平成19年度・秋季・関東学生リーグ戦の見どころ

 9月3日(月)〜7日(金)の5日間、代々木第2体育館において行われます「平成19年度・秋季・
 関東学生リーグ戦(1・2部)」の見どころをアップします。

 日程は全てウイークデイですが、最終日の9/7(金)以外は7時頃まで試合が行なわれている可能性
 があります。
 平日の学校帰り、仕事帰りの方も足をお運びいただき、大学卓球界トップのプレーを、是非、ご観戦
 下さい。

 会場の代々木第2体育館は、JR山手線・原宿駅、及び地下鉄・千代田線・明治神宮前駅より徒歩
 5分です。
 入場料は、一般600円、大学400円、高校生以下無料です。

 なお、日程は → こちら です。

 今季のリーグ戦が従来と違う状況下にあると言えるポイントは2点ある。

 ・まず、第1点は、来春からの1部8校制に伴い、今季は下部への降格がないということ。
  最下位になっても下に落ちることがない、ということがどう影響するか?。
  従来の、優勝争いに匹敵する「最下位回避争い」の激しさが緩くなる可能性は高く、これがリーグ全体の
  緊張感の欠如につながってしまうことが危惧される。選手起用でも、優勝の可能性がなくなった時点で
  今まで出番が少なかった4年生の記念起用や、逆に来年以降を睨んでの下級生のテスト起用が発生
  する可能性はある。これが、「フレッシュなプレー」という良い影響を生めば良いが、悪い方に転ぶと
  「単に、ベストメンバーが出ていないだけ」という状態になる危険性もある。
  優勝争いは、基本的にはこの「降格なし」は影響しないはずだが、対戦相手のオーダーの影響が間接的に
  作用してくる可能性はある。
  また、2部は上位2校が来春の1部入り、ということで、従来の「優勝でなければ2位も3位も同じ」では
  なく、むしろ2位と3位の切れ目が天国と地獄の境目となる。

 ・2点目は、グルー規制の影響。
  今春、急遽決定した従来のグルーの規制。わずか3ヶ月足らずという短い準備期間を経て、いよいよ
  9月より実施を迎え、この秋リーグがその対象初大会となる。現実的には、インカレまではほとんど
  全ての選手が従来のグルーを使用しており、その後もトップ選手はユニバーシアード、その他の選手は
  全日学予選までは従来の用具で戦うだろう。とすると、その後のわずか半月で新しい用具を調整して
  今季の戦いに臨むこととなる。用具選択の眼力や新用具への適応力なども試されることになる。
  また、グルーの力に頼るプレーをしていた選手には影響が大きい一方で、カットやツブ高変化プレー
  などの守備型・変化型のプレースタイルには影響が少なく、一時的にこれらの選手達が活躍しやすく
  なることも考えられる。
  (但し、女子の場合、男子ほどはグルー規制の影響は大きくない可能性もある)


女子1部

 淑 徳 大  [参考] → 平成11年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

                尼崎インカレの結果。

  一昨年・秋から関東学生リーグ戦4連覇中の淑徳大。通算優勝回数も10回の大台に乗せた。
  平成13年度(2001年)・春季の初優勝以来、6年半。13シーズンで10回優勝…優勝を逃した
  のは、日大に春リーグを奪われた3回のみ。21世紀の優勝獲得率は約77%。しかも、秋リーグに
  限れば6連覇中。凄いとしか言いようがない。
  尼崎インカレでは、青学大の前に連続優勝を阻止されたが、それでも8年連続決勝進出で内6回優勝
  という記録は、今後、破られる可能性は極めて低い。
  ハイレベル+安定性、の淑徳大が、関東リーグ5連覇、秋リーグ7連覇を達成する可能性は、高い。

  エースは、キャプテンの山梨。関東学生で、惜しくも連覇こそ逃したものの、去年の優勝に続く2年
  連続決勝進出の末の準優勝は素晴らしい戦績。勝っていれば、単複2冠王だっただけに、惜しかった。
  敗れた劉一行が今季は2部ということで、今季1部では山梨が最強、という見方も出来る。
  尼崎インカレでも単複計10勝2敗と、チーム1の成績をあげており、優勝していれば2年連続MVP
  が濃厚だった。ただ、関東リーグでは他大会に比べるとやや見劣りする戦績。今春も3勝2敗で、
  通算は8勝7敗と、勝率はほぼ5割。今シーズン中での2桁勝利到達は当然としても、実力通りなら
  4〜5勝が十分期待される。
  チャンピオンチームのキャプテンとして開会式では選手宣誓も行なう山梨。その開会式で返還する
  優勝旗を、閉会式で再び奪還して帰りたいところ。

  山梨と並ぶ2年生ツインエンジンの小野は、今春、単複10戦オールストレート勝ちという文句の
  つけようがない大活躍を見せ、殊勲賞(MVP)、優秀選手賞、(ダブルスで最優秀ペアー賞)と、個人賞も
  受賞しまくった。関東学生でも2年連続単複ともランク入りし、いずれも去年より成績を上げた。
  ただ、尼崎インカレでは決勝で痛恨の単複2敗。しかも、優勝を決められる決勝失点、という屈辱を
  味わった。雪辱を期す今季は、まず通算8勝4敗の勝ち星を、山梨とどちらが先に2桁に乗せるかが
  競争で、その先には当然、更なる上積みが期待される。

  1年生トリオの中では、まず関東学生3位の阿部が期待される。秀光時代からの先輩である山梨との
  関東学生準決勝も、ほぼ互角の展開で「こんなに強いのか」と驚かされた。一方、同じ秀光出身の王曼は
  春リーグで苦い3連敗デビュー。インカレ決勝でも痛い敗戦を喫するなどで、入学時点での評価が
  阿部と入れ替わっている感じ。だが、新人戦2位、関東学生ランクの地力が発揮されれば、当然、相当の
  強さを発揮するものと思われる。
  5番手の石川は全日学予選で敗れるなど、上の4人と少し実績に差があるものの、この少人数のチーム
  構成から言っても、単複に渡る貴重な戦力となる。

  ダブルスは、山梨・小野組と阿部・石川組で変更はないだろう。
  今春、5戦全勝で最優秀ペアー賞を受賞した山梨・小野組は、通算でも8勝1敗。関東学生でも
  優勝し、今大会のプログラムの表紙も飾っている「顔」の存在。今年はここまで、尼崎インカレの
  決勝で敗れた1敗のみで、勝率は極めて高い。山梨は、昨秋、末益と組んで最優秀ペアー賞を受賞して
  おり、個人としては2季連続の受賞中。今季も受賞すれば、3季連続となり、末益の記録に並ぶ。
  一方、セカンドダブルスの1年生ペアも、中堅クラスの実力は備えている。

  インカレで優勝を逃したことにより、年間完全優勝(グランドスラム)は成らなかったが、春秋連覇
  だけでも十分立派な成績ではある。いろいろな意味で、「秋は負けられない」。


 東京富士大  [参考] → 平成元年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

  近年は苦戦続きで、実に5年半(11シーズン)に渡って負け越しが続いていた東富大が、今春は初日に
  淑徳大に敗れたものの、その後の4連勝で4勝1敗の準優勝に輝いた。昨秋の最下位からのジャンプ
  アップで、ある意味、今も連勝が続いている状態と言える。平成14年(2002年)に、富士短大から
  4年制大学となって以来、6年目にして初の勝ち越しのシーズンとなった。(2位という順位は、
  平成15年(2003年)・秋の「2〜6位に2勝3敗が5校」という珍事の際に既に獲得していた)。
  インカレでは、去年に続くベスト8止まりで、優勝争いの最前線までは達していないが、代わりに
  今季のリーグ戦で最終日まで優勝争いに絡みたいところ。

  エースは2年生の強力留学生・劉テイ。今春、5戦全勝で優秀選手賞を受賞し、通算成績も12勝
  2敗と、ハイアベレージをキープしている。関東学生で2年連続ランク落ちしたのは意外だったが、
  実力は折り紙付き。15勝ラインは突破するだろう。

  劉テイと並んで今春5戦全勝と活躍し、敢闘賞を受賞したのは4年の坂巻。昨秋の4勝1敗に続く
  好成績で、通算成績も12勝8敗と一気に2桁勝利に乗った。大学生活後半での上昇カーブは
  ラストシーズンでどう締めくくられるのか?。

  2年の唐沢は左腕を生かして単複フル起用が確実視される。尼崎インカレ準々決勝での単複2失点
  (単はラストでの敗戦)を払拭する活躍が見せられるか。

  キャプテンの岡は苦杯が続いているが、女子1部の日本人としてはナンバーワンのカットマンだけに
  ノングルー時代が追い風となる可能性はある。昨秋、孫博を破ったようなビッグサプライズも起こり
  やすい状況にある。全日学ランカーの実力を発揮したいところだ。

  あとは、高石、日高、加能の中からの日替わり起用か?。日高が未だ未勝利というのは意外だが、
  実力はあるので、今季は初勝利か。

  ダブルスは、毎季ペア変更が多い。個人戦でも大会ごとにペアチェンジしたり、団体戦でも試合毎に
  組み替えたりしている。左腕・唐沢の有効活用はほぼ間違いないとして、あとはどういう形になるか
  予想は難しい。

  毎季、淑徳大が頭1つリードし、他の5校が僅差で競り合う展開が定着している近年の女子。
  今季も淑徳大が順当に勝ち続けた場合、前季2位校の東富大がどこまで勝ち続けられるかが、リーグ
  全体の盛り上がりに大きく影響する。もし、最終日の直接対決を迎える前に2敗以上を喫すれば、
  4日目で優勝が決定してしまう可能性は高い。8校制移行の関係で最下位回避争いも盛り上がりが
  期待できないだけに、「熱いシーズンになるか、否か」、東富大が担う役割は大きい。


 大 正 大  [参考] → 平成元年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

  近年、「春は勝ち越してAクラス、秋は負け越してBクラス」といった展開が続いている大正大。
  尼崎インカレでは、2年連続ベスト8に終わったものの、準々決勝では淑徳大に対して2−0と
  王手をかけ、あと一歩まで迫った。関東学生で、淑徳大と並ぶ4人がランク入りしていることなど
  からも、今年こそ「秋も勝ち越し、Aクラス」という結果を残したいところ。

  エースは、元全日学チャンピオンの狭間。今春は4勝1敗で通算では16勝7敗。今季4勝以上を
  あげ、最終学年を待たずに特別賞を確定させる確率は50%か?。関東学生では単複共に3年連続
  ランクで、今年は自己新記録。ハイレベルの安定性が光る。

  4年の張暁は、3勝1敗でデビューシーズンを飾った。さすがに孫博と比べるのは酷だが、留学生
  選手としてまずまずの戦績は残した。全日学選抜で3年連続ベスト16、関東学生でも3度目の
  ベスト16入り、という個人戦の実績からすると、今季も3〜4勝が期待される。

  2年の井上は、今春3勝1敗で、全勝は途切れたが通算7勝1敗の好成績。今年は単複に渡り、フル
  回転で、チームの中軸に定着している。今季中に2桁勝利に乗せて、特別賞ペースとする可能性は
  大いにある。

  上位3人の得点率は高い大正大だけに、4〜5番手の出来がチームの命運を握ることとなる。

  1年の西は、苦杯が続いているが、近い将来、この起用に応える結果が期待される。
  関東学生でランク入りした小山内(里)にも、当然、オーダーのチャンスは巡って来るだろう。
  あとは、中熊、村山、藤田らが初勝利を目指す。このあたりは、勝てば日替わりヒロインか。

  ダブルスは、井上・小山内(里)のエースダブルスと中熊・藤田のセカンドダブルスで固定か。
  もっとも、結果が出なければ、当然、固定しているわけにもいかないだろうが…。事情により、狭間が
  ダブルスに出ない可能性が大きいことは、周囲から見れば、やはり勿体無い。

  現在の女子1部6校中、最も団体戦の優勝から遠ざかっている大正大。平成7年の秋リーグ、平成8年
  のインカレを制しているが、以後、丸10年間、勝っていない。留学生を軸とした個人タイトルは
  桁外れに多く、また、団体でも常時上位進出・優勝争いを演じているだけに、意外さは増す。
  関東学連創立80周年の区切りの年に、好成績を収めたいところだが…。


 中 央 大  [参考] → 平成元年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

  昨秋の2位から今春は4位へ順位を落とした中央大。しかも、4〜6位は1勝4敗で3校並ぶ状態で
  一歩間違えば最下位でもおかしくない結果だった。関東学生でもシングルスのランカーはゼロ。
  そして、尼崎インカレでは9年ぶりのランク落ちとなった。今季の男女1部12校の中で、インカレ
  ランク落ちは中大女子のみ、ということからも、目立つ敗戦となってしまった。加えて、編成下位の
  2校は、インカレ優勝の青学大と、早大、日大に勝って1部復帰を果たした専大、という右肩上がり。
  中大にとっては、4位キープも容易ではない、苦難のシーズンが予想される。

  エース格の野上は、今春単複共に1勝4敗の計2勝8敗という結果に終わった。通算シングルスは
  2桁勝利には達したが、10勝11敗で負け越している。野上の再起がなければ、中大の苦難は
  避け難いだろう。

  野上だけでなく、今春のシングルスは皆1勝止まりだった中大。通算成績でも勝ち越しているのは
  新人・中島の1勝0敗のみ。芦田が4勝4敗のイーブンだが、あとは岩村、大西、安田、山本、中山、と
  揃って負け越している。

  シングルスで厳しい状況が避けられないのであれば、ダブルスに活路を見い出したいところだが、
  去年の関東学生ベスト4ペアー、岩村・安田組も今年は全日学予選落ち。今年の関東学生ランク
  ペア、野上・中山組ともども、安定性に不安は残るが、もうやるしかない。

  この状況も、逆から見れば、「2部落ちしないシーズンで、ラッキーだった」と言う事もできる。
  良い意味で気楽にいけば、必要以上に気負って実力が発揮できなかった、ということもないだろう。
  結果を気にし過ぎることなく、4年勢(岩村、大西、安田)のラストプレーや1年勢(中山、中島)の
  今後につながるプレーなどが注目される。


 青山学院大  [参考] → 平成元年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

                尼崎インカレの結果。

  今春は、ダブルスの組み換えに端を発した負の連鎖の中で初日から4連敗。最終戦で際どく逆転勝ち
  した結果、1勝4敗で3校並び、辛くも最下位を免れた青学大。もしあのまま最下位になっていたら、
  2部落ちしていた可能性は、大いにあった。冷や汗モノの1部キープとなった。
  その後、尼崎インカレでは、常勝・淑徳大を破り、実に14年ぶりの優勝を果たした。ほとんど誰も
  予想していなかったミラクルを起こした。
  地獄と天国を4ヶ月間で両方とも見た青学大。3つ目の道は、どちらに続くのか?。

  1年時からチームの中軸を担い続けた4年生カルテット。最後のインカレを最高の形で飾り、そして
  最後の関東リーグ戦を迎える。

  エースは、キャプテンの阿部。どん底状態だった今春のチームでも1人獅子奮迅の活躍を続け、
  単5戦全勝、複4勝1敗の計9勝1敗と、勝ちまくり、優秀選手賞を受賞した。通算成績は、単18勝
  12敗、複は23勝10敗。今季2勝で特別賞受賞となるが、90%以上の確率で獲得することに
  なるだろう。順当にいけば、今年女子1部の立場で特別賞を受賞する4年生は阿部のみとなる。
  (劉一行が2部に落ちたため)。
  尼崎インカレでも、単複11戦全勝という大活躍を見せ、優勝に大きく貢献した。準決勝と決勝では
  いずれも4番で決勝点もあげている。MVPを取っても不思議はない出来だった。
  ただ、好事魔多し。その2週間後には全日学予選でまさかの敗退を喫する結果となった。
  ここで再度引き締めて、ラストシーズンに臨めば…もしかしたら奇跡が再び起きるかも知れない。

  阿部と並ぶ2枚看板の山アは、今春は不振でチーム低迷の一因となっていたが、その後、復調している。
  全日学でも、一昨年は準優勝、去年は8強。今年の関東学生でもベスト4、と、特に個人戦で実績を
  残している。リーグ戦通算では、単9勝12敗、複18勝14敗。単の2桁勝利(10勝)、複の20勝
  はほぼ手中にある。尼崎インカレでは、単複11戦全勝という阿部と同じ成績で、MVP(敢闘賞)を
  受賞し、その後、今季女子1部所属選手としてはただ1人、ユニバーシアードに参戦した。
  ここ1ヶ月前後の状況を見ると、「最後に最強だった」と言われてラストシーズンを締めくくる可能性も
  大いにある。

  大槻と代の秀光OGコンビも、中堅の強さは誇っている。ただ、今春は2人とも単は全敗で、ブレーキ
  となってしまった。通算成績も、大槻が10勝20敗、代が5勝11敗と、大きく負け越している。
  大槻は2年前(平成17年秋)の大活躍の印象が強いので、この成績は意外だ。

  5番手は、3年生以下となるが、高森、加藤、仲川、立岩、早田と5人合わせて、通算12戦全敗…来年
  以降には大いに不安が残る。

  ダブルスは、普通にいけば阿部・山ア組と大槻・代組。今春の最終戦での逆転勝ちにつながったのも
  結局はこの2組の勝利だった。負のスパイラルを招いたペアチェンジの再現はないだろう。
  元全日学チャンピオンペアーの阿部・山ア組は、現在18勝8敗。個人として(パートナーを変えて)
  ダブルス通算20勝する選手は結構いるが、同一ペアーとしては結構難しい。(そもそも、同学年
  ペアーでなければ最初から困難だ)。

  平成12年(2000年)秋季に「20世紀最後の優勝」を飾った青学大。21世紀は淑徳大時代だが、
  昨秋、淑徳大の「秋リーグ5戦全勝」を初めて止めたのは青学大だった。とすると、「ストップ・淑徳」の
  最有力候補は青学大と言えるかも知れない。
  来年以降の補強に関しては不明だが、現役勢力だけからすれば、来年以降、優勝争いをすることは簡単
  ではない青学大。ミラクルは起こせる時に、起こせるだけ、起こしておきたい。
  4年生カルテットのラストシーズンとなる今季の結果はいかに。


 専 修 大  [参考] → 平成元年からの順位推移。 前季(今春)の結果。 ランキング選手一覧

  男女を通じてダントツの最多である通算38回の1部優勝を誇る伝統校・専修大が帰ってきた。
  福原の入学で早大が注目を集めた今春の女子2部で、「圧倒的不利」との下馬評を覆して優勝し、
  日大との入替戦にも完勝。平成16年から3年半(7季)に及んだ2部生活に終止符を打った。
  現役選手にとっては初の1部での戦いとなる。「初」とは言え、既にインカレでは2年連続ランク入り
  しているし、早大、日大に勝って来ていることからすると、混戦模様の女子1部の中で中堅から上位に
  食い込む可能性も大いにある。

  エースは、1年生留学生の高ユウヤオ。春は早大戦で秀光時代の同僚だった照井を破るなどで4戦
  全勝し、2部敢闘賞(MVP)を受賞した。入替戦では劉一行を破る活躍を見せ、「1部復帰最大の
  立役者」となった。秀光時代に後塵を拝していた王曼が苦戦する1部の舞台で、変わらずに活躍を
  続けられるか?。

  日本人では、単複フル回転の杉本が主軸となる。2年連続関東学生ランクに加え、全日学ランカー
  でもある。今春は、青森山田高の後輩にあたる福原に、単で敗れ、複で勝ち、一般のメディアにも
  取り上げられていた。

  4年の杉田は、2部通算18勝6敗。仮に今季5戦全勝しても、ポイント計算の結果、特別賞には1勝
  及ばない。昨春の病欠がもったいない。2部ではコンスタントに3勝ペースだったが、最初で最後の
  1部はどういう結果を残すのか。全日学ランカーの肩書きからすれば、1部でも3勝はほしいところ。

  4番手は関東学生ランカーの田村。今春は初日の筑波大戦トップで伊藤に勝ち、今日の1部復帰へ
  続く最高のスタートを切った。一方、インカレの準々決勝では2年連続でラストで敗戦を喫している。
  今大会の出来はいかに。

  5番手は、主将の樽見、以下、堀部、有坂、渡辺(美)あたりの交代起用となるか。牛茜は、全日学選抜と
  関東学生でランク入りしているが、高の実力が一枚上で、1部では試用の余裕も少ないので、出番の
  チャンスは極めて少ないと思われる。あっても、高に負けが込むか、チームの優勝の可能性が消えた
  後か。

  ダブルスは、杉本・堀部組と有坂・渡辺(美)組の2組固定だろう。2部での戦績がそのまま通用は
  しないとしても、両ペアとも1部で勝ち越しは十分期待できる。

  専修大・女子部は昭和28年に創部。同年の春季リーグ戦で2部に初登録し、即2部優勝、即1部昇格、
  同年秋リーグで即1部優勝。以後、6年半に及ぶ前人未到の13連覇を達成するなど、他の追随を全く
  許さない伝統を築いてきた。昭和28年の秋季から平成15年の秋季まで、101シーズン連続
  (50年半連続)1部在籍という女子最長記録がストップしたのが4年前の秋だった。
  すぐに1部復帰なるかと思いきや、2部優勝も出来ない3シーズン、その後は2部で優勝しても
  入替戦で完敗を繰り返すシーズン…そして3年半、「圧倒的不利」なシーズンに1部復帰が成った。
  不思議なものだ。
  とにかく、これで男女揃って1部という指定席に戻ってきた専大。これで終わりじゃない。
  名門復活の本編は今から開幕する。


女子2部  ランキング選手一覧

  福岡が入学した平成14年の春リーグ後に1部昇格を果たし、以後ちょうど丸5年間(10シーズン)
  1部をキープし続けてきた日本大。福岡に続き、坂本(沙)、そして劉一行というトップ選手が毎年
  加入し、春リーグを3年連続で制するなど、淑徳大独占時代に風穴を開け、一時代を築き上げて来た。
  一昨年の横浜インカレで初優勝を飾ったのがその絶頂期だったが、福岡が卒業した去年は一転、
  春リーグで最下位となり、インカレでも再びランク落ちとなった。そして坂本(沙)も卒業した今年
  …、春リーグでは最終戦で青学大に逆転負けを喫して2年連続で最下位となり、入替戦では1年前
  には完勝した専大に、今度はほぼ完敗を喫した。
  奇しくも、秋リーグだけを見ると3勝2敗や2勝3敗で3〜4位の中位に位置しながら、春リーグ
  だけを見ると「2部圧勝・怒涛の1部昇格」、「1部3連覇」、「2年連続最下位」、「2部落ち」と、激しい
  浮沈を繰り返してきた。([参考]平成元年からの順位推移)

  戦力的には、関東学生を制した劉一行が1人だけ特出して強い。1部時代だけで既に最終シーズンを
  待たずに21勝(7敗)と、特別賞を確定させている。全日学選抜でも、4位→3位→2位と着実に
  順位をあげ、今年は優勝を狙うのみ。ただ、これだけのトップレベルにある劉一行でさえも、必ずしも
  全勝が約束されているわけではないのが今の女子2部。実際、入替戦では高に敗れているし、福原、
  照井、伊藤、野中、西岡、李セイといったところはかなり手強い相手。そうは言っても、他のメンバーの
  顔ぶれからすると、日大が最も効率を発揮できる勝ち方は、「劉が相手エース格に勝った上で、あとの
  皆で3点取る」というもの。(劉が相手校の4〜5番手に勝っても、それは当然の域で、ありがたみは
  薄い)。

  前提条件になっている「キャプテンの1点」が計画通りに行ったとして、残るは日本人勢。坂本(真)と
  大庭の単複をはじめとし、定岡、須田、中村らでの戦いとなる。1部のように「1勝が遠い」という
  状態にはならないだろうが、要所の上位対決で、うまく勝利の4点に結び付けられるか。

  正直言って、優勝候補筆頭は早大で、1部が長かったとは言っても日大の優勝は容易ではない。
  それでも、今季は2位以内で1部に復帰できる。最終戦の早大戦まで全勝で行き、「全勝同士対決の
  最終戦で1・2位の順位を決定」という展開になれば、気楽にプラスアルファも期待できる。逆に、
  途中で取りこぼして、「早大に勝たなければ3位以下」という状態で最終日を迎えたら…泣きそうだ。


  春先は、一般マスコミの福原愛フィーバーと、卓球通の間での照井、亀崎の高評価。既存勢力の宮本、
  梶本もなかなか強い…ということで、「2部優勝は当然だ」、「1部昇格だ」、「インカレも優勝だ」、
  「秋には1部で優勝だ」、と大騒ぎだった早稲田大。福原はNT合宿の都合で途中参戦だったが、
  「福原抜きでも優勝は固いだろう」と思われていたのだが…その福原の急造ダブルスの敗戦がキッカケ
  となって、最終決戦の専大戦でまさかの逆転負けを喫した。
  今のところ、後にも先にもこの春リーグが福原が出場した唯一の大学の大会となっている。
  新人戦、関東学生、インカレ、ユニバーシアードは既に欠場。来月の全日学も欠場が確定している。
  今季リーグにはエントリーはしているが、これは15名のエントリー枠に対して部員13名が全員
  自動的に入っているもの。実際の出場の可能性は低いといわれている。少なくとも、5戦フル出場は
  ない見込み。あっても、「予想外の負けがあって、残り試合を絶対勝たなければ2位以内に入れない」
  というスクランブル体制の場合のみか?。
  現実的には福原抜きでも早大の実力は他校を頭1つ(2つ)リードしている。確かに、尼崎インカレで
  大激戦の末に惜敗し、ランク落ちした一戦は「福原がいればなあ」と思わせたが、関東2部リーグでは、
  ほとんど問題ないだろう。万が一、優勝を逃すようなことがあっても、3位以下に落ちるような事態は
  数%しか想定できない。2位以内に入り、1部昇格を果たす可能性は95%前後か。

  福原欠場の場合、エース格となるのは同じ1年の照井。全日本ベスト8の実力を引き下げての入学後、
  新人戦優勝。春リーグでも当然のように勝ち続けていたが、それだけに専大戦の単複2失点は
  痛かった。あのどちらかでも勝っていれば…。その後、関東学生ではベスト8。インカレ、ユニバー
  シアードと、連戦が続いている。今季こそは単複全勝でチームを1部に押し上げたいところだろう。

  キャプテンの宮本は、現在2部通算20勝6敗で、ラストシーズンの今季5戦全勝すれば特別賞と
  なる。昨秋に1度5戦全勝したことはあるが、現実的には非常に厳しい数字と言える。さらに、
  全日学予選で予選落ちを喫したことが、厳しさに輪をかける。ここは、個人成績より、「チームを
  1部に導く主将」という立場に集中した方が良いか。

  3年の梶本は単複で関東学生ランク入り。春の専大戦での痛恨の単複2敗(単は決勝失点)を払拭
  する今季としたい。

  あとは、2年の小野と1年の亀崎がレギュラーか。場合によっては、多田、尾田、川畑らの出番も
  あり得る。(何か、Bチームを作っても、2部のベスト4には入りそうな感じがする)。

  ダブルスは、2年連続関東学生ランクペアで今年は2位だった宮本・梶本組と、小野・照井組で
  決まりか。こんなところに銀メダルペアーか…他チームとの戦力の差は歴然だ。

  来年の北京オリンピックまで既に1年を切り、日本人の世界ランク最高位にある福原は、いろいろ
  特別な事情も抱える。取りあえず、あと1年、オリンピック最優先の特別体制で本人も周囲も
  進むことになる。
  (試合内容そっちのけで福原を追いかけている一般マスコミの福原狂想曲がない方が、卓球通には
   望ましいという話もある。功も罪もあるが、いずれにしても福原の影響力は凄い)


  1・2位を争う日大と早大の間に割り込みたいのが日本体育大。従来だとAクラスとBクラスの
  分かれ目である3・4位の境目が一つの重要な境界線だが、今回ばかりは2位と3位の間に運命の
  川が横たわっている。上位2校に勝つことはもちろん容易ではないが、専大相手に昨秋は勝ち、
  今春も3−4の惜敗だったことからすれば、チャンスはある。早大相手には実際、厳しいが、日大には
  勝機もある。あとは筑波大に絶対勝つことか。

  2年の西岡が単複に渡りフル回転するエース格。去年の関東学生ランカーだけに、2部での勝率は
  高い。

  1年の留学生・李セイも強い。元インターハイ準優勝の実績通り、福原に敗れた以外は、野中(筑波大)
  にも勝ち4勝1敗。日体女子の強力留学生…李孝心の再来となれるか?。

  この2枚看板に、増井と津田などを加えた布陣で、チャンスをつかみたいところ。


  上位3人のレベルは高く、4番手以降のレベルは低いという、極端な部内勢力格差がある筑波大。
  上位の3人で4点、という計算が、最近、大きく揺らいでいる。今春は、上位3人が揃って2敗ずつを
  喫していた。チームとして上位に食い込むためにはほとんど全勝に近い数字でないと厳しいのだが
  …そして、結果は連続4位。かつて、1部に上がろうかという勢いだったチームにとっては、屈辱の
  連続Bクラス。しかし、潜在的な力はあるので、場合によっては一気に勝ち上がる可能性もある。
  インカレで関東2部校ながらランク入りしているのは男女の筑波大のみ。しかも女子部は4年連続
  ランクで、内2回が準優勝だ。

  主将の野中は全日学2位に加え、関東学生でも2年連続ランク。2部通算成績は23勝11敗で、
  今季2勝で特別賞に手が届く。2勝出来なかったシーズンは過去になく、獲得の可能性は極めて
  高い。「全日学2位が2部で特別賞」というのは、当然に聞こえるかも知れないが、逆に言えば、
  同僚の伊藤も、杉田(専大)も、ラストシーズンに可能性さえ残せなかったものだ。故障も欠場もせず、
  出続けて勝ち続ける、ということの価値が特別賞には詰まっている。

  その伊藤は、通算18勝6敗。奇しくも同じ四天王寺高OGである杉田と同じ成績で、特別賞に手が
  届かない無念も同じ。その背景に、アクシデントによる欠場があったというところまで同じだ。
  過去3年間、関東学生、全日学、全日学選抜では常にランク入りしていたが、今年の関東学生では初の
  ランク落ち。その反面、荻村杯で金キョンア(韓国)に勝ったり、ユニバーシアードに、出場辞退した
  福原の代わりに出場したりと、国際舞台での活躍も見られる。評価は分かれるところだが、いずれに
  せよ、全日学3位が実力を発揮すれば、相手には脅威に違いない。

  3番手の中村も2部ではかなり活躍できる。あとはダブルスがうまくいけば…。

  男子部は2位以内に入り1部昇格の可能性が50%以上ある筑波大。女子は厳しい状況ではあるが、
  不可能ではない。


  和洋女子大と國學院大は、上位4校とかなりの実力差がある。毎季、最終日に最下位回避をかけて
  熱い裏天王山の直接対決を展開している下位2校だが、今季に限っては5位でも6位でもあまり
  意味はない。3部落ちはなく、来春の新編成の2部の3〜4位という編成上の順位の違いでしか
  ないので。
  戦力的にも似たような両校だが、和洋女大が全日学出場者ゼロなのに対して、國學院大はエース
  荻田が尼崎インカレで関西学生チャンピオンの桑原(神戸松蔭女大)に勝つ活躍を見せており、
  3部から上がってきたばかりとはいえ、若干有利かと思われる。


 卓球のページへ