平成15年度・第70回・全日本学生選手権(尼崎)の模様
大会最終日(4日目)・10/5(日)
男子シングルス準決勝・川崎(奥・青森大)vs中野(早稲田大)戦。
ベスト4唯一の「青森大以外の選手」・中野。回りを取り囲む青森大勢3人は今年のインカレではベンチウォーマーだった、言わば「1.5軍」。関東学生で、ベスト4に3人入った明治大勢を連破して優勝を果たした展開の再現が期待された。
第1・第2ゲームは、11-4、11-6で川崎が連取する。第3ゲームこそ、11-8で取り返した中野だったが…。
続く、第4・第5ゲームはいずれも11-8で川崎が取り、4−1で川崎の勝利。結果的にはワンサイドゲーム気味でさえあり、やや意外だった。
三田村、張良を「最終ゲームの大爆発」で連破してきた中野は「比較的勝ち易い(?)」と思われた川崎に敗れて今大会を終えた。そう言えば、ダブルスでも中野・岸川組は三浦・川崎組に敗れていた。
中野の敗退により、決勝を待たずに青森大の優勝が決定した。チームとしては去年の陳晨と合わせて2連覇が確定した。3年前の宋海偉以来、この4年間で3人のチャンピオンを生み出している。
男子シングルス準決勝のもう1試合
・高木和(左)vs森田戦は青森大の1年生対決。しかも、この2人はダブルスで銅メダルを獲得したペアのパートナー
同士でもある。互いに手の内を知り尽くした対戦は第1ゲームからジュースにもつれた。
第1ゲームこそ12-10で森田が先取したものの、第2〜第4ゲームは高木和が連取し、3−1と王手をかける。第5ゲームを奪い返した森田だったが、第6ゲームでは力尽き、7-11。高木和が4−2で勝って決勝に進出した。
女子シングルス準決勝、陳微娜(左・淑徳大)vsトン舟(専修大)。強豪留学生対決は互角かと思われたが…。
意外にも、陳微娜が4−0ストレート勝ちをする結果となった。スコアも5,7,8,4と、それほど競らずに一方的だった。準々決勝で潮崎を破ったトンに対し、敵討ちを果たした格好で、陳微娜が決勝に進出した。
女子シングルス準決勝のもう1試合は、孫博(奥・大正大)vs藤井(淑徳大)。
関東学生チャンピオンの孫博は、関東勢が4強を占めた状況の中で、このまま一気に頂点まで勝ち上がりたいところ。単複2冠王が視野に入ってきた。
一方の藤井は、同期の大畑(大正大)や柏木(中央大)がランク落ちする中、1人だけ今年も上位進出。これで3年連続ベスト4入り。しかも、去年に続き、2年連続で「ベスト4入りした唯一の日本人」となった。今年はワンランクアップをしたいところ。
試合は、第1・第2ゲームを孫博が連取し、先行する展開だった。第3ゲームはジュースアゲインの末に13-11で藤井が取り返し、追い上げを図る。
結果論だが、勝負を分けたのは第4ゲームだった。再びジュースアゲインの接戦となったこのゲームを孫博が14-12でモノにする。ここで2−2に追い付いていれば、後半に望みが広がった藤井だったが…。第5ゲームも競ったが、最後は11-9で孫博が勝利し、4−1で決勝進出を決めた。
藤井が勝てば、男子の青森大同様、淑徳大が決勝同士討ちとなるところだったが、これは成らなかった。また、藤井の敗退によって決勝は留学生同士の対戦となり、その結果を待たずに、7年連続での外国人留学生の優勝が確定した。この16年間で、日本人の優勝はわずか2回に対し、外国人留学生の優勝は実に14回となった。
いよいよ最後の男女シングルス決勝戦。台は男女各1台ずつのみが残る。
男子シングルス決勝の青森大同士討ち・川崎(右)vs高木和戦。
3年生の川崎に対し、高木和は1年生。とは言え、この際、学年は関係ない。大方の予想は「高木和、有利」だった。全日本ジュニア2連覇やインターハイダブルス2連覇など、数々の全国優勝の実績を持つ高木和に対し、先輩とは言え川崎は個人タイトルを取っていない。今大会、決勝まで勝ち上がって来ただけでも「川崎はよくやったな」という雰囲気があった。
試合は、「高木和が先行し、川崎が追いつき」を繰り返す展開で、1−1、2−2。どのゲームも終盤の接戦にもつれる展開で、第2・第3ゲームはジュースの末の決着となった。第5ゲームを11-9で高木和が取り、3度目のゲームリードと共に、1年生優勝への王手をかけた。
第6ゲームももつれた。8-10の劣勢からジュースに追い付いた高木和は、ここを制して一気に優勝を決めたいところ。普段あまり使わないバックサーブまでもを駆使して、11-10とチャンピオンシップポイントを握ったが…結局、ジュースアゲインの末、12-14で惜敗し、決め損なった。これで3−3。最終・第7ゲームに優勝の行方が委ねられた。
第7ゲームも、またしてももつれた。1-1、2-2、4-4、5-5、7-7、8-8、9-9…。そして、チャンピオンシップポイントを握ったのは…川崎。高木和のサーブから始まった最後の1本を川崎が取った時、場内には「オオ〜」っという驚きの声が広がった。11-9。ゲームカウント4−3。大方の予想を覆し、川崎が逆転で始めてのビッグタイトルを手にした。
初優勝のスコアシートを手にする川崎。同士討ちということもあって、派手な喜びのパフォーマンスはなかったが、地味ながらも「レベルが高い」と言われた今大会を制した実力は評価される。今大会はダブルスも準優勝と好成績を残したが、もしダブルスで優勝していれば、インカレと合わせて3冠王になっているところだった。後から振り返って考えてみると、非常に惜しいビッグチャンスだった。しかし、まだ3年の川崎には、来年もう一度チャレンジの機会がある。
敗れた高木和も、1年生でのシングルス銀メダル・ダブルス銅メダルは、十分賞賛に値する。今後、3年余りの大学時代でいくつのタイトルを手にするのか?。予想しながら期待したい。
女子シングルス決勝は、関東の留学生対決。孫博(
左・大正大)vs陳微娜(淑徳大)。
1年の孫博と2年の陳微娜だが、孫に1年のブランクがあったこともあり、高校時代は同期生。高校時代の実績は、当然2年連続インターハイチャンピオンの孫が断然上だが、陳は淑徳大で急激に実力を上げてきた。今年、関東学生では孫が優勝しているが、インカレと関東・秋リーグでは陳が直接対決で孫に2連勝中。「互角だが、若干、陳が有利か?」と予想された。
試合は、11-9、13-11のスコアで、第1・第2ゲームを陳微娜が連取。第3ゲームを孫博が奪い返すも、第4ゲームを取った陳が3−1と王手をかけた。
追い込まれた孫博だったが、第5ゲームを11-9で競り勝つと、第6・第7ゲームは、いずれも11-6で取り、1−3からの見事な逆転勝ちを決めた。全日学初優勝は、インターハイと合わせて3度目の全国制覇となった。さらに、今大会はダブルスでも優勝を果たしており、単複2冠王ともなった。団体戦などで敗戦を喫する場面もちょくちょく目にするが、個人戦のビッグタイトルには縁がある実力者だ。
一方の陳微娜は、王手をかけながらの大逆転負けは惜しかった。自身としても勿論だが、淑徳大チームとしても、全日学のシングルスは毎年上位に選手を送り込みながら優勝出来ない「鬼門」となっている。果たして、淑徳大から全日学シングルスチャンピオンが生まれるのは、時間の問題なのか?、それとも近くて遠い夢なのか?。