平成19年度・関東学生新人戦の見どころ

 4月25日(水)〜26日(木)の2日間、駒沢体育館において行われる関東学生
 卓球新人選手権大会(通称、新人戦)の見どころをアップします。

 大会当日には会場まで足をお運びいただき、選手に声援をお送りいただければ
 幸いです。入場は無料です。

 今大会のシードは → こちら です。 歴代優勝者一覧は → こちら です。

 男子シングルス

  第1・第2シードを明大勢が占めた。

  第1シードは、去年のインターハイベスト8の池田。
  全日本通算100勝の伊藤和子の孫ということで数年前から注目を集めていたが、早いもので
  大学世代となった。3ヶ月前の全日本では明大OBで男子初の全日本通算100勝に挑戦中の
  斉藤清にも勝ち、話題となっていた。世界選手権のダブルスを制した祖母のDNAは覚醒するか?。
  また、フォア面一枚ラバーという特異な戦型が大学でどの程度通用するかも注目される。

  第2シードの軽部は、仙台育英高で青森山田高に対抗する筆頭格として3年続けて活躍していた。
  現在の明大の主力には、主将の平屋(慶)以下、水野、小野といった仙台育英高OBが並ぶ。
  大学でも「金メダルの記憶」の再現をしたいところ。その一方で、高校時代は、団体優勝こそ経験
  したものの、個人タイトルは遠かった。中1で全中シングルス優勝を飾ったのは6年前のことと
  なったが、大学1年で新たなサクセスストーリーを描き始めたいところか。

  明大からの新人戦・男子シングルス優勝者は、平成13年の川口努を最後に、直近のこの5年間は
  出ていない。伝統を誇る「王者・明治」としては、そろそろこのタイトルも取りたいところか。
  なお、この2人で組んだダブルスも今大会第1シード。2人揃って、単複2冠王を狙えるポール
  ポジションに位置していると言える。

  4シードには、胡(埼工大)と足立(早大)が入った。

  阮震杰に入れ替わる形で埼工大入りした胡。インターハイチャンピオンだった阮は、4年前の
  新人戦で優勝している。また、阮の前の埼工大の留学生は、胡と同じ狭山ヶ丘高出身の張凱だが、
  張凱も新人戦は優勝している(平成11年)。それ以前の周宏、王輝も新人戦優勝者一覧に名を
  連ねている。果たして、先輩留学生達に並ぶスタートを切れるか?。

  足立は、「東山高→早大」という、時吉と同じルートを進んできた。最近のOBでは中野、岸川も
  同ルートを経ている。「名門から名門」のルートで、先輩達に劣らぬ活躍を見せられるか?。
  (なお、早大は、直近5年間の新人戦男子シングルスで3人の金メダリスト(中野・下山・塩野)と
  3人の銀メダリスト(岸川、阿部、時吉)を輩出している。
  また、足立は今大会のダブルスも第2シードで、好位置につけている。

  8シードには、インターハイランカーの浅沼(早大)、定岡(明大)の2人のほか、瀬山(中大)と田代
  (筑波大)が入った。早明の2人が注目されるのも勿論だが、青森山田高出身の瀬山も大注目。
  去年の森田(侑樹)に続き、2年連続で中大に優勝をもたらせるか?。

  16シードでは、渡井(駒大)、花村(大正大)などの名が目を引くが、勝ち上がれば、それぞれ高校の
  同僚と準々決勝で対戦する可能性がある。(渡井は池田と清水国際高OB対決、花村は足立と東山
  高OB対決)。この対戦が実現するかどうかも含めて、注目される。

  また、伴(埼工大)は、池田とともにナショナルチームのU21メンバーとなっている。強化本部の
  目に留まったというペン裏面打法はどれほどのレベルなのか?。非常に興味が湧く。

  全般的に見ると、高校最高峰の青森山田高の主力級はおらず、インターハイ3冠王の高木和卓は
  東京アート入り。大矢は青森大(短大)へ。また、インターハイベスト4の李萌(富田高)も系列の
  朝日大進学。(もう1人のインターハイベスト4、水谷は、まだ高3)。
  インターハイベスト4が1人もおらず、ベスト8も池田1人のみということで、やや小粒の感は
  免れない。(青森大が本腰を入れて強化に乗り出してからのここ数年は、大体、こんな感じて定着
  しつつあるとも言えるが…)


 女子シングルス

  人気、実力とも別格の福原は、半月に渡る南米遠征中。ブラジルオープン・チリオープンと2週に
  渡り、ITTFプロツアーに参戦している。チリオープン後、即帰国しても4/25からの試合に
  間に合うかは微妙なところ。時差などを考慮すれば、当然、地球の裏側からのスライディング出場
  という無理をするのは得策ではない。コンディションが悪い中で、万が一、負けでもしたら大騒ぎ
  だし、満身創痍で勝っても当然視されるだけだ。
  というわけで、福原は欠場。これにより、優勝争いは混戦模様となった。
  (しかし、東京六大学野球の「ハンカチ王子狂奏曲」の模様を見るにつけ、変な大騒ぎが先延ばし
  されたことには、正直、ホッとする。春リーグでは、いやおうなく「福原狂奏曲」状態となるだろうが
  …)

  さて、出場者の方に目を転じて見ると…上位4シードは秀光中等教育OGが独占した。
  さすがは、インターハイの団体を3連覇したチーム。レベルが高く、層が厚い。

  第1シードは、秀光のエースだった照井(早大)。去年の大阪インターハイ・シングルスでは不覚を
  取ったものの、元全日本ジュニアチャンピオン、そして3ヶ月前の全日本・一般でのシングルス
  ベスト8という実績が「実力ナンバーワン」の評価となった。事実、直近の1ヶ月間で見ても、
  ユニバーシアード国内予選と日学連・高体連・合同強化リーグ戦で連続1位にもなり、レベルの
  高さとその安定性も抜群だと証明した。早大で同僚となった福原が出場していても、十分、対抗馬
  となったであろうと想像できる。まして、福原欠場となれば、何としても優勝したいところだろう。
  今大会はダブルスも第1シードで、単複2冠王の可能性は、高い。
  男子が早明2強の関東大学卓球界も、女子はほぼ淑徳大の一人横綱状態。(福岡が在学した間に
  少し日大が抵抗を見せた程度)。だが、今年からは「淑・早、2強時代」となるかも知れない。
  その予兆はある。そうなった時、早大を牽引しているのは間違いなく、福原と照井の2人だろう。

  第2シードは王曼(淑徳大)。去年の大阪インターハイ3位だったので、今大会は第1シードでも
  おかしくはなかったのだが、ここは照井に譲った形となった。現在、女子の大学卓球界で一人横綱
  状態にある淑徳大。留学生としては、陳微娜に続いて2人目となった。(4年制と合併する前の
  淑徳短大は留学生をよく入れていたが)。また、「秀光→淑徳」は、OGの今福や現役の山梨など、
  ビッグネームが並ぶルートとして確立されてきた。これらの先輩達も新人戦のタイトルは取って
  いない(淑徳大の新人戦優勝は、平成13年の藤井の単複2冠王を最後に、5年間遠ざかっている)。
  先輩達に並び、これを越える活躍が出来るか、注目される。

  4シードには阿部(淑徳大)と高(専大)が入った。
  2人とも、強豪揃いの秀光にあってはやや目立たない存在ではあったが、実力はある。

  阿部は、1年半前の全日本ジュニアで3位となり、インターハイでもランク入り。王曼と共に
  「チャンピオンチームからチャンピオンチームへ」の進学となった。淑徳大は、レベルは高いが
  選手層が薄く、阿部のレギュラーフル起用もほぼ確実視されるだけに、大学デビューの今大会での
  出来が注目される。

  高は、王曼との留学生2人体制の中で、秀光での出番は限定されていた。そして、牛茜がいる専大
  への進学。今後の出番を確保するためにも、今大会で活躍し、実績を残しておきたいところだろう。

  8シードには、去年のインターハイベスト8の中山(中大)と加能(東富大)、ダブルス準優勝の中島
  (中大)、そして1年半前のインターハイ準優勝の李セイ(日体大)が入った。この中では、実績的には
  中山が最有力。全日本ジュニアでベスト4入りした戦績もある。だが、未知数の怖さを感じさせる
  のは李セイか?。

  16シードで目に付くのは、早大勢。川畑と亀崎。川畑は秀光から照井と共に早大入り。「秀光→
  早大」というルートも、宮本、多田、梶本、西田に、今回の照井、川畑で、完全に確立されている。
  (と言うか、早大女子13人の約半分にあたる6人もが秀光出身)。インターハイ団体3連覇校から
  これだけコンスタントに補強すれば、そりゃあ早大女子も強くなるわけだ。
  一方、亀崎は一昨年のインターハイベスト8で、去年の関東高校チャンピオン。早大女子唯一の
  カットということもあって、有力視される。

  かつて、星野美香(青学大)が在学した昭和59年〜62年、同期の森真紀子(大正大)や橘川美紀
  (富士短大)は、優勝しまくる星野の陰で、紙一重の実力差ながらシルバーコレクター、ブロンズ
  コレクターとなっていた。男子では、楊玉華(東北福祉大)が昭和61年〜平成元年に全日学4連覇
  を達成し、同期の渋谷、松下兄弟らがシングルスの日本タイトルを取れなかったことも同様と
  言える。
  今後、福原が星野や楊玉華のように優勝しまくるかどうかは未知数だが、そうなる可能性も高い
  ことは事実。となると、福原不在の今大会は同期の選手達にとっては希少なタイトル獲得の
  チャンスと見ることも出来る。「鬼の居ぬ間に洗濯」的なところはあるが、優勝して、歴史に名を
  刻んでおくことは貴重なことだ。銀メダリストや銅メダリストは、容易に忘れ去られてしまう。
  今大会で優勝し、自信と栄光を得て、次の大会での福原との対戦に備えるのは、誰になるか?。


 男子ダブルス

  第1シードは、シングルスの第1・第2シードによる池田・軽部組(明大)となった。個々の実力
  から見ても順当。ダブルスとしても、去年の大阪インターハイで、軽部は準優勝、池田はベスト8
  と、2人揃って実績を残している。池田の一枚ラバーの変則的なボールの返球に、軽部が不慣れで
  自滅することさえなければ、シード通り優勝する可能性は高いのではないか。コンビネーションは
  慣れで解決する問題だ。
  明大は新人戦のダブルスに強く、3年前は足立・松山組が、2年前は水野・小野組が、それぞれ優勝
  している。そして、足立・松山組は現在全日学優勝ペアー、水野・小野組は現在関東学生優勝ペアー
  となっている。ここで池田・軽部組が優勝し、「同時に3つのチャンピオンペアーがチーム内に
  あり、団体戦での起用に困る」という嬉しい悩み状態に出来るか。

  第2シードは、足立・浅沼組(早大)。足立は去年のインターハイ準決勝で優勝した高木和・水谷組
  をあと一歩まで追い込んだという実績を持つ。今大会シングルスも4シードで単複共にメダル
  有力圏内にある。
  他大会では優勝が続く早大にあって、不思議なことに、近年取っていないのがこの新人戦の
  ダブルス。(他大会での優勝が目立つから、という裏返しの側面はあるが…)。
  平成10年の岸・谷口組以来、9年ぶりのタイトルは獲得なるか?。

  4シードには、胡・伴組(埼工大)と渡井・細野組(駒大)が入った。

  胡は単複共に4シードということで、2冠王が狙える圏内。U21NTの伴とのペアーでもあり、
  意地でも優勝争いに絡みたいところ。

  駒大は、近年、新人戦ダブルスは相性の良い種目。4年前には田中・藤本組が、去年は松竹・桑原
  (勇)組が、それぞれ優勝を飾っている。2部常連校だった駒大を現在の位置まで導いてきた田中
  世代(伊東、藤本)は卒業しただけに、この渡井・細野らが伝統のバトンをうまく引き継げるか?。

  8シードには瀬山・岩村組(中大)のほか、2部校から3ペアが入った。8シードには全て違う
  8校から1ペアずつが入った。(1部校では専大のみが8シード入りなし…)。
  シード通りの勝ち上がりになれば同士討ちも少なく、大会としての盛り上がりは期待できる。


 女子ダブルス

  第1シードは、照井・川畑組(早大)の秀光OGペアとなった。去年の大阪インターハイでは、
  別ペア(照井・石垣組と川畑・高組)だったが、共にベスト4。一昨年の千葉インターハイでは
  照井は山梨と組んで優勝している。照井は、その年のインターハイのペアで、全日本のダブルス
  でも2年連続ランク入りし、実力を証明している。単複第1シードの位置から単複2冠王を
  虎視眈々と狙う。それは十分、射程距離内にある。
  (しかし、2部校生の単複第1シードとか、2部校生の単複2冠王は、過去にあったのか?。
  真面目に調べてみないと正確にはわからないが、もしかしたら初か?)。

  第2シードは、中山・中島組(中大)。…中・中・中…か。
  中島がインターハイダブルス準優勝(パートナーは単優勝の宇土)ということでの今大会の第2
  シード。シングルスでも2人揃って8シードを得ている実力者同士によるペアーだけに、上位を
  狙うことになる。

  4シードには、立岩・早田組(青学大)と高・森藤組(専大)が入った。

  青学大は、今の4年生達が入学した時(平成16年度)の新人戦では決勝同士討ち(優勝:代・大槻
  組、準優勝:阿部・山ア組)だった。立岩・早田組は先輩達の戦績にどこまで近づけるか?。

  高は、川畑と組んでインターハイベスト4だったことがあっての今大会の4シード。これで単複
  共に4シードとなった。専大の入れ替わりの先輩となったトン舟は平成15年度の新人戦で
  単複2冠王だったが、こちらも先輩の戦績にどこまで近づけるか?、だ。

  8シードを見て…2部校が多いと再認識する。4シードに2組、8シードに4組、と、半分は2部
  校だ。照井をはじめとする早大の桁外れの補強や、専大の高、日体大の李、といった留学生が
  いての結果ではあるが、福原が欠場しなければ2部校側が逆転していたことになる。王曼(淑徳大)
  がダブルスに出ていないなどの点は少しはあるものの…。

  早大が8シードに2組入ったが、今後は大会ごとに福原の出場・欠場でダブルスのペアリングも
  玉突き式にズレていくことが十分予測される。固定されたペアでの練られたコンビネーション
  よりは、多彩なペアリングを売りにしていくことになるか?。今大会で活躍しても、次の大会で
  見られるかはわからない。ある意味、全大会がペアリング的には貴重な大会となる可能性もある。


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