平成14年度秋季関東学生リーグ戦のコメント

 9月11日(水)〜15日(日)の5日間、代々木第2体育館において行われました「平成14年度・秋季・
 関東学生リーグ戦(1・2部)」のコメントをアップします。

 関東学連では、今回、初めて9/1施行の新ルール(新サービスルール、タイムアウト制の採用等)で実施
 された大会となりました。


男子1部

 中央大

  昨秋の「奇跡」の逆転優勝に続き、2シーズンぶりの優勝を飾った中央大。だが、今回は「奇跡」ではない。
  1年前は優勝を予想した人は決して多くなかったが、今年は優勝候補の一角に上げられての優勝。
  個人的には「6:4で明治大が優勝候補筆頭、中央大は2番手」と見ていたが、インカレで明大を破って
  いたこともあり、中大を優勝候補筆頭にあげる人も多かった。
  1年前は、2日目に黒星を喫する4勝1敗の同率、直接対決の結果による優勝だったが、今回は5戦全勝
  の文句なしの優勝だった。

  今回の優勝に最も貢献したのは、言わずと知れた渡邊(隆)。キャプテンでもあり、エースでもある。
  今季は単複10戦にフル出場し、シングルスで5戦全勝。松島とのダブルスでも4勝1敗と、計9勝
  1敗の大活躍を見せた。大会前半は負けそうな苦戦も目立ったが、尻上がりに成績を上げ、最終日の
  優勝決定戦でも前半のビハインドをひっくり返す見事な単複2得点をあげた。優勝の主力としてMVP
  の殊勲賞と優秀選手賞を受賞し、さらに1年前に確定済みだった特別賞も受賞した。今年は、春秋共に
  シングルス5戦全勝で、年間10戦全勝。1年前、通算20勝で特別賞を確定させた時は「26〜27勝
  して卒業か」と思ったが、30勝の大台に乗せた。さすがにこれには少し驚いた。男子で30勝
  プレーヤーが誕生したこと自体、平成10年の遊澤(明大→東京アート)以来、4年ぶりのことで珍しいが、
  それ以上に、ここ10数年間で30勝台に乗せたのはいずれも世界選手権日本代表クラスの選手ばかり
  ということが印象深い。中大・男子からは平成初の30勝プレーヤーとなった。(大川(現・JT広島)の
  27勝、矢島(現・健勝苑)の25勝などが従来のトップの成績だった)。
  昨秋のチーム優勝時は、コンスタントプレーヤー・渡邊にしては珍しく負け越し、優勝に貢献出来な
  かったが、今回は文句なく「渡邊あっての優勝」と言える。しかし、思えば入学時の中大はドン底時代。
  2年間連続最下位のド真ん中だった。入替戦の常連だった母校を新人時代から支え続け、卒業時には
  優勝に導いて終わる…、出来過ぎたサクセスストーリーのようでさえある。
  今年は春リーグの選手宣誓に始まり、秋リーグでの表彰の嵐(チーム優勝、殊勲賞、優秀選手賞、特別賞)
  で終わった。
  さて、これで4年間のリーグ戦を戦い終えた渡邊だが、30勝プレーヤーの先輩達のように、今後、世界
  に飛び出していくことは出来るか。個人戦でもランクは常連ながらタイトル争いまでは行っていない。
  まずは半月後に迫った全日学に注目。その後、全日本など、国内外の一般種目での活躍を期待したい。

  渡邊(隆)と同じく、シングルス5戦全勝で優勝に大きく貢献したのは1年生の田中。春リーグこそ、
  2勝3敗の負け越しに終わったが、今回、ゴールデンルーキーであることを改めて証明した。特に、
  最終日の藤井との一戦は、春リーグで敗れ、インカレで勝っている1勝1敗の互角の戦いだったが、
  2ゲーム先取されてから、ジュースのゲームをモノにするなどで見事に3ゲームを奪い返し、見事な
  逆転勝ちを演じて見せた。チームも序盤の連敗から、この田中の勝利を皮切りに、後は全部勝った。
  まさに、勝負の分かれ目となる一戦だった。優秀選手賞受賞も当然と言うところだろう。
  関東学生ベスト4&今季5戦全勝の左シェークドライブ…来年は同じ肩書きを持つ渡邊(隆)から
  エースの座を譲り受けることになる。大量の有力選手が卒業する中央大にあって、来年の連覇は田中の
  獅子奮迅の活躍にかかる比重が大きいだろう。

  井内も4戦全勝という大活躍を見せた。最終戦では関東チャンピオンの並木も破った。昨秋の優勝時も
  優勝を決める決勝点を挙げたが、今春は逆に優勝を決められる決勝失点。そして今回は1年前同様、再び
  優勝を決める決勝点を挙げた(実質上は2台進行で行なわれたラストが先に優勝を決めていたが、記録
  上は井内が決めた格好)。ホント、「優勝を決める決勝点」に縁がある。こうした「場」に居合わせるのは、
  実力だけでなく運も必要だが、その意味で強運の持ち主と言えるだろう。通算成績は9勝6敗と
  なった。
  来年はチャンピオンチームをまとめる役割も果たすことになるが、果たして強運はどう生かされるか?

  層の厚い4年生勢の中では、河又(敏)が5戦フル起用され、2勝0敗と活躍した。最終戦のラストも
  記録上からは消えたものの、実質上、優勝を決めた決勝点を挙げていた。
  その他の清水、布川、松島の3人は日替わり起用で、3人合わせて5戦全敗という予想外の結果に
  終わっていたが、ま、チームが勝ってラストシーズンを終われた事で良しとすべきか?。
  松島は腰にコルセットを巻いた状態だったが、渡邊(隆)との4年生ダブルスでも4勝1敗と健闘を
  見せていた。

  4年生5人衆(渡邊(隆)、清水、松島、布川、河又(敏))がこれで卒業となる中大。来年に残る戦力は今の
  ところ、井内、田中、河又(大)。あとは増田、白神あたりが当確か。この戦力で、戦力ダウンがない明治大
  からタイトルを守るのは簡単ではないが、果たして連覇は成るか?。期待は十分出来る。


 明治大

  春リーグを5戦全勝で完勝した明治大は、インカレで「24年ぶりのランク落ち」という屈辱にまみえ、
  雪辱をかけて今季に臨んだ。が、初日に2部から昇格してきた早大に0−4ストレートで敗れる、まさか
  の黒星スタート。早大も実力校だとわかってはいたが、それにしてもストレートとは…。
  その後、明大は勝利を重ね、早大が連敗したこともあって自力優勝の可能性が復活。最終日の中大との
  リベンジマッチを春と逆の立場で迎えることとなった。(初日の敗戦から立ち直った3勝1敗の
  チャンピオンチームvs4戦全勝の前季2位チーム)。
  この決勝戦は序盤こそ2−0とリードしたものの、その後は中大に連取され、2−4と逆転負け。
  インカレに続く敗戦で、雪辱戦は返り討ちに終わった。これで秋リーグは3年連続で2位。「秋に
  勝てないメイジ」なんてジンクスが出来そうな感じだ。

  エースの柳田は4勝1敗で敢闘賞を受賞し、通算成績も25勝5敗と伸ばした。あと1年を残し、(故障
  などのトラブルさえなければ)通算30勝台達成はまず間違いないところだろう。ただ、史上最多勝の
  通算36勝(岩崎(専大→現・専大監督)、渋谷(明大→現・日産))に並ぶ可能性は消えた。
  今季初戦の田中(早大)は「組み易い相手」と思われたが、フルゲームの末、意外な敗戦を喫した。
  後で聞いたところによると、通常とは逆のフォア裏ソフト面で試合をしていたとのこと。翌日からは
  フォア表ソフトのプレーに戻していたようだが…。いろんなチャレンジ自体は評価したいが、「勿体
  ない」というのも正直な感想だ。その後は勝ち星を重ね、中大との優勝決定戦でも当たれば怖い松島を
  0−2から見事に逆転していた。関東学生準優勝の実績が、今後、全日学や全日本の場でどのように
  発揮されるのかが注目される。

  柳田以外、シングルスで3勝以上をあげた選手がいない、というのが今季の明大の王座陥落を象徴して
  いた。藤井、足立、川口の3人が2勝1敗。最も期待された関東学生チャンピオンの並木は1勝2敗と
  いう予想外の成績に終わった。

  並木は初日の早大戦で0−2とリードされた3番に登場し、岸川と対戦。2−0のリードから大逆転
  負けを喫した。続くダブルスでも敗れ、単複2敗で早大戦ストレート負けの主因となってしまった。
  そして最終日の中大との優勝決定戦でも同じく単複2敗。記録上は井内に敗れた6番の単が決勝点と
  なった。期待が大きかっただけに、かえって屈辱的なこの結果。通算成績は15勝(7敗)と特別賞
  ペースを維持しているものの、悔いの残る今季だったと言えるだろう。プログラムの表紙を飾ったが、
  皮肉な結果に終わってしまった。今後、逆襲が期待される。

  藤井は、関東学生で敗れた寺島(筑波大)、専大のエース格・山田に勝って最終戦に望んだが、インカレに
  続いて田中(中大)に敗戦を喫した。2−0とリードした3番で、1ゲーム目を19-17で取り、流れは
  握っていたのだが、2−0からジュースのゲームを取られるなどで、大逆転負けを喫した。チームも
  ここを境に敗北を重ね、2−4での敗退。藤井が競り勝っていれば、明大は4−0で押し切っていた
  可能性もあったが…。

  足立は初日のトップで羽賀(早大)に逆転負けして今季のスタートを切った。メンバー落ちを挟みつつ、
  優勝決定戦でのトップでの勝利を含む2勝をあげたが、勝っても負けてもフルゲーム。スリリングな
  ゲームを展開していた。

  川口は、張凱(埼工大)には敗れたものの、大柿(専大)を破るなどの結果を見せた。中陣から田崎のような
  バックスマッシュを決めるシーンを何度か見たが、表速攻としては誉めて良いのかどうかは微妙な
  ところ。もっと前で、という気もするし…。記録上は消えたが、実質上、優勝を決められたのは中大戦
  ラストで敗れた川口だった。

  春は優勝を決めた門野は、今季2敗。インカレのランク決定戦、ラストで敗れた渡邊(隆)(中大)に
  今回も敗れたのは、実力的に仕方ないところか。

  ダブルスの並木・川口組は3勝2敗。ダブルスが勝った試合はチームも勝ち、ダブルスが負けた試合は
  チームも敗れていた。「ダブルスはチーム戦の要(かなめ)」とは、よく言ったものだ。

  今季は惜敗を喫したものの、戦力ダウンなしで来年に臨む明治大。関東学生の優勝者(並木)、準優勝者
  (柳田)が残ってのことだけに、春秋連覇を当然の如く義務付けられる年となるだろう。まずは、今年の
  全日学で力を誇示し、来年への体制固めをしてほしい。


 専修大

  専大は、初日こそ「高森のいる」筑波大に4−0ストレートで勝ち、最高のスタートを切ったが、2日目に
  中大に完敗して失速。4日目には明大に0−4ストレートで完敗し、優勝へのわずかな望みを断ち
  切られた。最終戦はAクラスをかけた埼工大戦。これを制し、3シーズン連続の3位はキープした
  ものの、優勝は平成7年秋以来、7年間も遠ざかっている。

  今季の専大はシングルスで3勝以上をあげた選手が1人もいない。そりゃあ勝てんわ。
  3位に入れたことを良しとしなければいけない。

  キャプテンの大柿は2勝をあげ、4日目に1%の優勝の可能性を持って川口(明大)と対戦したが、
  ここで0−2から2−2に追い付いたものの、最終ゲームは痛恨の大逆転負けを喫した。そして、
  翌日の最終日…オーダーから外された。4年間、40試合目にして初めての屈辱で大柿のリーグ戦は
  幕を閉じた。これで思い出すのは3年前の浦安インカレ。チームは決勝に進出したが、ゴールデン
  ルーキーと見られていた大柿は、準々決勝、準決勝で連敗し、決勝のオーダーから外されていた。
  今年の千葉インカレでもランク決定の法政大戦で敗れ、準々決勝の愛工大戦ではオーダーされていな
  かったし…。去年の時点で既に確定済みだった特別賞を受賞したものの、25勝という勝ち数は渡邊
  (隆)(中大)の30勝に大きく離されたばかりか、急追してきた張凱(埼工大)に並ばれた。悔しさの
  残るエンディングを迎えたと言えるだろう。

  同じく4年の山田はトップに起用された3試合に全て敗れ、2勝3敗の負け越しに終わった。リーグ
  戦では初めて起用されたダブルスの3勝2敗と合わせれば5勝5敗のイーブンではあるが、エース格が
  イーブンでは、チームが優勝戦線に顔を出すのは難しい。通算成績も13勝15敗の負け越しで
  終わってしまった。

  大谷は単複フル起用ながら、パートナーの山田が4日目まで前半起用され、後半での不戦が続いた。
  最終日に1勝をあげたが、これは昨秋の4日目以来、実に1年ぶりの勝利となった。これで通算は
  12勝6敗。通算11勝1敗だったあの日から、12勝目をあげるまでの1年間は長かった。一時は
  時間の問題と思われていた特別賞もあと1年で8勝ということで、微妙なラインに差しかかってきた。
  果たして、ラストスパートは成るか。

  今年、いいところが見られない石原は2勝1敗の勝ち越しで、最低限の合格点は出した。最上級生となる
  来年に向けて、完全復活を期待したい。

  あとは、伊藤と山城が1勝2敗。最終日に大柿に替わって起用された阿部が1勝をあげた。全敗者が
  いなかったのは1部では男女を通じて専大男子だけで、その意味では評価しなければいけないのかも
  知れないが…。

  大柿と山田が卒業する来年は、青森山田高から原雅彦が加入する予定。インターハイダブルス2位の
  実績を誇る左シェークドライブマンは単複に渡る活躍が期待される。願わくば、同型の田中(中大)
  並みの逸材であることを願いたい。(メッチャ専大応援団モード)。
  来年のダブルスは大谷・原組か?(先走り予想)


 埼玉工業大

  千葉インカレで準優勝という驚きの好成績を収めた埼工大。日本で2位のチームが関東で何位に入るか
  注目された。ただ、インカレでの成績が、トーナメントでの運によるところが大きいことは万人の認める
  ところ。仮に、インカレが上位10校程度の総当りリーグ戦で順位を決定した場合、結果は大いに違って
  いたことだろう。現実的には、「創部以来、初のAクラス入り成るか」がポイントだった。
  今季は筑波大の圧倒的不利な事情に加え、2日目に、前日、王者・明大を下して勢いに乗る早大を破った
  ことで、珍しく下(最下位を争い)を気にせずに戦えた埼工大。2勝2敗同士でAクラス入りを争う
  格好になった最終日の専大戦に敗れ、惜しくも春に続く2勝3敗の4位という結果に終わった。

  今季も孤軍奮闘が目立ったのは張凱。チーム唯一の勝ち越しを5戦全勝で飾り、優秀選手賞を受賞
  した。既に確定済みだった特別賞も、通算25勝(8敗)と成績を伸ばし、大柿(専大)に勝ち数で並んだ。
  負け数の少なさや、1年時には王輝との併用で出場機会が限られていたことなどを考えれば、事実上、
  大柿以上という評価もされる。1年時からフル起用されていれば30勝台も十分あり得た、という強さ
  だった。はっきり言って、この4年間、張凱がいなかったら埼工大の1部残留はなかった可能性も
  大きい。

  あとは、木村、小林、中野が2勝ずつをあげた。いずれも2〜3敗を喫しており、決して勝ち越している
  わけではないが。しかし、3人とも通算成績では大きく負け越していることを考えると、今季の奮闘
  ぶりがわかる。(木村は通算7勝26敗、小林は6勝13敗、中野は3勝16敗。木村に続いて、小林、
  中野の2人も通算20敗の「逆特別賞」ペースだが…)。

  今後の埼工大を背負って行くと思われる鈴木(俊)と有本の2人は、今季はシングルスの勝ち星には
  恵まれなかった。2人が組むダブルスも2勝3敗の負け越しに終わった。チームも、ダブルスが勝った
  早大戦、筑波大戦に勝ち、ダブルスが敗れた3試合に敗れた。有本は「関東学生ダブルスチャンピオン」
  という肩書きを背負ってのシーズンだったが、やや苦い思いを味わったと言えるだろう。
  インカレでは台風の目のような存在だったこのダブルスも、今回は落ち着くところに落ちついた感じ
  もある。

  今季、日替わりオーダーを使わず、6人の固定メンバーで戦った1部校は男女を通じてもこの埼工大
  のみ。個人的には、コロコロ駒を替えるより、こういった起用方の方が結果を出しているチームが多い
  印象がある。果たして、これは今後に向けた良い傾向なのか?。


 早稲田大

  2部から早々に1部に復帰して来た早稲田大は、インカレではベスト8。もっと上が狙えると思われた
  だけに今季は「雪辱のシーズン」と言えた。主力の1年生勢にとっては初の1部となり、どんなプレー
  を見せるのか、どれだけ1部で通用するのか、にも注目が集まった。
  初日、いきなり王者・明治大を4−0ストレートで下した時は、旋風を巻き起こすかと思われたが、以後、
  3連敗と失速。最終日には直接対決による最下位決定戦を迎えるハメになった。幸い、筑波大は高森の
  強行スケジュールなどにより万全のチーム状態ではなく、これに勝って何とか最下位は免れたが、中堅
  クラスの実力と目されていたチームにとって、5位は喜んでばかりもいられない成績と言える。

  1年生の活躍が注目された早大だったが、終わってみれば最も活躍したのはキャプテンの田中だった。
  あと4勝で特別賞、という状態でラストシーズンに臨んだものの、過去の実績からすればこれが達成
  される可能性は1割もないと見られた。が、初日にリーグ戦では無類の強さを発揮する柳田(明大)に
  競り勝ち、好スタートを切った。柳田が裏ソフト面でプレーするという好運(?)にも恵まれたが…。
  翌日、張凱(埼工大)に敗れ、後がなくなったが、それでもここから山田(専大)、清水(中大)という実力派
  4年生に連勝し、最終戦で勝(筑波大)に勝って、ついに今季4勝1敗。1部通算16勝11敗、2部通算
  5勝0敗の、計21勝11敗で、ポイント計算の末にギリギリで特別賞に滑り込んだ。予想を覆す、
  見事な活躍ぶりだった。

  エース格と目された中野は世界大学からの帰国直後と言うこともあってか、シングルスは後半起用が
  多く、結局2敗と勝ち星を上げられなかった。河又(敏)(中大)との対戦は2ゲームスアップ3ゲームス
  ダウンの惜敗だった。岸川とのダブルスでは3勝2敗とギリギリ勝ち越したものの、日本の学生代表
  としてポーランドまで行ったにしては…という感は否めなかった。

  中野と並ぶ単複の主軸、岸川は、初日こそ並木(明大)から単複2点を奪う大活躍を見せたものの、2日目
  からは減速気味。結局、単2勝3敗、複3勝2敗で、計5勝5敗のイーブンに終わった。弟の聖也(仙台
  育英秀光中)は、この関東学生・秋リーグと同じ日程で行なわれていたジャパンオープン(神戸)の21歳
  以下シングルスの部で準優勝、という好成績をあげた。21歳以下と言えば、大学生の大半(勿論、一星
  も)が含まれるカテゴリーだ。世界第一級の成績を残し、弟はドイツで旅立った。果たして、兄・一星は
  今後、大学でどんな成績を出してその存在をアピールして行くのか?。弟には負けられない。

  今大会の前半、チームを引っ張ったのは羽賀。初日、トップの足立(明大)戦でフルゲームの試合に競り
  勝ち、チーム勝利への流れを作った。2連勝の後は強豪との対戦が続き3連敗を喫したが、今後に光は
  見えた。まだ1部通算4勝10敗と大きく負けが先行しているが、上級生になる今後は巻き返しが期待
  される。

  岩村はオール後半起用で1勝1敗。最終日にはチームを最下位から救う貴重な勝利をあげた。

  女子も2部で優勝した早稲田大。男子はこの結果で満足するわけにはいかないが、下級生が多いだけに
  まだ先は長い。中野のような爆発力のある選手も良いが、出来れば、卒業する田中のようなコンスタント
  に2〜3勝程度が計算できる選手が出てきてくれるとチームとしては理想的なのだが…。


 筑波大

  5年ぶりに1部復帰を果たした今年の春リーグでは、「あと一歩で2位」という活躍を見せた筑波大。
  千葉インカレでは2年連続ベスト4入りという栄光も手にしたが、今季は戦前から苦戦が予想されて
  いた。と言うのも、キャプテンでエースの高森が、今大会直前まで世界大学でポーランドに行っていた
  上、秋リーグと日程が重複しているジャパンオープンの日本代表に選出されたため、欠場が確実と
  なったからだ。高森抜きではチーム力は60%ダウンというチーム事情もあって最下位候補の筆頭と
  見られても仕方ないところだった。
  いざ、フタを開けて見ると、初日に高森を強行起用。前日、地球の裏側から帰国し、翌日から神戸で試合が
  ある選手を…という気はしたが…。この強行起用も虚しくストレート負けした筑波大は、高森抜きの
  2日目、3日目も連続でストレート負け。神戸で早々に敗退し、予想より早く秋リーグに再合流した
  高森は4日目から再出場したが、結局、シングルスの1ポイント獲得にとどまった。
  筑波大としては、結果的に高森を半分以上の計3日間起用できたこと、早大の不調もあって、高森が
  戻ってきた後の最終日に最下位決定直接対決があったこと、など、悪い中でも好材料はあったのだが、
  他のメンバーの予想を上回る不振もあって、結局、最下位となってしまった。

  高森は、8月末に世界大学へ出発して以来、半月以上に渡って世界と日本を股にかけて長距離移動と
  コンディション調整(時差調整を含む)、そして強豪相手のプレーとハードな日々を強いられた。
  世界大学→秋リーグ→ジャパンオープン→秋リーグだからな〜。秋リーグの初日に起用されたのには
  最も驚かされた。とにかく、チームの勝利には高森の単複2点は「絶対条件」と言える。今春には
  勝ち越した宮坂とのダブルスも今回は3戦全敗(全てストレート負け)。世界大学では熊田(同志社大)、
  ジャパンオープンでは加山(グランプリ)、そしてここでは宮坂、と、全く戦型の違うパートナーと
  日替わりに近い形で組み替えを強いられれば、やはり勝つのは難しいだろう。シングルスであげた2勝
  は、チーム唯一の得点となった。長かった去年までの2部生活で既に26勝2敗と特別賞を確定させて
  おり、今年は1部で春秋合計6勝1敗。計32勝3敗という9割を超える圧倒的な勝率で4年間を
  戦い終えた。
  事実上、「関東最強の男」と見られる高森。チーム状態なども考えると、その実力を最も発揮しやすいのは
  やはり個人戦か?。全日学、そして全日本に期待が集まる。

  高森のフル出場が不可能とわかった時点でチームの大黒柱の役割を担うこととなった宮坂は単複共に
  3戦全敗、計6戦全敗という結果に終わった。対戦相手が厳しいという面はあったが、全敗はチョット
  …。「高森抜き、宮坂勝てず」で、チームが勝てるわけがない。

  春リーグ、そしてインカレと、希望を抱かせる成績をあげていた新人・菊池は、高森不在時のダブルス
  (勝・菊池組)とも併せ、チームの命運を左右したが、結果は単複計5戦全敗という散々なものに
  終わった。厳しい現実が目の前にある。

  5戦フル起用された池口と寺島、日替わり起用された勝と上野。4人合計でシングルス9戦全敗。
  …沈黙するしかない。

  入替戦では法政大に4−1で勝ち、1部残留を決めたものの、高森が卒業する来年は今季以上の苦戦が
  予想される筑波大。今シーズンの結果を見る限り、悲観的にならざるを得ない面もあるが、果たして
  「国公立大の希望の星」は、どこまで輝けるか。



男子2部

  国学院大を除く5校は紙一重、その中でも、1部常連だった伝統の貯金を持つ大正大、春に2部優勝を
  激しく争った駒沢大と法政大、の以上3校が三つ巴の勝負か?と予想された今季の男子2部。
  この予想は半分当たり、半分外れた、というところか?。5校が紙一重というのは確かだったが、
  優勝候補の一角と目された駒沢大は初日からまさかの3連敗で、4日目には、まさかの最下位決定戦に
  進出することとなった。ここは無難に勝ったものの、最終日を待たずに5位確定というのは屈辱的な
  結果だった。
  最終日を迎えて、優勝の可能性を残していたのは3勝1敗で並ぶ大正大、法政大、日本大の3校。しかも
  どのチームも自力優勝はない、という大混戦模様。他校の結果に順位が影響されるだけに「実力+運」が
  必要となる。結果的には法政大が優勝を飾ったものの、ほとんど実力差のない戦いだったと言える。

  法政大は去年の春以来、1年半ぶりの優勝で「2部の強豪」の実力を発揮した。ただ、チームとしては
  絶対的な強さを誇る選手は見当たらなかった。普通、優勝チームには4〜5勝をあげる選手がいる
  ものだが…。ただ、6人のレギュラーに全敗者もおらず、中村、高木、田中(茂)、ダブルス(中村・田中(俊)
  組)の4つが3勝をあげる活躍で、層の厚さを見せていた。キャプテンの中村は、単複共に3勝をあげ、
  計6勝。特に最終日の青学大戦では単複2勝(4番ダブルスと7番ラスト)で、チームの0−3の劣勢
  からの大逆転勝ちに貢献し、MVP(2部敢闘賞)を受賞した。2部通算26勝4敗で特別賞も受賞
  した。
  入替戦では、筑波大に1−4で敗退したが、田中(俊)が高森を中盤過ぎまで圧倒していたゲームなどは
  印象的だった。
  4年生の中村、田中(俊)が単複で主軸となり、今回の混戦からここまで来た法政大。「場合によっては
  チャンスありか?」と思われた筑波大との入替戦で敗れ、1部昇格が成らなかったのは「残念ながら、
  仕方ない」といったところか。2人が抜ける来年はどんな戦いぶりを見せるのか。

  春は5位と散々な結果に終わった日本大は今季、4勝1敗。法政大と同成績で、直接対決の結果、
  惜しくも優勝を逃したものの、全試合の得失点ではむしろ17得点12失点の法政大を上回る19得点10失点
  だった。順位決定方法が日本リーグ方式だったら優勝だった、ということで、ホントに惜しい。
  今季は福岡が5戦全勝の大活躍。妹(春菜)の活躍に刺激されたわけでもないだろうが…。その他、
  佐々木と大森が4勝、森田が3勝をあげ、活躍を見せていた。日替わり起用が多く、フル起用は福岡と
  大森とダブルス(大森・藤沢組)のみだったが、それでもこの好結果。しかも活躍したのが全員1〜2年
  生ということで来年へも望みがつながっている。「1部昇格、即Aクラス」という結果を残した女子に
  続き、名門復活の狼煙(ノロシ)が上がった、というところか?。

  春季後に1部から降格してきた大正大。2日目に日大には敗れたものの、最終日の最終戦で、5位決定
  済みの駒沢大と対戦。ラストまでもつれた混戦を制すれば優勝だったのだが…惜しくもこれに敗れ、
  3勝2敗。2部3位という結果に終わった。2部で優勝を争った3校の内、入替戦で筑波大に最も
  勝てる可能性が高いのは大正大、という感じがしたが、その挑戦権を手に入れるに至らなかった。
  今季、活躍を見せたのは4戦全勝のキャプテン・三原、4勝1敗の柳沢、3勝1敗の荻原の3人だった。
  三原・荻原組のダブルスも4勝1敗と大活躍した。三原は春の1部でも4勝をあげる活躍をしていた
  ので2部でこの成績は「当然」の部類か。単複8勝1敗で、チームが敗れた日大戦でも1人単複2点を
  叩き出していたが、それだけに唯一の黒星、駒沢大との最終戦のダブルスの敗戦が悔やまれる。
  柳沢と荻原も、1部で2勝程度は期待できる選手だけに、2部で活躍するのは計算済み。ただ、後の
  阿部、寒川、広森は、3人合計で2勝8敗に終わった。
  48シーズンぶり(23年半ぶり)の2部降格、というトピックスは、2部定着の中で「普通の状態」に
  なってしまう可能性もある。この位置に「定住」してしまう前に、トップステージで復帰できるか。
  来年が勝負の年となる。

  青学大は連勝スタートは切ったものの、その後、3連敗し、結局、終わってみれば春同様の4位で、B
  クラス脱出はならなかった。今林・中野組のダブルスがチームの勝敗通り、2連勝後の3連敗だった。
  関東学生ベスト8のエース・今林はシングルスで4勝1敗、その他、キャプテンの岡本、1年の中野も
  3勝ずつをあげたが、今ひとつ、上位争いにまでは食い込めなかった。
  女子も2部に降格して来て中堅にとどまり、1部から姿を消した青学大。男女が同時に試合をして
  いる会場を見て、「そう言えば10数年前は男女とも1部にいたこともあったな〜」と、改めて思い出す。
  すっかり2部中堅に定着した青学大男子だが、現状を打破するような手はあるか?。

  今季、最も意外な展開となったのが駒沢大。優勝候補の一角が初日から3連敗で最下位争いに絡んだ
  のには驚いた。しかも、記録的にも比較的あっさりと敗れている。勿論、最下位になる可能性は事実上
  なかったが、それでも4日目で早々に5位が確定した。それでもメンバー的に地力は備えており、
  最終日には優勝を争う大正大を4−3で破る「上位イジメ」を演じ、2勝3敗でシーズンを終えた。
  最後、勝てば優勝だった大正大にしてみれば、「冗談じゃない」と言いたくなるような展開だった。
  明るい話題がほとんどなかった今季の駒沢大にとって、唯一(?)のトピックスはキャプテン・太嶋の
  特別賞受賞だった。既に特別賞を確定させて臨んだ今季は連敗スタートだったものの、最後は連勝、
  しかも最終日・大正大戦のラストで相手の優勝の夢を砕いて、ホントのラストゲームを締めくくった。
  最終成績は2部通算27勝(8敗)。卒業する太嶋に続く特別賞選手を目指して残る選手が向上を
  図れば2部上位復活は確実だろう。ホントに求められるものは、さらにもっと上のものだとは思うが
  …。

  国学院大は、予想された通り、他校との実力差は大きく、苦戦を免れることは出来なかった。初日から
  連日0−4のストレート負けを繰り返し、4日目に最下位が決定。最終日も0−3となり、「無得点で
  今シーズンを終えてしまうのか?」と思われたが、最後の最後にダブルスでフルゲームの末、1点を
  あげ、ギリギリで不名誉な記録を免れた。しかし、5戦全敗、1得点20失点という結果は痛い。
  入替戦では、いつもの脅威の粘り腰で4−2の勝利を収め、2部残留を決めたものの、当分はこの苦戦の
  連続から脱出することは出来そうにない感じがする。


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