2009年(平成21年)・卓球10大ニュース

 年末になりましたので、恒例により、私が感じた「1年間の卓球界の10大ニュース」をまとめて
 みたいと思います。
 (ちなみに、6年前(2003年・平成15年)の10大ニュースは → こちらです。
       5年前(2004年・平成16年)の10大ニュースは → こちらです。
       4年前(2005年・平成17年)の10大ニュースは → こちらです。
       3年前(2006年・平成18年)の10大ニュースは → こちらです。
       一昨年(2007年・平成19年)の10大ニュースは → こちらです。
       去 年(2008年・平成20年)の10大ニュースは → こちらです。)
 「私が感じた」ニュースですので、当然、関東を中心とした大学関連のネタが並ぶことになりました。
 但し、10個のニュースの順位をつけるのは難しかったため、基本的には時間順に並べてみました。

 1.全日本選手権、水谷隼(明治大)、史上初の10代での3連覇達成。しかも3年連続単複2冠王。
   青森山田高時代に既に全日本選手権で2年連続単複2冠王に輝いていた「日本のエース」・水谷が
   大学1年でも引き続き、単複2冠王の座を守り、3連覇を達成した。10代での3連覇達成は
   史上初の快挙。青森山田高、ドイツ・ブンデスリーガ、中国・スーパーリーグ、といった厳しい
   世界を渡り歩いてきた中で、大学でも変わらぬ活躍を見せた。
   なお、関東学連が新設した選手同士による投票で決定する「年間最優秀選手賞」の初代1位も
   男子は水谷がダントツで受賞した。

 2.関東・春リーグ。
   世界卓球・横浜大会がゴールデンウイークに開催された関係で、これを避け、新人戦は1ヶ月
   遅れの5月末へ後倒しとなり、関東学連最初の大会は春リーグとなった。
   1部8校制2年目の今年、男子は「世界卓球銅メダリストの水谷を擁する明治大が優勝候補筆頭」と
   見られており、実際、全勝で最終日を迎えたが、最後の早明戦で痛恨の敗戦。戦前の下馬評を覆し、
   早稲田大が逆転で春リーグ5連覇を達成した。
   女子は、去年から続く淑徳大vs早稲田大の2強時代。両校は最終日に全勝同士の直接対決となった
   が、福原の休部などでやや戦力がダウンした早稲田大が3連覇を逃し、去年は無冠だった淑徳大が
   一昨年以来の団体戦優勝を飾った。かつての指定席への返り咲きとなった。

 3.新人戦。
   例年より1ヶ月遅れの5月末開催となった新人戦。参加増を見込んで、初日は、駒沢2会場使用の
   32台進行で行なった。
   男子シングルスは、岩崎(早稲田大)が優勝。優勝候補筆頭と見られた根田(明治大)はベスト8に
   留まった。また、日本大勢は、男子ダブルスで川端・鈴木組が優勝を果たし、シングルスも準優勝の
   川端(2冠王目前)と2年連続ベスト4の河辺という活躍を見せた。(去年は、明晨が単複2冠王)。
   女子シングルスは、強豪の中国人留学生・馬文テイ(日本大)を決勝で破った伊積(東富大)が優勝を
   飾った。女子ダブルスは、加藤・中島組(早稲田大)が優勝した。

 4.関東学生。
   ユニバーシアード・セルビア大会直前に開催された関東学生。ユニバーシアード代表選手の出場の
   可能性を考慮し、日程を1日でも早めて3日間に短縮し、その代わり初日は、駒沢2会場使用の
   36台進行で行なったが、残念ながら、結果的にはユニバーシアード代表選手は欠場となった。
   男子は、「水谷以外には敵なし」の強さを誇る笠原(早稲田大)が、前評判通りの強さを発揮し、単複
   2冠王を獲得した。(ダブルスパートナーは、足立)。これで、早大男子は、今年上半期のここまで、
   各大会で優勝を達成したのに対し、常に優勝候補筆頭格の明治大は、優勝争いに絡みながらも
   タイトルゼロという状況だった。ユニバーシアードによる水谷の不在は、早明両校の勢力図に
   大きく影響した。
   女子は、ただでさえ留学生が強い状況に加えて、有力日本人選手のユニバーシアード参戦による
   不在ということで、例年にも増して留学生の活躍が目立った。女子ダブルスでは、劉テイ・徐珍組
   (東富大)の留学生ペアーが優勝し、シングルスではランキング6位まで内、5人が中国人留学生
   選手という状況だった。決勝も留学生対決となり、新人戦で優勝を逃した馬文テイ(日本大)が
   前年度全日学選抜優勝の高(専修大)を破って1年生優勝を果たした。

 5.京都インカレ。
   男子は、前年優勝の青森大が部員不足(松平賢二と王子康以外は一般生)で予選リーグ敗退(全敗)
   という展開で幕を開け、ベスト4は関東勢が独占した。決勝は、大方の予想通り、早明戦となり、
   水谷vs笠原のゴールデンカードが単複で実現。結果は、水谷が2勝し、チームとしても3−1で
   明治大が早稲田大を破り、11年ぶり12回目の優勝を飾った。11年ぶり、ということで、前回の
   優勝は平成10年(1998年)の20世紀末。4連覇を達成した当時の主力は、遊澤、倉嶋、神、木方
   だった(MVP=敢闘賞は遊澤)。21世紀初の優勝のMVP=殊勲賞は水谷となった。
   女子は、去年、台風の目となった立命館大が、若宮の中退などで戦力ダウン。決勝は、淑徳大vs東富大
   の関東同士による対戦カードとなった。前年に連続決勝進出が「8」でストップした淑徳大が1年で
   指定席とも言える決勝の舞台に復活し、山梨、小野の4年生コンビの単複に渡る活躍で、3年ぶり
   7回目の優勝を達成した。しかし、10年間で、優勝7回、準優勝2回、ベスト4、1回。メダルを
   逃したことがないというのは凄い。なお、今年のMVP=殊勲賞は、3年前のMVP=敢闘賞と
   同じく山梨だった。春リーグに続くチーム優勝で、春リーグに続くMVP獲得となった。

 6.関東・秋リーグ。
   9月の大型連休・シルバーウイークを含む日程で行われた秋リーグ1部。
   男子は、上半期でタイトルを逃し続けた明治大が、インカレ優勝で本領を発揮したのに続き、この
   秋リーグでも前評判通りの実力を見せ、全勝優勝を飾った。最終戦の早明・全勝対決はラストまで
   もつれる混戦となったが、最後は地力で押し切った。これで明治大は秋リーグを5年連続で制覇。
   春を5年連続で制している早大と並んで、「春の早大、秋の明大」という戦績が鮮明に出ている。
   女子は、春(リーグ)、夏(インカレ)を連覇している淑徳大が、最終日を待たずに秋の優勝も決めた。
   そして、最終日は主力を外したオーダーで、ライバルの早大に競り勝ち、全勝優勝で締めた。
   去年は、団体戦の全タイトルを失った淑徳大だったが、今年は3大会連続優勝を果たす、見事な
   雪辱ぶりだった。山梨と小野の2人の4年生が揃って特別賞を受賞したが、同じ大学から同時に
   複数の特別賞プレーヤーが出ることは珍しく、その意味でも、この2人の強さは特筆されるレベルの
   ものだった。なお、山梨は、今年の団体優勝3大会の全てでMVPを受賞している。

 7.横浜・全日学。
   2年連続で関東学連主管となった全日学は、今年は世界卓球の余韻も残る横浜の地で行なわれた。
   前年は男女ともに1年生の単複2冠王が誕生し、今後数年の動向が注目されていたが、男子の松平
   賢二(青森大)は、ドイツ・ブンデスリーガ参戦のため今年は欠場、女子の若宮(立命館大)は、夏の
   ユニバーシアード後に中退、ということで、2人とも不在というまさかの幕開けとなった。
   去年は屈辱の無冠に終わった地元の関東勢は、こういった他学連の自滅的な流れもあって、今年は
   ほぼ上位を独占する形で勝ち上がり、面目を保った。
   男子シングルスは、明治大勢がインカレ以降の良い流れをキープし続け、ベスト16に7人、ベスト
   8に5人、ベスト4に2人、と、上位のほぼ半分を占め続け、最後は「日本のエース」である水谷が
   優勝を飾った。関東学生王者の笠原(早大)も、決勝に進出し、互角に近い戦いを展開したが、最後は
   水谷に押し切られた。インカレに続く、全国大会決勝での水谷に敗れての準優勝は、「水谷以外には
   敵なし」を良くも悪くも証明する形となった。
   なお、男子ダブルスでも、明治大勢はベスト8に4組、ベスト4に2組と、上位の半分を占めたが、
   その明大勢を破って、優勝は中央大の森田・瀬山組が奪取した。
   女子は、早稲田大と淑徳大の関東の2強が活躍。ダブルスでは、決勝で早大ペアーが同士討ちを
   演じ、照井・中島組が初優勝を果たした。シングルスでは、早稲田大と淑徳大の両校とも4名ずつが
   ベスト16入り。ランクの半分を両校で占めた。ベスト4には淑徳大から3人が入ったが、その
   中に割って入った照井が、故障を抱えながらも優勝を果たし、単複2冠王に輝いた。なお、早大の
   女子としては、単複共に初の全日学優勝だった。

 8.関東学生チームカップ。
   過去2年間とは異なり、Dブロック、Cブロックは夏休み期間中の8〜9月に、Bブロック、
   Aブロックを10月末に行なった3年目のチームカップ。BブロックとAブロックは、ビッグ
   ゲームの会場として定着している東京武道館で行なわれた。
   男子は、やはり明治大が強く、ベスト8に3チームが入った。決勝は、またしても早明戦となり、
   明治大Aが、2年ぶり2回目の優勝を達成した。3人全員が全日学ランカー(軽部、池田、甲斐)と
   いう布陣で、前年の不振(ベスト8入りゼロ)からの復活を遂げた。早稲田大は2年連続での
   準優勝となった。
   女子は、前年決勝同士討ちを演じた東富大が今年もベスト4に2チーム入ったが、今年は準決勝で
   揃って敗れ、大学の連覇も2でストップ。決勝は、早稲田大Avs専修大Aの対戦となり、ラストまで
   もつれた接戦の末に早稲田大が初優勝を飾った。男子の明大同様、3人全員が全日学ランカー
   (照井、亀崎、中島)という強力布陣ではあったが、留学生のいない日本人のみで構成された女子
   チームが優勝したことは快挙と言えた。

 9.愛知・全日学選抜。
   第6回目を迎えた全日学選抜は、5年前に第1回大会が行なわれた愛知県名古屋市の枇杷島
   スポーツセンターに「里帰り」して行なわれたが、男女とも全日学チャンピオンが欠場した初の
   大会となるなど、残念な点もあった。
   男子は、明治大勢がベスト16に5人入ったものの、ベスト8には残れないという意外な結果に
   終わった。東アジア大会直前のため欠場となった水谷の不在が大きかった。明大失速の一方で、
   早稲田大勢は出場した3人全員がベスト4に入る大活躍。決勝は、笠原(早大)vs胡(埼工大)戦と
   なり、前日の予選リーグ(5ゲームスマッチ)ではゲームオールジュースで惜しくも敗れていた
   笠原が、4−0で雪辱を果たし、全国優勝を達成した。「水谷以外には敵なし」を改めて証明した。
   女子は、一昨年準優勝、去年優勝の高ユウヤオ(専修大)がベスト8入りを逃すなど、例年のような
   留学生選手旋風は吹かず、日本人選手の健闘が光った。特に、淑徳大勢は全日学に続き、ベスト4に
   3人が入る活躍を見せ、決勝は小野vs石垣の同士討ちとなった。この時点で、全日学選抜創設6年目
   にして初の日本人の女子チャンピオンが誕生することが確定し、結果的に、ナショナルチームにも
   定着している石垣が、その座をつかんだ。
   また、この全日学選抜の結果、今年の大学の全国大会(インカレ、全日学単複、全日学選抜。男女計
   8種目)は、全て関東学連が制覇した。去年、8種目中1種目(全日学選抜・女子の高)しか関東が
   取れないという大惨敗から一転しての好成績となった。(青森大、立命館大など、他学連の大学の
   自滅に救われた側面は大いにあるが…)

 10.その他の大会、及び海外遠征。
   関東学連では、23回続いていたニュートライアルを今年から中止し、また会長杯において一部、
   大会概要の変更を行なった。(女子3部を、従来のAブロックからBブロックに移行。また、男女
   共に、Bブロックの上位者(単上位4名、複上位2組)のAブロックへの勝ち上がり制度を新設)。
   海外遠征としては、関東学連は、2月の欧州遠征(サフィールオープン出場など)、11月の韓国遠征
   (強化合宿)を実施。
   日学連は、7月にユニバーシアード・セルビア大会に参戦し、石垣(淑徳大)が女子シングルスで
   銀メダルを獲得したのをはじめ、各種目で活躍を見せたが、金メダル獲得は成らなかった。なお、
   水谷(明治大)は2年生ながら、「全種目を通じての日本選手団の主将」という大役を任され、この
   重責を果たした。(なお、日本選手団の旗手は水泳背泳ぎの入江)。
   その他、8月には日韓交流が行なわれ、日本開催の今年は、東海・関西地域で実施された。

 ・番外編:大学卓球界以外の出来事。

  ・番外編1 … 世界選手権(個人戦)・横浜大会。
   2001年の大阪大会以来8年ぶり6回目となる日本開催の世界選手権は、ビッグイベントの
   メッカ・横浜アリーナで、4月28日(火)から5月5日(火・祝)までの1週間余りに渡って行なわ
   れた。「ゴールデンウイークは卓球だ」をキャッチフレーズに、テレビ東京をはじめ、各種マスコミが
   大会前から大きく取り上げたこともあり、1万人を超える観客の応援で連日大いに盛り上がった。
   戦績面でも、男子ダブルスで、水谷・岸川組が同種目12年ぶりの銅メダルを獲得したのをはじめ、
   男子シングルスの吉田、女子シングルスの石川、女子ダブルスの平野・福原組、がベスト8入りし、
   各種目でメダル争いを演じた。
   優勝は、大方の予想通り、5種目全てを中国が独占した。しかも、5種目全ての決勝戦は中国勢に
   よる同士討ちだった。男女のベスト4を全て中国が独占したのみならず、主力選手が出場しな
   かった混合ダブルスでさえも中国がベスト4を独占した。前年夏の北京五輪以降の接着剤(グルー)
   規制から半年余り。「中国勢は新ルールで大いに影響を受ける」という前評判もあったが、結果的
   には、今回も「強過ぎる中国」だった。

  ・番外編2 … 藤井基男氏、死去
   世界卓球・横浜大会開幕直前の4月24日、藤井基男氏が76歳で逝去された。
   元・名選手であるのみならず、指導者、役員、ジャーナリスト、研究家、といった多様な面で卓球界を
   陰で支えた存在だった。表舞台で目立った故・荻村伊智朗氏などに比べると、一般での知名度は
   高くはないが、故人を偲ぶ専門誌の特集記事などは、勝るとも劣らないもので、「知る人ぞ知る」
   存在だった。

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