2004-1/11(日) 関東学生リーグ戦は伝統芸能!? 昨年秋、All About JapanのHPで、卓球ガイドである壁谷さんが「「関東学生」の道はいずこへ……」という 記事を掲載されました。これを読んで、この時から関東学生リーグ戦に関することをチョット書きたいな と思ってはいたのですが、機会を逸していました。 が、年が明けて思い出し、今回、約4ヶ月の時を経て、「エイやあ」で書くことにしました。 なぜ、年が明けてから思い出したのか…専大の現役生達から届いた年賀状の中に、リーグ戦関連の記載が 多いからです。ま、現役生達は何十人(何百人?)というOBに、半ば義務的に年賀状ですので、1枚ずつの 心のこもったメッセージというよりは、当たり障りのない社交辞令的なものが多くなるのは、ある意味、 当然です。だから、あまり細かく文面を分析しても仕方がないのですが、「リーグ戦で頑張ります」と 書いておけば、(あるいはレギュラーでない選手は「リーグ戦に出られるように頑張ります」と書いておけ ば)、差し障りがない状況になっているのが現状です。「世界チャンピオンを目指して頑張ります」とか 「全日本優勝を目標にします」とか書いてくる選手はいませんね。実際、それは余りにも現実離れして いて、実感がわかないものです。しかし、インカレとか全日学のように手の届く範囲内にある大会でも、 あまり年賀状ネタになることはありません。「とりあえず、ビール」…じゃないけど、とりあえず「リーグ 戦」と書いておけばいいか、という雰囲気はあります。 では、なぜ「リーグ戦」なのか?。いろいろな要素が考えられます。 まず、「4年間の継続性」というものがあるでしょう。4年間(短大なら2年間、医歯大なら6年間ですが) という在学期間中には必ずアップダウンがあるものです。チーム成績においても個人成績においても。 それが重なって通算成績となる時、2〜3日間の単発の大会で収めた成績とは違った「意味」が生まれます。 「1部通算20勝以上」という特別賞に関わる選手は勿論ですが、それ以外の選手でもやはり「在学期間中」 という「限られた期間」の中で残す累積の成績は重味があります。「今は負けが2つ先行しているけど、 勝ち越して卒業したい」とか、「2桁勝って卒業したい」とか、「あの大学にはここ2年間勝ってないけど、 今度はメンバーも変わったし、何とかリベンジしたい」とか、…。 「15人登録枠と7点制による出やすさ」というのも、広く、誰もが目標にしやすい理由ではあるでしょう。 現状、男子の強豪校は20人前後、女子の強豪校は10人前後の部員を擁しているところが多いのですが、 「15人」という登録人数は、誰もがチャンスを感じられる数です。女子はほとんどの大学が全員自動的に 登録される形になっています。インカレは7人の登録ですから、どうしてもレギュラークラス中心になり、 「チーム全員一丸となって」という雰囲気ではなくなることもあります。インカレは関東以外で行なわれる ことも多く、部員全員が応援に来るわけでもありませんし…。 また、7点制(男子1〜3部は6単1複、女子1・2部は5単2複)も、「選手層の厚さ」を要求される試合方式 で、「チームの総力をあげて」という雰囲気作りには役立っていると思います。6〜7番手クラスの選手は 4単1複ではほとんど出番を期待出来ませんが、7点制では貴重な戦力ですから。 ただ、この「15人登録枠」と「7点制」は、際立った強豪を生み出す方式ではありません。中堅クラスの選手 にとっては良いかも知れませんが、エース同士の対決も実現しづらいですし、「卓球を極めるための場」と しては不充分でしょう。個人的には、大学卓球界の長期低迷の一因は、ここ(特に7点制)にあるのでは ないかと思っています。 また、別の視点で言うと「代々木第2体育館という会場」と、「1日1試合という試合日程」もリーグ戦独特の 雰囲気を作り出している要因です。バスケットコート1面分という「程良い手狭さ」の代々木第2体育館 は、観客席と競技場の近さというプラス要因もあり、相互に臨場感が伝わりやすい会場です。かつては、 全日本の上位のゲームが行なわれたこともありますし、日本リーグなどでも使用されていました。近年 ではジャパントップ12で毎年使用されています。さすがに6台セットすると狭さが気になる面もあり ますが、それでも「かなり理想に近い」会場であることは確かでしょう。過去には、諸事情により、中央大学 体育館や東京武道館などで1・2部リーグが行なわれたこともありましたが、やはり「リーグ戦は代々木 第2がメッカ」という印象は強くあります。 「1日1試合という試合日程」も選手にとっては集中しやすいものでしょう。「今日は、あの大学を倒す!」 ということで…。特別な事情がない限り、原則、今後もこの日程は継続されて行くことになります。 (今年の秋リーグでは、特別な事情により、この原則が変更になる可能性がありますが…まだ未定です) あとは「リーグ戦」だから「トーナメント戦じゃない良さ」はありますね。完全実力主義(?)、と言うと 大げさですが、組み合わせの運不運に左右されにくい総当りのメリットはあります。これは、別に関東 学生リーグに限ったことでは、勿論ありませんが…。ま、逆に言えばリーグ戦のデメリット(優勝や順位が 最終戦を待たずに確定し、消化試合が発生する、など)も併せ持っているので、一面的に良さばかりを言う わけにはいかないでしょうが…。 そんなわけで、確かに関東学生リーグ戦には、いろいろな独特の要因が絡み合って、選手や観客を魅了する 面は大きくあります。ただ、客観的に見れば、大学生のレベルが社会人に大きく及ばず、むしろ高校生に 対しても絶対的な優位を保てているわけではない現状からすると、レベル的には決して「高い」と断言する ことはできないものです。運良くエース同士が対戦した場合はまだ良いのですが、捨て駒の6番手に当て られ時などは、「こんなんだから、学生の弱体化が進むんだ!」という怒りが湧いてきます。また、社会人の ような「日本リーグ」ではなく、結局は「関東」のローカル大会という面もあります。実質的には、男子の青森 大勢以外のトップ級は8割方は関東に集結するので「ほぼ日本リーグ」という面はありますが、ホントの 日本一はやはりインカレですからネ。 そんなこんなな関東学生リーグ戦。個人的には7点制を捨てて、少しでも強い者同士の直接対決が増える 4単1複にすべきだとも思うのですが、実現の可能性は今のところありません。 長所も短所もありつつ進む関東学生リーグ戦は…一言で言えば伝統芸能ですかね!?。長い歴史がある ことは事実ですし、「なぜ、インカレより重視する人が多いのか?」と考えてみても、理論的に説明するのは 困難で、フィーリングで「そう感じるから」というのが正直なところではないでしょうか?。能でも狂言でも 何でもそうでしょうが、伝統芸能自体は悪いことではありません。ただ、無意味に昨日と同じ事を今日も 明日もやるというだけでは先は暗いでしょうが…。オピニオンのページへ