『銀河新年』20010101/000197
よ本誠旧おあ ろ年に年めけ しも御中でま くな世はとし 御に話 うて 願とに ご いぞな ざ い り い た ま ま 多 し し す 透 ま た す
多透です。目出度く新世紀ということでなによりです。 さて。趣味フィールドの豊富としましては・・・ 今まで多数の方々に御世話になりながら御教授していただいたものを、 もっと勉強し活用させてもらいつつ・・・ @自作物語キャラクター・ガジェットの立体化 @自作物語同人誌の発行 @イベント参加 と、いう感じな事をマイペースで実現連続できればいなぁ、と。(^^; 具体的には、まず、 2月11日(日)『WHF有明』にディーラー参加させていただきます。 (その準備のため1月28日の『WHF神戸』は一般入場となります(^^;) 『聖ギャルロボ学園』立体物は修行の為ひと休みさせていただき、 同人誌増補改訂版を用意させていただく予定です。 で。 立体のほうなのです、が。 自作物語ガジェットのガレージキット化がひとつ進行中です。 なんか、無謀にもメカ物です。(^^; あと・・・スペースオペラだそぅです。(^^ゞ
『新春深夜快速』20010102/000198 【1日目】(1) 零時15分大阪駅、発。季節限定夜行快速にレッツ搭乗。 そんなに寒くない。あいかわらずの旧式車両。 固い座席が夜行気分をいやがうえにも盛り上げる。 ちなみに、一応リクライニングするものの、ロックが効かず、 立ち上がると「がちょぎっ!!」と轟音をあげるので使えない。 夜行には夜行のルールがある。キープサイレント。 ひとり旅が動き出す。 窓際の席。隣は空席。車両には既に眠りに入っている人が多い。 皆、固い座席でなんとか眠ろうとするので、 通路に足先や頭部がはみ出ている。これでこそ夜行の風よ。 無論、ねむたくないのんで。ノートとシャーペンを出動させる。 今回の旅は、音楽再生装置無し(脳内BGM除く)・書物無し。 物語の構想とかを可能な限り書いとく野望。 車内照明は少し暗くされてしまうが、気にするな。 流石にこの時間になると、車窓から見える山陽道も静か。 街並みがどんどん空間を広げてゆく。 奥行きの在る闇の中に、線路わきの変電設備が不意に浮かび上がる。 岡山に到達する少し前、少しまどろんでいると不意に隣に気配。 見ると、 トム・ハンクス似の男が妙に姿勢良く座っているではないか。 どう見ても日本人なのだが、似すぎ。 身じろぎもせずに進行方向の車中を見つめている。 他にも空席は多々在るので、 きっと隣席の指定券を買ったトム・ハンクスなのだろう。 快速列車で普通席だが、全席指定。 だが、岡山駅に到着するやいなや、 トム・ハンクスは脱出してしまう。 岡山に用があるトム・ハンクスに違いない。簡単な推理だ。 世の中にはトム・ハンクスが3人いるというから、 まぁ、そういう事なのだろう。 グッバイ、トム。 列車はそうして長い橋を渡る。 照明に照らされた構造物が心地よい。 コンビナートの照明が不必要なぐらい美しい。 私の名はメートル。 多透、「銀河快速333333333(スリーナイン)」に乗りなさい・・・ ホントは「ムーンライト高知」・・・朝まで高知ダッシュ。
『戦慄!!龍馬の横顔』20010103/000199 【1日目】(2) JR高知駅。午前7時過ぎ着。 ここから四国を西回りで旅してゆくわけだが、 各駅停車と快速列車しか使えないし、実際問題として各停しか無い。 古代から伝わる時刻表をツブさに検討した結果、2時間の余裕を発見。 ここはひとつ、桂浜から太平洋に“でん”してくる事にする。 だが、年始運行の為に桂浜行きのバスにアクセスできない。くゅぅー。 こうなれば自らのチカラで走るしかない!青春ダッシュ!燃える新年! ・・・桂浜まであと13キロ表示を発見。 とちゅーからタクシーさんに乗りまちた。 そして気を取り直して太平洋に新世紀パンチ。 水平線に地球の丸さを見る。広い。世界は広い。 ほとんど人影が無い。波打ち際ダッシュ。太平洋勝つか?!多透勝つか?! 流石は遊泳禁止の荒波。片足濡れる。勝負はおあずけだっ。 坂本龍馬銅像は意外とデカかった。モビルスーツぐらいある。 なんか隣にヤグラが組んであって、 昼間は登って“龍馬の横顔”に熱視線を送ることが可能らしい。 日参して投げチッスする地元女学生存在確率5億パーセントと、見た。 きっとセーラー服の下に龍馬Tシャツとか着装してるに違いないサ。 しばしの別れだ太平洋。 今度は泳ぎに来る。つまり次回はフルコンタクト勝負といえよう。
『見知らぬボーイズライフ』20010104/000120 【1日目】(3) 列車は鉄路をひた走る。遅いというよりも、道は、長い。 高知を西進する土讃線の風景は、狭さと広さが交錯する。 単線の両側ギリギリまで民家が隣接しているかと思えば、 広い空や連続するトンネルを抜けてゆく。 先頭車両の、進行方向が見える席に座ってゆく。 トンネルのいくつかは遠くに出口の光点が見えている。 トンネルのいくつかは内部で曲がっているので先が見えない。 車両が傾いたその先の遠くに出口の光点が見えてくる。 とてもちいさい光に近づいていく。自分のチカラじゃないけれど。 窪川という駅に到着。 ここから予土線(しまんとグリーンライン)となる。 乗り換えの為、約70分の猶予。 当然の如く『青春18きっぷ』の効能を活用して駅から町へ。 駅も町も、一瞬前までは知らなかった場所という奇妙。 列車から降りないとただの通過点だし、この先も縁は無かった。 確率と違和感と高揚の混迷したなにか。 この感覚の為に旅をしているような気もする。 ちいさな川の橋を渡ると『おもちゃのあたりや』という店に遭遇。 “この旅では趣味モノは買わない・・・多分”と、決意を新たに。 店内は広く、半分がゲームセンターになっている。 模型はガンプラMG初期の物が数個。 それでも地元少年ズの憩いの場になっているに違いない。 1月2日というのに7人ほどが集まっている。 橋から梯子を降りて澄んだ冷たい川水に触れる。 人影の無い民家の間を抜けて、駅前地図にあった高校を目指す。 気持ちよく道に迷う。 時間切れ。昼飯を食うのを忘れてる。遠くに校舎が少し見える。 17歳ぐらいの女の子が、 マフラーに顔を半分うずめて、自転車で道を遠くに走ってゆく。 もしも・・・ あの頃この町で高校生だったなら、どんな日々を過ごしただろう?
『午後の列車』20010105/000121 【1日目】(4) 予土線(しまんとグリーンライン)は1両編成のワンマン列車。 バスみたいに回数券を取って降車時に料金箱ゴー。 軽い通り雨の中を列車は走ってゆく。 脳裏に何故か人名が浮かぶ。 エロール・フリンって誰だったっけ? 語感からするとエロゲーキャラ疑惑濃厚だが無念な事に詳しくない。 漠然とした疑問を抱きながら宇和島駅に到着。 6分間の猶予。キヨスクで食料調達。15時の昼食。 『ラブひな』の9巻が平積みされている。もぅ9巻まで出てるのんか。 急いでたせいか、駅前地図に書店名が見つけられない。 もしも・・・ コミックスの安定供給がキヨスクにのみ委ねられている土地ならば? JRを通じたオタク嗜好操作も可能ではないのか? 通販は検閲して。 もしも・・貴方が降り立った町が『ラブひな』に支配されていたら? 漠然とした不安を胸に予讃線で愛媛に向かう。 普段、プロ野球を見る習慣が無いせいか、 ジャイアンツ帽をかぶった少年を久しぶりに見た。 ローカル線の車両といえば、10年程前・・・ 日本海側を重点的にフラフラしてた頃には、たいてい座席横に鉛筆で、 “E.YAZAWA”のロゴが落書きされていたものだが・・・・ 日暮れにはまだ間がある。 見えるとは思っていなかった豊後水道の海が車窓に映る。 海の青が濃い気がした。面白い。 あ。映画俳優やんか。しかも男の。
『温泉高校生』20010106/000122 【1日目】(5) いよいよ愛媛県に初突入する。 やはり、いよかん的に全ての建造物は蛍光オレンジ彩色で、 みかん色の髪をした女の子がワンサカいてるのであろうか? 徳島駅には「すだち君」が居たが、「いよかんちゃん」は? 18時半ぐらい、松山駅、着。 こ・・・こりはっ! 都会ではありませぬくわっ!! 駅の規模はともかく、なんか大阪梅田みたいな雰囲気。 交通量も結構多い。 あぅ、市電が走ってる。高知のも良かったが。かっちょいー。 宿には余裕をもって23時ぐらいに入る旨、連絡済。 この地に来たからにはやぱし道後温泉に入りたい年頃ゆえに。 地下道を通って市電の乗り場に渡る。風がキツくなってくる。 日が暮れてる。なんか人影無し。気温寒くなってくる。ひぅ。 中央分離帯のように道路上の島になった市電駅でフラフラする。 ん。地下道から登ってくる人の気配。・・・敵かッ?! なんか女子高校生が登場。制服着てるから、間違いないだろぅ。 やばぃ!!竹刀もってる!ムキ身ではないが。やはり敵かッ!! その時突然に強風襲来。ハッ!これが伝説の神風とゆうやつか? ぉおぅ!敵はなんかフラフラしてるぞぅ。勝ちか?勝ったのんか? 「ぁっ・・・」 くぅ。なんかカワイイ声だして顔を押さえてる。敵のクセにっ! 油断させる作戦か?! それとも目からビーム出すマエフリか?! 勝った!敵は、なんかしゃがみこんでるぞぅ。クララが勝った!! が。なんか、置き去りにされたカタチの竹刀袋が倒れそうぅ。 罠?! 罠なんか?! 松山の女学生は策士?! 参謀タイプ?! あぁーん。とりあえず、竹刀を助けてしまう。不覚。 「あ・・、はぃ、すみません。ありがとうございますっ」 ぉお。なんと礼儀正しい少女であろうか。 ・・・これが罠の一環でなければ、なっ!! とりあえず、風よけになる位置には、立つ。 これで好感度がアップして、攻撃衝動を抑えてくれればよいが。 この位置からだと逃げても風上方向となる。 ニオイをたどられれば危険だ。 「どしたん? コンタクトでもズレたん?」 「はい!そうなんです。すみません」 「あー。俺、旅行中やし、ナンパとかちがうから、ゆっくり直し」 「はい!ありがとうございますっ!」 文頭の“はい!”が苛烈なまでに心地よい響きを大気中に・・・ ハッ!! 精神兵器ッ?! ・・・だが、そぅいえば。大阪で・・・ “本気で単なる知り合い”な剣道女子高生も同様の言葉遣いをっ! この武装は剣道少女に標準装備なのか?! ピンチ!! 剣道少女、復活して立ち上がる。この間合いはヤバい。突かれる? 「はい!もうだいじょうぶですっ! あ、大阪の人ですか?」 「ん。わかる?」 「はいぃ」 この、異常なまでの洞察力・・・危険、だ・・・ 「しつもぉーん。剣道してる時はコンタクト大丈夫なん?」 「はい!普段は眼鏡してるんですけど。 今日は初稽古の後、みんなで遊びに行ってたんです。それで・・・ あ、道場では裸眼で頑張ります!」 「え? あぶないやん」 「はい!ぼんやりと見えますし・・・それに、 剣道は1対1です。動く人影が敵ですから、だいじょうぶです!」 「そ、そうか・・・やるなぁ」 女学生、勝ち誇ったようにVサインまでする。なんというサービス!! ・・・目つぶしされるかと思ったが。 その時、市電が来訪。 「はい!来ましたよ。どこまで行かれるんですか?」 「や。愛媛はじめてなんで、ありがちに道後温泉まで」 「はい!それでしたら道路の向こう側の乗り場ですよ」 手をふって、別れる。 いい恋してほしいなぁ。
『温泉のように僕等は』20010107/000123 【1日目】(6) 市電に揺られて道後温泉駅到着。 流石は四国トップレベルの都市。 温泉街というよりも普通の商店街のようだ。 案内所に座ってはった夏目漱石さんの首すじをなでくる。 うどん屋さんにて『坊ちゃんセット』を注文するが品切れ。 悔しいので、うどん3杯食ってしまう。 醤油だしの直球勝負が心地よい。 醤油とカツオだしは、幼少時から慣れ親しんだ定番ゆえに。 そういえば、小学校の頃・・・ ばあちゃんに「ぜんぶ食べんとゆるさん」と、 釜揚げうどんを10玉連続で食べさせられた事が、あった。 ゆるりと温泉へ。 せっかくだからと裏通りを通ると、 ポン引きオバチャンに声をかけられるが丁重に断る。温泉街風味? 風俗関係は未体験だが、無理にチャレンジせずとも良いだろうと。 それに今は体内うどんパワァが全身を道後温泉へ前進させるぞぅ。 うどんはぼくだ。ぼくがうどんだ。 まさに神経経路に沿ってうどん駆動された、うどんマリオネット。 道後温泉は、なんというか巨大風呂屋という風情であった。 値段に応じた3種の風呂場をセレクトして突入するシステム。 新世紀なので高いのんにする。1200円ちょい。 やたらデカい木造3階建てのステキさに、持って帰りたくなる。 プラモないのんかなぁ。 漱石記念部屋で漱石パワァを吸い込む。胃弱になったらどうしよう。 制限時間90分ほどで和室がひとつあてがわれ、そこが個人更衣室。 浴衣とタオルを借りてコスチュームチェンジ。 太古より、浴衣は温泉の戦闘服だ。 あと、バスタオルが無い(希望者には有料貸し出し)が硬派で良い。 湯船はさほど巨大ではないものの、 木造建築の2階に在る事を考えれば感慨深い。人類の叡智を感じる。 部屋に帰ると、お茶と団子を出してくれる。ミカンは食べ放題。 インスタントな文豪気分。いろいろと気合い入れてみる。 あと、雪隠も良い。なんか大正テイスト。 木枠の窓から見える中庭。淡く照らされた其処に過去が漂って居る。 とにかく、雪隠はオススメ。 帰ろうとすると、玄関に、コーヒー牛乳の自動販売機がっ!! 嗚呼、かなしきマリオネット。体内でコーヒー牛乳とうどんが合体。 松山駅に戻る市電で、若いカップゥが寄り添って座っている。 温泉でほこほこしてるので暖かいキモチで、見る。 温泉は人を大人にさせるのであろうか? あと、みかんも。
『ホテルマツャマホォニア』20010108/000124 【1日目】(7) 道後温泉を出て、即座に宿に向かう野望になる。 湯冷め追放月間。 だが、市電駅までの間に、えもいわれぬ気分になってしまい、 フラフラと「いよかんアイス」「いよかんシャーベット」を食す。 なんとゆう贅沢であろう。 ついでにコンビニで夜食と朝食と悪魔の水ペプシコーラも買う。 温泉といい、買い食いといい、正月早々、このようなブルジョア的退廃。 旅と甲子園には悪魔が宿っているというのはこの事か。 こうなれば刻一刻めぞん一刻も早く宿に辿り着かねばならぬ。 念力で市電を加速させつつ、JR松山駅に帰還。 事前情報によると5分も歩けば『松山東映ホテル』の筈。 ああっ!ビジネスホテルに泊まるなど、なんという贅沢っ!! 多透のクセにッ!! オマエなんかいつもみたいに駅のベンチで寝れば良いのよっ!! 真冬の長野駅で、待合室が夜中に閉まるのを現場で身をもって知って、 駅のまわりをクルクル回ってたらええのんよーっ!! 道ばたに光る銀色の市電のレールにふれる指先ひぃやりとする。 アッ! あれはなんだっ!! あの、見慣れた看板わっ!! しまったッ! アイツの名前は、古本屋『BOOK OFF』っ!! 関東資本の筈ではっ! こんな西方でもボクを惑わすのんかッ!! ・・・フラフラと入ってしまう。 嗚呼ぁ・・・本がいっぱぁぃ。それはとてもきもちのいいことなのよ。 ハッ!! こ、これはっ!! いつしか自分が探していた事さえも忘れてしまっていた1冊・・・ エドモンド・ハミルトン先生著『フェッセンデンの宇宙』っ!! しかもハヤカワSF縦長版っ!! ・・・ほっこりしながらやっと宿へ。 だが、旅前に刻んだ戒律どおり、読む楽しみは旅の後まわしゴー! 意味もなくタダ氷をもらっちゃったりして部屋イン。 明日は6時過ぎの香川行き始発に乗る野望なので、5時台には起きる。 考えれば、今年はじめて布団で寝るのんか。レッツすりーぷ。 ・・・眠れん。 しかたないので、小説粗筋書いたり落描きしたり。 なんか、TVで『スポーン』と、 ウーピー・ゴールドバーグがバスケの監督する映画を流し見。 スグミの落描きしながら意識を失う。 頑張れ俺。
『ヨッパライとゲンコツ』20010109/000125 【2日目】(1) 1月3日。午前6時過ぎ、松山発の列車で一路香川へ東方へ。 2両編成。乗客席と運転席の間に壁の無いやつ。 運転手さんは電話ボックスぐらいの空間でゴー。 防寒の為に、停車時にドアは手動で開ける仕様。 風景を見つつ、ザリザリと描いたり、書いたり。 断続的に瀬戸内海が視界に広がりそして山肌に。 次の乗り換えまで約2時間。 乗車率35パーセント。 寒さのせいか誰もあまり話さない。 だが、走り出して1時間程した頃、 ひとりのオッサンが動き出す。 ワンカップ大関1杯でトデキあがってしまった酔っぱらいである。 推定年齢65歳。 上半身の体脂肪過剰で下半身は筋力不足のヤバい太り方。 何日も着替えた形跡の無い服装と、風呂に入ってない雰囲気。 どうしてもネガティヴな印象を他人に与えてしまうタイプ。 車両の中を右往左往しながら、演説をしようとする。 芸のある酔い方なら面白い人間観察になるのだが・・・ 「今じゃ世の中荒れ放題」「古里の事を思い出せ」「帰れない」 「俺は島倉千代子が好きだ」「松田聖子はSEXが好きなだけの女だ」 「政治が悪い」「いいことなんかなにもない」 「オレ、いいこと言うてるやろ?」「オレ、いいこと言うてるやろ!」 その程度の語彙をリフレインするだけ。 一瞬にして車両内の雰囲気が枯れてしまう。 無論、オッサンは気づかない。どんどん語気が荒くなってゆく。 そのクセ、多透や他の若い衆には接近せず、 年輩の主婦に自己主張と思っているものを繰り返す。 オッサンしか喋らない。 なぁ、オッサン。ツラいよな。 なぁ、オッサン。誰も見てくれる人おらへんのんか? なぁ、オッサン。あんたは誰かをちゃんと見ようとしたんか? ひととおり喋っては、席に戻り、数分後にまた繰り返す。 あいかわらず、多透の前は距離をとって通り過ぎてくれる。 少し離れた席の男子高校生が少しイラつき始めてる。 ぶっちゃけた話、こんな風景は珍しくも無い。 旅慣れた方なら御存知の通り、何処にだっていつも在る。 なぁ、オッサン。ボロボロでフラフラやん? 血糖値高いやろ。 体型からして心臓は勿論、肝臓も腎臓もヤバそうやなぁ。 フラついた自分のカラダを支えられる自信あるのんか? 鉄の箱も時間も、あんたに関係なく走ってる。 足をとられて頭割る、そんな終わりでいいのんか? 気の利いたブルースなんて流れてくれへんで。 若い車掌さんが検札に来る。 オッサンが怒りまくる。 切符を持ってないので逆ギレしたらしい。 なぁ、オッサン。教えてもらった事ないのんか? 他人に迷惑をかけない度量をオトナって言うんじゃなかったんか? 運転手さんが駅に小声で連絡してる。 “車内秩序”なんて言葉を聞く。 なぁ、オッサン。 誰かが誰かの事を四六時中考えてるなんて思ってるのんか? あんただって俺だって、そんな事ないのは考えりゃ解るわな。 だから自分ってのをやってかなきゃあかん。俺はそう思うわ。 なぁ、オッサン。あんた自分の言葉で喋った事あるのんか? 単線なので、駅で5分ほど快速の通過待ち。 駅の職員も登場して、オッサンを降ろそうとする。 オッサン反抗。暴れ出すので様子見の結論となる。 男子高校生のイラつき、かなり上昇してる。 横に腰掛けた、多分同級生のカノジョが心配してる。 どうするよ? その握ったコブシのカタチ。 今は傷が無いようだけど、昔、カラテでもやってたか? いい筋肉だ。きっとオマエなら、あんなオッサンぐらい、 指先ひとつでダウンさ。 そんな程度に使っていいコブシなら。 どうするよ? 悪いけどこっちは、 オッサンよりオマエより、カノジョのほうが心配。 オッサンの酔いは醒めない。 止まった駅に競艇場が在ると思いこんだらしく、不意に退場。 行きがけの駄賃に、男子高校生とカノジョに捨て台詞。 言いたかったんだろう。 「オマエら若いもんは見栄ばっかりや!!」 男子高校生、握ったコブシで立ち上がろうとする。 「あんな程度のんに構わんといて」 カノジョが凛と言い放つ。 逃げるように出てったオッサンと入れ替わりに誰かが扉を閉める。 男子高校生はカノジョの瞳を見つめてる。 いい男になるんだな。アムロくんが呼んでいる。
『うどん・凧・記憶』20010110/000126 【2日目】(2) 松山から約5時間をかけて昼前に香川県坂出(さかいで)駅到着。 瀬戸大橋を渡る快速列車マリンライナーにアクセスできる駅。 橋の開通に合わせて駅の移動改築が行われた為、まだ新しい。 香川県もうひとつの街である高松と、この坂出の中間点が目的地。 数える程度にバスは出ているので、揺られるのも良いと思ったが、 叔父と叔母が車で迎えに来てくれるというので、有り難く甘える。 更に、讃岐うどんを御馳走になる。うまぅま。 昨日回想してた、 ばぁちゃんに幼少の多透が大量うどんを食わされてた事。 それを叔母が不意に偶然に思い出す。 路面は新しく、車線は多く、車は少ない。 道の横には、広い田畑が堂々と存在する。 『たこあげ同好会』という旗を立てた十数人が、 広く高くに上昇させているのが見える。 遠回りして目的地につく。 坂出までは、 ばぁちゃんの入院してた病院まで見舞いに来てたけれど、 ここまで来るのは7年ぶりにもなる。 幾度もの夏休みや、日々を過ごした場所。 不思議なぐらいに風景の基本構成要素が変わっていない。 祖父母の家は新築された従姉妹夫婦の家になっているし、 従姉妹は、いい感じの美人妻になっているのだけれども。 山と海に囲まれた空気と大地の中で時間が繋がっている。 仏壇に手を合わせ、並んで飾られた祖父母の写真を見る。 若いよなぁ、ジジイ。もぅ・・・10年以上だもんなぁ。 墓参りをする。 墓は増えている。あいかわらず空が高い。飛ぶ鳥が高い。 見上げる山の上には何度も登った氏神さんの神社が在る。 神社はいわゆる双子山の、ちいさいほうのその頂に在る。 大きいほうの山に目を移すと、山腹に岩肌が少し見える。 小学生の頃、従兄弟と登ろうとして何故か辿り着けなかった。 弁当とトランシーバーまで用意して登ったのに着けなかった。 標高にすれば250メートルもない程度の筈なのに。何故か。 変わらない風景に、記憶が複合的に時系列を錯綜させる。 ならば、記憶に無い部品を付加する試みも一興であろう。 登ってみるか?
『ハイキングスター』20010111/000127 〜前回までのあらすじ〜 正月ぶらり四国ひとり旅に出た多透であったが、 夜行列車やタクシーに乗り、温泉に入るわ買い食いまでするわという、 退廃的自堕落な日々を送っていた。 しかし、旅の果てに、第2の故郷と言っても過言ではない地に到着。 そこには、いつか見た海と山が変わらず存在し、 山腹には昔たどりつこうとしてたどりつけなかった“遠い岸壁”がっ! 新世紀も3日目に突入し、今っ!正月はクライマックスをむかえるっ!? 【2日目】(3) 漁港である。 “元”漁港になっていると、 身勝手に思いこんでいたのだが、立派に現役である。 大きな船は並んでいないが、ちいさな古びたドックもある。 村の雑貨屋の前に、3匹の犬達がダラダラしてる。 山は道のすぐ隣に立っていて、山と海の間を歩く。 気温はピンっと張っている。 晴朗というほどでもないが、晴れているし風は元気に吹く。 ただ、人影が無い。 ちいさな漁港の石垣に踊る水音が染み込んでくる。 深みに行っているのだろう、小魚の姿も見えない。 港を抜けて魚のちいさな加工場をぬけて浜へ出る。 少しばかりの砂浜と磯が変わらずに波を繰り返す。 氏神さんの社の裏から連なる断崖が静かに聳える。 すくなくとも半径500メートルには誰も居ない。 何度も泳いだ海に触れる。 何度も登った岩に上がる。 氏神さんの社の裏から断崖を降りてみた事がある。 何度も海へ叩き付けられそうになりながら遊んだ。 岩肌につたう、木々の根が助けてくれた事を追憶。 満ちてきた潮で道が無くて何度も登り直していた。 少し道を戻り、突堤の先端に立つ。 不揃いな記憶。 全然たりないジグソーパズルの木片をクチに含んでいるようだ。
『うじがみさん』20010112/000128 【2日目】(4) たとえば、山を登っている。 氏神さんの社へ至る道は十数年ほど前にコンクリで舗装された。 山肌を蛇行して、それはつづく。勾配は、軟弱の自身にキツい。 小学校の頃に見つけた道を思い出してしまう。 木々で細く長いトンネルを無理矢理に登る道。 舗装路の横の山肌に身を突っ込んでみる、今。 もはやそこに人なんぞが登りやすい道は無い。 空気の冷たさが心地よい。 荷物は置いてきたし、飲み物も持っていない。 夏ならばバテていた筈だ。 記憶というものは残像であり幻想でもあると思う。 ざくざくと在る土の感触。 あのころと姿の違う、あのころの道を無理に登る。 時間を悔やむのは老人の専売特許では無いはずだ。 風が山中の木々を鳴らす。 石段を登る。氏神さんの社に着く。 誰も居ない境内をぐるりとまわる。 屋根や軒先の各所に在る龍の飾り。 数が思い出せない。でも数えない。 過去に戻ったのではなく。 昔でも今でもない何処でもない場所に居るようで。 裏にまわるとちいさな雪隠がある。 くみ取りも水も無い土に還るだけ。 海へ切り立った断崖に立ってみる。 あの日ここから降りたのだと思う。 記憶というものが残像であり幻想でもあるのなら。 映画も追憶も既に無いものを物語にする行為だと。 瀬戸内海の遠くをゆく船が見える。 向こうから見える筈も無いけれど。 今、落ちても誰も気づかない確実。 もうひとつの高い方の頂が見える。 のぼってみますか? (Y/N)
『ワンダワンダリング』20010113/000129 【2日目】(5) ジェットコースターのレールのように、 絵に描いたような曲率の稜線が眼前に。 氏神さんの山から隣の山へと、 高い方の山へと視線を向ける。 道は木々に隠れて見えないし、 道の勾配すらも予測しにくい。 今日に登らなくても誰にも知られない。 いつかまた来る事もきっとあるだろう。 ただ、 正月早々あきらめ後回しイイワケというのもゲンクソ悪い。 神殿から山道へ。 ・・・・ぁあっ!! 道あれへんっ!! 土の色と枯葉の積もりかたからすると最近通った人も無し。 ただ、斜面の木々に結ばれた、ロープという強い味方出現。 そういえば聞いた事がある。地元の自然を守る会の発足を。 ありがたい。ありがたい。ありがたい。 ただ、最大勾配45度以上とかあるように見えるんですが! 熊が出たという話は聞かないし、ノーマル熊は寝てる季節。 山を渡る風のざわざわが繰り返して鳥の声も聞こえないし。 分厚い森が視界で自己主張するので海の色もわからないし。 立ち止まると自分が降りているのか登っているのか無分別。 やはり、何処でもない場所に来てしまってるのではないか? 認知科学という切り口は不勉強ゆえに理解できていないが。 その一端に初めて触れたのは子供の頃に読んだ短い文章か? “人の触れぬ深い山奥に捨てられた時計に時間は在るのか” ポケットの中に傷だらけで安物の懐中時計が壊れかけてる。 外周に在った木枠は割れてるし、ゼンマイ巻くの忘れてる。 リチャード・ブロディがミームの定義の中で述べていた事、 “全ての識別は人間が創作したものであって現実ではない” ほんなら自分の認識をつくる1番手は自分のほうが良さげ。 冷えた大気と荒い息と坂道と自分疲労。 飽和する喉と顎。 自分で決めたから誰に文句も言えぬな。 見上げるとオーバーハングの岩塊の色。 迂回するようにロープは張られている。 難儀に遭遇する事を遭難と言ったっけ? 新世紀早々岩肌にしがみつく。面白い! 遠くに海の欠片。 その方角を思考。 あ。ここが“遠い岸壁”やんか!ここ! 初めて来た、今。 ひゃっほぉぉう。
『おやまの大同小異』20010114/000130 あとで聞いたのだが山の反対側のルートなら激楽だ。 小学生でも登る事のできる道が、向こうには在った。 ただ、その道の入口は遠いし、面白いとは限らない。 とにかく知らなかったので何度も倒れながら帰った。 土まみれで、カッコわるく右往左往しながら迷って。 みかん畑の、誰も居ない鮮やかな中も歩いて帰った。 “不意に目の前がひらけて”という、定型句がある。 25メートル長形の平地がそこには、広がっていた。 そこは山頂というよりは道のような、場所に見えた。 そこに天然石を寄せ集めたちいさな祠が奉ってある。 そこにいくつかの絵馬が掛けられた立て札が見える。 “正月”の語源は“Show☆Guts”だと辞書にある。 だが、観客どころか、半径1キロ周囲に人は居ない。 ごおごおと、風が周囲の山を渡ってゆくのが見える。 先刻まで自分もその中に居た森の波が波打っている。 遠くを飛ぶ鳥は、空の中で何物にも隠れてはいない。 瀬戸内海は見渡す限りに両手の何倍も広がる光景に。 誰も視認はしない。 視認されもしない。 人がひとり立てるぐらいの切り株が白くなっている。 当然に其処に登る。 風景に不似合いな程に異質な蛍光オレンジの上着で。 リオデジャネイロのコルコバードの絶壁に立つ巨像。 両手を広げたキリスト像みたいに、胸をはってみる。 むこうの両手の差し渡しはガンダムより長いのだが。 360度の天蓋には何も無く、ただ青い色が染みる。 街中では何かが空を喰い視界を遮る事に慣れている。 けれど其処に居る。 自分の生体時計だけを頼りに、ゼンマイ巻いた時計。 ふと見ると、半時間以上も立ちっぱなしの自分確認。 あーおもろかった。 で、こうなる、と、 あとで風邪ひいたというベタなオチが欲しいトコロ。 でも元気のまんま。
『ビリオンブラッド』20010115/000131 ・ ・ ・ あの日 見たかった宇宙船 重力回廊 涙滴のように 銀河駆ける弾丸 偽空間浸食 超演算能力者 惑星イグナチオ 抗重力装甲 十億の血 意伝子 ・ ・ 「アイツを殺していいのはアタシだけよ」 ・ ・ 『タスクダイサクセン』オリジナル企画 『ビリオンブラッド』 近日起動
『第1話改訂版』20010116/000132 なんか、かなり、じたばたしながら、 『聖ギャルロボ学園』第1話の加筆修正版をアップできました。 エディタでベタ書きして、こんなもんかなぁと思えていても、 Adobe PageMillに載せた途端にアラが見えてきてしまって。 紙に仮印刷すると、更に、見えなかったものが続々出現で。 結果、1日数ページの範囲で小出しにさせていただきました。 ありがたい事に、そのようなペースにも関わらず、 毎日幾人かの方々が見てくださっていたようで感謝の極みです。 模型に例えて、 最初の“ネット公開版”を仮組としますと、 “同人誌版”は少々の合わせ目消しをしたもの、 そして今回の“加筆修正版”は文字通りの細部煮詰め版の如きです。 それらの全てに目を通してくださった方々ならば、 多透が如何にジタバタしながら楽しんでいたのか、 感じていただけるかもしれません。(^^; まだまだ、 “表面処理”や“塗装”が必要な部分が多々在ると思います。 まずは、2月11日の『WHF有明』に間に合わせる野望で、 下手ながらも挿し絵や設定等の付加情報を加えつつ、 印刷時のレイアウトを思案してみます。 正直、それを超えてこそ、やっと一里塚という感覚です。 ネット世界の体感時間がドンドコ加速していく中、 企画としては、なんとも歩みの遅いものではありますが、 今後とも、なにとぞよろしく御願いいたします。
『なまちゃ』20010117/000133 職場に在る小さな冷蔵庫は御機嫌ナナメである。 夜、帰る時、うかつに電源を切らずにいる、と、 次の朝にはペットボトルが完全に凍結している。 深夜に冷凍怪獣が忍び込んでナニかしてるのか? ウーかギガスかミスターフリーズか何のタメに? それはさておき最近のお気に入り茶は『生茶』! キリンの新製品な緑茶2リットル満タンである。 経験したペットボトル茶の中では一番うまうま。 なんか、後味に微妙な甘みがあるのんが良好也。 夏場は1日2リットル、冬場はその半分だったが、 ここにきて夏場ペースを取り戻しているこの現実。 おそるべし生茶パワァー関西スーパーで198円也。 今、我が体内に幾ばくかの茶が満ち流動している。 もしも、体内水分の5億パーセントが茶だったら? 我々は無自覚のウチに茶の恩恵を受けてるのだが、 しかし全ての茶が人類に友好的とは限らないのだ。
『えすえふののろい』20010118/000134 唐突だが、本年度の多透に“SF強化年”を命ずる。 だって、2001年だし。 貴様が生まれた年、麒麟が爆走した訳ではないが、 いろいろとSF縁起の在る年だしのそれもまた良し。 それに、2001年だし。 初めて読んだ“よみもの”が『海底二万里』やろ。 ネタはあがってんねんて。 まずスペースオペラから始めよ。 まずは思い出してみるがよろし。 ぎゃりぎゃりに晴れあがった青空に登る宇宙船を。 岩盤ごと銀河を渡る都市の名を。 キャプテンフューチャーが内に秘めた複雑心境を。 銀河辺境をゆく遙かなる旅人を。 宇宙放浪者モーガン・ケインの孤独と冒険の旅を。 ジェイムスン教授の冒険人生を。 惑星を震撼させる奇病に立ち向かうメドシップを。 コンラッド消耗部隊の任務群を。 宇宙船ビーグル号で日々生きてゆく総合科学者を。 グッド・イーティングの挨拶を。 忘れたなんて決して言わせない。 「す、すみません。フラれたコに貸したまんまなんですけ、ど」 「むぅ、難儀なヤツめ。だが今なら古書もネット通販できるで」 「あぅ・・・予算、が」 「反論は許さん。あ、通販ボタンやぁ。ぽちっとな」 ・ ・ ・ 「なんか・・・いきなり、文庫20冊ぐらい届いたんですが、 ヒマ無いのに、いつ読むですか?」 「2秒で読め」
『箱庭療法』20010119/000135 物語をつくってゆく事が、自己との対話なのは周知の事実。 やっと最近、それをリアルな皮膚感覚として、 体感できてきた・・・のかも、知れない。 子供の頃に夢想した物語を思い出してみる。 中学生の時に書いた物語を思い出してみる。 高校生の時に書いた物語が出てきてしまう。 19歳の時に書いた物語を突きつけてみる。 10年間につくりつづけてきた物語を思う。 その度に、自分の底の浅さを痛感し、世界を知りたいと思い、 それでも「今の歳にしか書けない物語と、その言葉が在る筈」と、 足りない言葉で描こうとしてきた。 いつだって、夢想するだけではダメだった。 「もぉーじゅーぶぅん」と思ってたが、 もっともっと恋して、なおかつ、完膚無きまでに、 思いっきりフラれてたら良かったのかも知れない。 や。きっとたぶんそうだ。
『いまさらながら』20010120/000136 フラれてしまうと、これはもぅ、サマザマなコンボで、 心身共にかなりのダメージが来襲し残存もしてしまうのだけれど。 自分の人間としての浅さを認識するのには効果的。 どんなにいい男でも どんなにいい女でも 相手も当たり前の人間で 自分も当たり前の人間で、 合わない時は合わないという当たり前を当たり前に確認もできる。 それが解らずに内省もせずにいるとストーカーになってまうのんだろぅ。 やぱし人間なんべんか「キャぁーン」と言わせてもらえるのも幸運か。 や。しんどいけど。 物語をつくるに際して必要な筈の複合的精神視点を鍛えるのに、 ものごっつぅ勉強させてもらったのは確か。 感謝っ。
『プロセス』20010121/000137 レンアイは面倒くさい。 ソウサクも面倒くさい。 ゾウケイも面倒くさい。 ジンセイも面倒くさい。 面倒でなかったら、味気ない。
『むかしなじみ』20010122/000138 つまるところ、 フラれたような、フラれていないような、 別れたような、別れてないような、 それにしては、 こちらから努力もできてなかったような、 そうゆうツキアイをずっと続けてたのかも知れない。 サイエンスフィクションと。
『フューチャー・リスト』20010123/000139 『透明惑星危機一髪!』 『挑戦!嵐の海底都市』 『暗黒星大接近!』 『太陽系七つの秘宝』 『謎の宇宙船強奪団』 『時のロスト・ワールド』 『輝く星々のかなたへ!』 『宇宙囚人船の反乱』 『恐怖の宇宙帝王』 『魔法の月の血闘』 『脅威!不死密売団』 『彗星王の陰謀』 『惑星タラスト救出せよ!』 『人工進化の秘密!』 『フューチャーメン暗殺計画』 『月世界の無法者』 『危機を呼ぶ赤い太陽』 『異次元侵攻軍迫る!』 『ラジウム怪盗団現る!』 ならば、新しい物語をつくろうとするにあたって、 どれだけ“初心”に回帰できるのだろう? 自分の中で、スペースオペラの原点たる、 『キャプテンフューチャー』シリーズの文庫本を、 部屋に並べて置いてみる。 これだけは、フラれた彼女に貸したまんまになっていても、 自力で再び揃え直したので宇宙的に安心。 不屈の天才科学者カーティス・ニュートンと仲間達が、 自己尊厳を賭けて銀河の危機に立ち向かう物語群だ。 不滅。 こぅ・・・並べてみると、 初読当時のチュー学生な甘酸っぱい思い出や、アレソレが。 そして自らの胸に摂氏5億度ぐらいの熱いナニかが沸々と。 これがウワサのフューチャーパワァー? 全20巻。 ・・・なっ?! 1冊たりないっ!! こ、これはもしや有名なザシキワラシ現象かっ!! しもぅたッ!! 『小惑星要塞を粉砕せよ!』が無いっ!! あれだけ作者が違うのんで、後回しにしたまんまやったんかッ!! むぬぅ・・・どぉするか? ネット古書通販なら送料込み千円以内で入手できる、が。 ここは、ひとつ。 せっかく『WHF有明』で上京するのだから、 久しぶりの首都放浪で探索するのはどうか? 11・12と連休な事を活用し、 10(土)夜行バスで上京。 11(日)『WHF有明』駅か映画館かカプセルホテル泊。 12(祝)神田古書街放浪。テキトーに新幹線か夜行バスで帰る。 ひゃっほぅ!!
『アオゾラエスエフ』20010124/000140 戦意高揚の為、パテ乾燥待ち時間を活用して、 手持ちのSF小説をドガッシューーゥっという感じで並べてみる。 壮観である。 エゲレスのエスエフには、 “なんか根底に雨雲のような色”が在るような偏見を持ってしまう。 そこがまたいいんだけれど。 対して、メリケンのエスエフで多透の原風景になっている作品には、 なにか青空のイメージがある。 「SFは、絵だね」と、かの野田昌宏大元帥はおっしゃったそうだ。 自分の中で、SFのビジュアルを夢想する時、 其処には何故か青空が在るような気がする。 『ブレードランナー』のラストシーンはアレでいいやんか、 と、思うのも、そういう事に根ざしているのかも知れない。 文庫本群の表紙を見ていると、 物語の情景を、その背景の青空と一緒に思い出す。 たとえば、真空宇宙のみを舞台にした物語でも、 その“向こう”に青空が在るような気がしてならない。 “どうしようもない青空を、宇宙船が上ってゆく・・・” そのシンプル故に鮮烈な一瞬の高揚を体感し続けたいのかも知れない。
『20世紀宿題讀本』20010125/000141 “物語に呪われている”人は多いと思います。 “自分の物語をつくっていきたい”“それを絵や立体にもしたい” そう思っておられる人も多いと思います。 多透もまた、その1人です。 特別な事だとは思いません。 自分が凄い事をしているとも、まだまだ思えません。 多透ぐらいの実力の人は、もの凄く大勢おられると思います。 多透よりも、もっと凄い人は、更に確実に、大勢おられます。 まだまだ、入口でウロウロしている状態だと自分を思います。 自分の理想と実力の歯車が噛み合わずにカラ回りしています。 見ず知らずの誰かに喜んで買っていただけるような作品を、 つくりだす為のパワァがまだまだ決定的に不足しています。 だからこそ、今年こそ、 助走してきたもののペースをもっと速くしようと思います。 子供の頃から考えてた物語も出していこうと思っています。 そして、だからこそ、 『聖ギャルロボ学園』は最後までちゃんとつくりたいのです。 「もぅ終わってるじゃん」とか言う人も、居られるのですが。 けれど、あの物語は、多透が皆さんから受けた宿題ですから。 多透が、自分の精神視野狭窄に気付きもしないで煮詰まる事もなく、 客観視しながらも楽しんで色々つくっていける人間に成長する為に、 この“宿題”は結構、効くような気がするのです。 実際、ただ単純に“楽しい”という現実もあるのですが。 実際、楽しくなきゃ、平日の深夜まで毎日してませんし(笑)
『ITかくめい』20010126/000142 やー。正味の話、 既に全国の小学校にも多数出現してると思うんよ。 あだ名が“アイティー”なヤツ。
『カゲブンシン』20010127/000143 “キャラクターは作者の分身である”と言う事は簡単です。 けれど、それは正解で在りながら、 言葉の表層だけの定義ではないとも思うのです。 自分の個性や恣意のダイヤグラムをデフォルメして、 フィクションのキャラクターとして、 創造定義してゆく手法は在ります。 物語の形式や主題によっては、 それが必要充分もしくは最適な手法であり、 最適な結果を生む事でしょう。 しかし、“それ”だけでは、 物語世界を縮小梗塞してしまう可能性も在ると思うのです。 他者との交流が魅惑的なのは、 そこに無限の多様性を見る事ができるからだと思うのです。 膨大な幸運と些細な努力の中で、 多透は多くの人と接する事のできる仕事に就く事ができました。 その現実を認識し、感謝し、そして活用できる、 そういう語り部に成る事が出来るだろうかと、いつも思います。
『そして船はゆく』20010128/000144 “船”と聞きますと、 どのぐらいの大きさのものを思い浮かべるでしょうか? 記憶印象や理論によって夢想するサイズは十人十色だと思います。 着想の発端は、それぞれの人にとって・・・ 1/700スケールの艦船模型かも知れません。 また、タグボートかも知れません。 もっと巨大な“何か”かも知れません。 多透には、追想の中で、 その手触りさえも思い出せる“船”が一艘あります。 とても幼い頃、祖父がつくってくれた、木の船です。 それは、廃材の木ぎれを削り出した船体を持っていました。 まっすぐな木の枝を削りだしたマストには、 白いハンカチを改造した三角帆が木綿糸で張られていました。 帆は方向舵と連動して角度を変える事が出来るもので、 上手く角度が合えば、風に向かって直進も出来たような気もします。 その船との別れは、悔しい事に思い出せません。 おそらく、 祖父の家が解体された時に一緒に壊れてしまったのでしょう。 世界を埋め尽くすような蝉時雨の中で、 誰もいない塩田跡へと続く海水運河に、 “船”を浮かべた事を思い出す事があります。 「ならば、“船”をつくるのはどうか?」 新しく、オリジナルガレージキットをつくる事を考えた時、 フィギュアはもう少し習作を重ねたいし、 そして、何をつくるとしても、 見ず知らずの人に突然の求心力を放射するレベルのものを、 まだまだつくれる自信が足りません。 だから、“買ってもらえるかも知れない”ものよりも、 まず、“自分が欲しいもの”を、つくる事にしました。 あの時、当たり前に其処に在った、青すぎる空。 その青に上ってゆくような、 そして、その彼方の真空を飛ぶような、 そして、 あの頃の英雄達が加速させていたような“船”が、 “欲しい”と思いました。 だから、つくりました。 きたる、 2月11日(日)『WHF有明』における、 『タスクダイサクセン』出品物は、 オリジナルガレージキット、 “涙滴型宇宙船”『シルバーブラッド(銀の血弾号)』です。
『宇宙船のつくりかた』20010129/000145 そのようなワケで、ちまちまとつくってきた、 “涙滴型宇宙船”『シルバーブラッド(銀の血弾号)』・・・ なんぼなんでも、スパートかけねばならない時が来たようです。 先日の『WHF神戸』にて幾人かの人に見ていただいたものは、 その夜のウチに、なんか色々付属してプチ変貌。 元々の涙滴形状は、 「なんぼなんでも粘土で形状出しは、実力からして無理だろぅ」と。 でも、この基本フォルムさえ出せれば作業が大幅進行なのは確かだ。 なんとか・・・・4個ほどつくってはみたんですが。へろへろくん。(^^; 結局、釣りをしないのに部品調達目的で巡回している釣具屋さんで、 さびき釣り用の餌入れにナイスな形状のものを発見、コウニュウぅ。 しかれども、そのまんまではABS製な為に表面加工が困難予測的中。 しかたなく、採算より欲望を取り、キャストに置換。既に赤字確定。 かねてから電子パーツ屋さん『デジット』を巡回するたんびに、 なんとはなしに“楽しそう”なパーツを収集購入していたので、 その中から使えそうなものを嬉々として選択組み合わせ大作戦。 あとは、延々とプラ板やら糸ハンダを接着し、機体表面を構築。 瞬間接着剤ツリロンアルファは百円で買えるのは良いがタレる。 延々とパーツ貼りとヤスリがけ。 延々と一週間・・・ でも、世の中には、もっと延々と、延々と、 膨大なスジ彫りとか、膨大なフリルとか、植毛とか、 粘土やプラ板でキングギドラのウロコとかをされる、 凄まじい方々が居られるので闘犬は鳴いたら負けだ。
『涙滴型宇宙船』20010130/000146 その頃、たしかに宇宙を駆けていた涙滴型宇宙船達は、 物語の特殊時間の中で、今もまだ健在であるのだろう。 1920年代から40年代を駆け抜けた、 インダストリアルデザイナーの先駆けたるレイモンド・ローウイ氏。 「美しいデザインは製造コストを良好にさせるチカラをも持ちうる」 「商業デザイナーは自己陶酔に陥らず消費者の嗜好に鋭敏たれ」 ラッキーストライクやピースのデザインをしたデザイナーである氏は、 流麗な流線型の蒸気機関車もデザインしている。 流線型の時代。 その頃のアメリカは渇望するような先進性で駆け続けていた。 狂乱の20年代とさえ言われる時代の中で、アメリカ現代SFは鳴動した。 それまで発明されてきたSFガジェット・アイディア群を活用し、 脳天気荒唐無稽奇天烈大胆不敵な炸薬で加速させた作品群が続々と起動。 スペースオペラの誕生である。 星々の大海を超光速で駆ける宇宙船のビジュアルイメージが、 当時流行の流線型を取り入れるのは極めて自然な流れであったのだろう。 飛行機から翼を取り、巨大な噴射口を装備した宇宙船群は、 星海を直視できる風防窓の中に幾多の宇宙英雄を映した。 現在、 呼称される涙滴型(ティアドロップ)艦形とは主に潜水艦の形状を指す。 第二次世界大戦時は水上航行を考慮して水上艦船と似た形状であったが、 水中航行性能を重視する現代潜水艦は涙滴型艦形を持つそうだ。 全長がある為、文字印象とは少し誤差があるような気もするが。 涙滴型宇宙船で最も有名な船は『コメット号』であろう。 “科学の魔術師”キャプテンフューチャーが駆る高速戦闘艦を、 今も銀河に投影する方々は数多く居られる筈だ。 『コメット号』の“涙滴型”は、 単に円筒の先端を流線型にしただけではなく、 漫画的にデフォルメされた涙滴の記号に近い。 好き嫌いの分かれる形状だとは思うが、 その“前のめり感”・・・ キャプテンフューチャーことカーティス・ニュートンが持つ、 知識に裏打ちされた大胆な行動力を体現しているようで、 何かとても心地よく思うのだ。
『GO FUTURE!』20010131/000147 キャプテンフューチャーは宇宙英雄の中でもかなり有名人であるし、 アニメ化もされたので、 記憶に残っている方や思い入れのある方も数多く居られる事だと思います。 多透の場合、 キャラクターの個性付け、当時出色のプロット、それらのみならず、 その物語に触れた少年の日への追憶が思い入れを加速させます。 以下、なんと、 エドモンド・ハミルトン先生原作、野田昌宏宇宙軍大元帥の名訳を、 ・・・多透が、文庫本を見ずに記憶モードだけで、 恥ずかしげもなく追憶改訳記載するココロミぃ。(^^; ================================================================ 月面。チコクレーター地下の秘密基地。 心身共に鍛え抜いた青年へと成長したカーティス・ニュートンがそこに居た。 “合成人間”オットーはいつになく神妙な顔つきで、 “機械人間”グラッグはいつものように直立不動だ。 輝く地球を映すスクリーンの前で、 “生きている脳”サイモン・ライトは静かに口を切った。 「カーティス、選択の時がきた。 君がこれからの人生をどう生きてゆくか、決める時が来た。 ・・・君自身のささやかな幸福を守ってゆく道が在る。00 そして君自身の生活を全人類のために捧げる道も在る。 我々3人は、君の両親の願いに応えて今日まで君を育ててきた。 君がどちらの道を選んだにせよ、我々は君を助け続けよう。 だが、どちらの道を選ぶかは、君自身で決めなければならない事だ」 カーティスに、迷いは無かった。 膨大な知識と堅実なる体力、それを身につける努力。 その果てに見ていた目標は、ずっと昔から変わらない。 「サイモン、僕は思うんだ。 僕の両親を殺したような奴らを、この太陽系から退治しなければならない。 人間の尊厳を守る戦いだ。 それが・・・大変な仕事である事は解っている。その危険も。 けれど、誰かがしなければならない事なんだ」 「よく言った、カーティス。苦労して育てた甲斐があったというものだ。 君は、自分の人生を、この太陽系の未来の為に使う事と言うんだね」 「未来?」 カーティスは瞳を輝かせた。少しはにかみながらも決意の色が在った。 「今日から僕は、ふたつめの名を、戦う為の名を持つ事にするよ。 その名は・・・キャプテンフューチャ−だ」 サイモンは言った。「“未来”のカードを選んだ者に相応しい名だ」 グラッグが言った。「我々は、これからもチームですね」 オットーが言った。「フューチャーメンってわけですな」 カーティス・ニュートンことキャプテンフューチャーは、地球光を見た。 「では行こう、未来へ」 ================================================================ で、も、 その時は流石のカーティスも、予測しとらんかったんでしょぅな。 “銀河婦警”ジョオン・ランドールに惚れちまうと、は。
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