。
海の家や渡船業者が、その収益から出資して、
ブイや防護ネットやトイレを設営し、
海水浴場を運営してくれているのだ。

自己責任において危険を自覚したり無自覚に泳ぐのなら、
何処の海岸でも泳ぐ事は出来る。

しかし、無節操に危険域に入る事は勇気ではなく、
少なくともレジャーとは言わない。


コンビニエンスストアの出店等により、
現在、
海の家の収益は軒並みに赤字経営が多くなっているそうだ。

飲食物販売の収益は上がらず、
多大なゴミたけが残されてゆく。

この夏も、経営上の事情で、
幾つかの海水浴場が開かれなかったそうだ。


ぼくらの前には、海が広がっていた。

海の家は小さく、1軒しかなかった。

それでも、数キロにも及ぶ砂浜の広大が在った。

視界いっぱいに寄せては返す波の永劫が在った。

その光景は、とても大きかった。
『僕に描けない絵のように』20010910/000288

【8月19日(日)】(19)

お盆を過ぎた海は、既に波を高く荒くしていた。

水面は力強く上下し、砂を掻き回して、
引いては打ち寄せていた。

“絵空事”という言葉が在る。
“絵に描いたような”という言葉が在る。

十代の頃、
無作法に膨らみ始めた自意識とともに旅を始めた頃。

あまりに美しい風景を見た時、
「絵のようだ」と思ったこと。

雲の合間から降りしきる金色の陽射しは、
美しすぎて奇妙にリアリティが無かった。

そうして、その時、気づいたのだ。
自分の中の“リアル”の希薄さに。

自分は、まだ、人生の中で、
“見るべきもの”へと近づく行動が根本的に足りていない。

その、辛くて口惜しくて、認めざるをえない現状に気づいたのだ。

自分に、本当には備わっていない言葉で、語るのは容易い。
けれど、物語を紡ぎたいのなら、
本当の風景を、そこに吹く風を、
本当の光景を、そこに居る人を、
見続けなければならないだろう。

海が在った。
音は波音だ。

波音が風景の基調音となり、風と空間に満ちていた。

『ビッグウェンズディだな』

「そぅいえば、今日は水曜日だった事を思い出しましたよ」

『こんな事もあろうかと、先日、深夜TVで観ておいた』


ぼくらは、波打ち際へと歩いた。

砂はとても柔らかかった。
焼けた表面の、その熱さ。
踏みしめた内部の温度差。


その海は“本物”だった。

見渡す限りに“現実”だった。
『僕の愚劣』20010911/000289

愚劣なる犯行。

11日午前。米国において大規模な同時多発テロ発生。

平和な国で、その“中継”を、見る。

世界の連なりの中で、それは決して無関係ではない。
恨みも、痛みも、連鎖して増殖してゆくのだ。


被害に遭われた方々の、その痛みを、未熟な想像力で思う。

人生で出会い別れた方々の記憶や、
阪神淡路大震災時の光景記憶を動員して、
膨大な人数を、麻痺する事なく飽和する事なく、
ただの数字でない実感として得ようと足掻く。

どのような悲劇の場でも、
そこにそれぞれの人生と連なりは確実に在る。

それを感じられる人間でありたいと切望する。

テロリズムとは、
精神視野を狭窄させた果てに行われるものだからだ。

自分の都合の良い方向にしか想像力視点を配置しないという、
誰もが持っている悪癖を突出させ実行した結果であるからだ。

どれほどの言い分が在ろうとも、
無差別大量殺戮を、
その“ひとごろし”を抑える努力を放棄したのだ。

世界の連なりの中で、事件は決して無関係ではない。
恨みも、痛みも、連鎖して増殖してゆくのだ。

その増殖を止める為の、とてもちいさくとも確実な道具は、
自分以外の痛みを思う、その思考そのものが動力のはずだ。

人間は、思考できるイキモノの筈だ。
自分は、思考できるイキモノでありたい。


“戦争”のニュースを見る度に感じるのだ。

その、
指先が熱くなる感覚や拍動や動く額の肉で。
自分が憤りを感じている事を。

そうして、自分が、
“怒りを感じている”という現実に安堵もしてしまうのだ。

空回りした自意識の虚栄で斜に構えて見たり。
甘えに起因している事も無自覚なまま、
ブラックユーモアと勝手に思い込んだ言葉をクチにしたり。
眼前の現実を、
自分が知ったと思い込んでいる虚構物語の断片で例える事で、
“現実”を安易に“解った”つもりになったり。
自分が自分の“知識”だと思い込んでいる言葉だけで、
したり顔で身勝手な納得を完結してしまったり。

そうして得心する場所に居てしまっていた頃の、
他の誰でもない自分から、
ほんの少しでも遠くに“帰ってこれている事”に安堵するのだ。

今も、
自分の中に、
そのような自分が確実に居る自覚の、
どうしようもない悔しさと、同時に。
『ビッグソルト』20010912/000290

世界の物事を見聞きすると、陰鬱な気分が増す。

しかし、日々の仕事は待っているし、
その仕事を待ってくださる方々も居られる。

その“あたりまえ”に感謝しつつ、
今までの旅や、今までの事や、
これからの旅や、これからの事や、
物語を、
自分なりに記してゆく事もしていこうと思う。



【8月19日(日)】(20)

映画『ビッグウェンズディ』で、
ベトナム帰りのウィリアム・カットが、
海と再会した時の眩しそうな顔を思い出す。

同じ空気が巡ってこないように、同じ波も、無い。

物置代わりに砂浜に置かれた、錆だらけ砂だらけのコンテナ。
その傍らに荷物を置く。

そこはまだ、海よりは高くなっていて、
帰るのに分かり易い場所ではあるのだが、
その風景全体の中では、とてもちいさく見えた。

『ゴーグル・ゴーっ!!』

ザックの中から、ゴーグルとシュノーケルを取り出す。

自分用には、長年使ってきた、
気圧調整弁付きの水中眼鏡&水侵入防止弁付きシュノーケル。

そして、だぶさんには、旅立ちの前日に百円ショップで買った、
百円ゴーグル&シュノーケルを渡した。

なんとゆう差別意識であろうかっ!!
まったく、自分の事ながら、義憤を感じる!!

それはともかく、
海水温、良好。

波が、ぶつかってくる。ぶつかりつづける。
本物だ。
2001年度に泳ぐ、ふたつめの本物の海。


旅を軽蔑していれば、軽蔑できる程度の旅しかできなくなる。

脳内だけで旅をして、
「いつか」「いつか」と繰り返すうちは特に、そうだ。

自分でも、そんな迷路にハマっていたから、よく解る。

どうせ、この身体からは逃げられない。
どれほど旅をしようと、しまいと、それは変わらない。
だから、これを使う。
この身を、使う。

隣の部屋にマタタビを察知してしまった猫の如く、
エッチ目的で隣りの島まで泳ぐ犬の如く、
ムンムンとした鼻息で前進っ!前進っ!!
波っ!! 転倒っ!!!

ゴーグルを調整する間もないぐらい、頭ごなしの波が連発。

いい塩味だ。
『青い塩水の香り』20010913/000291

【8月19日(日)】(21)

波に揉まれながら、砂浜を振り返ると、
だぶさんが、むせながら、コンテナ方面に、
シュノーケル&ゴーグルを置きに行くのが見えた。

やはり、この荒れ波状態では・・・
弁の無い素抜けのシュノーケルからは海水が激烈流入し、
顔に合いにくい安物ゴーグルは単なる水レンズと化したのか。

いい塩味だ。

すまん、だぶさん。
しかし、これもまたライオンパパスピリッツだとしてみよう!

2001年8月8日午前10時51分27秒。
その時点で、地球人類の総人口は、
米国商務省国政局の世界人口統計によると、
61億6541万7659人だったそうだ。

どんな双眼鏡で数えたのかは知らないが。


人間は、想像力を持つイキモノだ。

想像力は、時に残酷だが。

それでも、
人の連なりの中で、
出会う人々の痛みや可能性や喜びを想像する事が出来る。
自分自身の痛みや可能性や喜びを想像する事も、出来る。
そしてそれを実感し、実行し、実現する事もまた出来る。

今、
貴方は、
2001年8月19日午前10時51分27秒。(たぶん)
その時点において、
シュノーケルから流れ込んでくる塩水の味を、
その瞬間の感覚を、
体験したのだ。

その時点、その瞬間において、
そのような体験をした者は、
地球人類の中でも極限られている事だろう。

わかってくれ。

その、名実共に稀少なる感覚を体感していただく為に、
多透は百円セットを渡したのだ。

ほんまです。
『すいむすいむすいむ』20010914/000292

【8月19日(日)】(21)

ぶぼりっ。
海中に、潜る。

うねりはじめた海の中で、姿勢を意識して保つのは難しい。
遠浅の浜では、波は砂底も含めて、水面からの全体で動く。

深い場所では、
よほどの津波でもないと海底付近まで連動しないらしいが。

水中眼鏡を着けて潜っていると、海面の波に連動して、
砂底が掻き回されるのを見る事が出来る。

元々は透明度の高い海岸なので、
巻き上げられた砂で濁っているように見えても、
波が帰ってゆく瞬間、砂底は澄み、清浄な水中空間が見える。

海に入っている海水浴客は、さほど多くはない。

遠浅のせいで、帰る波に沖へと引き込まれるよりも、
次々と来る波に押され、沖に進めない。

勿論、こんな日の沖へと、強引に泳ぎ出るのは非常識だ。
綺麗な風景ほど、人間になんて、容赦ない。


みんなは、浜からさほど遠くない海面で、
波に向かって進もうとし、
そうして波を殴ったり、波に合わせてジャンプしたり、
波に合わせて潜ったり、波を被っては揉まれたりした。

個々の姿は見えているのに、
それぞれの姿勢を保つ事も実は出来ていなくて。
なにもしなくても流されてゆく。
そぅいうのをヨノナカとかジンセイに例えるのは簡単だけれど。
そんなこと以前に、
海の中に居るのは、
ただ単純なまでに、
楽しかった。


水中で前方回転すると、
うねりの中で更に回転が後押しされる。

波と格闘するのは楽しい。
勝ち目など最初から無いが、
全身に抵抗を感じながら全身を動かすのは面白い。

人間は、誰もが、いつか確実に動けなくなる。

今はまだ動く事が出来る実感と、
動けるうちに動いている実感は、
とても嬉しい。
『キミと海底少年』20010915/000293

【8月19日(日)】(22)

波が休みなく殴りかかってくると、
否応なく、そして無自覚なうちにも、押し流される。

遠浅の為、波が引いてゆく時のチカラは砂が吸収してくれるが、
そのぶん、砂浜へと強引に押し戻される。

10メートルほど離れて、
だぶさんが、大自然と格闘中なのが見える。
波が打ち当たる度に、パラパラマンガのように砂浜方面。

そしてそれを見ている自分も静止できず、
あれよあれよという間に浜側方の防護ロープまで漂流。

旅先ではいつも、女性が魅力的だ。

物語みたいな交流など、世の中に、そぅそぅ転がっていないし、
ヱロマンガみたいな展開を期待するほど無節操でもないが。

それでも、ただ、風景の中に美しい人が居るのは、なごむ。

波にもまれながら、浜のほうを見る。
その風景の中の女性を見る。

膝まで海につかりながら沖を見る女性が居る。
何を見ているのか、どうして立ち続けているのか、
そんな事は永遠に解らない。

『うぅぬ。もっと接近してみるべきか・・・
 ぃや、しかしそれでは・・・だがしかし・・・ぅぼふっ!!』

波が、オシオキしてくれる。
・・・“迷うよりも進め”とゆう事か?

行くさ!

『よぉぅし! 俺のこのハイドロジェットでっ!!』

人間には、無理。

されど、目を上げると、だぶさんが接近中。
そして、彼女を見失う。

『いゃ・・・今そこに凄まじく美しい女性が居たんじゃが。
 なんか、グリーンのビキニ姿で』

「んー。あそこ、歩いてるのがそぅじゃないんですか?」

『・・・ちがぅ。あれは、むしろ、青。もっと・・・こぅ・・・
 ・・・ぃや、すまん。自信が無くなってきた。
 もしやすると、“青春の幻影”やも知れぬ・・・ぅ』

「多透さん・・・“青春の幻影”、多いですね」

『・・・・・はぃ』
『さきのばしされたなにか』20010916/000294


『ワールドホビーフェスティバル神戸10』(開催時間11:00〜16:30)
開催日	2001年11月23日 	会場名	神戸国際展示場
1スペース料金	¥4,000	版権申請締切日	2001年9月17日
参加申込締切日	2001年10月29日	入場料	¥500
------------------------------------------------------------------------
『ワールドホビーフェスティバルなごや2』(開催時間11:00〜16:30)
開催日	2002年3月3日 	会場名	名古屋国際会議場(白鳥ホール)
1スペース料金	¥4,000	版権申請締切日	2001年12月28日
参加申込締切日	2002年2月12日	入場料	¥500
------------------------------------------------------------------------
『ワールドホビーフェスティバル有明6』(開催時間11:00〜16:30)
開催日	2002年4月28日	会場名	東京ビッグサイト(西ホール)
1スペース料金	¥6,000	版権申請締切日	2002年2月12日
参加申込締切日	2002年4月8日	入場料	¥1000
------------------------------------------------------------------------
#ワールドホビーフェスティバル大阪2』(開催時間11:00〜16:30)
開催日	2002年5月5日	会場名	大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
1スペース料金	¥4,500	版権申請締切日	2002年2月18日
参加申込締切日	2002年4月8日	入場料	¥500
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この半年ほど、特にこの3ヶ月ほど、
11月23日の『ワールドホビーフェスティバル神戸』を目標に、
カレージキットフィギュアの原型づくりに悪戦苦闘してまして。

いよいよ、今度の月曜日17日の、
版権申請書類提出の期限に向けて、
とりあえず見ていただける程度へと、
なんとかスパートかけてたんです、が。

なんと。
よりによってその開催日に、抜けられない別件の予定がっ!!

しかも、“友人のピアノ演奏会”という、非日常的なっ!!


現在、悩みつつも、
年明けからの名古屋・有明・大阪な3連続参加へと、
ココロを切り替え中です。

そのぶん、完成度を上げられる“かもしれない”思い。
そのぶん、時間的余裕がまた生じた、安堵。
その為に、見えてくる、モラトリアムに安住する自分。
その為の、嫌悪。

結局、そんな思考迷宮から脱出するには、
カタチをつくるしかないわけで。

元々・・・
頭の中だけで満足してた頃から抜け出て、
ちゃんと完成させる楽しみが欲しいと思ったから、
始めた事で。

なら、ちゃんとするしかない、と。
『地球ニギニギ』20010917/000295

【8月19日(日)】(23)

水中眼鏡装備“ダルマ浮き”では、荒波に揺られてどんぶらこ。
“ふし浮き”では、ライク・ア・ローリング割りバシ。
荒波の水中で、自己姿勢を保ち続けるのはムズカシイ。

立位→アグラの中間形態で、両膝関節内側に両肘関節を密着。
前腕は伸ばしたままで地面を強引に把握っ!

陸上ならば、この体勢で腕力歩行するもまた良し。
(だが、インパクトではクレヨンしんちゃんの尻歩きの勝ち)

握っても握っても指の間から逃げてゆく細かい砂を掴みつつ、
波来る海中で限界まで静止。

変な格好。
フフフ・・・八月の濡れた砂浜でヱヱ雰囲気のアベックさん達は、
よもや海中に奇怪なポーズてしがみつく男が居るとは思うまいっ!

オレは海草・・・オレは海草・・・オレは海草・・・少しイヤ。

でも、遠くの波の流れに、海草が水中を飛んでゆくのが見える。

嗚呼!あれはもしや、バミューダ・トライアングルで、
行き交う帆船にカラミついて難儀させたとゆうホンダワラでわっ!?

・・・って、流れも動きも早いので、
多透の眼力と知識では判別困難。

シャバシャバと海底の砂が踊る風景の中で、
ハゼみたいな魚も、ぬるぅりと泳いでゆく。

その、水棲生物特有の、“何処も見ていないような目”を、
海中で追想する。
『夏の首長竜』20010918/000296

【8月19日(日)】(24)

砂で濁った海中というのは、ある意味、神秘的であり、
そして不気味でもある。

子供の頃から、いちばん慣れ親しんだ海は、
ジジイハウスの近く、つまり瀬戸内海だ。

決して汚くはないのだが、波が高くなってくると、すぐに濁る。

そのような環境が普通だったので、海が澄むと激烈に嬉しいが、
砂に濁っていても、ある意味“あたりまえ”に今も思ってしまう。

ほんの数メートル先が見えない現実は、
すぐそこにナニモノかが近づいている空想を喚起する。


あれは・・・
小学校低学年の頃、ジジイハウスに置かれてあった、
少年週刊誌のグラビアだったと思う。

そこに“引き金”は在った。

現在の様に、アニメやスポーツの紹介中心ではなく、
『世界の謎と神秘』とか『世界の拳銃』とか『UFO特集』が、
少年の妄想育成に美味しいケレン味含有で掲載されていた。

その“絵”の中でも、忘れられないものの1枚・・・
小松崎茂画伯の筆だったと思うのだが、
“見開きいっぱいに描かれた首長竜”は実に鮮烈だった。

追想するに、
プレシオザウルスだったと思われる首長竜自体の迫力も当然ながら、
画面右下方に描かれた、独りのダイバーの小さい姿が心に刻まれた。

その驚愕に緊張した全身!
対峙するイキモノの異様なる巨大の量感!
万物の霊長を唱える人類の、あまりにも決定的な小ささ!
首長竜の背後に広がる、その、深き海の暗黒!

小学生多透の体感していた“海”よりも、
もっと深く広大すぎる“世界”を、その絵は突きつけてくれたのだ。

遠くの見えない海中で、
その底に座ると、
いつも、
その“絵”を思い出しては、
ドキドキする。
『ジョーズまわし』20010919/000297

【8月19日(日)】(24)

とにかく、『ジョーズ』は劇場へ観に行った。
すなわち、連れていかれた。

ぅっわぁ!
なんやのん?なんやのん?!
あかんて!こんなん、こわぃって!!

おゃおゃぉゃぉゃおゃ!あきまへん!!
お父ん!いたいけな小学生に何みせんのん!?

どっひー!死体いっぱい出てくるやん!!
かんにんや!東映まんが祭に替えてぇな!!
ボクはマダマダ海に対して淡い夢を見てたいんや!!

こぅ見えてもかんじゅせいつよいねんで!!

こ、この映画に途中休憩はないのんか? なぁ?
え、そんなん無いって? せっしょうや!!

あかん!ふるえがとまらへんっ!!

ココロの中でなんかが回ってるで!
三尺手拭でホッカムリがでけんぐらい長い頭のオッサンが!
ぐるぐるぐるぐる頭まわしてるのんが見える! 見えるんや!

ちびる!
このまんまやったら、ちびってまうで!!

がまんせいってゆわれても、でけるもんちゃうで!!
あかん!ぷるぷるや! もぉ、喉元まで来てるで!!
雪隠や! つれてってくれ!! 後生や!!

・・・・・ふぅ・・・ことなきをえた・・・

・・・って!まだやってるやんか!!?

うっっわぁ!サメや! サメやで! サメ来るで!!
そんなんわかってる言われたかて! 来るで!サメ!!

はふーっ!! はふーっ!!


ぃゃあ・・・
子供の頃から海底で、ぢっとしてるのんが好きやったから、
実に!インパクトのある映画でした。はぃ。

その次の夏に海に入ってて、本気でドキドキしたものです。


『お母ん・・・このへんの海は・・・
 サメなんか、来ぃへんやん・・・なぁ?』

「ん? 来るで。
 むっちゃ来るでぇ!
 昔からなぁ、喰われた人の話、よぉ聞いたでぇ!!」


でも、海にはやっぱし入りたいので、
手ぇグーにしながら入ってました。

えぇ、塩水が目元に染みる事を知ったのも、その夏です。

自分のココロの抑えかたが解ってきた頃には、
怖さの裏返しや、自分への照れや、代償行動からか、
“何物か”に遭遇する可能性を夢想するようにもなりました。

『ジョーズ』に描かれた人間像も解ってくると、
船での3人のやりとりが味わい深くなってきたり。

そうして、
砂に濁る海中に潜っていると、
眼前に横たわっている広大かつ膨大な世界と深淵を意識します。

そこから、
その見えない果てから、
あの“何処も見ていないようで広い視野を持つ”、
水棲生物の、表情の無い目が、
不意に出現するようで。


でも、眼前を横切るのは、
案外、おっさんの足だったり。
『肉体のバン』20010920/000298

【8月19日(日)】(24)

いろんな商業作品を味わっていると、
「なんでこんな程度のシナリオでゴーサインがっ?!」
と、不遜にも思ってしまう事が時折。

『船頭多くして船山に登る』とも言うが、
多くの人間がそれぞれに時間を使うからこそ、
シナリオ書きと承認者には、
責任が重く在るのではないのか?

・・・そして、その認識は自分にも当然、反射して来る。

物語を書くに際し、世界の認識のつたなさを痛感する。

その打破として、見聞と体験を加速させる事は、
決して間違いではない筈だ。

しかし、物語というものは、それだけで書けるものではない。

みんなそれに気づいたり気づかなかったり空回りしたり失速したり、
水の中でふと息を抜いたりしながら物語をつくろうとするのだろう。

だから、ちからおよばなかった作品群の切なさもよく解る気がする。

“夢は見るものじゃない 夢になれ”という定義は各地で目にするが、
教えてくれたのはやはり『ロッキー・ホラー・ショー』だろうか?

とにかく、煮詰まって動かないよりは、面白いほぅへ行こう。

そのような訳で、海中で何回転できるかに挑んだりもする。

空回りは真剣である程に面白いが、
空回りしすぎるとそれだけで満足できなくなる。

海の家で、ボディーボードを貸し出してくれていた。
時間無制限で1枚1000円。

脳内の屁理屈に有無を言わさずに、借りる。

ボードが流れ去ってグッバイヱンドを防止する為、
ヒモの付いた腕輪をマヂックテープで装着。
赤い糸より根性ロープ。

しもぅた!!
ボディーボードって、どんな乗り方すんのんか知らんで!!

なんか、遠方で誰かが乗っていたので、肉眼ズーム。
とにかく、腹這いで乗るようだ。たぶん。

波が荒いので、なかなか浜から離れられない。
波にさらわれる以前に波に打ち上げられる状態だ。

「もんげら!」「ふんげら!」と、キリモミ脳天気。

苦闘の後、なんとか、波に揺られるようにはなったものの、
なんか、波乗りという充実感が無いような気がする。

いわば、船の破片にしがみついて浜に打ち上げられる感じ。
遭難物語を書く時の参考になるかも知れん。
ならんかも知れん。

それでも、面白くはあったので、性懲りもなく数十分。

だぶさんは、遠方で荒波と戦い続けている。

快晴の空の下で、
いよいよ、波パワーが調子づいて過剰グレードアップしてきた。

だんだんと、砂浜へ帰る人が多くなる。
もともと混んでいなかった海から、更に人影が消える。

しかし・・・
おっさんが独り、胸上部までぐらいの水位地点で仁王立ち。
荒波の彼方を見つめている。

これはほんまの話です。

“遠い目をしている”という言葉も、昨今ではあまり聞かないが、
おっさんは、もはや、荒波で顔面を洗い続ける状態だ。

しかも、水中眼鏡ではない、ノーマルメガネ装着済。


もぅいいっ! もぉいいんだ! おっさん!!
オレの念波をキャッチしてくれ!
もぉ、あんたの心意気は伝わったっ!!
自分を許してやってくれ!!
もぉ、そこまでカラダ張ったギャグに挑まんでもええ!!


ざっばぼぉぉぉぉぅん!!!


「メガネ!? メガネ!?」
『ゴッドポンチ』20010921/000299

【8月19日(日)】(25)

ボディーボードを試したからと言って、
それで多透は進化できたわけではなかった。

見様見真似五里霧中だからなおさらの事だ。

早急にボディーボードを習熟する必要性が無いのも、
理由のひとつであろう。

体験が良好に創作へ活かせる保証など誰もしてくれないし、
“世界のピンチを
 ボディーボードを背負った女学生が救う”話とか、
“ボディーボードによって更正した女学生が
 宇宙を震撼させるボードバトルに巻き込まれてゆく”話とか、
そぅいうのを書くのでなければ大丈夫だろう。たぶん。


海面ギリギリに視点を保ちながら波に揺られる感覚は楽しい。

創作における、
脳内理想と現実のズレによって生じる位置ヱネルギーも、
このぐらいゆるやかに楽しめないかと思う。

地中海サルジニア島だったと思うが、
三葉虫の化石破片が道端にゴロゴロしている所があるそうだ。

ぺにょぺにょに疲れたカラダで、
五体満足な人間達がゴロゴロとくつろぐ砂浜に、
ダラダラと再上陸。

眼福。眼福。

それにしても、
『砂丘第二海水浴場』・・・
ブッブーに乗ってアクセスするならオススメ。

広大さと遠浅と水質と白砂
やらが、ごっつあんです。

しかし・・・
今回は登場しなかったものの、
『第二』という箇所が気に掛かる。

ふと気を抜くと、
天空から黒覆面をした海水浴場が降臨してきて、
ザシャァァッとマスクをはぎ取り、

『クハハっ! キサマらが戦っていたのは所詮2軍ッ!
 ここから先は1軍たる“第1海水浴場”が相手になろうッ!!』

とか叫んだりしないかと心の奥底はずっとビクビクするべきだ。
『隠喩の記憶』20010922/000300

十数年前、京都新京極にて、
デビッド・クローネンバーグ 監督作品の、
オールナイト上映会へ行った事を、不意に思い出す。

『ザ・ブルード〜怒りのメタファー 』『戦慄の絆』『デッドゾーン』
この、順番だったと思う。

もう1作、あったかもしれない。
『ラビッド』だったかもしれないのだが、
この時に観たのかどうか、どぅにも思い出せない。

『ザ・ブルード〜怒りのメタファー 』は、
ドメスティック・バイオレンスを情念の恐怖と共に描いた秀作だと思う。

何度も観たいとは思わない味わいだが。

それでも、
情念を軸にした人間描写で、
無自覚な親切心や探求心や怠惰や復讐心や警戒心や、
時には思慕までもが、
噛み合わずに暴走してしまった場合の怖さが、
高いテンションで描かれている作品のひとつだと思う。


アメリカのテロ事件では、
多くの人々が、ただ亡くなったのではなく、殺された。

その原因となった悪意や無自覚には立ち向かわねばならないが、
その最善策が報復攻撃だとは思いたくない。

報道では、“史上最悪”という言葉が頻繁に表出している。

しかし、
戦争・事件・事故・疾病・負傷・挫折・失敗・喪失などにおいて、
その規模の大小や客観的視点に関わらず、
当事者にとっては、それぞれが、それぞれの人生の中で、
“史上最悪”である事も、忘れたくない事実だと思う。

『可能性の王国』の中では、無限数の未来が存在しうる。

願わくば、
“かけちがえ”を最小限に出来る選択肢を、選べる事を・・・
『コールドゲーム』20010923/000301

『ザ・ブルード〜怒りのメタファー 』を観た頃、
見た夢のひとつを覚えている。

夢には時折、タイトルを付けたりするのだが、
この時のタイトルは、
『コールド』と言う。

目が覚めてから、「それ、名前の語感しか似てへんやん!」と、
自分にツッコミ入れたぐらい内容に関連性は無い。



気が付くと、“世界の終わり”に来ていたのだ。
どうしようもないぐらいの快晴の海岸で、海は変わらず広くて。

海岸に立つ半壊した灯台の横で、
自分は、よくわからない形のジャングルジムの上に座っている。

空は、苦しいぐらいに青い。

しかし、
海岸は、沈んだような色の玄武岩で満ちている。

岩石のその荒涼とした凹凸は、
“もしかしたら異星なのではないか?”という期待を抱かせる。

しかし、それでも、
自分は此処が自分の生まれた地球だと知っているのだ。

遠くの岸壁の、ギザギザの稜線から、生物の群れが歩いて来る。

マツカサウオとアルマジロとセンザンコウとカッチュウギョを、
知らない誰かが混ぜ合わせたみたいな生物だ。

自分は、その生物が『コールド』と呼ばれているのを知っている。

しかし、自分以外に『コールド』と呼ぶ人間が、
この地表にどれだけ残っているのか知るすべはないのだ。

『コールド』は、
立ち止まったハンプティダンプティみたいに、不格好だ。

体色は黄土色で濡れた粘土みたいに鈍く光っている。
体高1.5メートルぐらい。
何処も見ていないような黒い瞳。複眼。
陽炎のように、ゆぅらりと微速で歩く。

『コールド』は、そうして、独り居るヒトなどを意に介さない。

ゆっくりと海辺を移動してゆく『コールド』の群れと、
自分の足元に在るジャングルジムの骨格と、
無限遠から来るような雲々の流れと、
まわりじゅうに広がる光景。

それらが、奇妙なぐらいの複合視点で、脳内に投射される。

痛みを伴うような沈黙の中で、
潮騒だけが五月蠅くて、
どうにかして自分の鼓動を聴こうとする。
『現実回帰願望』20010924/000302

【8月19日(日)】(26)

海中でゴロゴロしたいキモチは、やはり、
母胎回帰というよりも、
“わけわかんないとこ回帰”願望かも知れない、と。

海辺に置かれた錆びたコンテナの横で、身支度を始める。

いつの間にか、高いポールの上で、赤い旗が風に揺れている。
“遊泳禁止”の印。

皆は砂浜で寝そべり、
海には、ただ荒々しい波だけが増えてゆく。

きっと、この2001年で海に潜るのは今日が最後。

細かい砂が、なんかやたらと服も体も砂だらけにする。
おなじみの感覚とはいえ、これが夏の海気分を倍加させる。

思う。
モニターの中に無いものだけがリアルではない。
こんな些細な感覚群を内包した環境そのものがリアルなのだ。

空は、あいかわらず巨大で。
陽射しは、ただ荒っぽくて。


虚構は現実を浸食する。
オタクフィールドにドップリ浸かっていたり、
自分を内向的な社会的弱者と自責定義してしまっている場合は、
特にそうだ。

そしてそれは無自覚であったり、自覚する事からの逃避を含む。

その先に手にする答が、
安易な他者破壊であったり、安易な自己破壊であったり、
緩慢かつ硬縮した自閉などしかないのなら、
それはなんてかなしいのだろう。


広い場所は、いい。

環境が如何に人間の精神を左右するか、染みるように解る。

ジンセイをフクザツに考えたりしなくても、
ただ、気持ちいい。
『エテSL』20010925/000303

【10月5日】

10日間ほどのゴ無沙汰です。
(光速度移動が必要な一部の地域を除きます)

なんとか、ADSLへの転換が済みました。

手間取った理由は色々あるのですが、
つまるトコ、多透自身のスローペースで御座います。
申し訳ない。

まぁ、今回の件に限らず、
インターネット環境の導入・契約・変更などに伴う手続きは、
焦らないのが健康にいいかなぁ、とか、
“御相談窓口”には、
キュゥゥト声優風味ヴォイスのオゼウさんが多いので、
焦らずキレずに声質を愉しむ余裕をもって電話するのんが良い、
とかとか、思うんですが。
ルータ送付の催促をした途端にブツが届いたりな現実を考えると、
イササカゆったり気分すぎたようです。

申し訳ない。


これからもインターネット環境を楽しんでいきたいし、
使っていきたいと思っています。
だから、否定するつもりはサラサラないのんですが、
気付いたの、は、
ネット環境の90パーセント以上を封印した日々でも、
変わらず文章や絵や立体で遊んでたし、
日々のリズムに大した変化も感じなかった事。

“ネット依存”とか、そんな言葉を持ち出す以前のネタとして、
自分に内在する“なんかつくろう”の比重が確認できて、
わりと嬉しかったり。

そして、更新が滞ってしまっている日々でも、
訪れてくださっている方々が居られるという、ありがたい事実。
感涙であります。


で。
「あ。ADSLやっぱし速いです。
 今まで僅かずつ僅かずつ積み重なっていた待機時間が短縮された分、
 創作時間に割り当てられると良いのんですが」
・・・とか書こうとも思っていたのです、が。
・・・・・思ったよりもISDNとの差は感じられないです、ウチは。
これが噂のヘストエフォートとゆうやつですかっ!

けど、何を公開させていただくにしても、
通信速度やらなんやらよりもまず自分の性能と行動ですし。
この夏、たらふく遊んで蓄えた鋭気で、
日記以外の部分もそろそろ更新を頑張らせていただきますので。
今後とも、なにとぞよろしく御願いいたします。
なにとぞ。
『今週の目標と発見伝』20010926/000304

見えたっ! 原型制作で、見かけの大きさが巨大化してた原因がっ!



“ラフスケッチは、描こう”

すごいっ! はやいっ! みるみるできるっ!!

そっかぁ! いいんだ! 立体制作に、ラフスケッチって!!
    
『バトルスリッパ』20010927/000305

【9月23日(日)】

天王寺駅で、混雑した電車に乗ろうとした時、スリに遭う。

正確には、連れが、だが。

3万円。

一部、ミーのお金も入ってたんですけどぅ・・・

まぁ、そのぐらいは頑張って稼げば良しなんですが、
日帰り温泉ファイト予定がオジャンのパー。

早業。
憎いぜぇ、犯罪者。

お金は勿論だが、時間を奪われたのが憎々しい。


結局は財布も見つからなかったのだけれど、
駅員さんや駅長さんや鉄道警察の人や私服刑事さんは、
皆さん本当に御親切で。救われた気分。

あと、普段は入れないトコにも入れていただいたりしたので、
ちょっぴり取材気分も堪能。

指名手配書の束とか・・・
なんか、包丁の写真のコピーとかも見えたりして。怖ぁ。
    
『紀行ちゃん』20010928/000306

さて。
ただでさえ間が開いた上に、長引いている鳥取紀行です、が。

みなさん既にお気づきの通り・・・
“文章練習”“記憶による立ち位置確認”“現在からの追憶”
“はじめたからは最後まで”“夏スキスキ”“ただなんとなく”
などなどの理由とかが、
多透脳内に点在してしまっていまする、ので。

もちっとだけ。
おつきあいくださいませ。
『まっつんウォーク』20010929/000307

【8月19日(日)】(27)

松並木が、ずっと続いていた。

だぶさんと多透は、ずっと続く微妙な登り坂を歩いていた。

蝉はあいかわらず、短い夏を鳴き続けていた。

左側を見ると、
そこには、波を更に荒々しくした海が在った。

そして、誰も居ない砂浜が在って、防波壁が在って、
がらんとした2車線の道路が在って、
そして歩道も無い路肩を自分達は歩いていた。

路肩はすぐに土の色が見えていて、松葉が積もっていた。
ああいう所を歩くと、足先のまわりじゅうがチクチク感満喫だ。

まさにチクチクバンバン。

松葉がなかなか腐食しないのは何故なのだろう?
やはり油分の豊富さによるものなのだろうか? 
松ヤニ万歳!!


それにしても、
松という植物は面白い。
土などロクに無いような岸壁や、
海の中に立つ島とも言えないほどの岩塊にも生きる。

葉の付き方も、
杉がモキャモキャしているのに対して、
松はパギャパギャ開いてるのがステキ。

そうして、あの格好いい幹のゴツゴツ肌に触れると、
セミに小便を掛けられたりするのだ。
『君の居る坂道で』20010930/000308

【8月19日(日)】(28)

そのように“旅先”で歩くのが面白いのは、
日常から遊離した風景の中での移動であり、
錯綜する追憶が更に積層してゆく実感覚と、
眼前の新風景の更新体験を味わえるからか。

しかし、
そうこぅ理屈を言えるのは、
自分の部屋で風呂上がりに冷えた緑茶を飲める状況だから、で。

顔を上げた向こうの視界に、道が続いていて、
それが坂を登った“その向こう”までも、
ずっと続いている事が明確な状況では余裕が無い。

汗はあいかわらず出放題だし、夏の陽射しはゴツゴツしてる。

「あ゛ー、ちみちみ、
 ココはブッブーで行くのんが前提の道なんでねぇ、
 ほんまにもー」
とかいう台詞が聞こえてきそうなぐらい、実は歩道が、無い。

そぅいうトコを、
野郎2人がトボトボと歩いていると思っていただきたい。

客観的にも、あまり楽しくない感じだ。

こぅ・・・
も少しソウルフルなビジュアルが欲しいところだ。
坂道の頂上で、夏セーラー服の少女が、仁王立ちしているような。

つまり、
坂道とか堤防とか断崖とか尖塔とか屋根とか歩道橋とか、
そぅいうトコに、凛と立つ女の子というビジュアルに、
多透は弱い。

かなり。
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