2003-11/16(日) 「新人」の定義 アメリカ・大リーグの新人王が発表されましたが、惜しくもヤンキースの松井秀喜選手は僅差(わずか 4点差)で次点に終わりました。成績だけで判断すれば、多分、選ばれたのではないかと思われますが、 「日本で10年のプロのキャリアを誇る29歳」ということで、「松井は新人と呼ぶにふさわしいか?」と いう議論が数ヶ月も前から延々と囁かれていて、これが選考に影響を与えた面はあったと思います。 過去に野茂、佐々木、イチローが大リーグの新人王に輝いていることを考えれば、「何で今さら松井が 新人に該当するかで騒がれるんだ?」という気になりますが…。まあ、それだけ日本のプロ野球がハイ レベルだと認められてきたということかも知れません。現在の名文化されている資格からすれば、勿論 松井は大リーグの新人に当たります。これが実態にそぐわないなら、ルールを変更するべきですね。 「大リーグ以外のプロ野球で何年以上プレーした選手は新人と扱わない」とか…。それで松井が外される なら、それはそれで「ルール通り」で良いと思います。現行のルールであれば、普通は…。まあ、決まって しまったものは仕方ないですが…。 で、今回の件をキッカケに、「新人」の定義というものについて、再度、考えてみました。 現在、私が関わっている学生卓球界の範囲内で「新人」が絡んでいるものは3つあります。「関東新人戦」、 「関東・春季リーグ戦・最優秀新人賞」、「全日本学生・最優秀新人賞」です。 「関東新人戦」は、「過去に全日本学生選手権に出場していない者」というのが唯一の出場資格制限です。 平成2年までは、「1・2年生に限る」という規制などで3年生以上の出場は出来ない大会でしたが、平成 3年以降、現在のルールになって、もう13年が経ちました。14年前までの「新人」の意味は「下級生」を 指していましたが、現在で言う「新人」は「大学の全国デビューをしていない者」を指していると言える でしょう。 新人戦は4月下旬に行われるため、申し込みや組み合わせは4月上旬に行なわれます。強豪校にスポーツ 推薦で入学する選手は別として、一般の選手は入学式も終わっていない、あるいは入部勧誘中、という 時期です。勿論、追加登録などの措置は取られていますが、いずれにせよ一般の1年生は時間的に出場が 難しいのが現実です。かつて、2年生まで出場を認めていたことにはこういった事情もあったようです。 平成3年に、3年生以上の出場が解禁されたのは、新人戦の「参加者増」を狙う意図があったことは勿論 ですが、この年から東日本学生選手権(と西日本学生選手権)が中止され、「試合機会」が減ったことに対応 する意図もありました。 新人のレベルが低い年や、強豪新人と組んだダブルスなどで、実績のない上級生が上位に進出したり、 優勝したりする姿もチラホラ見られ、かつての下級生大会だった頃しか知らない人からすれば少し違和 感があるかも知れませんが、ま、見慣れてしまえば問題ないかな、と思います。 「関東・春季リーグ戦・最優秀新人賞」に関しては、実は規約(リーグ戦施行細則)に名文化された授賞規定 がありません。不文律で「最も活躍した1年生に授与する」という慣例になっており、今年、阮震杰(埼工 大)が受賞した通り、特に外国人を排除しているわけでもありません。ただ、同等の活躍度の日本人と 外国人がいた場合は日本人を選びやすい傾向がありますし、外国人しか活躍しなかった時に「該当者なし」 になることもあり、これは年によって違います。これはその選考の「場」の雰囲気が結果を左右する面は 大きいですね。例えば、去年の女子は曹冬梅(中央大)が5戦全勝、陳微娜(淑徳大)が4戦全勝という成績 だったにもかかわらず、新人賞は「該当者なし」でした。もっとも、これには伏線があって、曹冬梅は新人 賞よりも価値のある敢闘賞と優秀選手賞を既にダブル受賞済みで、陳微娜も優秀選手賞を受賞済みだった のです。加えて、曹冬梅は中大入学前に日立化成で社会人選手として活躍していた経歴を持っていま した。既述の通り、現在、新人戦の授賞規定はありませんから、社会人経験者は新人の対象なのかどうかは 誰にも断定はできません。ただ、雰囲気的に、「社会人経験者」、「年齢も他の1年生より上」、「外国人 留学生」、「既に敢闘賞と優秀選手賞を既にダブル受賞済み」という、種々の要素があって、「この上で、わざ わざ3つ目の表彰(新人賞)をすることもないか?」という感じで対象から外れました。陳微娜は曹冬梅 より勝ち星が少なかったので陳微娜に新人賞を授与するのも不自然で、結局、「該当者なし」という結論に 至ったというわけです。ま、新人賞の表彰をされてもされなくても、曹冬梅と陳微娜の強さは戦績で証明 されていますが…。 「全日本学生・最優秀新人賞」は、学連側ではなく、歴代の全日学・単複の優勝者で構成されている「全日本 学生チャンピオン会」が選考しているものです。よって、その選考ルールに関しても、学連側は直接関与 していません。ただ、平成3年度にこの賞が制定された時、「男女各1名ずつ・計2名」、「1年生であり、 かつ20歳以下」という2つの原則はチャンピオン会から提示されていました。ま、これはあくまで目安 であり、例えば平成5年に田崎(当時・明大)と今枝(当時・愛工大)の男子2人を選び、女子の該当者はなし としたように、例外の年があっても別にいいわけですが…。 「1年生であり、かつ20歳以下」という規定については、当時の日学連にはまだ登録年齢制限が採用されて おらず、20代後半〜30代の留学生選手が多くいたことを考慮したものです。楊玉華、王会元、周宏など、 中国ナショナルチームを引退した後、来日した選手が全日学チャンピオンになっていた時代でした。 (現在では4月1日現在で28歳以下の者でなければ学連に登録出来ないという年齢制限が採用されて いますので、30代の日学連登録選手というのは存在しないことになっています) で、平成3年当時は、「1年生であり、かつ20歳以下」という規定によって、あまりにも年齢の離れた選手は 除外するが、同世代であれば日本人・外国人の区別なく、全日学・最優秀新人賞の対象とする、という話を 関係者から聞いたものです。確かに、日本人に限定したければそう1行付け加えればよいところで、あえて そうしなかったことからも、その意志はわかりました。が、ここ数年は、その同じ人から「外国人は対象と しない」と聞かされています。まあ、先述のように、これは学連が選んでいるのではなく、チャンピオン会が 選んでいるわけですから、他の団体の選考に口出しをする必要もないのですが、チョット納得行かない面も ありますね。もちろん、いろんな事情で人の意見が変わっていくこと自体は珍しいことではありませんが …。 そんなわけで、全日学・最優秀新人賞は制定から今年で13年目を迎えましたが、実質的に「外国人を対象 外とする」ということで、歴代の21人の受賞者は全員日本人です。該当者なしの場合もチラホラあります が、実際に「活躍した日本人の1年生」がいない年は仕方ないでしょう。それより気になるのは、近年は 「全日学のシングルスで最上位のランクになった選手に、ほぼ自動的に授賞している」ということです。 賞の設立当初は、年間を通じた活躍度を見ようとして、全日学の単複は勿論、インカレや各学連選手権、 各学連新人戦の結果まで調べたこともありました。これは非常に手間がかかるわりには、結局、余り意味が ない(やはり、全日学のシングルスで活躍した選手が選ばれることが多い)ということで、自然と現在の ような形になってきたわけですが、例えば去年の女子の三河あたりは全日学ランク16位という成績以外、 後にも先にも目立った戦績をあげていないのですが、個人的には「これだったら該当者なしの方が納得 できるナ」と思ったものでした。今年の男子の高木和は、全日学シングルス準優勝ですから、結果として 文句はありませんが、インカレでは1度も出番がなかったわけですし、本来であればインカレで単複に フル起用された坂本や、全日学のダブルスで優勝した原が検討されても良かったとは思います。ま、坂本は 全日学を棄権し、原はシングルスでランク落ちですから、検討しても結果は同じだった可能性大ですが…。 「新人」の定義……いろんなことが考えられるテーマですね。オピニオンのページへ