平成16年度・第71回全日本学生選手権・予想

 10月7日(木)〜10日(日)の4日間、愛知県体育館において行われる「第71回全日本学生
 卓球選手権大会(通称、全日学)」の予想をアップします。

 全日学は今年度より、外国籍選手の出場が不可能となりました。

 大会日程はウイークエンドですので、大会当日には会場まで足をお運びいただき、選手に声援をお送り
 いただければ幸いです。入場は無料です。

 日程(予定) 10月 7日(木) PM2:00〜 主将会議
                PM4:00〜 開会式
           8日(金) AM9:30〜 男女ダブルス 1〜4回戦
                PM2:00〜 男女シングルス1回戦
           9日(土) AM9:30〜 男女シングルス2回戦〜4回戦
                PM2:30〜 男女ダブルス 準々決勝〜決勝
          10日(日) AM9:30〜 男女シングルス5回戦〜決勝
                PM2:00〜 表彰式・閉会式

 会場の愛知県体育館は、
 ・地下鉄・名城線「市役所」駅下車、徒歩 5分(名古屋城東門)
 ・地下鉄・鶴舞線「丸の内」駅下車、徒歩10分(名古屋城西門)
 ・市バス・「市役所」停留所 下車、徒歩 5分(名古屋城東門)
 です。

男子シングルス

 予 想:

  今年から外国籍選手が出場不可となった全日学。ただ、男子に関しては、これまでも外国人の優勝
  確率は高くなく、大勢には影響しないものと思われる。事実、去年のベスト4もオール日本人だった。
  注目点は、むしろ「インカレで4連覇を逃した青森大の逆襲が成るか?」だろう。
  過去4年間で3回の優勝を飾っている青森大勢。しかも、常にベスト4の半分以上を占めてきた。
  平成12年(2000年) 優勝・宋 海偉、4位・田勢 邦史
  平成13年(2001年) 3位・宋 海偉、4位・三田村宗明
  平成14年(2002年) 優勝・陳  晨、2位・三田村宗明、3位・田勢邦史
  平成15年(2003年) 優勝・川崎公介、2位・高木和健一、4位・森田有城
  今年も、この圧倒的な強さをキープ出来るか?。

  第1シードは、当然、自動的に前年優勝の川崎(青森大)が入った。2連覇を狙う今大会となる。
  以前から「中堅クラスの実力派」とされてきた川崎は、高校時代からダブルスの実績は高かったが、
  シングルスは目立った実績は少なかった。つわもの揃いの青森勢の中にあっては、なかなか出番に
  恵まれない時代も続いたが、それを越えて、ついに去年、栄冠をつかんだ。今年はキャプテンとしても、
  単複の主軸としても、チームを支える第一人者となったが、その年にインカレ連覇を途切れさせたのは
  痛いところ。せめて全日学では「圧倒的に強い青森大」を強烈にアピールして意地を見せたいところ
  だろう。また、ダブルスも優勝候補の筆頭格であり、単複2冠王も射程距離内にある。
  男子シングルスの連覇が成れば、平成10年(1998年)の遊澤(3連覇)以来6年ぶりのこととなる。
  また、男子の単複2冠王が成れば、平成8年(1996年)の、これまた遊澤(ダブルスは、田崎・遊澤組)以来
  8年ぶりのこととなる。(女子では、宋暁薇の単2連覇や孫博の単複2冠王が近年あったが…)

  第2シードは、去年準優勝の高木和(青森大)が自動的に選出された。
  去年は決勝でフルゲーム9-11で惜敗を喫し、1年生優勝を逃したものの、実力的には川崎を凌ぐとの
  評判は高い。世界大学の予選でも1位通過を果たしていた。チームとしては敗北を喫したインカレ
  でも、個人としては孤軍奮闘の3戦全勝だった。同僚の坂本や後輩の村守がドイツ留学で欠場する
  全日学では、「青森大優勝」の宿命を背負って戦う格好になる。外国人が出場できなくなったことで、
  かつて全日本ジュニアで連覇を達成した「日本人だけの大会での1位は自分だ」という記憶が呼び
  起こされるか?。
  一部には、ドイツ組(岸川、水谷も含む)が過剰に優遇されているという評価もある現在の日本男子の
  若手陣だが、国内組にもいい人材はいる。(サッカーも、欧州組が国内組より、実力以上に優遇されて
  いるとの話があるが、他人事とは思えない)。

  4シードには、前年ベスト4の中野(早稲田大)と森田(青森大)が、これまた自動的に入った。

  中野は、関東学生で戦後3人目の2連覇を達成し、「関東最強の男」の地位は完全に固めた。インカレ
  ではエースとして単複にフル回転し、28年ぶりのチーム優勝に大きく貢献した。こうなると、2つ
  目、3つ目の「日本一」のタイトルを狙いたいのは当然だろう。
  早大勢の男子単制覇は、何と昭和45年(1970年)の柴田幸男氏(現・東北福祉大)以来、34年間も達成
  されていない。4年前に決勝で惜敗した大森など、あと一歩の勝負は数多くあったのだろうが…。
  今、青森大に最も対抗できる男・中野が、早大卓球部創部80周年のメモリアルイヤーに、「28年ぶり」
  に続く「34年ぶり」を達成する可能性は、ある。

  森田は、インカレで痛恨の2敗。しかも、チームの連覇ストップを決める決勝失点を喫した。
  世界大学でも精彩を欠いた模様。今大会は、今後の復調が成るかを占うものになるかも知れない。
  単複共に4シードの選手は、普通、単複2冠王の可能性が注目されるものだが、現状の森田に関しては
  視点が変わる。何と言っても、青森大は控えメンバーも凄いだけに、もし今回、インカレに続いて
  敗戦を重ねる展開となれば、来年以降の出番は激減する可能性さえある。強豪チームに籍を置く者の
  宿命ではあるが…。最低でも、シードキープのベスト4入りは果たしたいところだ。

  去年は、ランク9位までに7人が入った青森大勢だったが、今年は三田村世代の三田村、田勢らに
  加えて短大だった陳晨も卒業。さらに、出場資格の外国人制限で張良らが出られず、去年のような
  「青森大一色」の再現はないものと思われる。坂本、村守のドイツ組の欠場に伴い、優勝争いに絡んで
  くる青森大勢は、上記の川崎、高木和、森田くらいだろう。あとは、この3人がシード通りの結果を
  残すのか?、誰かが彼らを破るのか?が、注目される。

  8シードには、前年ベスト8の田中(中央大)と前年ベスト16の田中(駒沢大)。そして関東学生3位
  の川口(明治大)とインカレMVPの下山(早稲田大)が入った。

  両・田中は、全日学や関東学生といった個人戦では常にランク入りを果たす安定した実力を誇る。

  中大の田中雄仁は世界大学代表でもあるし、一昨年はベスト4に入っていることからも、優勝争いに
  絡むのは義務に近いと言える。関東リーグ戦でも最終学年を待たずに特別賞を確定させ、コンスタント
  かつハイレベルの戦績は証明されている。優勝争いまで行くと、青森山田高時代の先輩・後輩達との
  連戦となるが、これを勝ち抜けるか?。

  駒沢大の田中満雄もインカレベスト4の立役者であるだけに注目される。関東リーグ戦でも駒沢大
  史上初の1部昇格に単複2得点で大きく貢献した。東奥学園高時代以来、「打倒・青森山田学園」は、
  ある意味、ライフワークとも言える。どこまで上位に食い込むか?。

  川口は、去年までの3年間、関東学生でも全日学でもシングルスのランクに入れなかった。最終学年と
  なった今年、関東学生の初ランクが3位。全日学でもラストチャンスで初ランクが上位進出となるか。
  シード選手の9割方を占めるシェークドライブ型全盛の中にあって、稀少なペン表速攻型だけに、
  個性的な両ハンドスマッシュで大会に最後までアクセントを付けてほしい。

  下山は、今年の1年生の中では最も大物と評価されており、事実、インカレでの優勝決勝点など、活躍も
  大きい。ただ、ところどころにエアポケットもある(関東学生のランク落ちや、関東リーグ戦での敗戦
  など)。実力があることがわかっているからこそ8シードに抜擢されたわけだが、期待に応えるだけの
  結果が求められる。

  16シードには、前年ランカーの菊池(筑波大)のほか、各学連選手権で上位に入った実力派の選手
  などが選抜されて入った。この中で、注目は時吉(早稲田大)か?。この半年、戦績に波があることは
  事実だが、潜在能力は高い。調子が良い時の強打の連発は、相手が誰でも脅威に感じるだろう。
  自滅の危険性と背中合わせではあるが…。関東学生やインカレの結果は、優勝争いに絡める可能性を
  示している。

  他の16シードの選手を見ると、優勝争いまでは難しいように思われる。シードを守ってのランク
  (ベスト16)入りや1段階上の8強まではあっても、メダルにまでは距離がある、と感じる。ここら
  へんが強豪外国人・10人程度が出てこない分の、全体的レベルダウンを感じさせるところだ。
  32シードに至っては、「…誰?」とつぶやく選手も何人かいる。女子ほどではないにしても…。
  このへんが、やはり「残念」なところと言えるだろう。レベルの高い試合がそれだけ減ったのだから。

  3年前は近畿大勢(脇ノ谷vs橋本)が、一昨年(陳晨vs三田村)と去年(川崎vs高木和)は青森大勢が、
  決勝戦で同士討ちを演じた男子シングルス。どうしても同士討ちは盛り上がりに欠ける。
  今年も順当に行けば青森大勢の決勝同士討ちになる可能性が高いと思われるが、4年連続はチョット
  …(別に青森大が嫌なわけじゃなく、以前、明大の同士討ちが続いた時も、盛り上がりという点からは
  残念に思った)。早大をはじめ、他校の頑張りに期待したい。
  「インカレに続き、青森大の壁を破る選手は現われるか?、それとも青森大のリベンジ圧勝か?」
  興味は尽きない。


女子シングルス

 予 想:

  男子と異なり、女子は外国人留学生の出場規制の影響を大きく受ける。
  全日学・女子シングルスは、去年まで外国人留学生選手が7連覇中だったが、今年、平成8年(1996年)の
  岡崎以来、8年ぶりに日本人チャンピオンが誕生することとなる。岡崎の前の日本人チャンピオンは
  平成2年(1990年)の高尾で、昭和63年(1988年)から去年までの16年間で、日本人の優勝は高尾と
  岡崎の2回のみ。実に14回も外国人留学生にタイトルを奪われている。(なお、1988年は、卓球が
  ソウル五輪で初めて正式種目として採用された年であり、福原愛が生まれた年でもある)。

  結果が出てから書くと、個人攻撃と誤解される危険性があるので、先に書いておく。
  「優勝したキミ。日本人として8年ぶりの優勝、おめでとう。
   確かに君は「日本人の大学生」として頂点に立った。でも、「日本の大学生」の頂点に立ったワケじゃ
   ない。2ヶ月後の全日学選抜で優勝しないと、「日本の大学生」の頂点に立つことにはならないよ。
   全日学は、真の頂点への通過点でしかない」

  さて、本題の予想に戻って…第1シードは、過去3年連続でベスト4という抜群の実績を残している
  藤井(淑徳大)。しかも、一昨年と去年は、ベスト4唯一の日本人だった。外国人出場規制が2〜3年
  早ければ、1〜2回は既に優勝していた可能性もある。最終学年の今年は、シードが示す通り、優勝
  候補筆頭だろう。全日本準優勝、ジャパントップ12準優勝、2年連続東京選手権ベスト4、と、日本
  トップクラスの成績をあげ続けている。世界大学から帰国した直後の関東・秋リーグでも単5戦全勝で
  チームのリベンジ優勝の主軸となるタフさを見せていた。関東リーグ通算の単複とも27勝(単複計
  54勝!)という数字が、そのレベルの高さと安定性を証明している。インカレでは女子史上初の
  5連覇を達成した淑徳大だが、全日学のシングルスでは過去に潮崎や陳微娜が決勝まで進出しながら、
  タイトルが取れていない。3年前にダブルスのタイトルを取っている藤井は、団体(インカレ)、複に
  続く3種目目の大学全国タイトルを狙う「最後にして最大のチャンス」となる。それは藤井自身に
  とっても、平成11年の全日本ジュニア以来、約5年ぶりの全国大会でのシングルスタイトルとなる。

  第2シードは、世界大学で中国勢を連破して見事優勝を果たした福岡(日本大)。その後も、国際大会で
  活躍が続いている。世界一なのだから、当然、日本一は十分狙える。
  「関東・春リーグでは優勝に貢献する活躍を見せるが、夏のインカレ以降、成績を落とす」という、毎年
  続いている悪いジンクスが不安材料と言えば不安材料だが、実力で克服することは十分可能だろう。
  今秋の関東リーグでの不振(単・1勝4敗、複・2勝3敗)は、「直前の世界大学で、他の誰よりも多く、且つ
  最後まで戦っていた」というハンディー付きの状況を考慮すれば、必要以上に悲観する必要はない。
  ただ、個性的な戦型だけに「国際試合では慣れられていない分、活躍の場が広がるが、国内の方が戦い
  方を知られている分、苦戦も多い」ことは事実。むしろ、こっちの方がポイントだろう。
  何とか、「国内・国外を問わず、強い」という実力を見せたいところだが…。
  ダブルスも第2シードだけに、単複2冠王は十分射程距離内にある。

  4シードは、柏木と渡辺の中央大勢が入った。2人で組んだダブルスは第1シード。共に、偉業を
  狙える位置と言える。
  渡辺は前年のベスト8という実績から順当に、柏木は全日本ランカーということで、それぞれ選ばれた
  4シードの位置。ただ、順当にシードをキープしてメダルまでたどり着くのは簡単ではないかも
  知れない。関東・秋リーグで準優勝となった中央大だが、裏返せば誰も世界大学に出場せず、調整が
  出来た結果とも考えられる。とは言え、柏木の関東リーグ通算単25勝(複は27勝)など、実力がある
  ことはわかっているので、高尾以来の中大からのチャンピオンが誕生する可能性は、ある。

  8シードには、世界大学に出場した大畑(大正大)、河村(東富大)、坂本(沙)(日本大)と、大物新人の伊藤
  (筑波大)が選ばれた。

  大畑は、関東リーグ戦で通算28勝をあげた。同期生に藤井、柏木、河村らの強豪が揃った中で最高の
  数字を残し、実力を証明した。関東学生では4年連続のランク入りしたが、これも強豪同期生の中で
  大畑のみが達成した。ダブルスでは(孫博と組んで)去年の全日学と今年の関東学生でタイトルを獲得
  しただけに、大学時代の最後にシングルスのタイトルがほしいところだろう。

  河村は、入学して来た時はトップレベルという印象はなかったが、2年生の途中から実績をあげ、以後、
  コンスタントな成績を収めるようになって大学生活の最後の時期を迎えている。各種の海外遠征
  (日学連・関東学連を問わず)の予選でもコンスタントに通過している。関東リーグでは、結局、4年間
  通算で23勝をあげた。タイトルを取るような感じの選手ではないが…でも、最後にひと花咲かせる
  可能性もあるか?。

  坂本(沙)は、取りこぼしが少なく安定感は高い。今春の関東リーグでは単複10戦全勝で優勝の立役者
  (MVP)となり、関東学生でも単複ともに4強入り。インカレでは、チームとしては予想外に早い
  敗戦が続いているが、坂本個人は勝っている。まだ2年生の坂本は、全日学の複数回優勝を狙える立場
  にある。上級生に強豪が揃う今年勝てれば、その可能性は飛躍的に高まるが、果たしてどうか。

  元インターハイチャンピオンの伊藤は、入学した年に全日学がクローズ(外国人排除)となり、タイトルを
  狙うという面からは最もラッキーな年代となった。インカレで筑波大を準優勝に導くという大活躍を
  見せ、その力を発揮した伊藤だが、関東リーグでは2部優勝こそ果たすものの、個人としては敗戦もあり、
  また、1部昇格も逃している。果たして、高校時代に続く日本一の個人タイトル獲得は成るか?。

  16シードには、前年ランカーの西田(梓)(大正大)、米田(中央大)が自動的に入り、その他では各学連
  選手権の上位選手などが入った。男子は青森大を擁する東北勢が関東勢とトップを争う力関係にあるが、
  女子の場合、外国人留学生がいないと完全に関東の独壇場となる。関西勢、東海勢も、中堅争いまでで、
  ベスト8以内に入ってくることは困難だろう。
  16シード勢の中で、上位に食い込んでくる可能性があるとすれば杉田(専大)くらいか?。関東リーグ
  戦では2部ながら敗戦を喫するなど、不安要素も確かにあるが、関東学生3位の実績は、かつて高校
  時代に全日本でベスト8入りした潜在能力の片鱗を示している。

  男子同様、いや男子以上に、女子の16シード〜32シードの顔ぶれは去年までと比べてレベルダウン
  した。シードの約半分を占めていた外国人留学生勢がゴッソリいなくなったのだから、当然と言えば
  当然のことだが…。32シードあたりからシンデレラガールが飛び出して来る可能性は、あまり
  感じられない。去年の32シードが今年は16シードに収まっているイメージ。多分、ランクの中に
  4〜5人は「エッ」と驚くクラスの選手が入って来るのではないか?。但し、彼女らがそれ以上、勝ち
  上がれるとは思いづらいが…。

  高校生と実業団の「谷間の年代」と呼ばれて久しい大学女子卓球界。果たして、今後、発展して行くのか?、
  衰退して行くのか?。今後、数年間の全日学の動向を見ながら考えたい。


男子ダブルス

 予 想:

  第1シードには、前年優勝の山城・原組(専修大)が自動的に選ばれた。関東学生でも去年は優勝、
  今年は準優勝。関東リーグ戦でも今年は春秋共に4勝1敗で、時に苦戦はあるものの結果としての
  勝率は極めて高い。去年の全日学では、ベスト8中に5組が入り、「絶対優位」と言われた青森大勢の
  誇る3ペアを次々と破って驚きの優勝を飾ったことが思い起こされる。
  先月、関東・秋リーグで実に9年ぶりの優勝を飾った専修大にあって、その主軸は勿論このダブルス
  だった。
  全日学・男子ダブルスの連覇が成れば、平成7〜8年の田崎・遊澤組(明治大)以来のこととなる。
  今年も青森大勢が上位で待ち構えることが予想されるが、果たして伝統校の地力は発揮されるか?。

  第2シードの川崎・三浦組(青森大)は、青森山田高校時代から組み続けている同級生ペア。全日学では
  1年時から順に、4位→3位→2位、と、着実にランクを上げて、ついに最終学年を迎えた。となると、
  もう狙うのは当然優勝しかない。金以外のメダルは集め終わっている。狙えるだけの実力も十分に
  ある。特に、今年の京都インカレでは「優勝確実」と噂されたチームがまさかの敗退を喫した敗因の
  1つがこのペアの黒星だっただけに、今度は意地でも勝ちたいところだろう。去年、驚きのシングルス
  チャンピオンに輝いた川崎は、以前から定評のあったダブルスでも歴史に名を刻んでおきたいところ。
  実力も、チャンスもあるのだから、当然だ。

  4シードには、前年ベスト4の高木和・森田組(青森大)が自動的に入り、関東学生優勝の田中・白神(俊)
  組(中央大)が選ばれて入った。

  高木和・森田組は、個々人の実力から言っても当然、優勝を狙えるペア。シングルスでは第2と第4
  シードに入っている。最近、結果が出ていない森田にとっては、存在をアピールする絶好の機会と
  言える。上位8シードの内、唯一の右利き同士のペアということが少し気にかかるが、実力でカバー
  できるだろう。普通に、優勝争いに絡めば、来年からはチームのエースダブルスの座も約束される
  だろう。なお、高木和にとっては、高校時代に坂本とのペアでインターハイ2連覇して以来、3年ぶりの
  「ダブルス日本一」をかけた戦いとなる。

  田中・白神(俊)組は、白神が去年のインターハイダブルスチャンピオンで、個人としては2年連続の
  日本一を狙う形となる。ただ、(関東学生を制したとは言え)関東リーグなどでも勝率は5割ラインで、
  山城組などに比べると安定性は高くはない。シングルスではあれだけの結果を出している田中も、
  左利きの割りには、ダブルスでは苦戦が目立つ。現実的には準々決勝でのメダル争いがヤマ場で、
  優勝争いに絡むには、かなりの爆発力が必要か?。

  8シードには、強豪校のエースダブルスである左右ペア・4組が入った。

  この中で注目されるのは、何と言っても中野・下山組(早稲田大)。中野が東山高時代から組み慣れた
  岸川とのペアは、去年の全日学でランクに入っていたにも関わらず、今年の関東学生のランク落ちを
  期に組み替えられた。下山との新ペアは左右コンビでもあり、インカレでの28年ぶりの早大の優勝
  にも貢献していたので、優勝争いに絡んでくる可能性はある。2人共、シングルスでも強い実力派でも
  あるし…。インカレに続く優勝を飾れるかが注目される2人と言える。

  その他の8シード、川口・足立組(明治大)、荻原・田野辺組(大正大)、中村・片山組(愛工大)は、
  当たれば面白い存在と思われるが、実際にはどうか。3組とも4年生が後輩を引っ張るペアという
  点が共通しているが…。
  (愛工大は、ここのところ2年に1回の優勝が続いている。平成10年の石岳・王海軍組、平成12年の
   王海軍・遊佐組、平成14年の今福・成紅光組、と…。この周期で行くと偶数年の今年は優勝する年
   だが…現実的には外国人抜きでは難しい)

  16シードを見ると、早大、埼工大、駒沢大といったところに、最近、団体戦で違うパートナーと組んで
  出場するなど、組み替えたペアが何組か見受けられる。勿論、全日学は全日学用のペアリング調整を
  しっかりして来るのだろうが…。個人的には、こういった組み替えが起こるような「絶対的パートナー
  でないペア」が優勝争いに絡んでくる可能性は低いと見ている。さて、実際にはどうなるか?。

  青森大も、今年は優勝が狙えるペアは2組のみで、去年のような「ベスト8に5組」といった状況の
  再現はない。シングルス同様、「三田村世代(三田村、田勢、宮下、加藤)の卒業」、「ドイツ組(坂本、村守)
  の欠場」、「外国人(張良)の出場規制」、といった3要素が大きい。その他の大学を見ても、上位まで勝ち
  上がってきそうなペアは1つずつで、同士討ちはほとんど発生しないものと思われる。ある意味では、
  団体戦の様に大学の名誉を背負ったダブルス戦となるとも言える。

  全く別の視点で、ちょっとコメント…外国人留学生は、今年から全日学には出場出来ない代わりに
  全日学選抜には誰でも出場できることになっている。だが、全日学選抜はシングルスのみの大会。
  ダブルスで外国人留学生が出場できる全国大会はなくなった。女子ほどではない男子の外国人事情の
  中にあっても、一昨年までの5年間(平成10年〜14年)、外国人絡みのペアが優勝を続けていたと
  いう歴代優勝ペア一覧表を見つつ、いろいろと思うところはある。


女子ダブルス

 予 想:

  シングルス同様に、女子はダブルスも外国人留学生がいなくなると大幅にレベルダウンする。
  質の高い試合を展開できるのは上位の数ペアに限定される感じがする。

  第1シードは、前年ベスト4の柏木・渡辺組(中央大)。関東学生でも去年は準優勝、今年はベスト4と
  安定して上位に食い込んでいる。関東リーグ戦では、今年は春秋ともに5戦全勝で合計10戦全勝し、
  トップの強さを見せた。今大会、シングルスでも第3・第4シードを取った2人が組んだペアだけに、
  個々の実力も申し分ない。中大からのチャンピオンペアが誕生すれば、平成6年の大森・伊東組以来、
  ちょうど10年ぶりのこととなるが、果たして「十年一区切り」の栄冠を奪取できるか?。

  第2シードは、前年ベスト8の福岡・坂本(沙)組(日本大)。関東学生では去年は優勝、今年はベスト4で
  実績的には第1シードの中大ペアとほぼ同列にある。2人揃って世界大学の代表だったことや、東京
  選手権の優勝ペアということから考えると、むしろ第1シードペア以上に優勝候補筆頭と言えるかも
  知れない。単複共に第2シードという位置を得た世界大学チャンピオンの福岡にとっては、タイトル
  獲得は至上命題とも言える。

  4シードには、藤井・西岡組(淑徳大)と大畑・西田(泉)組(大正大)が選ばれた。実力的に文句ない選考
  だろう。

  淑徳大の4年生ペアは、四天王寺高の常勝時代に組んでいた同期生ペアの3年ぶりの復活で、今年は
  インカレの5連覇にも大きく貢献していた。藤井は1年の時に高橋(現・十六銀行)と組んで優勝を
  果たしており、個人として3年ぶり2度目の優勝を狙うこととなる。思えば、過去5年間で日本人
  同士によるペアが女子複を制したのは、この平成13年のみ。今年はどのペアが勝っても3年ぶりの
  日本人同士のペアの優勝だが…。また、藤井はシングルスも第1シードで単複2冠王(=インカレと
  併せた3冠王)も十分狙える。

  大畑・西田(泉)組は、団体戦では去年から組んでいるものの、個人戦では初の出場となる。今年、西田の
  実力が安定感を増したことにより、ペアの成績も上がって来た。大畑は孫博とのペアで去年のこの
  全日学と今年の関東学生を制している。よって、大畑個人としては全日学2連覇と3大会連続優勝を
  狙う今大会となる。全日学の女子複は、かつて馬佳・キ林組の2連覇もあって、過去5年間で3回も
  大正大が優勝ペアを輩出している。お家芸の得意種目で、さらに優勝を重ねることは出来るか?。

  8シードは、河村・島田組(東富大)、今福・末益組(淑徳大)、藤田・井出組(立命館大)、西村・芳村組
  (愛工大)が入った。正直言って、東富大ペアには可能性も感じるが、あとの3ペアは優勝争いに絡む
  感じがしない。「このクラスが8シードか…」というのが偽らざる印象だ。
  今福は去年の全日学で3位、今年の関東学生で準優勝というダブルスの実績を誇ってはいるが、それは
  パートナーが陳微娜でのもの。西村も去年の朱夢軍とのペアであれば「あるいは…」という期待は抱か
  せるのだが…。

  16シードでは、近年、ダブルスがセールスポイントになっている青学大が3ペア入っているのが
  目を引くが、ランク入りは狙えてもその先は苦戦を免れない。

  インカレで健闘している朝日大も「売り」である3人の外国人が出場できない状況では、一昨年の優勝、
  去年の準優勝は再現できないだろう。

  全般的に見て、上位4シードの4ペアの実力が一枚抜け出ている感じがする。順当に、この4組が
  準決勝に勝ち上がって来る気がする。

  外国人の出場制限の影響に関しては、既に女子シングルスや男子ダブルスのところで十分に書いた。
  重複となるのでここでは省略する。


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