平成14年度・第69回全日本学生選手権・コメント

 10月11日(金)〜14日(月・祝)の4日間、松山市総合コミュニティーセンター体育館において
 行われました「第69回全日本学生卓球選手権大会(通称、全日学)」のコメントをアップします。

 今大会は、9月1日実施の新ルール(新サービスルール等)で行なわれた初の大学生の全国大会でも
 ありました。

 なお、私は会場内にはいましたが、運営に少し関わっていたため、途中の一部の試合を流し見たのみで、
 上位の試合はあまり見ていません。上位のコメントの多くは後から記録を見て書いたものであることを
 あらかじめ御了承下さい。
男子シングルス

 コメント:

  3回戦まで

   シード選手の初戦にあたる2回戦で、前年ベスト8の徐振(大経法大)が小林(埼玉工大)に2−3で
   敗退した。宮坂(筑波大)も立山(早大)にフルゲーム9-11で惜敗を喫した。そして、番狂わせが続出
   したのが次の3回戦だった。

   波乱の最たるものは、前年準優勝で今回第2シードの橋本(近畿大)が猪本(専修大)に1−3で敗退
   したゲームだろう。確かに去年の準優勝は出来過ぎだと思ったが、今年、ランク決定前での敗戦は
   早過ぎる。この敗戦直後に行なわれたダブルスで、準々決勝、準決勝を勝ち、決勝に進出したのは
   評価できるが…。

   ダブルスの絡みで言うと、優勝した愛工大の今福と成紅光もシングルスではこの3回戦で敗退して
   いる。特に16シードだった東海学生チャンピオンの成紅光は、優勝争いに顔を出すのではないか
   と思っていただけに、河又(大)(中央大)に1−3で敗れたのは意外だった。東海学生2位の今福は
   伊藤(専大)に0−3でストレート負け。

   明治大勢の敗戦が目立ったのもこの3回戦。
   前年度ランカーの門野(明治大)は近藤(愛工大)に0−3ストレートで敗れ、連続ランクを逃した。
   また、期待された関東学生2位の柳田(明治大)は、秋リーグでも敗れている田中(早大)に再び敗れた。
   秋リーグ時は裏ソフト面で戦うなど、油断かと見られた面もあったが、今回、連敗を喫したとなると
   事態は深刻かも知れない。
   川口(明治大)は駒場(専修大)に0−3ストレートで敗退した。

   大柿(専修大)は松島(中央大)に0−3ストレートで完敗した。その大柿に代わる新キャプテンの
   大谷(専修大)は長谷川(富士大)と対戦。「長谷川って…誰?」という感じで、大谷の楽勝を予想したが
   何と2−1から逆転されて敗れていた。その隣のコートで山城(専修大)は三浦(青森大)と大接戦。
   1−2とリードされ、第4ゲームもジュースにもつれ込む紙一重の試合だったが、3−2で逆転勝ちを
   収めていた。

   このラウンドで敗れた青森大勢は三浦の他、清水(中央大)に敗れた宮下、並木(明治大)に敗れた野田
   がいる。野田は並木から2−0とリードを奪う展開だった。後半、3ゲーム連取されたものの、実力
   的には仕方ないところで、関東チャンピオンを相手にして健闘したと言える。今大会はダブルスでも
   ランク入りを果たしたし、今後の飛躍のキッカケとなるか?。

   3回戦が終わり、ベスト32が出揃ったところで見回すと、シードの32人中、シードを守ったのは
   20人。12人が敗退した。特に後半部には番狂わせが目立った。

  4回戦(ベスト16決定戦)

   ダブルスの準々決勝から決勝のゲームを挟んでから行なわれたランク決定戦。ここから7ゲームス
   マッチの長丁場となる。

   第1シードの脇ノ谷(近畿大)はダブルスで決勝まで戦ったことに続き、休む間もなく世界大学代表の
   中野(早大)と対戦。1ゲームずつ取り合う接戦の末に、4−3のフルゲームで競り勝っていた。

   青森大勢は強さを見せた。
   第3シードの三田村は、岸川(早大)に粘られるも4−2でこれを退けた。早大は期待の中野と岸川が
   第1と第3シードの下に入るという組み合わせ上のアンラッキーもあった。
   田勢は張凱(埼玉工大)に4−0ストレートで圧勝。埼玉工大はインカレ準優勝校ながら単複とも
   ノーランクで今大会を終えた。
   陳晨は中村(愛工大)を4−2で下した。この試合、最後の1本(サイドorエッジ?)を巡ってエラく
   モメていた。
   川崎は、猪本(専修大)を寄せつけず、4−0ストレート勝ち。
   快調なチームメイトの中にあって、加藤は田中(早大)に0−4ストレート負けを喫した。青森大に
   あって、単複共にランク入りを逃し、手ぶらで帰るのは主将の加藤ただ1人と言う屈辱。しかも、2年
   連続での単複ノーランクだ。果たして、世界選手権まで経験した男の復活はあるのか?。

   8シードの渡邊(中央大)は藤井(明治大)に0−4ストレート負けを喫した。今年は年間を通じて
   好成績を収めて来た渡邊だったが、今大会は初戦の2回戦から大苦戦(近田(北海学園大)に敗色濃厚
   のところから逆転し、フルゲーム11-9で辛勝)し、先行き不安と思わせた。結局、最後まで調子を上げ
   切れず、単複ノーランクに終わった。

   前年ベスト8の山田(専修大)は田中(中央大)と対戦。3−1とリードしていたが、後半3ゲームを
   連取され逆転負けを喫した。ここ半年の状況からすると(上昇気運の田中と停滞気味の山田)、仕方
   ない結果だったと思われる。

   その他、4−3のフルゲームまでもつれ込んだのは近藤(愛工大)vs山城(専修大)戦と長谷川(富士大)
   vs井内(中央大)戦。いずれも上位シードがいなくなったブロックで、ラッキーチャンスをモノに
   すべく、激戦が繰り広げられた。共に関東勢が勝利して決着したが、井内はフルゲーム11-9の薄氷を
   踏む勝利だった。

   ベスト16の内訳を見ると、関東が半分の8人、東北が青森大の4人。あとは関西3人と東海1人と
   いう形になった。関東の強豪、中央大、明治大、専修大は2人ずつをランク入りさせているものの、
   やはり青森大の4人には及ばない。
   16人中、日本人が13人に対して留学生選手は3人(陳晨、馮殿宇、范勇)。女子に比べると、男子は
   留学生の数は少ない(結果的に、優勝は陳晨に持って行かれるのだが…)。
   16シードの内、これをキープしてランク入りを果たしたのは9人で、残る7人は32シード以下
   からの進出となった。
   高森(筑波大)と熊田(同志社大)は3年連続のランク入りを飾り、脇ノ谷(近畿大)、三田村(青森大)、
   范勇(中京学院大)は去年に続くランク入りとなった。田勢(青森大)は去年ランク落ちしたものの、
   一昨年に続く2度目のランク入り。

  5回戦(ベスト8決定戦)

   最終日の第1試合。

   ディフェンディングチャンピオンの脇ノ谷(近畿大)が馮殿宇(大経法大)との関西対決に1−4で
   敗れ、連覇を逃した。馮は関西学生チャンピオンだけあって、やはり強い。

   このラウンドで最も激戦となったのは並木(明治大)vs高森(筑波大)の一戦。関東学生チャンピオンの
   並木が前半3−0とリードするが、高森はUSオープン出場のため関東学生を欠場しており、「真の
   関東チャンピオン決定戦」の様相を呈して3−3に追い付く。最終ゲームも11-5で高森が制し、
   3ゲームズダウン4ゲームズアップの見事な逆転劇を演じていた。

   4人の青森大勢は全員勝ち上がった。
   三田村が駒場(専修大)に4−1で勝ったのは予定通り。
   陳晨は藤井(明治大)に一時1−2とリードされたが、ここから3ゲームを連取し、4−2で逆転勝ち
   を収めていた。
   田勢は熊田(同志社大)との「世界大学代表対決」を4−1で制した。
   川崎は范勇(中京学院大)との左シェークドライブ対決を4−1でしのぎきった。

   「田中対決」となった田中雄仁(中央大)vs田中卓雄(早大)戦は、中大の1年生、雄仁が、早大4年生の
   卓雄を4−0で破った。田中卓雄の快進撃はここで止まったが、ノーシードから柳田(明大)、加藤
   (青森大)といったネームバリューのある選手を連破してランク入りしたのは評価できる。

   シード勢総崩れのパートから勝ち上がって来た山城(専修大)vs井内(中央大)戦は4−0ストレートで
   山城が勝った。

   ベスト8には、青森大が4人、中央大、専修大、筑波大、大経法大から各1人が入った。とにかく青森
   大が目立つ。日本人6人に対し、留学生は陳晨と馮殿宇の2人。8シードを守って勝ち上がったのは
   三田村と高森の2人だけだった。

  準々決勝

   「青森大vs他校」、という対戦になった準々決勝4試合。場合によっては青森大のベスト4独占の
   可能性も少なからずあった。

   1年生の留学生対決となった馮殿宇(大経法大)vs陳晨(青森大)戦は、意外にも4−0ストレート、
   しかもスコア的にもワンサイドで陳晨が勝ち上がった。まあ、確かに高校時代の実績から言っても
   インターハイチャンピオンなど、圧倒的に優位に立っている陳晨が勝つのは順当ではあったが、
   しかし、ここまで差があるとは…。

   田中(中央大)vs川崎(青森大)戦は、同じ左シェークドライブ型同士というだけでなく、青森山田高
   時代の先輩後輩でもある意味深な対戦となった。川崎としては、先輩の意地はもちろんだが、青森
   山田高から初めて青森大以外へ「流出」して行った主力級の田中が相手、ということで、青森大の力を
   見せつけるためにも、是が非でも勝ちたいところだったろう。しかし、結果は田中が4−0の
   ストレートで川崎を破る、という形となった。これで青森大のベスト4独占は消えた。

   三田村(青森大)vs山城(専修大)も4−0ストレートペースだったが、3−0の後の第4ゲームは
   ジュースアゲインの末、15-13で山城が奪い、一矢を報いた。が、これで火がついたか、第5ゲームは
   11-2で三田村が圧勝。結局、4−1での決着となった。両者の間にはかなりの実力差があると
   言わざるを得ない。だが、敗れたとは言え、山城はノーシードからよく8強入りまで来た。1回戦から
   試合があったが、2回戦の田中(俊)(法政大)戦では2ゲームを先取されたところから3−2と逆転
   勝ちしていたし、3回戦の三浦(青森大)戦も1−2からの3−2、4回戦の近藤(愛工大)戦も2−3
   からの4−3、と、逆転、逆転の連続で勝ち上がって来た。今後、悩める名門・専修大の救世主と
   なれるか?

   田勢(青森大)vs高森(筑波大)戦は、田勢にとって2試合連続の「世界大学代表対決」となった。
   1−1の後の3ゲーム目をジュースの末に高森が取り、一歩リードしたが、その後、田勢が3ゲームを
   連取し、4−2で競り勝っていた。

   ベスト4には青森大から3人が入り、その強さを強烈にアピールしていた。こうなってくると
   インカレで優勝したのは当たり前で、今大会のダブルスを落としたのが不思議に思えて来る。
   ベスト4に3人というのは、数年前、明治大でもあったパターンだが、今回の場合は「ベスト4独占の
   可能性もあり、これが崩れて、それでもこの結果」、というところに一層の凄さを感じる。4強独占を
   阻んだ田中も青森山田高出身で、三田村、田勢らの後輩にあたる。とにかく、青森関係者の強さが光る
   準々決勝だった。
   なお、去年は史上初めて「男子シングルスベスト4に関東勢が1人も入れない」という異状事態に
   なったが、今年は田中の活躍で2年連続の珍事は避けられた。ただ、この分だと遠からず2回目、
   3回目がありそうだ。

  準決勝

   陳晨vs田勢の対戦は、青森大の同士討ちというだけでなく、ダブルスパートナー同士の対戦でも
   あった。この2人で組んだダブルスが何故ランク落ちに終わったのかは未だに不思議だが…。
   試合は1ゲーム目からジュースにもつれ込む接戦となった。13-11で陳晨が先行すれば、田勢も第2
   ゲームをジュースアゲインの末に16-14で奪い返す。東北学生の決勝では田勢が勝っていた事もあり
   先輩の意地で田勢が若干有利かとも思ったが、第3、第4ゲームは陳晨が連取する。王手をかけられた
   田勢は第5ゲームを奪い返したものの、続く第6ゲームを11-8で陳晨に取られ、4−2でゲーム
   セット。田勢は、一昨年に続き、ベスト4に留まった。

   三田村(青森大)vs田中(中央大)の一戦は、青森山田高の先輩後輩対決。インカレでも対戦した両者
   だったが、この時も三田村が貫禄を見せてストレート勝ちしていた。やはり三田村有利は観衆の
   一致した見方だったろう。第1ゲームは田中がジュースの末に先行したものの、第2、第3ゲームは
   三田村が5本と3本で楽勝する。第4ゲームを田中が11-3で取り、2−2のタイに追い付いた展開は
   評価できるが、その後、三田村は2ゲーム連取し、4−2で順当な勝利を収めた。
   敗れはしたものの、田中は日本人の1年生としては唯一のランク入りで銅メダル獲得まで勝ち
   上がった。全日本学生チャンピオン会から最優秀新人選手賞を贈られたが、年間を通じての活躍度
   から言っても妥当な選択だろう。関東新人戦での単3位、複優勝に始まり、関東学生のベスト4、
   インカレでの活躍、関東秋リーグでの優勝への貢献、そしてこの全日学と、ほとんどの大会で活躍を
   見せた。だが、本当の勝負はこれからだろう。過去にも「名門高から来た選手が、練習量の貯金が
   残っている1年時は強かったが、次第に成績を落とし、卒業時には並みの選手になっている」という
   パターンは多い。青森山田高でレギュラーだった選手が、青森を離れた場合の1年目の実績は
   これで目安が出来た。さて、今後3年間の動向はどうなるか?。

   決勝は青森大の同士討ちとなり、これでチームとしては一昨年の宋海偉に続く2年ぶり2度目の
   優勝は確定した。また、今年もインカレに続き、2種目目の全国タイトルが確定した。(去年は
   インカレとダブルスの2冠だったが、今年は種目を変えての2冠となった)。なお、決勝同士討ちは
   去年の近畿大(脇ノ谷vs橋本)に続き、チームは違うものの2年連続となった。平成8年(遊澤vs田崎)
   と平成10年(遊澤vs木方)にも明治大の決勝同士討ちが実現しており、ここのところ、2年に1回の
   ペースでかなり多いと言える。現状を見ると、この先、数年間に1〜2回は再び青森大同士の決勝が
   ありそうな雰囲気で、この珍しいハイペース現象が続きそうな気がする。

  決 勝

   1年生の留学生、陳晨vs3年生の日本人エース・三田村の対戦となった決勝戦。
   個人的には、大会前から優勝候補筆頭と見ていた三田村の優勝を予想した。インカレでも陳晨以上に
   優勝に貢献していたし、国際的にも活躍の場を広げているだけに、半分願望も込めて、三田村に勝って
   欲しかった。

   試合は、第1ゲームこそ三田村が11-5で先行したものの、第2〜第4ゲームは、11-8、11-6、11-3で
   陳晨が3連取。次第に点差を広げていっていた。第5ゲームは後がない三田村が11-9のギリギリで
   何とか取り返したものの、陳晨は第6ゲームを11-8で取り、ゲームセット。準決勝の田勢に続き、
   3年生の先輩を4−2で連破した陳晨が1年生優勝を飾った。

   陳晨自身、一昨年のインターハイ優勝に続く2度目のシングルス全国タイトル獲得となった。
   「元インターハイチャンピオンの、青森大の1年生留学生が全日学シングルス制覇」と聞けば、思い
   出されるのは勿論、偉大な先輩・宋海偉。その宋が果たせなかった全日学連覇を果たせるかが今後の
   陳晨の注目点となるだろう。裏面打法がある分、宋よりも進んだ戦型とも見られる陳晨だけに期待は
   ふくらむ。(ま、実際はそんな単純なものでもなく、宋の片面打法にはそれなりの利点(スイング
   スピードの圧倒的速さなど)もあるのだけど…)

   三田村は、去年のベスト4からワンランクアップしたとは言え、決勝での敗戦は悔しいところだろう。
   高校時代から、同僚でありながら最大の壁であり続けた宋海偉が卒業し、「狙える」今回のタイトル
   だったが、順調に勝ち上がった後、最後に力尽きた。負けた相手が後輩というのも悔しいところ。
   平成10年の全日本ジュニア以来、約4年ぶりのシングルス全国タイトル獲得は成らなかった。
   この1年間、ベルギー・シャルロアでのプレーやSCスーパーサーキットへの参戦など、国際的な
   ステージでプレーしてきた三田村。世界大学出場は当然の部類で、戦果に不満が残るところだろう。
   釜山・アジア競技大会に出場出来なかったことから来年のバンコク・アジア選手権、及びパリ・世界
   選手権(個人戦)への出場も微妙なところだろうが、頑張ってほしい。3年連続全日本ベスト8の実力
   からすれば、当然、どんな大会で日本代表になってもおかしくはないハズだ。


女子シングルス

 コメント:

  3回戦まで

   朝日大の樋野と射場山が故障で棄権した。特に、2年連続ランク入り中で、今年3年連続ランクを
   目指していた樋野は、8シードだっただけにもったいない棄権だった。
   その他、2人の留学生選手が32シードに入り、不気味な存在だった別府女短大は、九州学生優勝の
   曹が棄権し、同3位の周は2回戦(シード選手の初戦)で三河(東富大)に敗退していた。
   前年度ランカーで16シードの河村(京産大)は、長谷川(専修大)との1ゲームずつを奪い合う
   クロスゲームの末に2−3の9-11で惜敗していた。
   32シードだった田阪(立命館大)は和田(中央大)に初戦敗退。第1シードだったダブルスもランク
   入りを逃し、今大会は活躍できないまま終わってしまった田阪だった。

   3回戦に入り、前年ベスト8で第3シードの王金(朝日大)は西岡(淑徳大)に2−1とリードして
   いながら逆転され、2−3で惜敗した。この後、ダブルスでは見事に初優勝を飾った王金だったが
   シングルスでは同僚2人の棄権に続き、予想外に早くトーナメントから消えてしまった。
   その他、32シードの位置にいた3人が3回戦で敗退した。
   世界大学代表だった河村(東富大)は桃林(立命館大)に1−3で敗退した。ジュースで2ゲーム
   落としたのが痛かった。
   東海学生2位の楊露(中京学院大)は留学生対決の末に張楠(大経法大)に0−3でストレート負け。
   各ゲームのスコアは競っていたのだが…。
   鮎田(大正大)が矢野(愛工大)にフルゲームジュースの11-13で惜敗した。

   第1シードの潮崎(淑徳大)は関西学生チャンピオンの増田(神戸松蔭女大)にフルゲームまで食い
   下がられていたが、最後は地力を発揮し、勝利を収めていた。関西の覇者が3回戦で第1シードと
   当たるのは、チョット…という組み合わせだった。

   3回戦が終わり、ベスト32が出揃ったところで見回すと、シードの32人中、シードを守ったのは
   22人。10人が敗退した。

  4回戦(ベスト16決定戦)

   ダブルスの準々決勝から決勝のゲームを挟んでから行なわれたランク決定戦。ここから7ゲームス
   マッチの長丁場となる。

   このラウンドで最も注目されたのが、第1シードの潮崎(淑徳大)と福岡(日本大)の「世界大学代表
   対決」だった。世界大学では日本選手中で最も活躍し、全種目入賞を果たして、銀メダル3個、銅
   メダル1個を持ち帰った福岡。関東・秋リーグでは潮崎がフルゲームの末に勝っていたが、実力は
   互角と見られた。案の定、連続してジュースにもつれ込むなど激しいゲームが展開されたが、最後は
   潮崎が4−2で押し切っていた。日大は、エース・福岡に続き、2枚看板である張虹も夏ティナ
   (龍谷大)との留学生対決に1−4で敗れ、関東1部校で唯一のノーランクとなった。

   4−3のフルゲームまでもつれた試合は3試合あった。
   この内、最ももつれたのは唯一のノーシード同士の対戦となった三河(東富大)vs阿部(東北福祉大)
   戦で、フルゲームジュース、12-10まで行き、最後は三河が競り勝っていた。三河は日本人の1年生と
   して唯一のランク入りとなった。これが評価されて全日本学生チャンピオン会から最優秀新人選手賞
   が贈られた。ただ、個人的にはちょっとこの授賞には賛成できない。去年の受賞者は、男子は該当者
   なしで、女子は藤井(淑徳大)。今年の男子は田中(中央大)。歴代の受賞者を見ても年間を通じて
   トップレベルの活躍をした選手が多い。三河は今大会のランク入り以外は大して実績をあげて
   いない。関東新人戦でも、関東学生でも、インカレでも、関東リーグでも…。しかも、今大会もランク
   16位にしか過ぎない。該当者なし、とするのがベストだったというのが個人的意見。あるいは、
   留学生選手に授与するか?。(規定上は、「20歳以下の1年生」というだけで、外国人留学生を排除は
   していないが、慣習的に留学生には授与しておらず、不文律となっている)。ま、何を言っても選ぶのは
   チャンピオン会なので、私にはどうしようもないことではあるが…。三河には、これをキッカケに
   今後、文句のない活躍をして見返して欲しい。

   さて、話をゲームの方に戻して、フルゲームにもつれたランク決定の残り2試合は…。
   4シードの大畑(大正大)は張楠(大経法大)に1−3とリードされ、危なかったが、後半は3ゲームを
   連取して4−3と逆転勝ちを収めていた。留学生キラーの面目躍如といったところだった。
   関西対決の桃林(立命館大)vs白シ吉(近畿大)は、1ゲームずつ取り合い、1−1、2−2、3−3と
   もつれていたが、最後は白が2−3から逆転して勝っていた。

   4年連続ランク入り目前だった王金(龍谷大)は1年生・張魏(朝日大)との留学生対決に2−4で敗れ、
   惜しくもこれを逃していた。第6ゲームはジュースの末、12-14の惜敗だった。張魏はダブルス優勝
   の勢いを持続していたか?。

   東北学生チャンピオンの馮暁雲(東北福祉大)vs東海学生チャンピオンの朱夢軍(愛工大)の一戦は
   「1年生留学生チャンピオン対決」だったが、朱夢軍が1−2から3ゲームを連取し、4−2で勝利を
   収めた。

   ベスト16の内訳を見ると、関東が11人、東海が3人、関西が2人で、関東が強い。
   淑徳大と東富大が3名ずつ、大正大、中央大、愛工大の3校がそれぞれ2名ずつのランカーを生み
   出していた。
   16人中、日本人は7人、留学生選手は9人で、予想通りというか、過半数が留学生選手となった。
   16シードの内、これをキープしてランク入りを果たしたのは12人で、残る4人は32シード以下
   からの進出となった。
   田中(専修大)と王敏(愛工大)は4年連続ランク入りを飾った。湯原(東富大)と白シ吉(近畿大)は
   3年連続のランク入りで、来年、4年連続にチャレンジすることになる。潮崎、藤井の淑徳大コンビと
   大畑(大正大)、柏木(中央大)の仙台育英高OGコンビ、そして夏(龍谷大)は2年連続ランク入り。
   また、キ林(大正大)は去年こそランク落ちを喫していたものの、1、2年時に続く3度目のランク入り
   となった。

  5回戦(ベスト8決定戦)

   最終日の第1試合。

   前年準優勝、第1シードの潮崎(淑徳大)が朱夢軍(愛工大)に敗れた。1−4のスコアは完敗の部類
   だろう。期待が大きかっただけに、潮崎のベスト16止まりは残念だった。

   関東学生決勝戦の再現となった陳微娜(淑徳大)vs劉テイテイ(東富大)戦は、結果も関東学生決勝の
   再現で、劉が勝ち上がった。団体戦なども含めて、年間を通じて見ると陳微娜の方が好成績を収めて
   いるのだが、劉は個人戦になると強い。

   チームメイト2人が敗れ、淑徳大最後の砦となった藤井は、湯原(東富大)と対戦。快調に3−0と
   リードしたところから逆襲を受けたが、第6ゲームを12-10で競り勝ち、4−2で逃げ切っていた。
   フルゲームに持ち込まれたら、あるいは危なかったかも知れない。敗れたとは言え、湯原はこれで
   丸3年間、関東学生でも全日学でもシングルスのランク落ちなし、という安定した結果を残した。
   来年は、パーフェクトランカーの座をかけて戦うことになる。

   仙台育英高時代の同僚対決、柏木(中央大)vs大畑(大正大)は、4−1でシード順通り、大畑が勝って
   いた。

   4年生の留学生対決となったキ林(大正大)vs王敏(愛工大)戦は、1−1、2−2から4−2でキ林が
   競り勝った。また、同じく留学生対決の張魏(朝日大)vs白シ吉(近畿大)戦は、4−1で張魏が勝利。
   ダブルス優勝に続くシングルスでの8強入りで、完全に張魏は今年大躍進した朝日大の顔になった。

   日本人vs留学生の対戦となった曹冬梅(中央大)vs三河(東富大)と夏ティナ(龍谷大)vs田中(専修大)
   は、それぞれ4−0と4−1で、いずれも留学生が勝った。潮崎vs朱夢軍戦と併せて、計3試合あった
   日本人vs留学生の対戦は、留学生の3戦全勝となった。

   ベスト8には、関東から5人、東海から2人、関西から1人が入った。大正大が2人入った以外、
   淑徳大、東富大、中央大、愛工大、朝日大、龍谷大の6校からは各1人が入っていた。日本人は藤井と
   大畑の2人のみで、実に6人が留学生選手。しかも、その内、4人が1年生の留学生選手だった。
   日本人の比率は男子と全く逆だった。
   8シードを守って勝ち上がったのは、藤井、大畑、夏の3人となった。

  準々決勝

   このラウンドで最ももつれたのは劉テイテイ(東富大)vs大畑(大正大)の一戦だった。関東学生の
   準決勝でも実現したこの顔合わせ。その時は4−1で劉が勝っていたが、逆に関東リーグ戦では
   春秋共に大畑が勝っていた。つまり、通算では大畑が2勝1敗でリード。果たして、大畑の留学生
   キラーぶりと劉の個人戦での強さのどちらが勝るか?。出足、大畑は11-9の接戦を連取し、2−0
   リードのスタート。2−2と追い付かれた後も第5ゲームを大畑が取り、王手。そして第6ゲーム
   もジュースにもつれ込み、勝利目前だったのだが…11-13で惜しくもこのゲームを落とす。3−3
   ゲームオールとなった最終第7ゲームは11-7で劉がモノにし、4−3。危ない展開だったが、劉が
   勝ち上がった。大畑は、2年連続のベスト8にとどまった。

   もう1人の日本人、藤井(淑徳大)は夏ティナ(龍谷大)のカットと対戦し、3−1とリード。夏の追撃
   を受けたが、第6ゲームをジュースの末に12-10で取り、4−2で逃げ切った。藤井は2年連続での
   4強入り。一方、夏は2年連続でのベスト8となった。

   曹冬梅(中央大)vsキ林(大正大)の留学生対決は、インカレ、関東秋リーグとキ林が連勝している
   顔合わせ。今回もキ林が4−1で勝ち、対曹冬梅の対戦成績を3戦全勝とした。この結果は、両者の
   相性の問題なのか?、それとも春先に旋風を巻き起こした曹の力が、夏頃から若干落ちて来ている
   のか?(とは言え、全日学の8強入りは十分強いと言えるのだが…)

   東海の1年生留学生対決となった朱夢軍(愛工大)vs張魏(朝日大)戦は、朱夢軍が東海チャンピオンの
   力を見せ、4−2で押し切った。朱にとっては、前日のダブルス決勝の雪辱戦でもあった。張魏は
   惜しくも敗れたものの、インカレを含め、全種目で「新興勢力・朝日大」を強烈にアピールした。

   ベスト4には、全員違うチームの選手が勝ち残った。関東3人:東海1人、という対比よりも、
   日本人1人:留学生3人、という比較の方が実感に近い(ピンと来る)。去年、ベスト4に淑徳大の
   日本人3人が入ったのが近年では例外的な事例で、今年はノーマルに戻ったと言う感じがする。

  準決勝

   1年生の留学生対決となった朱夢軍(愛工大)vs劉テイテイ(東富大)。東海学生チャンピオンと関東
   学生チャンピオンの対戦でもあった。実力伯仲の戦いになるかと思われたが、結果は意外にも劉の
   4−0ストレート勝ちに終わった。しかも、1ゲームもジュースにももつれなかった。

   キ林(大正大)vs藤井(淑徳大)の対戦は、関東春リーグでは藤井が勝っていた顔合わせ。ルール変更を
   挟んで、約半年前の実績がそのまま通用するか?というところだった。1、2ゲーム目は、13-11と
   いうジュースの接戦をキ林が連続して取るが、第3ゲームは12-10で藤井がジュースのゲームを取り
   返す。そのままゲームを連取し、2−2から3−2と、先に王手をかけたのは藤井だった…が、キ林は
   11-3で第6ゲームを奪い返し、ついに最終ゲームに持ち込む。その第7ゲームは、11-8でキ林が競り
   勝ち、4−3。日本人として唯一勝ち残っていた第2シードの藤井は2年連続の銅メダルに終わり、
   キ林は一昨年に続く2度目の決勝進出を果たした。

   決勝には関東の留学生2人が残った。留学生の同士討ちということで、この時点で平成9年以来
   続く6年連続の留学生の優勝が確定した。

  決 勝

   決勝は、劉テイテイ(東富大)vsキ林(大正大)という関東の留学生同士の対戦となった。今年、関東に
   急増した女子留学生の一つの象徴である1年生の関東チャンピオン・劉に対して、キ林は4年生。
   大正大には、蘇迎学、陳媛、馬佳、と強豪留学生の伝統があり、キ林もこの流れの一部。一昨年の決勝
   では宋暁薇(当時、近畿大)に2−0から逆転され、2−3で惜敗していたキ林だったが、今回はラスト
   チャンスをモノにしたいところだった。なお、この両者は、今年、千葉インカレの準決勝で対戦し、
   この時は劉がストレートで勝っていた。

   試合は、第1ゲームをキ林が11-4で先取したものの、第2ゲームからはジュースの連続を劉が取り
   続ける。第2ゲーム・12-10、第3ゲーム・15-13、第4ゲーム・13-11。3−1と王手をかけた劉は
   第5ゲームも11-5で取り、4−1。見事に1年生優勝を決めた。

   劉テイテイは、関東学生の単複2冠王に続く全日学シングルス優勝で、個人戦での強さを強烈に印象
   つけた。関東リーグ戦では、春秋と2シーズンを通算して5勝5敗と、勝率5割でしかないので、
   意外と言えば意外な優勝だった。(関東チャンピオンの日本一を意外というのもおかしいが…)。
   今年、4年制大学として新制成った東京富士大は初の全国タイトルで歴史に校名を刻んだ。
   前身の富士短大時代から通算しても、昭和53年の神田絵美子以来、24年ぶり4人目(4度目)と
   いうことで約四半世紀ぶりの栄冠となった。ダブルスでは平成3年に阪井・道広組が優勝しているが、
   これさえも、もう10年以上前の話になった。時が経つのは早いもんだ。(オッサンモード、オン)。
   さて、これで来年は関東でも日本でも、「チャンピオン」の肩書きを背負って戦うことになるが、
   果たしてこれに恥じない結果を出せるか?。団体戦ではエースとして7〜8割程度の勝率は欲しい
   ところ。また、先輩達が成し得なかった「連覇」への期待もかかってくる。

   キ林は、全日学シングルスの2個目の銀メダルを手にした。1年時はベスト4で銅メダルを手に
   しており、安定性はあったが、ダブルスで2回手にした金メダルは、ついにシングルスでは取り
   損なった。こう留学生選手が多いと、留学生同士討ちの連続を切り抜けねばならず、よほどの実力、
   プラス運がなければ、なかなか栄冠を手にするのは難しい。チームとしても平成10年に先輩の
   馬佳が1年生優勝を果たして以来、4年ぶりの優勝が目前だったのだが…、残念だった。
男子ダブルス

 コメント:

  3回戦まで

   1、2回戦では、接戦、熱戦はあったものの、大きな番狂わせはなかった。シードの敗退が出始めた
   のは3回戦。
   第2シードの並木・川口組(明治大)が宮下・野田組(青森大)に0−3ストレートで敗退した。また、
   8シードで優勝候補の一角かと見られていた三田村・加藤組(青森大)は足立・門野組(明治大)に
   2−1から逆転され、2−3で敗退した。ここでの青森大vs明治大の直接対決は、いずれも番狂わせ
   の1勝1敗となった。しかし、三田村組がランク決定戦前の早々に消えるとは…。
   その他、16シードの柳田・藤井組(明治大)は大場・魚崎組(駒沢大)に2−0からひっくり返され、
   フルゲーム15-17での惜敗。同じく16シードの関東学生準優勝ペア、山田・大谷組(専修大)は
   布川・河又(敏)組(中央大)に0−3ストレートで敗れた。

  4回戦(ベスト8決定戦)

   ランク決定戦となったこのラウンド。何と8試合中、7試合がフルゲームにもつれ込む大接戦と
   なった。

   この時点でベスト16に残っている顔ぶれの中で、最も優勝に近いと思われたのは田勢・陳晨組
   (青森大)だった。この後のシングルスでも1位(陳)と3位(田勢)に入った個々のポテンシャルの
   高い2人で組んだペアで、田勢は宋海偉と組んで去年優勝しているディフェンディングチャンピ
   オンでもあるだけあって、ダブルスも上手い。強豪の同僚、三田村組は既に敗退し、優勝への条件は
   整っているように見えた。…が、何と、ノーシードから勝ち上がって来た布川・河又(敏)組(中央大)
   に2−1から逆転され、敗退した。三田村組に続き、田勢組までもランクを逃すとは、青森大に
   とっては大誤算だったと言えるだろう。

   フルゲームジュースの試合を凌いでランク入りしたのは大野・深町組(福岡大)。留学生ペアの徐振・
   馮殿宇組(大経法大)に終始リードされながら、最後は13-11で競り勝っていた。

   唯一、もつれなかった試合は、近藤・中村組(愛工大)が足立・門野組(明治大)にストレート勝ちした
   試合だった。関東学生では大量4ペアをランク入りさせた明治大だったが、今大会は一転してノー
   ランクとなった。ベスト16に足立組1ペアのみというのも少ない。

   ベスト8には、青森大と愛工大から2ペアずつ、中央大、筑波大、近畿大、福岡大からそれぞれ1ペア
   ずつが入った。地域別で見ても、東北、関東、東海が2ペアずつ、関西と九州が1ペアずつで分散して
   いる。しかし、青森大勢は、エースダブルスとセカンドダブルスが敗退しながら8強に2組をネジ
   込んだ。場合によっては8強に4組入る可能性もあったということだ…。凄い。
   シードを守って8入りを果たしたのは3ペアのみで、過半数は16シード以下からの進出だった。

  準々決勝

   4試合中3試合がフルゲームにもつれ込んだ準々決勝。ランク決定戦に続き、大接戦が続出した。

   第1シードの三浦・川崎組(青森大)は大野・深町組(福岡大)に3−0ストレートで勝ち、2年連続の
   4強入りを決めた。

   近藤・中村組(愛工大)は脇ノ谷・橋本組(近畿大)を2−0とリードしたが、ここから大逆転負け。
   フルゲームジュース、13-11で第4シードの近畿大ペアがギリギリの勝利を収めていた。

   関東同士の対戦となった布川・河又(敏)組(中央大)vs高森・宮坂組(筑波大)は、高森組有利を予想
   した。2−0と高森組がリードした時は、予想通りかと思ったが、ここから布川組が3ゲームを連取
   し、試合をひっくり返して逆転勝ちしていた。何と、中大ペアはノーシードからメダル獲得の地位
   まで駆け上がった。

   宮下・野田組(青森大)は、第2シードペアを破った勢いでここまで進出し、今福・成紅光組(愛工大)に
   対しても2−1とリードし勝機十分だったが、フルゲーム11-9の大接戦の末に惜敗した。結果論
   だが、優勝した今福組が最も苦戦したのはこの宮下組だった。

   ベスト4には、東北(青森大)、関東(中央大)、東海(愛工大)、関西(近畿大)と、各地域からのペアが
   勝ち残った。

  準決勝

   第1シードvs第4シード、というシード通りの順当な顔合わせとなった三浦・川崎組(青森大)vs
   脇ノ谷・橋本組(近畿大)。1、2ゲームを比較的楽に青森大ペアが取り、このまま行くかと思われた
   が、近大ペアは準々決勝に続き、ここでも2ゲームスダウン3ゲームスアップの大逆転劇を演じた。
   青森大は、去年の田勢・宋組に続く「チームとしての2連覇」を逃し、また、今年のインカレに続く
   優勝を逃した。この後、シングルスではベスト4に3人入った上でワンツーフィニッシュする強さ
   を見せていただけに、このダブルスを取っていれば、団体、単、複の3種目完全制覇だったのだが…。

   ここまで、接戦の連続をくぐり抜け、破竹の快進撃をしてきた布川・河又(敏)組(中央大)だったが、
   今福・成紅光組(愛工大)には1−3で敗れた。しかし、ノーシードからここまで勝ち上がるとは、
   本人達を含め、誰も予想していなかったハズで、その活躍は評価される。3年半前、関東新人戦の
   ダブルスで優勝して大学生活をスタートさせた時は、高校時代の全国的知名度が高くない者同士で
   「……誰?」と思ったことを思い出した。時が経つのは早いもので、入学して来たと思ったら、もう
   卒業か…(オッサンモード全開で回顧中)。

  決 勝

   決勝は、4シードの脇ノ谷・橋本組(近畿大)vs8シードの今福・成紅光組(愛工大)の対戦となった。
   強豪ペア同士の対戦ではあったが、この時点で決まっていたシングルスのベスト32に入っていた
   のは脇ノ谷のみ。後の3人は揃って3回戦負け(ベスト64止まり)した直後だった。その意味では
   ちょっと意外な顔ぶれでもあった。特に成紅光あたりはシングルスでも優勝争いに絡んで来るかと
   思っていたのだが…。

   さて、愛工大ペアのサーブではじまった第1ゲームは、近大ペアが5-0とリードする出足。中盤、追撃
   を受けたものの、9-4と5本差をキープし、10-7でゲームポイントを握る。誰がどう見ても近大ペアが
   取らなければならない展開だったが、愛工大ペアは何と10-10のジュースに追い付く。さらに11-11、
   12-12のジュースアゲインを繰り返した末に、成の一発ドライブが決まり、13-12。最後の1本は
   脇ノ谷が空振りし、14-12。何と、愛工大ペアが大逆転でゲームの先取に成功した。

   第2ゲームは橋本のサーブでスタートした。ほぼ互角の競り合いが1-1から8-8まで続いたが、最後は
   愛工大ペアが3本連取し、11-8。ゲームを連取した。

   2−0と優勝に王手をかけた愛工大ペアながら、近大ペアは準々決勝、準決勝と連続して0−2からの
   逆転勝ちを果たしている。(その前の8決定戦も1−2からの逆転勝ち)。「2度あることは3度ある」
   と行くか?。

   第3ゲームは今福のサーブでスタートしたが、いきなり愛工大ペアが4-0とリードする。後がない
   近大ペアには重いビハインド。さすがに近大サイドもここでタイムアウトを取り、流れを変えよう
   と試みるが、再開後、成のサーブからの展開などで、何と7-0まで離される。さすがにこの差は大き
   過ぎた。こうなると後は愛工大ペアが優勝を意識して自滅するか、近大ペアが開き直って行くしか、
   逆転の可能性はない。2-7、6-8までは追い上げを見せた近大だったが、追い付くまでには至らず、
   終盤は1本ずつ取り合うものの8-10でチャンピオンシップポイントとなった。最後は脇ノ谷の
   サーブから橋本が3球目を空振りして11-8。愛工大ペアは3−0で初優勝を飾った。

   愛工大からの優勝は、一昨年(H12)の王海軍・遊佐組以来、2年ぶりとなった。その前はH10の石岳・
   王海軍組で、ここのところ2年に1回、偶数年に優勝していることになる。なお、今大会、男女単複の
   4種目は全て外国人留学生絡みのチャンピオンが誕生し、今福は唯一の日本人チャンピオンと
   なった。(2年前の遊佐も同じ立場だった)

   惜しくも優勝を逃した近畿大ペアは、去年のシングルスワンツーフィニッシュペア(今年の
   シングルス第1・第2シードペア)ということで注目を集めたが、最後の最後、決勝で惜しくも
   ストップした。去年のシングルスに続く2つ目のメダルは銀色だった。


女子ダブルス

 コメント:

  3回戦まで

   女子ダブルスは早いラウンドから番狂わせが相次いだ。
   シードペアの初戦である2回戦から8シードの鮎田・大畑組(大正大)が2−0から2−3の大逆転
   負けを喫し、棄権した樋野・射場山組(朝日大)と共に消えた。16シードでも川越・松野組(近畿大)、
   李・石脇組(東筑紫短大)、白・高橋組(近畿大)、竹内・夏組(龍谷大)、王・任組(南九州短大)と5組もが
   初戦で消えた。
   さらに、続く3回戦では、8シードの阿部・馮暁雲組(東北福祉大)と増田・清水組(神戸松蔭女大)が
   敗退する。東北学生チャンピオンの阿部・馮組は、負けた相手の加登・小森組(青学大)が結果的に
   ベスト4まで勝ち上がる強豪だったと言う事で、アンラッキーな面も少しはあるが…。
   結局、16シードされたペアの中で、シードを守ってベスト16入りしたのは半分以下の7ペアに
   過ぎなかった。

  4回戦(ベスト8決定戦)

   ランク決定戦で、第1シードの田阪・桃林組(立命館大)が、佐藤(麻)・キ林組(大正大)に1−3で
   敗れた。ダブルスの名コンビもキ林の実力の前にランク落ち、ということか。これでキ林は4年連続
   でダブルスのランク入りを果たした。(去年までのパートナーは馬佳)。その他の第2〜第4シード
   の各ペアは危なげなく勝ち上がっていた。

   8シードの湯原・劉テイテイ組(東富大)は、日高・小林組(青学大)に常にゲームをリードされる
   苦戦だったが、フルゲーム14-12の紙一重で勝ち上がっていた。

   ベスト8には、淑徳大から2ペアが入り、あとは6校から1ペアずつが入った。地域別では関東から
   6ペア、東海から2ペアのランク入りだった。関東が圧倒的占有率を誇っているが、結果的に決勝
   だけは東海勢の同士討ちで持って行かれてしまうことになるのだが…。
   シードを守って8入りを果たしたのはちょうど半分の4ペアということになった。
   ランク入りした8ペアの16人中、日本人は9人、外国人は7人だった。

  準々決勝

   準々決勝4試合中、3試合は3−0ストレートで勝負がついた。第2シードの潮崎・藤井組(淑徳大)、
   第3シードの王敏・朱夢軍組(愛工大)がストレート勝ちしたのは順当だったが、ノーシードの加登・
   小森組(青学大)が佐藤(麻)・キ林組(大正大)にストレート勝ちしたのは意外だった。確かに青学大
   ペアは、比較的ダブルスに定評があったが、大正大ペアは第1シードペアに勝って来ていただけに…。

   関東チャンピオンペア、湯原・劉テイテイ組(東富大)vs東海チャンピオンペア、王金・張魏組(朝日大)
   の試合はフルゲームにもつれ込んだが、最後は朝日大ペアが1−2からの逆転勝ちを飾った。

   ベスト4には関東の日本人ペア2組と東海の留学生ペア2組が入った。

  準決勝

   ノーシードからここまで勝ち上がって来た加登・小森組(青学大)が、4シードの王金・張魏組(朝日
   大)に3−0ストレートで敗れたのは、シード的にも実力的にも致し方ないところだった。関東の
   2部校となったチームからここまで来たことを誉めるべきなのかも知れない。

   注目された第2シードの潮崎・藤井組(淑徳大)は、意外にも第3シードの王敏・朱夢軍組(愛工大)に
   3−0ストレートで敗退した。世界大学で優勝した「大学世界一」のペアでも「大学日本一」に手が
   届かなかった。藤井は、去年、高橋美貴江とのペアで手にした優勝を今年手放すこととなった。
   今年、千葉インカレに続く淑徳大2つ目の全国タイトルも、この時点ではお預けとなり、結局、
   シングルスも取りそびれて、今年の淑徳大は全国大会では1冠に留まることとなった。

  決 勝

   東海学生選手権決勝の再現となった今大会の女子ダブルス決勝。両ペアとも留学生同士のペア
   リングによる留学生4人の戦いとなった。4シード同士の対戦ということで実力的にもまずまず
   順当なところ。早いラウンドでは番狂わせ続出だった今大会の女子ダブルスも、上位には実力ペア
   が勝ち上がって来た、というところか。

   愛工大は男子で今福・成紅光組が決勝に進出しており、結果的に今福組は優勝。ここで王敏・朱夢軍
   組が優勝を飾れば男女アベック優勝になるところだったが、結果は東海学生の再現で王金・張魏組
   (朝日大)が勝った。しかし、3−0ストレートで比較的あっさり決着がついた。(ちなみに男子の
   今福・成紅光組も東海学生での優勝に続く今大会の優勝だった)。

   朝日大は全国大会では初優勝を飾った。夏の千葉インカレでいきなりベスト4に入り、旋風を巻き
   起こしたが、今度は歴史に永遠に残る栄光の第一歩を刻んだ。特に、今大会はチームの主力である
   樋野と射場山が故障で棄権するという状態だったが、これを乗り越えての栄冠だった。

   王敏・朱夢軍組は優勝こそ逃したものの、シングルスでも朱夢軍が4強入り、王敏が4年連続のランク
   入りという活躍を見せ、総合的な活躍度は朝日大の2人を上回っていた。


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