平成20年度・関東学生新人戦の見どころ

 4月28日(月)〜30日(水)の3日間、駒沢屋内球技場において行われる関東学生卓球新人選手権
 大会(通称、新人戦)の見どころをアップします。

 大会当日には会場まで足をお運びいただき、選手に声援をお送りいただければ幸いです。
 入場は無料です。

 去年の結果は → こちら です。 今大会のシードは → こちら です。
 歴代優勝者一覧は → こちら です。

 男子シングルス

  注目の超大物新人・全日本2年連続2冠王の水谷(明大)は、北京オリンピックに備え、グルー
  使用で調整中。この新人戦、及び春季リーグ戦にはエントリーしていない。関東学生、インカレも
  欠場し、オリンピック後の秋季リーグ戦からの出場となることが、ほぼ確実視されている。
  ドイツ・ブンデスリーガでの最後のシーズンの残り試合に出場することもあるようだが、
  それだけであれば、そもそもプロツアーなどで世界中を移動している中での一環として、
  (日程調整さえ出来れば)国内の試合への出場も考えられる。
  しかし、用具の調整が絡んでくると、そうもいかない。
  国内と国際試合でのグルーのルールが違う、という特異状況の中で、ある意味では「被害者」とも
  言える。
  元々、明大は春先の世界選手権代表になって、田崎、遊澤、木方といった「大物新人」達が新人戦を
  欠場してきたという過去もあるので、今回の水谷欠場も「強過ぎるが故の伝統の一環」ではある。

  水谷欠場で、優勝争いが面白くなった面はある男子シングルス。ガチガチの本命不在で、約10名
  ほどにまでチャンスが広がった。

  第1シードは、明晨(日本大)。シード規定通りであれば、去年の佐賀インターハイの成績を持って
  いない明晨がこの位置に来ることはないのだが、技術員の「強い」という評価による抜擢となった。
  実力者であることは疑いないところだが、果たして「優勝候補筆頭」としての第1シードが
  ふさわしいのか?。結果が、(技術員達の見る目も含めて)全てを証明することになる。
  なお、日大からの新人戦優勝となると(女子では4年前の劉一行の例があるが)、男子では
  平成3年(1991年)の森本(単複2冠王)以来となる。

  第2シードは、佐賀インターハイベスト4の江藤(遼)(専大)。
  去年、主将を務めた兄(江藤真伍)と入れ替わりでの専大入りとなった。
  順当であれば第1シードになるところだったが…まあ、第1も第2も、「決勝まで当たらない」と
  言うことで、実質的には変わらない(気分は変わるが…)。水谷が出場していれば第2シードが
  順当だったわけだし、ここはチャレンジャースピリットで戦いやすいチャンスと考えることも
  出来る。ダブルスも第1シードということで、単複に渡って最も活躍が期待できることは
  間違いない。
  なお、専大からの新人戦男子シングルスの優勝が成れば、平成4年(1992年)の増田以来となる。
  (第1・第2シードが、いずれも15年以上前の記録と記憶を呼び覚ます)。

  4シードには、インターハイランク順に8位の伊積(中大)と9位の秋元(駒大)が、順当に入った。
  特に伊積は、佐賀インターハイで「青森山田を最も苦しめた男」として名を売っただけに、注目を
  集める。昨年後半から好調を維持する中大に、さらに新たな勢いをもたらすことが出来るか?。
  一昨年の森田以来、2年ぶりの中大からのチャンピオン誕生となるか?。

  一方、秋元が優勝すれば駒大からはシングルスとしては初となる。ダブルスでは田中(満雄)・
  藤本組、松竹・桑原(勇)組が歴史に名を刻んでいるだけに、これらに続きたいところ。

  8シードには、インターハイベスト16のランカー・佐藤(専大)と、1年半前の全日本ジュニアで
  ベスト8入りしている高岡と笠原(共に早大)、甲斐(明大)が順当に入った。

  この中で最も注目されるのは甲斐か。「丸坊主軍団・明豊のエース」として、中学・高校と注目を
  集めて来た。(個人的には、1年余り前のジャパントップ12で吉田海偉に勝ちかけた試合が
  印象深い)。「水谷が欠場しても、メイジには甲斐がいる」と強烈にアピールできるか。
  新人戦での明大は、ダブルスこそ4年間で3回の優勝を果たしているものの、シングルスでは
  平成13年の川口努を最後に、直近のこの6年間はチャンピオンが出ていない。
  「王者・明治」としては、(上記の「強過ぎるが故の伝統」はあるものの)そろそろこのタイトルも
  取りたいところ。甲斐にかかる期待は大きい。

  早大の2人はダブルスも組み、単複とも8シード。下山・時吉・久保田という「金メダルコレクター
  世代」が卒業した早大は、この高岡、笠原と、16シードの御内が新戦力トリオ。あのゴールデン
  エイジとの比較になるのも酷だが、期待と注目を集めるのは必然となる。
  (なお、早大は、直近6年間の新人戦男子シングルスで3人の金メダリスト(中野・下山・塩野)と
  4人の銀メダリスト(岸川、阿部、時吉、足立)を輩出している。

  水谷の欠場と松平(賢二)の青森大進学で、「青森山田抜き」の戦いとなった今年の新人戦。
  「鬼の居ぬ間に…」ではないが、ここは活躍のビッグチャンス。「ここで勝てずして、どうするか」
  という形になっている。今大会をステップに、近い将来、水谷、松平と互角に戦う選手が出てくるか
  注目される。

 女子シングルス

  男子の水谷ほどではないが、女子で今年一番の大物と見られているのは石垣(淑徳大)。
  1年半前の全日本では一般の単複でランク入り。佐賀インターハイでは3位。
  今大会、出場すれば間違いなく優勝候補のトップ集団の一角だったのだが、ブラジルオープンと
  チリオープンに参戦(4/17〜27)のため、今大会は欠場となった。これは、去年の福原と同じ
  パターン。石垣の大学デビュー戦は、春季リーグ戦となる。

  第1シードとなったのは、佐賀インターハイ準優勝の徐珍(東富大)。例え石垣が出場していても
  順当ならば徐珍の第1シードは変わらない。インターハイ決勝では、3−0リードで4ゲーム目も
  9-6と、優勝目前のところから若宮(尽誠学園→立命館大)に大逆転負けを喫した。
  ポールポジションを得た今大会では優勝を達成できるか?。
  東富大には一昨年の新人戦チャンピオンの劉テイがいる。現在、劉テイは東京選手権でベスト4
  入りするなど、大学卓球界で1〜2位を争うほどの強さを見せている。今後の団体戦での出場
  機会を確保するためにも、徐は「最高でも金、最低でも金」の十字架を背負っての戦いとなる。

  第2シードは、佐賀インターハイベスト8の加藤(大正大)。順当な選出となった。
  今大会は、単複揃っての第2シードということで、2冠を狙える位置にいる。大正大は、3年前に
  狭間が新人戦単複2冠王となり、その後、全日学優勝まで駆け上がった実績がある。
  果たして加藤はどのような実績を残すか?。

  4シードには、インターハイランカーの岡野と、1年半前の全日本ジュニアベスト8の田中、と
  いう中大コンビが順当に入った。
  中大からは6年前の平成14年に曹冬梅が新人戦単複2冠王となっている。日本人チャンピオンを
  求めて、その前を見ると…何と女子シングルスとしては昭和56年(1981年)の山田道代まで
  さかのぼる。コンスタントに強豪が加入する伝統校だけに、四半世紀以上とは、意外だった。
  上位シードを生かして、久々に日本人チャンピオン誕生は成るか?。

  8シードには東富大から原田、西東、松永の3人と、天野(専大)が入った。しかし、何と言っても
  東富大勢の質×量は他校を圧倒している。これで、第1シードの徐珍と併せて、8シードの半分、
  4人を占めている。そもそも、10人もの1年生が入っていること自体、女子では他校の追随を
  許さない状態と言える。以前から新人戦での強さには定評がある東富大だけに、今大会で上位
  独占もあり得る。

  16シードでは、キョウ(大正大)が8決定戦で第1シードの徐珍と当たる抽選となった。
  今年の1年生で強豪留学生はこの2人のみ。留学生対決を勝ち上がった方が、優勝争いの目玉と
  なる。この新人戦の女子シングルスは1〜2年ごとに日本人と留学生が交互に優勝をしている。
  強豪留学生が登場して以来のこの16年間で、ちょうど8回ずつ、日中で優勝を分け合っている。
  直近だけ見ても、劉一行→狭間→劉テイ→照井…。果たして今年は、日or中?。

  また、早田(青学大2年)も16シード。通常、2年生以上の新人戦は「前年まで全日学に出場
  できなかった」ということで、出場資格を持っていること自体、誇れることではない。だが、
  早田は昨秋のリーグ戦で4戦全勝の優秀選手賞受賞。その後の会長杯でも優勝、と、実績を残して
  いる。この実力が本物なら、珍しい「2年生以上で優勝争いに絡む」パターンが実現する可能性も
  ある。
  (本題からは外れるが、学年ネタで気付いたが、今年から1年生は(浪人していなければ)全員平成
   生まれだ)

  ここ数年を見ても、男子は2〜3校に優勝が集中しているものの、女子は毎年単複共に優勝校が
  変わっている。それだけに新人戦の女子は見通しが立たない、予想しづらい面が多い。
  石垣の欠場が、この混戦模様に輪をかけている。
  過去3年間のインターハイ女子シングルスチャンピオンが3年連続で他学連の大学へ進学し、
  (曹嘉イ(青森山田高→東北福祉大)、宇土(就実高→立命館大)、若宮(尽誠学園→立命館大))
  やや小粒な印象の近年の関東女子陣。しかし、男子の「vs青森大」モードに比べれば、まだ女子は
  関東が他地域を圧倒している。選手層の厚さは他学連の比ではない。この多くの選手達の競り
  合いの中から、新たなシンデレラガールが誕生するか?。

 男子ダブルス

  第1シードは、佐賀インターハイダブルス3位の江藤と近畿ダブルスチャンピオンの石井が組んだ
  江藤・石井組(専大)が順当に選ばれた。特に江藤はシングルスの第2シードと並ぶダブルスの
  第1シードで、2冠制覇が射程圏内にある。兄(真伍)は、大学生活の最後で全日学と全日本の
  ダブルス連続ランク入りという実績を残したが、このバトンを受け継いで、この新人戦ダブルスで
  結果を出したいところ。
  専大からの男子複優勝ペアーは、平成12年(2000年)の大谷・石原組以来、出ていない。
  21世紀初の優勝は成るか?。

  第2シードは、江藤と組んでインターハイダブルス3位だった甲斐を擁する、甲斐・松渕組(明大)
  が、これまた順当に選ばれた。水谷が出ていて、水谷・甲斐組であれば、まず間違いなく第1シード
  であったであろうと想像は出来るが。
  明大ペアは、ここ4年間で3回もの優勝を飾っている。足立・松山組、水野・小野組、そして
  去年の池田・軽部組。これらの先輩ペアーに続く活躍を見せたいところ。

  4シードには、去年、湘南工大附高で関東高校優勝、インターハイ4位だった中本・大橋組が
  それぞれ、中本・中川組(日大)、大橋・藤松組(法大)となって、順当に選ばれた。現在、2部の
  両校は、共に「2部リーグ優勝→1部自動昇格」を狙う立場にある。この新人戦で上位シードを
  生かせれば、後に続く良い流れが期待できる。

  8シードでは、笠原・高岡組(早大)と伊積・大久保組(中大)が優勝争いに絡んでくる可能性を
  感じる。
  早大ペアーは、シングルスでも強豪同士の上、ダブルスでも高岡がインターハイランカー、
  笠原は足立と組んで全日本ランカーと、実績は高い。
  平成10年の岸・谷口組以来、10年ぶりの早大の新人戦男子複制覇は成るか?。
  中大ペアーも、伊積の単複での上位進出の可能性が高い。平成14年の田中・河又(大)組以来
  6年ぶりの中大ペアーとしての優勝を狙う。

 女子ダブルス

  第1・第2シードは、シード規定の戦績上では全く同格。どちらがどちらでもおかしくは
  なかった。
  去年の佐賀インターハイチャンピオンペアーが天野・加藤組(日南学園)。東海高校チャンピオン
  ペアーが樽見・林組(富田高)。この2ペアーが、それぞれタスキがけで進学し、パートナーが
  入れ替わる形で、天野・樽見組(専大)と加藤・林組(大正大)となった。
  天野組が第1シード、加藤組が第2シードとなったものの、結果がどうなるかは全くわからない。
  (佐賀インターハイ決勝で、天野と加藤は、最終ゲーム6-10からの6本連取での大逆転優勝という
  奇跡的ドラマを実際に演じているだけに、「結果がどうなるかは全くわからない」という言葉も、
  より意味深に感じられる)
  専大ペアーが優勝すれば、去年の高・森藤組に続き、チームとして2連覇となる。一方、大正大
  ペアーなら、3年前の狭間・中熊組以来となる。

  4シードには、坂本がインターハイダブルスランカーということで田中・坂本組(中大)と、
  シングルスで第1シードの徐珍が組んだ徐・原田組(東富大)が入った。いずれも順当な選出。
  個々人の力としては(シングルスのシード順などからすると)徐・原田組は優勝候補の筆頭格と
  言えるかも知れない。(留学生絡みのダブルスは、シングルスに比べると、思ったほど優勝して
  いないという面はあるが…)

  8シードは、各地区ブロックでは実績を残しているものの、全国的にはチョット知名度が低い
  顔ぶれが目立つ。今大会を機会に、その存在をアピールできるか?。


  卓球のページへ