平成18年度・関東学生選手権・コメント 6月28日(水)〜30日(金)の3日間、駒沢屋内球技場(6/28)、及び駒沢体育館(6/29〜30) において行われました関東学生卓球選手権大会(通称、関東学生)のコメントをアップします。 一昨年から外国人留学生が出場できなくなった全日学と比較しても、関東学生のレベルは互角以上です。 ・男子は、全日学に出場する青森大勢数名や関西・東海勢数名と、関東学生に出場する外国人(阮震杰、 ハオ強、崔潤浩)の比較では、やや全日学の方が層が厚いが、ほぼ同等。 ・女子は、去年の全日学のランク(16人)に関東勢が11人を占めたように、関東以外の日本人の強豪は 極めて少ないのが現状。加えて、関東には強豪外国人も多く(32シード中7人)、関東学生の方が、 全日学よりレベルが高いと言える。 ・ダブルスは、全日学選抜にダブルスがないこともあり、事実上、「日本の学生界で最もレベルの高い試合」 となる。 今大会のシードは → こちら です。結果は → こちら です。 歴代の関東学生選手権の優勝者の一覧は → こちら です。 去年の関東学生選手権の結果は → こちら です。 H15〜H18の関東学生選手権のランキング一覧は → こちら です。 男子シングルス ベスト16の内訳は、春リーグで1・2位を争った早稲田大と明治大が各4人ずつ。 春リーグ3位の駒沢大が3人でこれに続き、以下、埼工大、中央大、専修大、大正大、筑波大が各1人 ずつ、と言うことで、春リーグの成績を驚くほど忠実に再現した勢力図が描かれた。 中でも、やはり目に付くのは早稲田大勢の強さ。 優勝の久保田、ベスト4(3位)の下山、ベスト8(5位)の時吉、ベスト16(10位)に塩野、で上位 10人の中に4人が入った。主力の3年生トリオは揃って8強入り。準決勝では同士討ち。 そして、タイトル保持。 ここ数年の関東学生・男子シングルスの優勝者を見てみると 平成12年(2000年)・大森隆弘、13年(2001年)・谷口祐二、15年(2003年)〜16年(2004年)、中野祐介 (2連覇)、17年(2005年)、時吉佑一、そして今年の久保田隆三と、2000年代に入って以降、7年間で 6回の優勝を果たしている早大勢。 「関東学生に強い早稲田」…21世紀の新しいジンクスは、今年も継続された。 久保田は、実力は以前から認められていたが、それにも増して同期の下山と時吉が強力で、タイトル 獲得も先を越されていただけに、今までは常に「第3の男」と評されていた。しかし、今回の優勝で 同格に並んだ格好。 今回は、準々決勝のハオ強戦、準決勝の下山戦と、先行され「あと1ゲーム」と追い込まれた試合が 続いたが、驚異の粘りでフルゲームの末、4−3で逆転勝ち。決勝の水野戦も、不利の下馬評を覆して 見事ストレート勝ちを決めた。去年のダブルスと併せて、年度違いの単複2冠制覇となった。 全日学チャンピオンの下山は、優勝した北海道全日学と同様、準決勝で久保田と同士討ちとなり、 有利が予想されたが、結果は大接戦の末の惜敗となった。ほぼ勝ちかけていたが、第6ゲームで 決めきれず(12-14)、逃げ切られた。速攻で久保田を台から離しながらも、しのぎ切られた場面は、 久保田を誉めるべきか…?。 前年王者の時吉は、1年時が、関東新人戦(2位)、関東学生(4位)、全日学(2位)、全日学選抜(3位)、 2年時が関東学生(1位)、全日学(3位)、全日学選抜(4位)、と大学入学以来の個人戦シングルスで 全てベスト4以内に入っていたが、今回、初めてベスト4から外れた。それでも8強キープのランク 5位。トップグループであることに変わりはない。 「ストップ・ザ・ワセダ」の最有力候補・水野は、まずダブルスで早大勢を止めて優勝を飾り、シングルス も準決勝の阮震杰戦を制して、決勝進出。「単複2冠王目前」、「久保田が相手なら水野有利」と期待を 集めたが、結果は意外なストレート負けに終わった。単複とも決勝まで戦い、今大会最も多くの試合を 行なったということで、当然、体力的にも最もキツかったと思われる。しかし、これも強者の宿命。 シングルスの「ストップ・ザ・ワセダ」達成は、次の機会に持ち越されたが、その日はいつか?。 阮震杰は、ディフェンディングチャンピオンの時吉を下して4強入りは果たしたが、タイトルには 届かなかった。埼工大の先輩留学生達(周宏、周ケン(現・新井周)、王輝、張凱)は、いずれも単複の どちらかでは関東学生を制していただけに、残念な結果。新人戦優勝が大学時代唯一のタイトルと なるのか、それとも年末の全日学選抜を制して、最初と最後を飾るのか?。 「元インターハイチャンピオンの強豪留学生」という意味で、阮震杰と同様の注目を集めるハオ強は、 久保田を3−1とリードしながら、逆転負けを喫した。高校時代は、年度違いでインターハイ3種目を 総なめにしたハオ強も、大学では未だノータイトル。果たして今後の戦績は?。 今年の男子シングルスベスト8は、全員、去年のランカーだった。これは、彼らの実力と戦績が安定 していることが、もちろん第1の要因ではあるが、強豪1年生不在という要素も大きい。実際、1年生 からのランク入りは16位の桑原(勇)のみだった。全体的に見て、早大・明大を軸とする3年〜2年 生が、強い。 4年連続ランクの男子単の対象者がいないことは大会前からわかっていたが、阮震杰と原は2年時 からの3年連続ランク入りを果たした。また、田中(駒大)は、去年以外3度のランク入りを果たした。 来年、4年連続ランクに挑戦するのは…意外にも時吉1人。下山も久保田もハオ強も足立も、1年時 にはランクを逃している。強豪揃いの年でも、こういうこともあるんだ。 女子シングルス 今大会最大の注目点であった「孫博の4連覇、成るか?」は…最後の最後で達成されなかった。 仙台育英高(=秀光中等教育)の後輩にあたる山梨との決勝は、最終・第7ゲームにもつれ込むも、 6-2と大きくリードしていたのだが…終盤、2本取る間に9本取られ、8-11で痛恨の敗北を喫した。 孫博の、大学の個人戦シングルスでの敗戦は、入学直後の新人戦以来、3年2ヶ月ぶりのこと。 しかし、関東学生4年連続決勝進出、3連覇+準優勝、という実績は、文句なく平成以降最高のもの。 大学生活は、残り半年。個人戦としては、全日学選抜で3連覇=1年時の全日学と併せた「事実上の 4年連続日本一」が成るかが注目される。 さて、ベスト16の内訳は、春リーグ優勝の淑徳大が、優勝の山梨をはじめ3人、東富大も同じく3人。 大正大、日本大、専修大、筑波大は、各2人ずつ。あとは、中央大と日体大が1人ずつだった。 春リーグで最後まで優勝を争った青学大からはシングルスのランカーは出ず、「ダブルスが強い 青学大」の負の一面が出た。 16人中、日本人は12人、中国人留学生は4人。留学生4人はいずれもベスト8入り、8強の 日中比は4:4。4強は2:2。決勝は1:1の日中対決。去年・一昨年は、決勝が留学生対決で 日本人が決勝に勝ち残ったこと自体、大畑以来3年ぶりのことだった。 優勝した山梨は、32シードから一気に頂点まで勝ち上がった。ランク決定戦では、新人戦で完敗 した優勝候補の一角・劉テイに勝ち、さらに全日学チャンピオンの狭間、実力者の渡辺、坂本(沙)を 連破して、ついには孫博までもを破った。狭間、渡辺、孫博は、秀光中等教育(=仙台育英高)の先輩 だった。また、準々決勝以降は3試合連続で4−3フルゲームの大接戦を、劣勢から逆転しての 勝利となった。 淑徳短大は、過去にチャン莉、李ジュンという2人の関東学生シングルスチャンピオンを輩出して いたが、4年制の淑徳大としては意外にも今回が初優勝となった。 また、平成4年から去年までの14年間で、日本人が関東学生の女子シングルスで優勝したのは、 平成10年の益田のみで、実に外国人留学生が13回もの優勝を飾っていたが、今年8年ぶりの 日本人チャンピオンが誕生した。21世紀で初の日本人チャンピオンともなった。 孫博、劉テイテイ、トン舟は、今年で卒業だが、来年以降、日本人優勝が続くのか、留学生勢が巻き返す のかは、また注目ポイントとなる。しかし、いろいろな意味でフレッシュな山梨の優勝だった。 坂本(沙)は、ダブルスで2年連続3回目の優勝を飾り、単複2冠王にチャレンジした。 準々決勝で、トン舟に1−3から大逆転して4−3で競り勝ったものの、準決勝では逆に山梨を3−1 とリードしながら、3−4で大逆転負けを喫してしまった。しかし、1年時ベスト8の後、3年連続 ベスト4の実績は孫博に肉薄するレベル。ダブルスの金3・銅1と併せれば、全く負けていない。 劉テイテイも、途中1年のブランクはあるが、在学した4年全てでベスト8以内というハイレベルの 安定した実績を残した。これは、4年前の優勝と今回の4強を含むもので、「個人戦に強い劉テイテイ」 を証明した形となった。 劉一行は、ダブルスとの2冠王は逃したが、一昨年の準優勝に続き、優勝争いに絡む実力を見せた。 渡辺は、8決定戦で野中のカットを1時間以上打って4−3フルゲームの末に辛勝し、短い休憩時間で 準々決勝に臨んだが、山梨に対しては3−2とリードしながら追いつかれ、フルゲームジュース (最後は11-13)で惜敗した。今回もベスト4の壁は乗り越えられなかった。 トン舟と伊藤は3年連続のランク入り。伊藤は来年、4年連続ランク入りに挑戦するが、この権利を 持っているのは女子では伊藤のみ。(男子は、単で時吉、複で白神が挑戦権あり)。「ランクに入るだけ でも、偉業だな」、と改めて思う。 男子ダブルス ベスト8には、明治大と早稲田大から2組ずつがランク入りし、あとは中央大、駒澤大、専修大、 國學院大から1組ずつのランク入り。基本的に早明の両校が双璧となっている構造は、シングルス と同じだった。 去年準優勝の水野・小野組が、準々決勝で優勝候補筆頭かと思われた下山・時吉組を破り、 準決勝、決勝は3−0ストレート勝ちで、メダルの色を銀から金に塗り替えた。 明治大のダブルス優勝は、平成10年の遊澤・木方組以来、8年ぶりとなった。 ダブルスの準決勝、決勝でゲームを落とさなかったことは、体力的にも、2冠王を狙う水野に有利に 作用するか?と思われたが…。 白神・森田組は、準決勝でディフェンディングチャンピオンの阿部・久保田組を3−0ストレートで 破っての決勝進出。優勝は逃したものの、その存在は大きくアピールした。 白神は、一昨年の田中(雄仁)、去年の河又(大和)に続き、3年連続で違うパートナーと組んでのランク 入り。しかも、その内、優勝1回、準優勝1回。来年は、4年連続ランク入りに挑戦する。 前年優勝の阿部・久保田組は、連覇を目指したが、惜しくもベスト4にとどまった。しかし、早大と しては、今年も下山・時吉組を上回るチーム1の結果を残し、この後、久保田はシングルスで優勝。 プログラムの表紙を飾っただけの価値ある連続メダル獲得となった。 田中・伊東(伸)組は、4年生同士のペアとしては今大会男女を通じて唯一のランク入りを果たした。 田中は、1・2年時は藤本と、3・4年時は伊東と組んで、4年連続ランク入りを達成した。過去3年間 は8強止まりだったが、最後は銅メダルで締めた。 下山・時吉組の2年連続ベスト8は、並みの選手なら評価が高いところだろうが、この2人だけに 満足できない結果か?。準々決勝の水野・小野組との対戦は、(結果論だが)1試合だけ、「ここで 当たるのがもったいない」顔合わせだった。いずれにしても、今後1年半、この早明エースダブルス 対決は何度も繰り返されることが確実。春リーグでは勝ち、今回は負け、次の機会には…。 8強で目を引いたのは、國學院大の柴田・田島組。2部最下位チームから、ランク入りする選手が 出るのは非常に珍しい。たまに、弱小チームに強豪留学生が1人、というような構成の学校も見受ける が、日本人同士のダブルスで、しかも実力派の足立・松山組を破って、ということで、評価は高い。 留学生と言えば、今年は留学生絡みのペアは、ランク決定戦にも残らず、早々に姿を消した。 16シードの内、半数以上の9ペアがシードを守れずに敗退するなど、中盤では番狂わせが多かった 今年の男子ダブルスだった。 女子ダブルス 男子ダブルスとは逆に、16シードを守れなかったのはわずか1組。ランク決定戦までは全く 無風だった女子ダブルスだったが…ランク決定戦が波乱のラウンドとなった。 第1シードの渡辺・野上組、第2シードの阿部・山ア組、第4シードの劉テイテイ・劉テイ組が、 いずれも大接戦の末に相次いで敗退した。勝ち上がった第3シードの坂本(沙)・劉組も、1−2 と追い詰められたところからの逆転勝ちだった。 今大会の4種目の中で、第1シードがランク入りを逃したのは、この女子ダブルスのみ。4年連続 メダルを目指した渡辺は、最後の年にランク落ちを味わう結末となった。その渡辺組にフルゲーム ジュースで勝った孫博は4年連続ランクを達成した。シングルスの4年連続決勝進出と併せて、 ここでも名を残した。 ベスト8には、淑徳大と大正大から2組ずつがランク入りし、あとは日本大、青学大、中央大、早大から 各1組ずつがランク入りを果たした。 この中から、優勝を飾ったのは、坂本(沙)・劉組だった。坂本は、福岡と組んで過去3年で、優勝→ 3位→優勝。今回の優勝で、個人としては2年連続3回目の優勝となった。4年間で優勝3回は、 シングルスの孫博にも肩を並べる快挙だった。坂本自身のシングルスも3年連続銅メダルで、 2冠王に指が届きかけていたが…。 準優勝の代・大槻組は、ランク決定戦と準決勝でいずれもフルゲームジュースの大接戦に競り勝って の決勝進出。「ダブルスに強い青学大」の言葉は、阿部・山ア組が敗退しても生きていた。 代・大槻組自身も、2年連続のランクで、コンスタントな強さを発揮した。 原・小野組は、ランク決定戦で、優勝候補の一角と見られた劉テイテイ・劉テイ組を0−2から逆転 して3−2勝ちの8強入り。準決勝では、逆に代・大槻組を2−0とリードしていたが、最後はフル ゲームジュースの末に逆転負けを喫して3位に留まった。しかし、春リーグの優勝に貢献したペア (末益・原組、山梨・小野組)をあえて組み替えた淑徳大は、新ペアが2組ともランク入りし、結果を 残した。 岩村・安田組は、準々決勝で狭間・井上組に0−2から逆転勝ちしてのメダル獲得。渡辺・野上組 敗退の穴を埋めた。卓球のページへ