平成20年度・第5回全日本学生選抜選手権・コメント 11月28日(金)〜29日(土)の2日間、大阪府門真市・なみはやドーム・サブアリーナにおいて 行われました「第5回全日本学生選抜卓球選手権大会(通称、全日学選抜)」のコメントをアップします。 10月の全日学が4年前より外国籍選手の出場が不可能となったことと同時に、4年前より新設 された全日学選抜の大会概要は こちら を御覧下さい。 大会日程は週末ですが、過去4回の開催が土曜・日曜であったのに対し、今回は初めて金曜・土曜 となりました。 出場選手は、こちらを御覧下さい → 男 子 ・ 女 子 今年の第5回大会の結果は こちら です。また、歴代上位者一覧は こちら です。 男子シングルス コメント: 予選リーグでは、坪口(青森大)、水野(明治大)という優勝候補の有力選手が早くも姿を消した。 「4年生は100%のコンディションではない」という全日学選抜の傾向が出たとも言える。 特に、関東学生2年連続優勝の水野は予選リーグ最下位という寂しい結果に終わった。 その他、全日学優勝の松平(青森大)や、塩野、足立の早大勢などは2位で予選リーグを際どく通過。 紙一重の接戦の連続だった。 ベスト16には、日本人11人と外国人5人が入った。 大学別では、青森大と早稲田大から3人ずつ、明治大と中央大から2人ずつが入り、あとは、日大、 朝日大、愛工大、近畿大、龍谷大、同志社大、の6校から各1人ずつが入った。 複数人の決勝トーナメント進出者を出している「青・早・明・中」の4強時代が象徴されている。 ベスト8決定戦では、全日学優勝の松平(青森大)が森田(中大)に敗れた。広島インカレの決勝では 松平が勝って優勝を決める決勝点をあげていた対戦カードだったが、今回は逆の結果となった。 去年、準優勝の瀬山(中大)は、塩野に敗退した。また、関東新人戦決勝の再現となった明晨(日大)vs 甲斐(明治大)は、甲斐がリベンジ勝ちした。この2試合が、「予選2位通過者が1位通過者を破った 試合」だった。 ベスト8の内訳は、日本人6人に外国人2人。 大学別では、青森大、早稲田大、明治大の3校から2人ずつが入り、あとは中央大と朝日大から1人 ずつが入った。 準々決勝で最大の話題は、大矢(青森大)が塩野に勝ったこと。半年余り前の東京選手権準決勝での 完敗ぶりのみならず、大矢の対カットの弱さは知る人ぞ知るところ。普通、あれだけの豪腕一発 ドライブを持っているところからは考えにくいが…。しかし、今回は大矢が勝った。最大の難関と 思われた相手に地力で勝利し、優勝への足掛かりをつかんだ。 早明戦は、軽部(明大)が笠原(早大)にストレート勝ち。これで明大は、全日学選抜創設5年目にして 初のベスト4入り。一方、過去4年間連続で、ベスト4に2人が入っていた早大は、今年は初めて 4強入りゼロに終わった。 留学生同士の対戦は、1ゲームずつを取り合う接戦。1−1、2−2、3−3のフルゲームの末に 李萌(朝日大)が魏偉男(青森大)に競り勝った。 甲斐は森田に敗れ、これで予選リーグ2位通過者は消えた。 ベスト4の内訳は、日本人3人に外国人1人。 準々決勝の対戦カードが日本人同士×3と留学生同士だったので、自動的にこうなった。 大学別では、青森大、明治大、中央大、朝日大から1人ずつが入った。 準決勝、森田vs李萌は、1ゲームずつを取り合う接戦。1−1、2−2、3−3でフルゲーム。 李萌は準々決勝に続く2試合連続の競り合いとなったが、最後の結果だけは違い、11-9で森田が 競り勝った。 軽部vs大矢の2年生対決は、綾瀬全日学に続く準決勝での顔合わせとなったが、結果は前回同様、 4−1で大矢の勝利だった。軽部は、今年、関東学生、全日学、全日学選抜で全てベスト4。安定性は 素晴らしいが、決勝が近いようで、遠い。 3位決定戦は軽部が李萌に4−2で競り勝ち、これで1〜3位は日本人が占めた。女子とは違って 男子では全般的に日本人の方が優位を占めている。 決勝は森田vs大矢。森田は予選リーグで坪口に敗れながらも、際どく予選リーグを1位通過。 決勝トーナメント初戦では全日学チャンピオンの松平に競り勝ち、対青森大1勝1敗での3戦目。 ただ、過去の実績ではやはり大矢が圧倒的に有利。打ち合いでの強さも定評がある。実際、決勝戦 でも3−1と大矢がリードし、5ゲーム目もジュースで、一方的な優勝目前だった。その後、森田に 3−3フルゲームまで追いつかれたが、最後はフルゲームの接戦を大矢が押し切った。 大矢は、平成15年の全中以来の全国シングルスタイトル獲得となった。また、青森大勢は全日学 選抜創設以来、5年間で4度目の優勝となり、「全日学選抜に強い青森大」を強烈にアピールした。 一方、森田は去年のベスト4から1段階上がったが、惜しくもタイトルは逃す準優勝止まり。 中大は、去年の瀬山に続き、2年連続での準優勝となった。今年は広島インカレでも準優勝。 全国大会で決勝進出が続いているが、頂点だけは逃している。 女子シングルス コメント: 予選リーグで厳しい組み合わせとなったのはGブロック。後に決勝を争う阿部(淑徳大)が1位 通過、高(専大)が2位通過で、井上(大正大)と徐珍(東富大)が予選リーグ敗退となった。井上、徐 とも、ベスト8前後の実力はあるだけに、まさしく「死の組」となった。 その他では比較的組み合わせに恵まれたように見えた岡本(立命館大)が、3戦全敗の最下位に 終わったことが意外だった。 ベスト16には、日本人10人と外国人6人が入った。例年に比べると、外国人の人数が少なく しかも後半部に偏った抽選結果となった。(人数が少ないことには、そもそも参加数が少な目 という事情もある)。 大学別では、淑徳大が出場した3人全員が予選1位通過でトップ。2人がベスト16入りした チームは、早大、専大、日体大、立命館大の4校と多い。あとは、東富大、東北福祉大、富士大、近大、 大経法大が各1人ずつという勢力図となった。 ベスト8決定戦では、8試合中、過半数の5試合で、予選2位通過者が1位通過者に勝って8強 入りを果たした。ここからも、このクラスの選手達に実力差は少なく、組み合わせやその日の状態 次第で結果は変わるということがわかる。 淑徳大の2枚看板である山梨と小野は、揃ってこのベスト8決定戦で留学生選手に敗れ、上位進出は 成らなかった。 ベスト8には、日本人5人と外国人3人が入った。 この時点で、組み合わせの前半部分は日本人のみとなり、大会創設5年目にして初めて、女子の 日本人決勝進出が決まった。クジ運があってのことだが。 大学別では、専大と早大から2人ずつ。そして、淑徳大、東富大、日体大、東北福祉大から1人ずつが 入った。近年、特に女子では進境著しかった地元・関西勢は、この段階で姿を消した。やはり若宮の 欠場が響いた格好となった。 準々決勝の4試合はいずれも接戦となった。4−2の試合が3試合。そして、杉本(専大)vs西岡 (日体大)戦はフルゲームにもつれこみ、最後はジュースで杉本が逆転勝ちを収めた。 ベスト4には、日本人と外国人が2人ずつ入り、準決勝ではそれぞれ日本人同士、外国人同士の対戦 となった。大学別では、専大2人に、淑徳大、東富大から各1人。阿部以外の3人は、予選リーグ 2位通過者という珍しい状態で、混戦振りが象徴されていた。 なお、準々決勝で曹嘉イ(東北福祉大)が敗れたことにより、「全日学選抜女子チャンピオンは、元 インターハイチャンピオン」というジンクスはストップした。また、関東以外で唯一ベスト8入り していた曹の敗戦で、関東勢のベスト4独占が決まり、同時に、今年、大学の全国大会でここまで 1つも優勝していなかった関東勢が最後の最後に1タイトルを際どくキープすることが確定した。 準決勝では、阿部が杉本にストレート勝ち。女子初の日本人決勝進出者は阿部となった。 一方の留学生対決では、高が劉テイ(東富大)に4−1で勝利した。 専大勢が勝敗をわけたこの結果、今大会で同士討ちは1つも発生しないという結果に終わった。 決勝トーナメントでは、他の大会のような「大学のバランスを取る」という考慮をしないことが 特徴の全日学選抜だけに、過去には複数の決勝トーナメント進出者を出す強豪校のチームメイト 同士が、早いラウンドから珍しい同士討ちを演じてきたが、今年は「例外的な年」となった。 3位決定戦は、劉テイが杉本を4−2で破った。団体戦で見せる圧倒的な強さに比べると、個人戦 ではやや戦績が悪かった劉テイだが、ここで銅メダル獲得となった。 決勝は、秀光中等教育時代の同期生でもある2年生対決、阿部vs高ユウヤオ。 予選リーグでも対戦し、阿部が3−2で勝って1位通過していた。一気に「初の日本人女子優勝 達成」となる可能性も十分にあったが…結果は、去年決勝で惜敗した高が、今年は雪辱の優勝を 飾った。これで全日学選抜の女子は関東の留学生が大会創設から5連覇を達成した。 高校時代は王曼の影で出場機会が限定されていた高ユウヤオ。専大でも牛茜との留学生2人体制 ではあるが、一気に花開いた感がある。そして、ついに日本の頂点を極めた。今後は追われる立場と なるが、変わらぬチャレンジャースピリッツをキープしていけるか?。 惜しくもビッグチャンスを逃した阿部。しかし、今回の日本2位は、かつての全日本ジュニア ベスト4を上回る自己ベスト。淑徳大では常に3〜4番手の立場だったが、これを機にエース格と 評されるようになるか?。 また、日本人の女子選手は、一昨年の渡辺(中大)が初の4位、去年の山梨が初の3位で、今年の阿部が 初の2位。毎年1歩ずつ階段を上っている格好だが、果たして来年、初の優勝は成るか?卓球のページへ