2011年(平成23年)・卓球10大ニュース

 年末になりましたので、恒例により、私が感じた「1年間の卓球界の10大ニュース」をまとめて
 みたいと思います。
 (ちなみに、8年前(2003年・平成15年)の10大ニュースは → こちらです。
       7年前(2004年・平成16年)の10大ニュースは → こちらです。
       6年前(2005年・平成17年)の10大ニュースは → こちらです。
       5年前(2006年・平成18年)の10大ニュースは → こちらです。
       4年前(2007年・平成19年)の10大ニュースは → こちらです。
       3年前(2008年・平成20年)の10大ニュースは → こちらです。
       一昨年(2009年・平成21年)の10大ニュースは → こちらです。
       去 年(2010年・平成22年)の10大ニュースは → こちらです。)
 「私が感じた」ニュースですので、当然、関東を中心とした大学関連のネタが並ぶことになりました。
 但し、10個のニュースの順位をつけるのは難しかったため、基本的には時間順に並べてみました。


 1.全日本選手権、水谷隼(明治大)、史上初の5連覇達成。

   青森山田高2年の時から、全日本選手権で毎年単複2冠王に輝き続けてきた「日本のエース」・
   水谷。ダブルスでは、惜しくも決勝で敗れ、連覇が「4」で止まったが、男子シングルスでは、
   この種目で史上初の5連覇を達成した。
   また、混合ダブルスにおいて、瀬山辰男・坂本夕佳組(中央大)が優勝を果たした。
   (なお、女子シングルスで石川佳純が22年ぶりの高校生女王となり、一般マスコミを含めて
    大いに注目を集めた)
   なお、関東学連が2年前に新設した選手同士による投票で決定する「年間最優秀選手賞」の男子の
   1位は水谷が第1回から第3回まで、3回連続で全て受賞している。

 2.関東・春リーグ。

   3月11日に起こった東日本大震災の影響で東京選手権が中止になるなど、4月前後の行事が
   軒並み変更を迫られる中、一時は開催が危ぶまれた春リーグだったが、幸い5月に予定通り
   実施された。(1部の前半と2部の会場となった東京武道館は、4月まで被災者の避難場所と
   なっていた)。節電対策で、校歌省略による時間短縮等、様々な対応を余儀なくされた上での
   開催となった。

   震災対応以外では、今年から1部の対戦順に改善が加えられ、大会前半には「上位校vs下位校」の
   対戦カードが、大会後半には「上位校同士」、「下位校同士」の対戦カードが、それぞれ組まれる形と
   なった。(去年までは、佳境の第6戦に「2位校vs8位校」の対戦が組まれるなどがあった)。

   戦績面では、世界選手権(個人戦)・ロッテルダム大会との日程重複により水谷隼が欠場した
   明治大が、宿敵・早稲田大との最終日決戦を制して王座に返り咲いた。大エースを欠いたものの 
、
   平野、神、岡田といった強力な1年生を加えた布陣で、4年生主体(笠原、御内、高岡)の早大を
   破った。早大の春リーグ連覇は「6」でストップした。

   女子では、過去2年間、春(リーグ)・夏(インカレ)・秋(リーグ)の3大会で連続優勝していた
   淑徳大が、世界選手権代表の石垣を欠いて戦った。しかし、男子の明大とは異なり、新戦力は
   なく、層の薄さが響いて大きく戦力ダウン。早々に優勝戦線から後退し、連覇を逃した。
   この間隙を突いて、中央大が24シーズンぶり(12年ぶり)の優勝を果たした。

 3.新人戦。

   一昨年・去年に続き、3年連続で例年より1ヶ月遅れの5月末開催となった新人戦。
   時期には賛否両論あるが、今年に限って言えば、震災の影響で、入学式や始業自体が5月にズレ
   込んだ大学もあり、これらの大学の1年生に出場の道を残すという意味では、結果的に5月末の
   新人戦は好都合となった。

   戦績面では、男子は約10日前の春リーグの勢いそのままに、明治大勢が大活躍。
   ダブルスを神・平野組が制し、シングルスは決勝同士討ちの末に岡田が神に逆転勝ちして優勝
   した。単複2種目を制し、明治大の春リーグからの優勝が続いた。

   女子は、東京富士大が活躍。ダブルスで決勝同士討ちを演じた上(優勝は、伊積(さ)・岡組)、
   シングルスでもベスト4に3人が入った。その中に割って入った劉莉莎(専修大)が暴小雨との
   ゲームオールジュースの大接戦を制して優勝を果たした。

 4.関東学生。

   関東学生は、男子ダブルスで明治大が決勝同士討ち。新人の神・平野組が先輩の松渕・根田組を
   フルゲームの末に破って優勝した。ここまでは、今年、春リーグから全大会全種目優勝が続いた
   明大だったが、シングルスではベスト4に残れず。ここで連勝は途切れた。優勝は、伊積(中大)
   との4年生対決をフルゲームの末に制した明晨(日本大)だった。

   女子でも、ダブルスは決勝同士討ち。東富大の留学生ペアーの徐珍・暴小雨組が、原田・伊積(ひ)
   組にフルゲームの末、勝利した。シングルスでは、新人戦に続いて劉莉莎(専修大)が優勝を
   果たした。

   4種目中3種目で中国人留学生が優勝、特に女子シングルスではベスト4に3人の留学生が入る
   というように、今年も中国人留学生の活躍が目立った関東学生となった。

 5.東大阪インカレ。

   一昨年までは、「全日本大学対抗卓球選手権大会」であった大会名が、去年から「全日本大学総合
   卓球選手権大会・団体の部」に改称されたインカレ。今年は、当初、岩手県で開催予定であったが 
、
   震災の影響で急遽、東大阪に会場を変更して開催されることとなった。急な会場確保の関係上、
   実質2.5日の短期間に、台を増設して多少狭い中での試合消化となった。しかも、大会当日には
   台風が接近し、中止もあり得る状況の中での薄氷を踏む大会開催となった。

   戦績面では、水谷隼が単複にフル回転した明治大が決勝で青森大に3−0でストレート勝ちし、
   2年ぶりの優勝を果たした。
   女子は、石垣と松澤の2枚看板を誇る淑徳大が3連覇を達成し、女子2位タイとなる通算9回目の
   優勝となった。

 6.関東・秋リーグ。

   日程の一部を、初めて墨田区総合体育館で行なった秋リーグ。当初はアジア選手権と日程が
   重複する予定だったが、レバノンの治安悪化によるアジア選手権の延期という事態を受けて、
   水谷隼がフル参戦できることとなった。これにより、明治大が、春リーグ、インカレに続いて
   秋リーグも制する結果となった。敗れた早大だったが、笠原が通算54勝(2敗)という史上
   最高の成績を残した。また、同じく早大からは御内も特別賞を受賞しており、同大学からの
   同時複数特別賞となった。

   女子では、4校が5勝2敗で並ぶ大混戦となり、一時は順位の確定に誤解や混乱が生じる事態と
   なったが、最終的には専修大の26シーズンぶり(13年ぶり)の優勝となった。春の中央大に
   続き、名門校が10年以上ぶり(21世紀初)の復活優勝となったが、混乱による後味の悪さは
   残った。

 7.新潟・全日学。

   一昨年までは、「全日本学生卓球選手権大会」であった大会名が、去年から「全日本大学総合卓球
   選手権大会・個人の部」に改称された全日学は、新潟県・新潟市東総合スポーツセンターにおいて
   開催された。

   男子は、今大会も明治大勢が大活躍を見せた。ダブルスではベスト4に3ペアーが入り、決勝は
   関東学生と同じ顔合わせの同士討ちとなったが、結果も関東学生と同じで、1年生ペアーの神・
   平野組の勝利に終わった。シングルスでは連覇を狙った笠原(早大)を決勝で破った神が初優勝を
   飾った。神は単複2冠王に輝いた。

   女子ダブルスは池田・平野組(東富大)が優勝した。東富大は、全日学で去年の加能・原田組に
   続くチームとしての2連覇を達成した上、今年は新人戦、関東学生と、全て違うペアーでの優勝を
   果たし、ダブルスの強さを見せた。
   女子シングルスは淑徳大の決勝同士討ちとなった。昨年と一昨年の全日学選抜チャンピオン
   同士が全日学の初優勝をかけて争う形となったが、結果は、2年の松澤が4年の石垣を破って
   優勝を飾った。

 8.大阪・全日学選抜。

   全日学選抜は、インカレの会場であった東大阪アリーナの近隣である近畿大学記念会館で
   行われた。関西学連が今年2つ目の全国大会であったのみならず、会場自体が隣接していると
   いう非常に珍しい事例となった。

   戦績面では、男子は全日学を制した神(明治大)が、全日学選抜でも優勝を飾った。これで、神は
   インカレ、全日学単複と併せて、全国大会で4冠を制した。

   女子は、予選リーグ2位通過の劉莉莎(専修大)が、決勝で予選リーグで敗れた中島(早大)に
   リベンジし、優勝を飾った。これで、劉莉莎は、新人戦、関東学生に続き、個人戦の3大会全ての
   シングルスに優勝した。

   全日学選抜は、去年の上田、松澤に続き、2年連続で男女とも1年生が優勝する結果となった。

 9.関東学生チームカップ。

   予選リーグの中止、ブロック分けの変更、下位ブロックを優勝まで決めない、などの大会方式の
   変更があった5年目のチームカップ。参加チーム数は、全体で300を超え、総勢900人以上が
   実際に参戦するマンモス大会となった。

   男子Aブロックでは、春(リーグ)・夏(インカレ)・秋(リーグ)を制していた明治大が、冬(チーム
   カップ)も制し、4冠完全優勝が成るかと思われたが、日程が重複して行なわれた世界選手権の
   男子国内選考会に神と平野が参戦したこともあり、決勝で惜しくも専修大に敗れる結果となった。
   専修大は、男子としては初の外国人留学生となる王凱が、大会途中で故障しながらも活躍を見せ、
   優勝の立役者となった。

   女子は、強豪留学生の宝庫・東京富士大が今年も強く、決勝は同士討ちとなった。ラストまで
   縺れた決勝は、Bチームが優勝を飾った。チームカップ創設5年目にして、初めてAブロックで
   Bチームが優勝した。全く同等の力を持つチームを2チーム編成できる東京富士大の層の
   厚さが証明された。
   これで、今年の女子は、「春・中央大」、「夏・淑徳大」、「秋・専修大」、「冬・東京富士大」と
   全て異なるチームの優勝という結果に終わった。それだけ実力が伯仲していたと言える。

 10.海外遠征。

   関東学連は、2月に欧州遠征(サフィールオープン出場など)、11月に韓国遠征(強化合宿)を
   実施した。
   日学連は、8月に第26回ユニバーシアード(中国・深セン)と日韓交流(新潟)を行なった。
   この内、最大の大会事業であったユニバーシアードでは、日本は男女団体と混合ダブルス(御内・
   石垣組)で準優勝、男子シングルス(松平賢)と男子ダブルス(松平賢・上田組)がベスト4となり、
   銀メダル・3、銅メダル・2、を獲得した。

 ・番外編:大学卓球界以外の出来事。

  ・番外編1 … 東日本大震災で多数の大会が中止、延期等の予定変更を強いられる。

   今年は何といっても3月11日に発生した東日本大震災に触れないわけにはいかない。
   日本社会全般を大きく揺るがした震災は、当然、卓球界にも激震をもたらした。
   その最大のものは震災翌週に予定されていた東京選手権の中止。地震そのもののダメージも
   さることながら、3日後から始まった計画停電が致命傷となった。
   その後、社会の自粛ムードもあり、高校選抜、中学選抜、アジアカップ(横浜)、立川オープンなど
   など、大会の規模を問わず、各大会が軒並み中止に追い込まれた。大学卓球界では、既述の通り、
   インカレの開催地を急遽、岩手から大阪に変更して急場をしのいでいる。
   地震そのものによる施設の損害のほか、電力不足による節電の影響、国際試合においては、
   福島原発の放射能漏れによる健康被害の危惧など、種々の要因が複合的に絡み、来年度以降にも
   影響を残すことは避けられない。

  ・番外編2 … 世界選手権(個人戦)・ロッテルダム大会。

   5月にオランダ・ロッテルダムで行なわれた世界選手権・個人戦で、日本は岸川・福原組の
   混合ダブルスが銅メダルを獲得。男子シングルスでは水谷がベスト8入りし、メダルに迫った。
   但し、世界ランク7位(当時)としては、ランク通りの結果であり、2年前の横浜大会で獲得した
   男子ダブルスのメダルを失うなど、水谷にしては満足とは言えない戦績だった。

   この世界選手権の結果を受けて、直後の世界ランクから、翌年のロンドンオリンピックへの
   水谷、岸川、石川、福原の出場が内定した。

   また、この世界選手権期間中に、2014年の世界選手権(団体戦)の日本(東京)開催が決定した。
   震災からの復興のシンボルとなることが期待されているが、原発事故の収束も不透明な中、
   果たして、外国人選手の出場辞退なく、成功裏に開催出来るか?

  ・番外編3 … 木村隆文氏、死去

   青森山田学園理事長、青森山田高校長の木村氏が11月 28日、71歳で逝去された。
   ここ10年余りの青森山田勢の躍進は、今更言うまでもない。日本のトップ、特に男子は、
   9割以上が青森山田関係者。その礎を築いた人だった。


 卓球のページへ