平成21年度・第6回全日本学生選抜選手権・コメント

 11月28日(土)〜29日(日)の2日間、愛知県・枇杷島スポーツセンターにおいて行われました
 「第6回全日本学生選抜卓球選手権大会(通称、全日学選抜)」のコメントをアップします。

 10月の全日学が5年前より外国籍選手の出場が不可能となったことと同時に、5年前より新設
 された全日学選抜の大会概要は こちら を御覧下さい。

 なお、奨励賞(=賞金)は、一昨年の第4回大会までは、
 優勝・15万円、2位・7万円、3位(1名)・3万円、計25万円、男女合計50万円でしたが、
 去年の第5回大会からは、従来無料であった参加料を充当する形で増額し、
 優勝・15万円、2位・8万円、3位(1名)・4万円、4位(1名)・2万円、ベスト8(4名)・5千円、
 計31万円、男女合計62万円、となっています。

 出場選手は、こちらを御覧下さい → 男 子 ・ 女 子 

 今年の第6回大会の結果(途中経過)は こちら です。また、歴代上位者一覧は こちら です。


男子シングルス

 コメント:

  前年4位の李萌(朝日大)が、部内のインフルエンザの関係で棄権し、Bブロックが3人編成に
  変更された。

  予選リーグでは、全日学ベスト4のM川と関西学生優勝の夏継偉という近畿大勢が敗退。
  前年ベスト8の甲斐(明治大)も、1勝2敗が3人並んだ末にセット数の勝負で姿を消した。
  日本人では優勝候補筆頭格の笠原(早大)も、胡(埼工大)に大接戦の末に敗れて予選リーグを2位
  通過。一方、王子康(青森大)は、男女を通じてただ1人、1ゲームも落とさない完勝で、噂通りの
  強さを見せた。

  ベスト16には、日本人12人と外国人4人が入った。
  大学別では、明治大が甲斐以外が全員勝ち上がり、5人入った。早稲田大は出場している3人
  全員の勝ち上がり。この2校で、全体の半分の8人。早明両校の力が他を圧倒していることが
  わかる。あとは、地元・愛工大が2人入っているほかは、青森大、筑波大、埼工大、日大、日体大、
  大阪大の6校から各1名ずつが決勝トーナメント進出。
  地域別では、関東が12人と75%を占め、地元・東海が2人、そして東北と関西が各1という
  結果に終わった。日本人優位の男子としては、全日学の結果などから、大方予想された結果と
  なった。

  決勝トーナメント1回戦のベスト8決定戦では、5人の明治大勢が全員敗退した。
  軽部は笠原に、池田は安本(愛工大)に、いずれも最終セットまでもつれる大接戦の末に敗れた。
  1回戦で、予選1位通過者が2位通過者に敗れたのは男子ではこの2試合のみだった(フルセットに
  もつれたのも、この2試合のみだった)
  しかし、笠原vs軽部は、水谷不在の今大会においては早明のエース同士。1回戦で当たるのは勿体ない
  対戦カードだった。両者は各大会でよく対戦するが、去年は全日学、全日学選抜と軽部が連勝し、
  今年は関東学生、秋リーグ、全日学、全日学選抜と笠原が連勝している。

  ベスト8の内訳は、日本人と外国人が共に4人ずつ。
  大学別では、早稲田大から3人、地元・愛工大から2人、あとは青森大、埼工大、日本大から留学生が
  1人ずつ入った。しかし、明治大がゼロとは…。この時点で、優勝は笠原か、1ゲームも落として
  いない王子康が有力と思われた。

  準々決勝は、4−3が2試合、4−2が2試合と、いずれも接戦となった。

  笠原は、明晨(日大)に1−0、2−1と先行されたが、中盤以降は逆転し、4−2で押し切った。

  左腕留学生対決の王子康vs胡は、ここまでストレート勝ち続きだった王子康が有力と思われたが、何と
  1ゲーム目は3本で胡が取った。その後も、2−0、3−1とリードを保った胡が、そのまま4−2で
  押し切った。これで、青森大勢は、今年、年間を通じて上位進出(メダル)ゼロに終わることが確定
  した。一方、「強豪留学生」が売りの埼工大は、意外にも6年目にして初の全日学選抜ベスト4入りと
  なった。

  早大vs愛工大の対戦カードとなった2試合は、いずれもフルゲームにもつれる混戦模様となったが、
  最後は早大勢が競り勝った。敗れたものの、愛工大の4年生勢、安本と王マは地元の応援もあり、
  大会を盛り上げた。

  ベスト4の内訳は、早稲田大の日本人3人と埼工大の中国人留学生1人(胡)となり、関東勢が上位を
  独占した。早稲田大は、「全日学選抜と相性が良い」というジンクスはあったが、まさか出場している
  3人全員がベスト4まで勝ち上がるとは思ってもみなかった。特に、藤田は全日学ランカーの欠場の
  穴埋めとして補充された選手だったのだが、大躍進を見せた。

  準決勝は、準々決勝とは一転して、2試合とも4−0ストレートのワンサイドゲームとなった。

  早大同士討ちとなった笠原vs御内の同期生(2年生)対決は、部内でカットの球質などがわかっている
  ため、大方の予想通り、笠原が圧勝した。

  胡も、藤田に大方の予想通り、4−0ストレートで圧勝した。

  3位決定戦も早大同士討ち。藤田は第1ゲームを取ったものの、2ゲーム目以降は御内が連取し、
  4−1で銅メダルを獲得した。敗れたものの、藤田の4位も賞賛に値する大健闘だった。

  決勝は、前日の予選リーグAブロックの対戦の再現となった。ジュースのゲームを取って取られての
  大接戦の末に、最終・第5ゲームもジュースで胡が取っていたのは約20時間前。7ゲームスマッチに
  なっての再戦は、各セットともスコアは競ったが、結果的には4−0ストレートで笠原がリベンジを
  果たした。

  笠原は初優勝。早大からは一昨年の下山に続き、2年ぶり2度目の優勝となった。
  関東学生の単複に続く、今年3個目の個人タイトル獲得で、「水谷が不在なら実力ナンバーワン」という
  地位を完全に固めた。

女子シングルス

 コメント:

  留学生の抽選によって、「死の組」が生まれやすい女子。今年は、EブロックとHブロックがこれに
  当たった。いずれも2段目に、前年ベスト4以上の留学生が入る形で、Eブロックには劉テイ
  (東富大)、Hブロックには高ユウヤオ(専修大)が入った。さらに、3段目以下の抽選も厳しく、
  結局、Eブロック1段目の藤井(近畿大)、Hブロック1段目の前年準優勝・阿部(淑徳大)は、予選
  リーグ敗退の憂き目を見た。

  ベスト16には、日本人9人と外国人7人が入った。無作為抽選の結果、トーナメントの前半
  部分の日本人:外国人の比率は7:1(高のみ)だが、後半部分は2:6と、留学生が偏った形と
  なった。
  大学別では、淑徳大が阿部以外の3人が勝ち残り、最多。続いて、東富大と、地元・東海学連の
  愛工大、朝日大の計3校から各2人ずつ。そして、早稲田大、専修大、日体大、日大、金城大、
  神戸松蔭女子学院大、大阪経済法科大の7校から各1名ずつという形となった。
  地域別では、関東9、東海4、関西2、北信越1。

  決勝トーナメント1回戦のベスト8決定戦では、前半部分で予選2位通過者が1位通過者を破る
  試合が続出した。小野(淑徳大)が森永(愛工大)に際どく逆転勝ちしていなければ、前半部分の
  4試合全てが2位通過者の勝利になっているところだった。
  2年連続決勝進出、前年優勝の高は、中島(早大)に2−4で敗退した。ジュースアゲインのゲームが
  多い互角の接戦だったが、約1ヶ月前の関東チームカップ決勝に続く連敗となった。
  高の敗戦により、トーナメントの前半部分は日本人のみとなり、この時点で去年に続く日本人の決勝
  進出が確定した。

  ベスト8には、日本人5人と外国人3人が入った。
  大学別では、淑徳大から3人が入り、あとは東富大、早大、日大、日体大、朝日大から、それぞれ1人
  ずつが入った。朝日大(中村)以外は全員関東勢ということで、この時点で関東勢の優勝がほぼ確実と
  なった。

  準々決勝は淑徳大勢が強さを見せた。

  山梨は、変化攻撃の中村(朝日大)に4−1で勝った。この時点で、関東勢の優勝が確定した。

  石垣は関東チャンピオンの馬(日大)に4−2で勝った。馬は攻撃型との打ち合いには強いが、秋
  リーグに続き、石垣に連敗したところからすると、カット打ちが弱点か?

  小野は、中島との対戦で先行しては並ばれ…の展開を3度繰り返して、1−1、2−2、3−3と
  フルゲームにまでもつれたが、最後は逃げ切った。

  これで、淑徳大勢は、全日学に続き、ベスト4に3人が入る活躍ぶりを見せた。これに対するのは
  全日学では照井だったが、今回は関東の留学生。最終試合までもつれた劉テイvs李セイ(日体大)は、
  これまた1−1、2−2、3−3と、フルゲームにまでもつれる白熱の大接戦。互角の展開だったが、
  最後の最後に誤審が絡んだトラブルが発生。スコアを確認していない両選手も悪い。この混乱が
  何と2時間も長引く事態となる。その間に、男子の準決勝、3位決定戦、決勝戦は、ワンサイドゲームで
  終わってしまい、閉会式まで分離開催を余儀なくされる事態となった。
  結局、劉テイが第7ゲーム11-9で取ったという形になったが、非常に後味が悪い幕切れだった。

  準決勝は、淑徳大の日本人3人と東富大の留学生1人という構成となった。
  女子でベスト4に留学生が1人しか残らなかったのは初めてのこと。また、例年、4年生の成績が
  芳しくない全日学選抜において、ベスト4に3人の4年生が入ったのも非常に珍しいことだった。

  淑徳大の4年生対決となった小野vs山梨戦は、手の内を知り尽くしている者同士の対戦で、1−1、
  2−2、3−3とフルゲームにまでもつれ、最終ゲームもジュースとなったが、最後は12-10で小野が
  競り勝った。

  遅れに遅れた準決勝・第2試合。トラブルの当事者だった劉テイも万全ではなかっただろうが、
  自分の関係のないところで、いつ始まるかわからない試合を延々と待たされた石垣も、条件は同じ。
  試合は、ジュースアゲインの競ったゲームを取った石垣が4−1で勝利した。この瞬間、決勝の
  淑徳大同士討ちと日本人対決が決まり、淑徳大の初優勝、日本人女子の初優勝が確定した。

  3位決定戦は、一昨年の3位である山梨と、去年の3位である劉テイの対戦となった。
  どちらが2個目の銅メダルを獲得するか?ということと共に、山梨が勝てば淑徳大が1〜3位の
  金・銀・銅独占、日本人女子がメダル独占、ということもあり、注目された。山梨は中盤まで、3−1と
  リードし、メダルに王手をかけたが、終盤、劉テイに連取を許し、最後は逆転負け。4−3で競り勝った
  劉テイが、去年に続く2年連続の銅メダリストとなった。

  決勝の小野vs石垣戦は、去年の関東学生決勝、今年の全日学準決勝など、過去の実績では小野が有利
  だった。そもそも、同士討ちという時点で球質が慣れられているカットは不利とされる。しかし、
  今回は、違った結果となった。小野は3試合連続で第7ゲームまでもつれる接戦を4−3で際どく
  勝ち上がって来ていたが、疲れもあったかも知れない。また、ここで4年生の練習不足が出たかも
  知れない。地元・愛知出身の石垣が、4−1で小野を破り、初優勝を飾った。

  石垣の全国大会シングルス優勝は、日比野中(愛知)だった平成16年の全中以来となる。
  インドでのアジア選手権から約1週間ということで、時差なども含めてハンデもあっただろうが、
  実力で乗り越えた。留学生だらけの決勝トーナメント抽選結果の中を、張鴻悦、馬文テイ、劉テイと
  連破して勝ち上がったところは、日本を代表して外国人選手と対戦するナショナルチームの中軸に
  ふさわしい活躍ぶりだった。「国際大会でも、国内大会でも強い」と証明した石垣。今年の横浜・世界
  卓球に続き、来年以降の世界選手権代表の座もかなり可能性が大きくなってきた感じがする。

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