![]()
| 模型界の夏の商戦も真っ盛りという時期ですが、皆さんは新作は買いましたか? 僕も数種買いましたので、勝手にレビューをしてみたいと思います。
模型界は結構辛い状況にあるという話を最近良く聞きます。なかなか儲からないのだとか・・・。 僕が模型を作り始めたきっかけは、簡単に言うと「出来の良いミニカーが無かったから」という事になります。あの当時(80年代中頃〜90年代前半)のミニカーといえば正直トミカを拡大しただけのようなものばっかりでしたから、フジミの7thスカイラインなんてカッコ良くみえたものです。 しかし時は流れてミニカーの出来はとても良くなり、今や写真の撮り方次第では実車と見まごうようなミニカーが沢山、当然完成品の状態で売られています。今や、食玩ですら(という言い方はバカにしすぎかもしれませんが・・・)すごい仕上がりなんですから、ミニカーだけが進歩しないというのも変な話ですもんね。 と、来れば思うのは「こんなミニカーがあるなら、模型なんて作らないかもしてないなぁ」なんて事。 買ってくれば直ぐに展示、コレクションできるミニカーの出来が素晴らしいなら「わざわざ作る手間なんて掛けなくても・・・」というのも一理あります。 模型作りの楽しさは十分理解してると思いますが、そういう言ってみれば「オタク」的な考えを無視して冷静に考えれば、模型は「塗料・工具等別売りで結構高い」とか「塗装って結構テマとコツが入る上に、スプレーって結構飛び散るね」とか「おまけにキレイに作れない」など言い出すとネガばかりが出てきます。テマ、コツ、創意工夫が死語になりかけてきた現代において、なんとなく模型界の不調の原因がわかる気がします。また、投資を回収しようとすれば、一個辺りの単価が上がるのも無理の無い話です。 さらに、追い討ちを掛けるように、この「塗装済み」「カット済み」「エンブレム印刷済み」というミニカーを「組み立てずに(ここポイントです)」パッケージした組み立てキットが登場します。 これは・・・模型界にとってはけっこう脅威ではないのか? 上記で考えた模型のネガがほぼ完全に無くなり、組み立てる楽しみだけ残ってるという商品。 しかも完成品販売を前提にしたミニカーは組み立てがとっても簡単なんですね。そりゃ、ちょっとヤスリ掛けが・・・なんて必要が出来たらラインストップは必至ですから。 おまけにコレ、高くない。 BMW・ミニで比較した場合、フジミキットの2,415円に対してWELLYは1,500円。 ひいき目に見ても初心者の呼び込みと言う点に関しては模型に勝ち目は無い。 因みにこれを輸入販売したのは驚くなかれフジミ模型梶B どういう意図か? は知る由もないですが、WELLYの販売で利益を出して、模型を続けるという魂胆なら僕は大歓迎であります。
模型メーカーは各社それぞれ特色がありますが、一番時流を読むのがウマイのはこの会社。 一時、実車登録台数1位になり、アフターメーカーも活発に動くであろうオデッセイを早速の製品化です。このキットの構成を見ているといろいろな事がわかります。 ・前後バンパー、サイドステップ別体 ・車高、キャンバー独立選択式のサスパーツ(エアロ形状への幅広い対応) ・奥まったサスパーツと、スペーサーによるトレッド調整(別売りホイールへの対応) ・効率的で無駄がないよう考えられたランナー構成(不要ランナーを極力付属させないため) う〜んさすが。バリエーション展開を前提に標準車も出したという二兎を追ったような商品。 ここでコトワザならば「一兎も得ず」となりますが、このキットは元の設計が秀逸な為、どっちも十分に捕獲できてます。 目立たないように考えられたパーティングライン位置や、合いの良いパーツ、効率的な分割は、そのまま作りやすさに反映され、極端な話、塗装含めて3日で作ってしまう事も可能です。出来の悪いキットでは、とても出来ない芸当ですね。 それにしても珠に瑕なのはリアバンパー。上から見ればコの字型になるバンパーは、もともとホイールハウス側が開きがち。前後長が長くなるリアバンパーは特にこの傾向が強くなります。 しかも、なぜかアオシマは特に開きたがる傾向が強い(ランナー位置や樹脂の流れ方の都合でしょうか?)のに、ボディ側に接着シロを付けるのみで、バンパー側にガイドが無く、とても接着しにくいという問題があります。バンパー側にちょっと凸を付けて、ボディに入り込むようにすれば一発で解決する問題なので、万一、アオシマさんの関係者の方が読んでいらっしゃったら、次回のバリエーション展開からはご一考願いたいと思います。
やたらに当たりハズレの激しいフジミ。 経験的には10台中、8台が中上〜中下の間にあり、1台が上、もう一台が下という感じ。では今回のミニは?と気かれれば、10台に1台の「上」の中でも、さらに10台に1台の特上、大当たりキットのように思います。 フジミのNo.1はミゼットIIかと思ってましたが、それに追い着くかという勢い。(ミゼットIIは部品点数が少ない分、有利です) こちらもバリエーションを考慮した設計で、パーツの分割等も見事ですが、見所はメッキパーツ。 ドアノブ、ミラーを除く全てのパーツがいわゆるアンダーゲート。表からは見えない位置にゲートが来ますから、タッチアップ全く不要。(ミゼットIIが劣るのはこの点) ウインドウを除くパーツの合いもとっても良いです。外ハメ式のウインドパーツはさすがにピッタリとは行きませんが、良く似た構成を持つ、同社のセフィーロワゴンやアオシマのアコードワゴンに比べれば楽なものです。 フジミキットは長らく、「作りやすい」よりは「製造しやすい」に重点を置いて設計されていたように思います。実車のボディラインと一致しないバンパーの分割、他車種と無理やり共用されたシャーシ、奥行きの無い反射鏡、タイヤに合わせたと思わしきホイール径、「模型内容とは異なる箇所があります」の注意書き・・・ こうした数々の不親切が不満を招き、フジミというだけで拒絶反応を示す人まで生んでしまいました。 フジミの多くの製品がミニのような製品であったなら、フジミ普及いいんかい?は作る必要がなかったのかもしれません。 ミニの別部品化されたルーフやメッキパーツはこうした数々の不満に対するメーカーからの回答でしょうか? それとも、一台限りの突然変異? それは時間が経ってみないとわかりません。 でも、僕はこうした「小さな親切」がフジミスタンダードとなって欲しいと思っています。
僕はまだこのキットは買ってません。なので、組んだ感じはわかりませんが、説明書や構成を見て思った事がありましたので、ツラツラ書いてみます。 最初に組み立て式ミニカーが模型の脅威と書きました。このカレラGTはその対抗策かも知れません。 最近のタミヤ製品を見ると前々回まで、インプレッサ、Z、フィットは簡単製作を考えたキットでした。タイヤはシャフト止め、ランプは着色成型、全体がそれらしい成型色となっています。しかし、その後のエンツォ・フェラーリとカレラGTは、前3作からみればタミヤの技術力を結集した複雑怪奇なキットとなっています。 なぜこうなるのか? おそらく、お手軽方向の模型ではミニカーに勝てないからでしょう。 フィットを例にとれば、確かに無塗装でもそれらしく見えるキットになっていたと思いますが、それでもボディ塗装、窓枠、ウインドウの黒塗り、デカールはなされておらず、自分で仕上げなければなりません。(逆にミニカーは全てやってある) ボディ成型色を実車に似せる試みもありましたが、塗装ではありません。 なぜ? 現在のキットの定価から考えると塗装等を実施すると、おそらく価格競争力が無くなるからでしょう。 仕上がりに妥協 VS 高価格 これでは、どちらでも勝ち目はないように思えます。 ポルシェやフェラーリがお手軽キットだと不満が出るという理由も有るかもしれませんが、それだけではないように思えます。 では、精密再現(つまるところ手間ヒマ掛ける製作)こそが模型か? カレラGTのパーツ分割を見ていると気付く事があります。 特に見える部分(外装・内装)で、色の違う部品はことごとく分割して、マスキングや塗り分けを避けています。 こういった、塗り分けを避ける構成はミニカーに多く見られる手法です。普通ならパーツの合いに不満が出る訳ですが、タミヤなら大丈夫。おそらくピタリでしょう。 精密、繊細を製造者の努力で簡単に作らせる。この内容で3,000円なら不満はありません。 タミヤはカレラGTの製品化にあたって相当の苦労をした事と思います。しかし、その甲斐は十分にあったでしょう。 また、こうした苦労をするのであれば、それに見合った車種である必要もあるとも思います。以前マーチの製品化が話題になりましたが、モノコックにフェンダーを接着していくような構成でマーチが出てきても・・・ねぇ、という気もしますし、それにマーチであれば、それこそ大量にミニカーがある訳ですから・・・。 年1作というのもしょうがない気もします。こうしたキットが前提になるなら、実車にも頑張ってもらわなくてはいけません。 このキットには、模型とミニカーの棲み分け。それぞれの立ち位置というものをはっきり見たように思います。これが、模型界のリーディングカンパニー「タミヤ」の考える模型の有りかた。市場への回答なのでしょう。
まだ、全てが出揃った訳ではありませんが、夏の新製品はどれも魅力的な商品ばかりです。 気に入ったキットを購入して、メーカーを応援してあげましょう! そうした応援が次の新製品を生むのですから・・・ |
|
|